GM
今回のお茶会は2ラウンド。お茶会MOD『PK追加行動』を適用します。
ということで、PKからの横槍はなし。代わりにPKが計5回動きます。
GM
行動順は基本的にみなさんで相談して決めていただいて大丈夫ですが、相談の後も希望がカブっていた場合はダイスを振って、目の高い方が手番を行います。
GM
反対に、誰も手番を行いたくない場合は、やはりダイスを振って出目の低いほうから手番を開始することとします。
GM
それから、このシナリオには『クエスト』が存在します。
クエスト 『愛の確信』
概要 第七の扉を訪れ、『真夜中の妻』が持つ『青髭公』への想いに疵をつける。
目標値 10
消滅条件 1回成功するか、お茶会終了と同時に消滅。
成功 『真夜中の妻』は青髭公との愛に疑念を抱く。裁判開廷時、配下『真夜中の妻』のHPを-4する。
失敗 『真夜中の妻』は青髭公との愛に確信を抱く。裁判開廷時、配下『真夜中の妻』のHPを+2する(この増加は2回目まで累積する)。
放置 『真夜中の妻』には会わず、彼女の想いは闇に包まれたまま守られる。
1:第一の扉 拷問部屋。ここしばらく使われた形跡はないが、壁には血の跡が残っている。
2:玄関ホール 二階への階段を備えた広いホール。薄暗い空間に、蝋燭の火が揺れている。
3:第二の扉 武器庫。並んださまざまの武器に、古い血がこびりついている。
4:前庭 枯れた噴水の周囲に白い石が敷かれている。今は門扉が閉ざされている。
5:第三の扉 宝物庫。黄金と宝石、絵画に彫刻。そして、それらを汚す小さな血痕。
6:食堂 広々とした室内を、薄暗いシャンデリアが仄かに照らしている。
7:第四の扉 秘密の庭園。瑞々しい白薔薇が咲いている。柔らかい土を踏むと、じわりと赤い血が滲む。
8:図書室 本棚に古びた本が整然と並んでいる。深い緋色のソファがいくつか点在している。
9:第五の扉 遥かな山河。どことも知れぬ『青髭公』の領土。空には血のような色の雲が掛かっている。
10:ベッドルーム 誰かの寝室、あるいはゲストルーム。窓の外は霧に包まれている。
11:第六の扉 涙の湖。銀に輝く湖に、泣き声のような風が吹いている。ここでは何故、こんなに悲しくなるのだろう?
12:礼拝堂 窓のない漆喰塗りの空間。祭壇には摩耗した神の像が置かれている。
0:第七の扉 常にはくらやみが眠っている。
GM
第七の扉は通常入ることができません。
さきほど掲示したクエストに挑戦するときだけ侵入できます。
プリシラ
でも今思うと横槍にティーセットって要るんだな……と思うんですけど
プリシラ
組んだ当時はまあ通るやろ横槍って気分で……
夜明けの妻
私がやるとすればクエストおよび抉りなんですが
あっそういえばPK?の疵とかあるのか?
玄椎 貞女
1d12 シーン表 (1D12) > 9
9:第五の扉 遥かな山河。どことも知れぬ『青髭公』の領土。空には血のような色の雲が掛かっている。
玄椎 貞女
三人の妻たちは、七つめの扉以外には入ることを許されている。
玄椎 貞女
城内を見回るついでに、息抜きとして出入りするによい場所はいくつかあった。
GM
本当にあるのか、それともまぼろしなのか、定かでない。
玄椎 貞女
あの男の心の疵をおぼろげにでも感じて、それでよしとしていた。
玄椎 貞女
それで、こちらもあちらもこの体たらくとは。
玄椎 貞女
息を吸う。公と自分たちは、夫と妻という契約関係。
玄椎 貞女
公の愛を受け取り、庇護を受け、生活を維持し、これまでやってきた。
玄椎 貞女
それは、真夜中の妻が来ても変わることはなかったのだが……
玄椎 貞女
いささか、居心地の良さを守るために、穏便にやりすぎたのかもしれない。
玄椎 貞女
この堕落の国に落ちてきて、二度と会うことはできないだろうと諦めた、分かたれた家族のことを、この場所に見出しているゆえに。
玄椎 貞女
こうして踏み出すにも、気合を入れる必要があった。
玄椎 貞女
身をひるがえし、歩き出す。目指すは──公とユディットがいるであろう、七つめの扉へ。
GM
城の中は基本的に静かです。小さいとはいえ、城の中に五人きり。
玄椎 貞女
勝手知ったる城内を、いつもの通りに大股に歩いていく。
玄椎 貞女
いつもは前を通り過ぎるだけの七つめの扉の前へ立つ。
GM
扉も、鍵も、開けたことはない。そこに何があるのか知らない。
玄椎 貞女
暗黙の了解を破っているのは、あの男の方なのだから。
玄椎 貞女
「なぜここに来たか、分からぬお前と信じたいところだが……」
玄椎 貞女
「さて、どうだろうな。あそこで話を打ち切り、ユディットと立ち去ってしまったお前だ」
玄椎 貞女
「すっかり、耄碌してしまったかもしれん」
『青髭公』
「……お前たちにすまないとは、思っているよ」
玄椎 貞女
「だが、ユディットに弁えさせることもできないか」
玄椎 貞女
「あの娘は一心にお前を頼り、求めている」
『青髭公』
「……そう。弱いからというだけではないが」
玄椎 貞女
