GM
サイクル2終了。次回はサイクル3からですね。えっ何をやるんだ?
GM
というわけで、本日は以上です。ありがとうございました!
GM
それでは、サイクル3からですね。行動される方は。
甘葛井五郎太
12:暗闇。明かりが届かぬ、果ての果て。
甘葛井五郎太
神器の秘密を調べるので、瑞楽さんの感情修正が欲しい。
甘葛井五郎太
2D6+1>=5 (判定:千里眼の術) (2D6+1>=5) > 6[3,3]+1 > 7 > 成功
甘葛井五郎太
闇の中でもなお明々と、光り輝く生大刀。
甘葛井五郎太
傾けても目を凝らしても、その姿と力は間違いなく神器のもの。
GM
本来ならば、姫君がその一対を身に宿しているはず。
甘葛井五郎太
ふたつの神器はふたりの姫に分かれて封じられ。
甘葛井五郎太
ひとつはもはや、あの彌祚杯童子の手の中に。
甘葛井五郎太
対の神器を構えて『八十神』を斃すのが『八千矛』ならば──
甘葛井五郎太
もはやすでに、この身は『八千矛』とは言えない。
甘葛井五郎太
輝く生大刀を軽く振って、井五郎太は瑞楽を振り返る。
善知鳥 瑞楽
「半ばを得るために……奪いに行きますか?」
甘葛井五郎太
「今は向こうも、半分は『八千矛』なわけだ」
甘葛井五郎太
「俺は半分『八十神』で、向こうもそう」
甘葛井五郎太
「あんたと蓬どのは、半分の姫さまだな」
甘葛井五郎太
「このまま儀式に入って、勝った方が国作りをする──」
甘葛井五郎太
「って方が、公平な儀式だとは思うがね」
善知鳥 瑞楽
「……私は今や、半ばしか姫ではないかもしれませんが」
GM
実体はそうではない。もとよりこれは、国の行く末を決める決闘ではなかった。
GM
起きたことを繰り返し演じることで、その威力を保つための神楽。
甘葛井五郎太
「この儀式には人の世なるものがかかっている」
甘葛井五郎太
「戦いに見せかけた生贄の儀。であるからこそ……」
甘葛井五郎太
「本当の戦いまでに向こうさんの手に神器があるのは、看過できん、か」
甘葛井五郎太
「とはいえ、今もうお互いの手に神器があるんだぜ」
甘葛井五郎太
「封印が解かれて、使い方も分かっている」
甘葛井五郎太
「片割れでも神器は神器、僭主でも王は王だ」
甘葛井五郎太
「奪おうとするならば、神器の力を持ってせねばならんだろうよ」
甘葛井五郎太
「『姫』が『八十神』に殴りかかるのは、儀式としてどうなんだ?」
甘葛井五郎太
「まあ、実際戦いともなれば、あんたにも手伝ってもらうんだろうけどな」
善知鳥 瑞楽
「……『私』は、この儀に何も望みませんが」
善知鳥 瑞楽
「そも『姫君』は、八千矛に利するためにいるのでは?」
甘葛井五郎太
「無謀は八千矛を利するかって話さ、姫さん」
甘葛井五郎太
「俺があんたに無謀を説くのも変な話だけどな」
甘葛井五郎太
「そうじゃないか? 神器を持った『八十神』に、姫君がひとりで向かおうってな、無謀じゃないか?」
甘葛井五郎太
「ま・実際……あの彌祚杯の手に神器の片割れがあるのはヤバいんだが」
甘葛井五郎太
「…………言ったんだがな、会うなって」
甘葛井五郎太
「なあ、お姫さん。蓬どのと話さなくて大丈夫かい」
善知鳥 瑞楽
「言っても、良いものでしょうか。私が」
甘葛井五郎太
「そんなふうに気にするくらいなら、行った方がいい」
甘葛井五郎太
「知らぬが仏という言葉もある、と蓬どのは言ったがな」
甘葛井五郎太
「それは、事実を受け止められん奴に限っての話だよ」
甘葛井五郎太
「あんたはそうじゃないと思う。俺は」
善知鳥 瑞楽
「この儀の、後に。悔いぬためには、……そうでしょうね」
甘葛井五郎太
「戦いでない場所でこそ、話せることもあるだろうしな」
善知鳥 瑞楽
「当代の八千矛が、甘葛様でようございました」
