「……『ゴースト』?」
「そう。君が『シルバーレルム』に報告を上げていた残像機だ。
その特徴は『シェファーフント』と一致していた。ウィリアム=ブラッドバーンの乗機と。
エッジワース博士のカルテによれば、君には『ゴースト』との交戦後、『記憶の著しい混乱』が見られたらしい」
「……」
「すまない。この話は今日はもうやめにしておこうか。
覚えのない話をされても、疲れるだけだしね」
「…………」
「大丈夫かい? 具合が悪い?」
「平気よ。少し眠いだけ」
「カーテン閉めとくよ。また来るから」
「ええ、ありがとう。……
……
……、なら。あたしのことは、連れて行かなかったのね」