「弱いから、というのとは別問題にして、お前がいなければ生きてゆけないから?」
『青髭公』
「ユディットのことも、また、見出してしまった」
『青髭公』
「……お前たちを私の運命だと思うのと、同じほど」
玄椎 貞女
「この堕落の国で、女を見出し、妻として、この城に住まわせて共に暮らす」
玄椎 貞女
「それはお前には、実利よりも、危険の多い行為だと私は思う」
玄椎 貞女
「それでもお前がせずにいられないのは、やはり愛あればこそなのだろう」
玄椎 貞女
「だが……同時にこのところは、その愛の多寡を感じている」
玄椎 貞女
「我々はほかならぬ、お前の妻であることを受け入れ、お前の妻として生きることを決めた」
玄椎 貞女
「四人いる妻の中で、お前のお気に入りができることは、避けがたいとすら思っている」
玄椎 貞女
「三人いたときに、平等に感じていたことのほうが、むしろ奇跡だったとも」
玄椎 貞女
「私が疑念を抱くのは……お前がそれでも、同じほどと言い張るところだ、私の夫よ」
玄椎 貞女
「愛が偏っているのならば、体裁など保たずにそう言ってくれればいいのだ」
玄椎 貞女
「それを、言いつくろってしまうから、軋みがずっと起こっている」
玄椎 貞女
「お前がかつて見出した、私たちへの愛は減じてしまい……」
玄椎 貞女
「その減った分の愛を、ユディットに見出して、注いでいるのではないのか?」
玄椎 貞女
*『青髭公』の疵、守られなかった約束を猟奇で抉ります。
玄椎 貞女
*同時にクエストを宣言し、ティーセットを使用します。
玄椎 貞女
2d6+3+2>=10 猟奇判定 (2D6+3+2>=10) > 12[6,6]+3+2 > 17 > 成功
GM
PCがお茶会中の判定でスペシャルを起こした場合〔自身の所有する六ペンス/2〕までの価値の小道具を1つ入手します。
[ 『青髭公』 ] 守られなかった約束 : 0 → -1
玄椎 貞女
──自分はこの城で営まれる生活を愛していた。
玄椎 貞女
だからこそ、それを破壊し得るものがいたら許せなかったし、
玄椎 貞女
それがほかならぬ自分たちを見出した夫であるのなら。
『青髭公』
「…………」 その視線をじっと受け止める。
玄椎 貞女
「どうなのだ。青髭公。我が夫、いや……我らの夫」
玄椎 貞女
「もし、このうえさらに嘘をつき、なまなかな取り繕いをするのなら、
私はお前でも許さんぞ」
『青髭公』
「私は、お前たちの望みを叶う限り叶えたいと思っているよ」
『青髭公』
「だが……真夜中が『ただ一人』を望んだとき、私は、それを本当には叶えてやれない」
玄椎 貞女
「それでも、できる限りは叶えてやりたいと……」
玄椎 貞女
「お前はそう思っていると、そう言うのだな」
『青髭公』
「……できる限り、してやりたいと……お前たちのみなに、思っているんだ」
『青髭公』
「……お前たちとの生活に、罅を入れてしまった」
玄椎 貞女
この共同体、一人の夫と妻たちの日々に罅が入れば、それは心の疵に触れる。
玄椎 貞女
今もなお聞こえてやまない外の川の流れが激しくなっているのと同じように、貞女の猟奇性も引き出されつつあった。
玄椎 貞女
それでも、それを抑えて獣の唸るような声で貞女は言う。
玄椎 貞女
「お前は、その在りようを変えられず、等しく愛を注いでいると……」
玄椎 貞女
「その言葉に、私たちが感じるむなしさを分かりながら、そう言うのだな」
『青髭公』
「今この現状も、……それでも愛していることも」
『青髭公』
「いっそ、愛を減じることができたら、忘れることができたら」
『青髭公』
「……できないから、……」 ふと溜息に紛れる言葉。
玄椎 貞女
自分たちを愛すると言った男。変わらず愛していると言った男。
玄椎 貞女
その男の疵に、自分が想像していた場所よりも深く、無遠慮に触れていることに気が付いて、ふと目を伏せる。
玄椎 貞女
城の床と槌の柄の先がぶつかり、硬い音を立てる。
玄椎 貞女
「聞いていたな、ユディット、真夜中の妻よ!」
玄椎 貞女
「この男は、お前だけを愛することはできないと言った」
玄椎 貞女
「そしてまた……お前の望みを、できる限り叶え続けようとすることも変わらないと」
玄椎 貞女
「お前が私たちを同様に愛するように、私は夜明けの妻も、プリシラのこともまた愛している」
玄椎 貞女
「そして、ユディットのこともまた、愛そうとした……」
玄椎 貞女
「けれど、愛というのは難しい、愛したからと言って、愛されるとは限らない」
玄椎 貞女
「だからこそ……これから我々がどうしていくべきか。
自分がなにをするべきなのか、よくよく考えておくといい」
玄椎 貞女
「もう少し、何か言い分があるのであれば……また話に来てくれるのだろうな? ユディットにだけ、時間を遣わずに」
玄椎 貞女
「私だけではなく、きっと皆待っている。お前は、私たちの夫なのだから」
玄椎 貞女
であるならば、ここからはもう少し、夜明けの言う通り、さらなる話し合いができるだろう。
玄椎 貞女