甘葛井五郎太
「人の世を背負って、並んで戦うには、これ以上のお姫様はいないだろうよ」
甘葛井五郎太
大刀を鞘に納めると、そこは全くの闇。
甘葛井五郎太
闇の中で男が動き、先導して駆け始めた。
GM
二つの神。二つの祭具。二つの神器。二つの姫。
善知鳥 瑞楽
2d6 (2D6) > 3[1,2] > 3
善知鳥 瑞楽
3:洞穴。些細な割れ目のような入り口だが、中は広い。完全な闇が滴る。
善知鳥 瑞楽
……振りましたが、別の所を選びますね。
善知鳥 瑞楽
2:墓標。儀式『神楽八十神追』で死んでいった隠忍たちを祀るものだ。
善知鳥 瑞楽
闇を抜けたところで、先を行っていた井五郎太に代わり、今は瑞楽が前へと出ている。
善知鳥 瑞楽
蓬の。ともにあるだろう神器の。そして、やはり、いないはずのない彌祚杯の。
彌祚杯童子
墓標の前に胡座をかき、その足に女の頭をのせて。
泳 蓬
なかば伏すようにしてその膝に頭を預けて。
耳から垂れた血はもう止まっていたが、なお。
泳 蓬
髪に触れる手に身じろぎもせず。死んだように。
善知鳥 瑞楽
静寂を乱すことなく駆けていた足が止まり。敢えて、さり、と草を踏む。
善知鳥 瑞楽
見ずとも来訪をわかってはいるだろうが、自ら示すように。
彌祚杯童子
「げに恐ろしきは人の作りし呪(まじない)に御座います」
彌祚杯童子
「『羽喫鳴鏑』は私が望まずとも、その心を歪めたので御座いましょう」
甘葛井五郎太
ため息をつく。……とはいえ、そもそも。
彌祚杯童子
「貴君が使われても同じこと。なれば、私の生命をもって応えるしかありますまい。」
善知鳥 瑞楽
「……八千矛と姫は、同じ国守の志のもと、互いの意志を添わすもの」
善知鳥 瑞楽
「『羽喫鳴鏑』はそのたすけ、その証にすぎない」
彌祚杯童子
「…………御前ども人は彼女に苦しみを与え、あげく子を孕む機能(ちから)さえ奪い去った」
泳 蓬
喉が鳴る。緩慢とした動きで彌祚杯を見て、小さく頷く。
彌祚杯童子
「今此処で、御前らが彼女の喉を斬る事は……」
彌祚杯童子
女を立たせ、己は一足で高い枝の上に跳び上がる。
泳 蓬
拳を強く握りしめて、彌祚杯の気配が遠のくのを送る。
泳 蓬
「私のことは放っておいて。邪魔だというなら今斬って」
泳 蓬
「私、……あなたがずっと、羨ましかった……」
善知鳥 瑞楽
「どこかで、それを知っていました、蓬」
善知鳥 瑞楽
「けれど、それをほどくすべは、わからなかった」
泳 蓬
「わからなくて、あたりまえでしょう。やっかみだもの」
泳 蓬
「あなたがそうして、正しくて、優しくて、……私の望みを慮ってくれて」
泳 蓬
「それだけで、……こんなふうになっちゃうんだもの」
善知鳥 瑞楽
「貴女はそれだけ言い捨てて、八十神とともに行くべきでした」
善知鳥 瑞楽
「今、私たちが二人でいるのはどうしてですか」
善知鳥 瑞楽
「貴女は八十神の退席を問う言葉に頷いた」
善知鳥 瑞楽
「それで私が、貴女を放っておくと思いますか」
泳 蓬
「……たとえ彌祚杯様が八千矛を討てなかったとしても」
善知鳥 瑞楽
「それで、私の心すべてが貴女から離れると思いますか」
泳 蓬
「思っていたら、もっと初めからこんなことはしていない」
泳 蓬
距離を詰める。手を伸ばす。その顔を、仮面を越して見る。
泳 蓬
「そうしてあなたがほんの少しでも傷ついてくれたら、……」
泳 蓬
「私、”此方”にきてよかったと、思えるわ」
善知鳥 瑞楽
仮面の向こうの視線から、目は逸らさない。
善知鳥 瑞楽
「……置かれた場所にいるしかない私を」
善知鳥 瑞楽
「貴女が少しだけ、そうでない場所へ連れ出していた」
善知鳥 瑞楽
「ここに立つ役目を捨てられはしない」
善知鳥 瑞楽
「貴女の言う通り、貴女を、選べない」
善知鳥 瑞楽
「私をやっかんで、恨み言を言って、私に傷を残そうとして」
善知鳥 瑞楽
「そのためにでも、『私』に触れる貴女のことが」
泳 蓬
命の気配の薄い異界にあって、重ねられる生きた熱に呼吸を忘れる。
泳 蓬
内側へと潜り込んだ鬼の手よりもなお熱く、痛みをもって。
泳 蓬
「あなたみたいなばかな子を、好きになっちゃったんだろう……?」
泳 蓬
「あなたにしあわせになってほしかったのに」
泳 蓬
「どうして……ちょっとだけ、我慢できなかったんだろうね……」
善知鳥 瑞楽
「貴女のそんなところが、私をたすけていたし」
善知鳥 瑞楽
「……そんなところがあったから、今日、そうでなくなってしまった」
善知鳥 瑞楽
2D6+1>=5 (判定:人脈) (2D6+1>=5) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功
善知鳥 瑞楽
ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
泳 蓬
ET 感情表(2) > 友情(プラス)/怒り(マイナス)
善知鳥 瑞楽
「……私は先刻、『貴女が人の世のものであるかぎり』と、言いましたね」
善知鳥 瑞楽
「けれど、私は……貴女が、蓬である限り」
泳 蓬
離れた身体が微かな風に吹かれて、熱を取り払っていく。
泳 蓬
「いやんなっちゃうくらい、いい子なんだから……」
善知鳥 瑞楽
その背に、それ以上声は掛けなかった。
GM
生まれながらにそれを期待され、そしていまここに、役割を果すべく立っている。
GM
それでも、いままで生きてきた時間、積み重ねてきたすべてが、決して役割のためにあるわけではない。
彌祚杯童子
5:集落。そのまま里の者の営みが残っており、細々と、しかし平穏な暮らしをしていたことが窺える。
甘葛井五郎太
たれもいない集落の道端に、男が立っている。
甘葛井五郎太
整えられた砂の道、目にとめた枯れ枝を一つ拾って、手慰みに手折る。
甘葛井五郎太
「向こうは昔っからの知り合いだからな、積もる話もあると思ってよ」
甘葛井五郎太
折った枝は、真っ二つ。一つずつを持って道端に落とし、指先についた砂を払う。
彌祚杯童子
「己の理のために女を不意打ちするような男ではないとは、考えておりました」
甘葛井五郎太
「俺の相手は彌祚杯童子、あんただよ」
甘葛井五郎太
「今やどっちが『八千矛』でどっちが『八十神』か分かったもんじゃあないが……」
甘葛井五郎太
「儀式は儀式で、俺とあんたが神器を持ってる」
甘葛井五郎太
「まさかあの蓬どのに渡していたりしないだろ? 神器」
彌祚杯童子
「しかして、己が武器は祖先より受け継がれし二振りの刀。神器はその神気をもって貴君を苛むでしょう。」
甘葛井五郎太
「こんなものが二つもあったら、そりゃあ『八千矛』は連戦連勝であったことだろうな」
甘葛井五郎太
「……まあいいか、俺の力は鬼の力だ」
甘葛井五郎太
「鬼狩るために鬼になる。音に聞こえし魔王流ってな」
甘葛井五郎太
「隠忍の血を入れた俺が、『八千矛』というのもおかしな話」
甘葛井五郎太
「神器が二つに分かれたは、俺のせいかとも思ったが……」
彌祚杯童子
「貴君が鬼の血を引くというのであれば」
彌祚杯童子
「彌祚杯童子の名を冠する者として、一層負けるわけにはいきませぬね」
甘葛井五郎太
「それはこちらも同じことだ。
鬼を殺すために研鑽してきた俺が、鬼に負けるわけにはいかんだろう」
甘葛井五郎太
「とはいえ俺は……鬼の血を引くと言っても……その性は人だって言われたがね」
彌祚杯童子
「儀式を執り行う者が言うのなればそうなのでしょう」
彌祚杯童子