それが、どのように転がって、どのような結果を招くにしても。
GM
愛をはかる天秤が傾く。軋みながら、ゆらゆらと。
GM
そこに乗っているのは、けれど、愛以外の何物でもない。
GM
青髭公はここでは行動しません。次もPC手番です。
9:第五の扉 遥かな山河。どことも知れぬ『青髭公』の領土。空には血のような色の雲が掛かっている。
GM
振り直したりチョイスしたりしてもいいですよ。城にありそうなところなら作ってもいいです。厨房とか。
プリシラ
夜明けの君さまとお話するのでこのまま川で行きます
GM
頭上を赤い雲がゆるゆると流れていく。水のにおい。
プリシラ
勢い”お茶会”の流れとはなったが、プリシラにはいまだ踏ん切りがつかない。
プリシラ
プリシラは公爵夫人の末裔。仔豚の末裔。
公爵家で身を持て余しているところを、青髭公に見初められ、この館に迎えられた。
プリシラ
プリシラには分かるのだ。ユディットの気持ちが。
……いいや、分かる、などと申すのはいささかおこがましいか。
末裔風情が、救世主さまのお気持ちを、などと。
プリシラ
けれどプリシラも、最初はそのつもりだったから。
プリシラ
ただ一人、たった一人、公に見初められた、選ばれたものであると。
プリシラ
そう思い込んで、舞い上がって、この七つ扉の城へと迎えられた。
プリシラ
第五の扉の向こうに、探していたかたの姿を認める。
夜明けの妻
夜明けに見出されたから夜明け。それ以外に名前を持つでもない女が、五つめの扉の向こうの領域で、水と語らうように川辺に座っている。
プリシラ
あなたの後に見出された真昼の妻。今は他に寄る辺なき末裔の娘が。
夜明けの妻
領地の川とおなじ涼やかな水の香り。今はまだ。
夜明けの妻
真昼の妻が城にやってきた時、この女はただ受け入れた。
プリシラ
明らかな動揺、明らかな落胆、一方で辛うじてひた隠しにした独占欲を。
夜明けの妻
仲良くするように、と言われれば夜明けなりにそのようにした。
プリシラ
自分より先に娶られたこの妻が、果たしてどのように見つめていたのか。
夜明けの妻
プリシラを見る女は、今もまだ変わらない。
夜明けの妻
しかし、敵をみるそれでないことだけはかろうじてわかる。
プリシラ
青髭公のことはわからない。
一番にわからなければならないはずの、一番大切な旦那様のことなのに。
プリシラ
けれど、少なくとも、貞女さま。
そして夜明けの君さまは、プリシラを気にかけて下すっている。
プリシラ
あの新顔、あのユディットだとかいう女よりも、
プリシラ
「貞女さまは、迷いなく七つめの扉へと向かわれました」
プリシラ
青髭公のことも同じくらい、いいえ、いいえ!
プリシラ
もっともっと頼もしく思うていたはずなのに。
プリシラ
今は守られなかった約束が、どうしてこんなに、心寂しい。
プリシラ
「”話し合い”をすることに、きっと迷いは、ないのでしょう」
夜明けの妻
「もしどうしようもないのなら、わたくしはそのようにするのみです」
夜明けの妻
「けれど、わたくしはまだ、まだ……旦那様の愛を信じております」
プリシラ
「いちばんの大事が、他のものに捧げられている」
プリシラ
「それを、見せつけられても、でございますか……?」
夜明けの妻
「わたくしは、……あまりよくわからないのです。ぷりしらの思うような、その望みが」
夜明けの妻
「わたくしは、愛されていいればそれでよい。いちばんというものでなくとも」
夜明けの妻
「わたくしは、旦那様の愛がなければここに居られません」
夜明けの妻
「わたくしの本分は、旦那様のここのような、穏やかな川ではありませぬ」
夜明けの妻
「いまの私をこのかたちに留めているのは、旦那様の愛」
夜明けの妻
「だから、妻が増えようとわたくしは構いませんでした……」
夜明けの妻
「たとえぷりしら、あなたが一番になりたいと思っていても」
夜明けの妻
「ユディットによって堰き止められたのなら」
夜明けの妻
「わたくし、どうにかなってしまうかもしれません」
プリシラ
夜明けの君さまの見抜かれる通り、プリシラはずっと青髭公さまの一番になりたかった。
プリシラ
けれどそれがかなわないこと、願うことすらおこがましい事実を、プリシラはようく理解していた。
夜明けの妻
プリシラは、その気弱さが幸いしてか、ユディットのような暴挙には至らなかった
プリシラ
末裔の身であること、それと辛うじて授かった才覚が。
プリシラ
プリシラの振る舞いを身分相応に抑えていた。
プリシラ
ユディットさまがあのように野放図に、けれど賢しくそして正しく、旦那様の愛を独占しようとする姿を見せつけてさえ。
プリシラ
自分が同じようにすることが許されるだなんて、とても思えない。
夜明けの妻
プリシラのように衣服を仕立てることは夜明けにはできない。夫のために捧げられるものがある彼女を、夜明けは好ましく思っている。
プリシラ
同時にプリシラは、自分が夜明けの妻に捧ぐもので、彼女を留められないこともよく理解している。
夜明けの妻
暴れる水のうねりを留めるのは、一介の末裔には難しい。
夜明けの妻
それこそ公のような、疵に基づいた狂った愛でなければ。
プリシラ
のけものにされた端女の、ただえらばれたいだけの願望では、とてもとても。
夜明けの妻
かれは一心に私を愛してくれている。今もまだそれを感じていられる。
プリシラ
夜明けの君の感じる公の愛を、プリシラもまた信じたいと思っている。
プリシラ
今まで四人、紡いできた日々のことを愛していて、
プリシラ
それと同じくらい、青髭公さまに対するほどではなくとも、
プリシラ
夜明けの君さまのことだって、愛してるのだから。
夜明けの妻
夜明けにとって、末裔と救世主にそれほど差はない。公が愛する人間を、夜明けもまた愛するだけ。
プリシラ
プリシラにとっては、末裔と救世主の違いは大きい。乗り越えられない壁を前に、相応に振る舞うだけ。
プリシラ
けれど、だからこそ、選ぶことは大事なのだ。
プリシラ
どの救世主さまが、自分を救ってくださるのかを。
プリシラ
「再び、あなたさまを満たし、留めるだけのものとなりますよう」
プリシラ
*才覚で夜明けの妻の心の疵『誓い』を舐めます。
プリシラ
2D6+3>=7 才覚判定 (2D6+3>=7) > 6[3,3]+3 > 9 > 成功
夜明けの妻
いいや、やはり。救世主よりも……公を除けば末裔の方がやや好ましくあった。
末裔は、一心に願うからだ。己の命のために。
それは、遥かむかしを思わせるものだった。
プリシラ
「わたくしに、何ができるとはわかりませんが……」
夜明けの妻
「ぷりしらは、とてもよくやっていますよ」
プリシラ
ひび割れた生活に、最も心を蝕まれているのはプリシラだった。
夜明けの妻
「あなたが来てから、公の食事に彩りが増えました」
プリシラ
給仕の当番、細々とした家事、それらを最も多く担っている女だからこそ。
夜明けの妻
「効率のよい掃除を教えてくれたのもあなた」
プリシラ
日々にもたらされる不和が、そのまま心の疵に響く。
夜明けの妻
「まかないの日に貞女が着るエプロンを作ったのもあなた」
夜明けの妻
「だからぷりしら、あなたは、よいのです」
夜明けの妻
それは言外に、何も齎さないユディットを非難していた。
プリシラ
公の愛が、ひとしくただしく、妻たちに注がれるよう。
プリシラ
けれど夜明けの君さまの言うとおり、あの女はそうではない。
夜明けの妻
そう、正しく、公がわたくしに誓ったとおりに。
プリシラ
プリシラとは違い、公の約束を果たさせない女。
プリシラ
それを取り除いて、再び誓いが果たされるべく。
夜明けの妻
川は静かに、けれど確かに地面を抉りながら流れている。
プリシラ
その勢いが増して、わたくしたちの暮らす城を、日々を沈めてしまわないうちに。
[ 夜明けの妻 ] 誓い : 0 → 1
『青髭公』
1d12 シーン表 (1D12) > 10
10:ベッドルーム 誰かの寝室、あるいはゲストルーム。窓の外は霧に包まれている。
GM
七つ扉の城は、小さいながらに城らしく、数多の部屋を擁しています。
GM
青髭公も妻たちも、それぞれにベッドルームを持っている。
プリシラ
貞女さまか夜明けの君さまかと思っておりました……。
プリシラ
「少々お待ちいただくことは、申し訳ございません」
プリシラ
大きな声で返事をして、扉を勢いよく……勢いよくしめたらいくらなんでも失礼!!
プリシラ
ぎりぎりで思いとどまって、ぱたんとしめて。
プリシラ
公爵家から持ち出してきた、プリシラ愛用の裁縫具。
プリシラ
真昼の妻は、頭を垂れてあなたを迎え入れます。
『青髭公』
その頭をそっとひと撫でして、部屋の中へ。
プリシラ
楚々と垂れていた頭がひゃん! となります。
プリシラ
公のための椅子をご用意してございますのよ!
プリシラ
プリシラのお部屋では、公はお椅子で、プリシラはベッドに腰掛けて。
プリシラ
最初はプリシラにはそれがふさわしいと床に座っておりましたが……
プリシラ
妻なのだから、ということで、そういった形に。
プリシラ
けれど、ユディットさまが参られてからはそれも長らくなかったことで……長らく……
プリシラ
プリシラのお部屋に、公がいらっしゃることが。
プリシラ
公のお声、公のお言葉ひとつひとつに、ぴっと肩が跳ねます。
プリシラ
そんなことはございません、とは、流石に申せないプリシラなのです。
プリシラ
プリシラはだって、貞女さまと夜明けの君さまに共鳴しておりまして、
プリシラ
夜明けの君さまにも、”話し合い”をしてでも、と、そのように……
プリシラ
お話をいたしましたので……決めましたので……
プリシラ
でも、だからといって、ここで公を責めるようなこともまた。
プリシラ
青髭公さまは二度と、プリシラを選んで、このように部屋に訪ねてくれるようなことも。
『青髭公』
「訪れただけで、不安げな顔をさせてしまう」
プリシラ
ここで驚いてしまうこと自体が、そもそも、という話ではありますけれど!
プリシラ
ありますけれどそんなこと口に出せませんわ!