「石を小判と称せば小判となるのが儀式というもの」
彌祚杯童子
「貴君が『八千矛』で、私が『八十神』と呪をかけられたのならば」
彌祚杯童子
「この場において、その役割はゆるぎますまい」
甘葛井五郎太
「あんたが勝てば、人の世は終わり、新しいシノビガミが生まれる」
甘葛井五郎太
「俺が勝てば、世界は今と同じまま。次の儀式に引き継ぐ次の祭具は、人の手によって作られるだけで、隠忍の手には残らない」
甘葛井五郎太
「姿かたちではなく、生まれ育ちでなく」
甘葛井五郎太
「俺の本性が人というなら、なるほど人という気もする」
甘葛井五郎太
「俺の姿かたちは本当は、もっと鬼に近い」
甘葛井五郎太
「あんたはそれからすると、ひどく人に見えるから」
彌祚杯童子
「古来、我ら『鬼』の祖先は森から生まれたと伝わっております」
彌祚杯童子
「あるがままにあり、求めるままに求め、死する」
彌祚杯童子
「…………しかし、そうで御座いますね。人の血も西方の鬼の血も多く取り込んで参りました。」
彌祚杯童子
「落とされたくない心から、この儀式を覆さんとする私は」
彌祚杯童子
「確かに、人でもあるのかも知れませぬ」
甘葛井五郎太
「犬は森に分け入っても野良犬だ。狼には戻れない」
彌祚杯童子
「囲い込んだは狼であったと知りましょう」
甘葛井五郎太
「犬の中で狼にいちばん近いのは、柴犬らしいぜ」
甘葛井五郎太
「あんたは牙を抜き、人らしくあれと強いられながら、鬼として殺される」
甘葛井五郎太
「だが、きっとあんたのあるがままは、もはや鬼ではない」
彌祚杯童子
「私も、かの人が人の儀に遣られし鬼の血族であったことを、確かに覚えておきましょう」
彌祚杯童子
「さて……そろそろ蓬を迎えに行かねばなりませぬ」
彌祚杯童子
「次に見える時は、刀を交えることになりましょうな」
甘葛井五郎太
ふう、と小さく息を吐き、自分も地を蹴る。
彌祚杯童子
泳蓬に対して感情判定、判定特技は異形化。
彌祚杯童子
2D6>=5 (判定:異形化) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
彌祚杯童子
その足は獣のように軽やかに地面を駆ける。
泳 蓬
振り向くこともせず、闇に沈む墓標を眺めながら。
彌祚杯童子
伸ばした指は赤く染まり、爪は尖っている。
彌祚杯童子
「鬼の末裔として、御前の心を歪めしものとして」
泳 蓬
「あなたが私を己がものとするのなら、したのなら」
彌祚杯童子
「我がものなれば、その身を慮るのは当然のことで御座いましょう」
泳 蓬
斃すべき魔と教えられてきたそれと変わりのない。
泳 蓬
「捧げるといわれて受け取れるものであれば、元より欲したりはしないのですよ」
泳 蓬
「あなたがどれだけ私に誠実にいてくださっても」
泳 蓬
「私は道を間違えたと、そう思ってしまったことに変わりはありません」
泳 蓬
「私こそ、あなたの誠意に報いることはない」
泳 蓬
「私に宿っていた神器はもはやあなたのものです」
彌祚杯童子
ET 感情表(6) > 狂信(プラス)/殺意(マイナス)
泳 蓬
ET 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)
泳 蓬
「私は、おろかで、卑賎で、うつくしくもありません」
彌祚杯童子
「貴方の心の深き場所に、美しい花が咲いていらっしゃることは」
彌祚杯童子
「私はその花を枯らさぬよう努めましょう」
泳 蓬
「……違うと言っても、聞いてはくださらないのですね」
泳 蓬
「ひどいひと、ほんとうに、ほんとうにひどい……」
GM
あるはずのない邂逅。それ故に、あるはずのない――。
GM
それではメインフェイズはサイクル3を終え、クライマックスフェイズへ入ります。