『青髭公』
「……思っているだけでは足りないと、わかっているよ」
プリシラ
正直な心では、それはそうだ、とも思うけれど。
プリシラ
「……思わないあなたさまでなくて良かったとも」
プリシラ
「ユディットさまをもっと”受け入れて”差し上げるためには」
プリシラ
「青髭公さま、プリシラは、どうするのがよいと思われるのですか?」
プリシラ
「わたくし、晩餐会の用意には腕を振るいましたの」
プリシラ
「あの干し肉も……夜明けの君さまのきれいなお水を沸かしたお湯で丁寧に戻して」
プリシラ
「塩胡椒の加減にも、いっとう気を使いました」
プリシラ
「採寸までは、させていただけませんでしたけれども……」
プリシラ
「ユディットさまの、あの流るるような金の御髪に」
プリシラ
「よく似合うドレスを仕立てられたとも、思うております」
プリシラ
「あの夜は、貞女さまもひととき、ドレスを着てくださいましたし……」
プリシラ
「わたくし、出来る限りのことは、してきたつもりでしたの」
プリシラ
「……いいえ、いいえ。無理をしたつもりはございませんのよ」
プリシラ
「青髭公さまが望まれることでしたら、プリシラ、わたくしは」
プリシラ
「それに沿いたいと思うて、そのようにしておりましたから」
『青髭公』
「お前は、私のためによく尽くしてくれている。わかっているよ」
『青髭公』
「……言ってごらん」 それをわかって、あえて言う。
プリシラ
指先を擦り合わせ、視線を彷徨わせ、乱れかけた息を呑み込んで。
プリシラ
「格別に贔屓になさるようなことを、されるのですか?」
『青髭公』
「……求められれば、私はできるだけ、それを叶えてやりたいと思ってしまう」
『青髭公』
「けれど、それは、特別ユディットに限ったことではないんだ」
『青髭公』
「お前は? お前はいつも、私のために尽くしてくれるけれど……」
『青髭公』
「言葉にして、何かを求めてくれることは少ないね」
プリシラ
真昼の妻。あなたの選んだ娘。あなたの見初めた末裔の娘。
プリシラ
あなたの手の中で、娘の細い指が忙しなく動く。
『青髭公』
*プリシラの『はぐれもの』を愛で抉ります。
夜明けの妻
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
夜明けの妻
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功
[ プリシラ ] ヤリイカ : 2 → 1
[ 『青髭公』 ] ティーセット : 3 → 2
『青髭公』
2d6+2-4+2>=7 (2D6+2-4+2>=7) > 9[4,5]+2-4+2 > 9 > 成功
[ 夜明けの妻 ] HP : 22 → 21
『青髭公』
一度立ち上がり、プリシラの前に膝をつく。
プリシラ
自分より低い位置の青髭公の顔に、慌てたように眉を下げて。
『青髭公』
「私を不実な夫だと思うかい」 見上げるようにして。
プリシラ
夜明けの君さまを一人目の妻として紹介された時、
プリシラ
この男の愛が、自分一人に向けられたものではなかったことに。
『青髭公』
「お前はいつも何かを、「言ってはいけない」と思っているだろう」
『青髭公』
「私に言ったら、何かが壊れると思っている」
『青髭公』
「……今、それを信じてはもらえないかもしれないが」
プリシラ
今この場で言葉を交わす二人に存在することを、
『青髭公』
その、被せるような否定が、どうしてそのように発されるのか。
プリシラ
あなたがすべての女の望みを叶えられないのと同じように。
プリシラ
同じ立場に立たせようとしても、それを受け入れることのできない、逸れ者の娘。
『青髭公』
「私についてこなければよかったと思うかい」
プリシラ
「あなたさまに見出されたことを、何よりもの幸いと理解しております」
プリシラ
その中に、ユディットの名を含むことはできない。
プリシラ
それに最も強い憎悪を向けているのは、ある意味では紛れもなくこの娘だ。
プリシラ
この娘が、あなたたち四人とは違う、はぐれものだから。
[ プリシラ ] はぐれもの : 0 → -1
プリシラ
願いを押し込めて圧し潰して、平和で穏やかな日々を営むことが叶ってきた。
『青髭公』
「私の真昼。……お前がまた、笑ってくれる日が」
プリシラ
あなたのかつて語った、おとぎ話の中にあるような、世界を照らす太陽など私は知らないけれど。
プリシラ
そんなものになれはしないことを知っているけれど。
『青髭公』
それ以上言わずに、額にくちづける。そして、一歩離れる。
『青髭公』
「もう行くよ。不安にさせてしまったようだから」
プリシラ
あなたの言葉に、あからさまな落胆を浮かべ。
プリシラ
それをあなたさまが望んでいないことも知っているのに。
プリシラ
『不安になんてならない』
『あなたがいない方が不安になる』
『不安になんてさせないように、もっとわたしのそばにいて』
GM
与えられるものは、いつか与えられなくなるかもしれない。
ここにあるものは、いつか奪われるのかもしれない。
ここにいる自分は、いつか捨てられてしまうのかもしれない。
GM
何もかも、永遠にそのままではいられないのに……
GM
どうしてか、自分だけは変わることができないまま。
8:図書室 本棚に古びた本が整然と並んでいる。深い緋色のソファがいくつか点在している。
夜明けの妻
この女の本質は川であるがために、自分の領域と定められた場所を気ままに流れていく。
夜明けの妻
そう、それがあまり水気を入れるべきではない図書室でも……
GM
青髭公はときおり、ここで何か手記をつけているようです。
夜明けの妻
公を探して徘徊することもあれば、寄り添って流れることもあった。
夜明けの妻
もっとも最近は、前者の場合が多くあるが……
プリシラ
「ございましたら、プリシラが代わりに……」
夜明けの妻
この女は時折、ただ城の中を流れるように歩いている。
夜明けの妻
その頻度は、ユディットが来てから明確に増えた。
夜明けの妻
「ここに来たら、そうでしたわね。公が少し困るのでした」
夜明けの妻
公を困らせたいわけではないですが、水はただ流れるばかりなので……
プリシラ
末裔の身で、救世主さまのなすことを邪魔するなど、とんでもないことです。
夜明けの妻
「旦那様がみえるまで、お話でも致しませぬか。プリシラがよければ」
夜明けの妻
そう言いながら、ソファの方へと進んでいく。
プリシラ
「プリシラをその相手に、選んでくださるのであれば……」
プリシラ
流れる水とは対象の膨らんだドレスが、体重を受けてしわを作る。
プリシラ
その自覚すらなかったかのような、おうむ返し。
夜明けの妻
「わたくしにまで傅く必要はないのですよ」
プリシラ
俯いている。その所作は頭を垂れるのに似ている。
夜明けの妻
「この城で恐れるものがあるとすれば、公の愛を失うことぐらい」
夜明けの妻
「それ以外におそれるものがありますか。あるのならばそれは、わたくしにはわからない」
プリシラ
わからない。わからないでしょう。救世主のあなたさまには。
プリシラ
同じようにも、思われているのだろうと思う。
夜明けの妻
「あなたとわたくし、同じ妻でありますのに」
プリシラ
どうしてそのように戦えるのか、そうできるのか、分からないと。
どうして青髭公の1番を取りに行かないのか、そうしないのか、分からないと。
きっとそのように、思われている。
プリシラ
「末裔は……この世界においては、取るに足らない存在にございます」
プリシラ
「それは、公爵家に生まれたわたくしにおいても、同じこと」
夜明けの妻
「ええ、救世主というものにくらべて、末裔というのは」
夜明けの妻
「ですがその分、末裔のほうが切実だと思うのです」
プリシラ
胸元で指を擦り合わせている。この娘の、不安に陥った時によくする仕草。
夜明けの妻
「あなたは、プリシラは、公の一番になりたいと思っていらっしゃる」
夜明けの妻
「けれど、私達が救世主というものであるから」
夜明けの妻
「あの方は、城の中がこのようになってまでも"妻"の願いを叶えようとする」
プリシラ
「そうなっては、ほしくありませんでしたの」
夜明けの妻
「公を困らせたくないのですね、これ以上」
プリシラ
自分に引っ込み思案、勇気のなさを、聞こえのいい言葉で取り繕っただけ。
夜明けの妻
「困らせてしまえばいいのではないでしょうか」
夜明けの妻
「なぜプリシラだけ我慢しなければならないのですか?」
夜明けの妻
「なのにプリシラは、ずっとそのように、ただ震えて、ユディットに取られるのを待つだけなのですか」
プリシラ
「嘘をつくこと、約束を破ることや、よくないことだって」
夜明けの妻
「愛を願うぐらいは打ち明けるべきだと思うのです」
夜明けの妻
「あなたの言葉を望んでおられるように見える」
夜明けの妻
「あなたが愛を求めることを、わたくしは良いことだと思います」
夜明けの妻
「既にユディットがわがまま放題しているのです」
夜明けの妻
「あなたが、末裔だからと我慢する道理はないのではないですか」
夜明けの妻
「あなたもまた、公に見出された妻なのだから」
夜明けの妻
公がそのような"どうしようもない"男であることを知っているからだ。
プリシラ
ちっぽけな小娘の怯えなど、たやすく押し流してしまえる強い流れが。
プリシラ
今は男の愛に象られて、おんなの形をしてそこに在る。
夜明けの妻
暴力的な愛の流れで、ためらう少女の脚を掬おうとしている。
プリシラ
この清流の囁きは、どうしようもなく抗いがたいほどに、甘美だ。
夜明けの妻
「あなたが、そのように震えることこそを、公は望まないとわたくしは思います」
夜明けの妻
その賢しさをいっとき忘れ、愛の流れへと誘わんとする。
夜明けの妻
*プリシラの『選ばれしもの』を愛で舐めます。
夜明けの妻
2d6+3>=7 (2D6+3>=7) > 10[5,5]+3 > 13 > 成功
夜明けの妻
「公はきっと、そういうところも愛しておられるから」
プリシラ
「ひどく舞い上がって、長くお待たせしてしまいますし」
夜明けの妻
「そういうところも愛らしいと思いますわ」
夜明けの妻
「あなたのその細やかさは、あなたにしかない」
プリシラ
「いっとう得意に見せかけておりますけれど……」
プリシラ
「この館の他の方よりは慣れている、といった程度、ですし」
夜明けの妻
「いつか誰よりも家事のうまい妻が来たとしても」
プリシラ
賢しさとは無縁の心からの言葉であることが、分かる。
夜明けの妻
この女はただ公を見て、公の愛を見ている。公がどのようにプリシラを愛しているかを。
プリシラ
「……皆さまを困らせたくはないのは、ほんとうですのよ」
プリシラ
「わがままを言うようなはしたない娘になど、なりたくありませんし」
夜明けの妻
「けど、それを押し込めてしまうことまでは望んでいないはずです」
[ プリシラ ] 選ばれしもの : 0 → 1
夜明けの妻
「末裔として振る舞うのでは、なく。妻として」
夜明けの妻
「あなたは妻なのですから、自信を持ってよい」
プリシラ
先程青髭公がこの娘に望んだものに、きっと相違ない。
プリシラ
その笑顔を引き出せるのは、その笑顔を向けられる先に、
GM
けれどそれは、それを望む相手の目には届かない。
『青髭公』
1d12 シーン表 (1D12) > 6
6:食堂 広々とした室内を、薄暗いシャンデリアが仄かに照らしている。
GM
広い食堂。はるか昔は厳かな会食が開かれていたのだろう。
GM
そしてほんの少し前までは、あたたかな食事が行われていた。
玄椎 貞女
貞女もこの時ばかりは、給仕のために服を着る。
玄椎 貞女
どうしてもそれがしたくないという時は、プリシラに頼み、替わってもらうことが何度かあった。
玄椎 貞女
今のような罅の入った状態ではなかったものだ。
GM
ユディットの食事だけは、青髭公が差配していた。個別に。
玄椎 貞女
愛の減じない証。そして、ユディットの求める愛への証明。
『青髭公』
愛しているといくら言い張っても、それを受ける側にしか、その重さも色も温度も、感じ取れない。
玄椎 貞女
しかし、めおとというものは、愛し合うものである。
玄椎 貞女
ここにある生活と、妻たちへの愛を語った。
玄椎 貞女
しかし、青髭公への愛の話を、この女はしたろうか。
玄椎 貞女
……その日、貞女はみなのための食事を作り、
玄椎 貞女
一通りの片づけを終えてまだ、食堂にたたずんでいた。
『青髭公』
席を立ち、食堂を出ていきかけたこの男は、それに気づいて足を止める。
玄椎 貞女
「何でもない、少しぼうっとしていた……いや」
玄椎 貞女
「……ユディットは食事だけでも、ここに出てきてくれまいか」
『青髭公』
「……もしそうしたら、お前は何を思う?」
玄椎 貞女
「少しでも、向こうから歩み寄りがあったと」
玄椎 貞女
「入った罅を継ぐようななにかが、得られるのではないかと」
玄椎 貞女
家族が必ず食事を共にするべき、などというのは幻想だ。
玄椎 貞女
元の世界でも、家族が揃って食事をする機会はそう多くなかった。
玄椎 貞女
だからこそ、四人で過ごしていたあの時間、
玄椎 貞女
全員が揃っていることが、尊いもののように思えたし、
玄椎 貞女
五人が揃っていないことを苦しく思っている。
玄椎 貞女
「お前が選んで、愛を見出し、連れてきた妻なのだ」
玄椎 貞女
「私も、プリシラも、夜明けも、ユディットも」
玄椎 貞女
「お前が作ったこの生活を、愛して守りたいと思う」
玄椎 貞女
「だからこそ、その維持を、全員で心がけてもらいたいものだが」
玄椎 貞女
「まあそれは、おのおのの考えがあるし……」
玄椎 貞女
「次から次へと妻を見出して連れてくる生活など、いずれはまあ」
玄椎 貞女
「こういうことになるような気はしていた」
玄椎 貞女
姉妹でも、血のつながった家族でもない。元来は。
『青髭公』
隣り合うひとつずつの結びつきに横糸が渡されたのは、三人の妻たちの努力だった。
玄椎 貞女
ひとりだけが三人とは繋がらず、青髭公とだけ繋がろうとしている。
玄椎 貞女
青髭公からほかの女へ伸びる愛を、断ち切る力もないままに。
『青髭公』
「こうなるだろうと思っていながら、それでも私とともにいてくれた」
玄椎 貞女
「ここは私にとって、あまりに居心地がいい場所だった」
『青髭公』
「……そうか」 だった、と言われたことをわかっている。
玄椎 貞女
「できることならまた、居心地の良い場所に戻したいとも思っているよ」
『青髭公』
「お前は、最初は、私についてきてくれた」
『青髭公』
「もしも、今も私だけがいるのだったら、お前は今、もういなかったのではないか、と」
『青髭公』
「夫婦の愛よりも、もっと広いものを愛するための愛なのかもしれない、と」
玄椎 貞女
どうしようもない世界で、どうしようもない自分が。
玄椎 貞女
障りなく呼吸できる寄る辺が、家族のそばだった。
玄椎 貞女
息の仕方も分からないままに、荒野を彷徨い、この男に見出された。
玄椎 貞女
そうしたら、行った先にはすでに妻がふたりもいて。
玄椎 貞女
思えば自分の感じたことは、ユディットの逆だったかもしれない。
玄椎 貞女
嬉しかった。二人だけの、逃げ場のない閉じた世界ではなく、
玄椎 貞女
この男を、伴侶として構わないと思うぐらい、好ましいと思っていると思う。
玄椎 貞女
けれどそれは、夫婦として愛を囁き、愛を捧げようとするこの男の求める愛だろうか。
玄椎 貞女
この男を責めることなど、できなかったのでは。
夜明けの妻
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
夜明けの妻
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 5[1,4]+1 > 6 > 失敗
[ 夜明けの妻 ] HP : 21 → 20
『青髭公』
2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 6[5,1]+2 > 8 > 成功
玄椎 貞女
愛しているといくら言い張っても、それを受ける側にしか、その重さも色も温度も、感じ取れない。
玄椎 貞女
目の前のこの男が、それをどう感じているか。
玄椎 貞女
女はそれを、正面から見つめることができなかった。
玄椎 貞女
七つ目の扉へ押し入った時に、愛を語られた時よりも。
玄椎 貞女
その言葉にはずっと重みがあり、色があり、温度があるように感じられ。
玄椎 貞女
「そうだな。お前は、私のことを愛している」
玄椎 貞女
その言葉に、軽々に、愛しているなどと言い返せない。
『青髭公』
「聞かせてくれ。どんなことでも、……お前が、私と話してくれる限りは」
玄椎 貞女
「お前を理解し、お前を信じているつもりでいた」
玄椎 貞女
「話さなくても通じるものがあると、思い込んでいた」
玄椎 貞女
「私はお前の妻で、お前は私の夫なのだから」
『青髭公』
静かに頷き、また、と言い置いてゆっくりと立ち去っていく。
玄椎 貞女
ぼんやりと、食堂の天井を少しのあいだ仰ぐと、女もまた、食堂を去った。
[ 玄椎 貞女 ] 家族 : 0 → -1
GM
織っていた色模様は、それぞれに違ったかもしれないが……
GM
夕餉の後、あなたがたは、青髭公が城のある一角へ向かっているのを見かけました。
GM
彼の足の向く先にあるのは、第七の扉。今は『真夜中の妻』が占めている場所。
GM
あなたがたの視線は、彼を素通りできません。なにしろ彼は、まさにこれから、『真夜中の妻』との逢瀬を重ねようとしているに違いないのですから。
GM
あなたがたはその背を追うことも、見送ることもできます。
プリシラ
プリシラはもう、彼を待つばかりの女ではいられない。
プリシラ
選ばれたいと思っている。選ばれているのだと信じたい。
プリシラ
爪弾きにされて、一人きりのはぐれものになることだって、ひどく恐ろしい。
プリシラ
夜明けの君さまのように、貞女さまのように、どっしりと構えていられないのは。
プリシラ
プリシラがゆいいつ、末裔だからというだけでは、もはやないのだ。
プリシラ
そうして、あんな女のところになど行かないで。
プリシラ
プリシラを振り向いて、プリシラを選んでほしいと。
GM
……そうしてプリシラが青髭公を追っていくと、彼はやはり、第七の扉の中へ消えていくところでした。
プリシラ
分かり切っていた展開、叶うはずのない願いを潰されて、
プリシラ
必死に耳を済ませても、あの女の声は、聞き取れない。
プリシラ
それはプリシラが、どうしようもなくあの女を拒んでいるからなのでしょうか。
GM
あなたの耳には、青髭公が『真夜中の妻』を気遣う言葉が聞こえます。
GM
優しい色、愛の色。あなたが求めてやまないもの。
プリシラ
ほんとうならば、独占してしまいたいと思うほどに、求めてやまないそれが。
プリシラ
プリシラが自らに戒めていた蛮行を、憚りなく実行してみせている女へと。
プリシラ
プリシラのもっとも愛する人が、愛を注ぐ声。
プリシラ
プリシラには、猟奇がありません。この扉を破るような力などありえません。
プリシラ
プリシラには、愛があります。けれどその愛に強靭さは伴いません。
プリシラ
プリシラには、ただ分け与えられたわずかばかりの才覚があるだけです。
プリシラ
精確に受け止めて、味わってしまうだけの、今は役立たずの才覚にございます。
プリシラ
今ここであなたを待つプリシラにも、あなたは同じように言ってくださいますか?
『真夜中の妻』の声
「……だって、あなたを愛しているのですもの……」
プリシラ
プリシラを振り向いては、くださいませんでしたね。
プリシラ
……もしあの場で。あなたをこっそりと追うのでなく。
プリシラ
あなたの袖を引いて、あの女ではなくプリシラを選んでほしいと、そう願うたなら。
プリシラ
あなたさまは、わたくしの望みをこそ、叶えたいと思うてくれたのでしょうか?
プリシラ
全てが見透かされていることだって、当然、わずかの才覚に理解したまま。
プリシラ
「あなたさまには、おわかりになるでしょう?」
プリシラ
「プリシラは、あなたに選ばれとうございます」
『青髭公』
「真夜中だけでなく、私の夜明けや、私の夕暮れよりも」
プリシラ
夜明けの君さまと、貞女さまと、そして何より青髭公さまと。
プリシラ
紡いできたかつての幸福な日々を宝物のように思っている。
プリシラ
はぐれものの末裔を受け入れて下すった、心優しき救世主のみなさま。
プリシラ
彼らに不利益の及ぶようなことがあってはならないとも思う。
プリシラ
今のプリシラは、そうしたあたたかくとうときものよりも、
プリシラ
ただあなたさまからの、苛烈な愛を独り占めしたい。
プリシラ
叶わないことは知っている。困らせてしまうようなことを言っている。
『青髭公』
その言葉に、少しだけ、困ったように微笑み。
プリシラ
小柄な女の小さなてのひらが、あなたの背に回り。
プリシラ
やわらかな桃色の髪が、あなたの胸元に乱れて跳ねる。
『青髭公』
寄せられた頬。視界のつむじに、ひとつくちづけて、
『青髭公』
そうして扉の前を離れて、プリシラの部屋へ。
プリシラ
ただ一人に注がれるものとして、感じてしまえることが。
GM
……あなたは。あなたがたは。これから、青髭公との生活を、どうしたいのだろう。
青髭公自身のことを、どうしたいのだろう?
GM
受け入れるのか、かつてのように戻りたいのか、あるいはそれとも、本当に独り占めをしたいのか。
GM
そして、それについて三人の間で意見が対立することがあれば……あなたは、どうしたいのだろう?
GM
あなたがたが『真夜中の妻』を排除しようと望めば、青髭公は彼女を守るでしょう。
あるいは、三人の生活のために、青髭公をも除くべきかもしれませんね。
GM
青髭公だけを望むことも、できるかもしれません。
GM
だってあなたがたは、どうやって意見を通すべきかを知っていますからね。
GM
だから、よく考えて、2ラウンド目に挑んでくださいね。