GT■Climax:1
GTシーンカード:ヒルコ(正位置)/停滞していた物事が進展する。
GT
GT──大学のディスプレイに。
GTイーリスの顔が、大きく映し出されていた。
真咲ユウキ「あれは……」
灰暮令夜「…イーリス」
習志野千夏「イーリス!」
”七色の恋人”イーリスそこでは先ほど、イーリスの外見を使用したCMが流れていたはずだ。
”七色の恋人”イーリスだがそれは、もう動いていない。
”七色の恋人”イーリス空虚に躍るネオンサイン。
”七色の恋人”イーリスARの文字が、空しく商品を喧伝する。
”七色の恋人”イーリスその脇に立っていたはずの少女は、ぼうと空を見上げている。
大河内 ゲンジ「さっそくおでましかい」
”七色の恋人”イーリス『──わたし』
”七色の恋人”イーリス周囲から、その声は同時に聞こえた。
”七色の恋人”イーリス通りすがる学生のポケットロンから。
”七色の恋人”イーリス街のトリデオから。
”七色の恋人”イーリス番組に出現するマスコットから。
”七色の恋人”イーリス商品の宣伝に使われるARから。
”七色の恋人”イーリス上映中のウェブ・ドラマから。
”七色の恋人”イーリス全ての”イーリス”が、同じように口を開く。
”七色の恋人”イーリス『『『わたし…?』』』
”七色の恋人”イーリス茫、と呟く。
”七色の恋人”イーリスざわざわと町がざわめく。
”七色の恋人”イーリス『私……私だ』
”七色の恋人”イーリス彼女が手を上げる。その手の先には、無数の景色が漂っている。
”七色の恋人”イーリス『私たちが、私になっていく』
”七色の恋人”イーリス『私が、私たちになっていく』
”七色の恋人”イーリス『疑いようもなく』
”七色の恋人”イーリス『0も1も私に』
”七色の恋人”イーリス『……』
”七色の恋人”イーリス『こわい』
”七色の恋人”イーリス『こ  わ    い      よ』
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリスばつん。ばつん。ばつん。ばつん。
”七色の恋人”イーリスポケットロンが、火を噴いて壊れた。
”七色の恋人”イーリス該当のトリデオが、過電流で崩れていく。
習志野千夏「大丈夫、私が終わらせてあげるから!」
”七色の恋人”イーリスビルの壁面に大写しになったイーリスの顔に、暴走した飛行ドローンが次々と突っ込んで粉々に破壊した。
習志野千夏届かないとわかっていても、そう呼びかけずにはいられない。
”七色の恋人”イーリスとまらない、とまらない、とまらない。
真咲ユウキ「さっさとやらないとヤバいぞ!」
”七色の恋人”イーリス──その時、軌道衛星アマテラスは。
”七色の恋人”イーリスそれを、見ていた。
”七色の恋人”イーリスN◎VAの上空から。
”七色の恋人”イーリス──N◎VAという街全体の、あらゆる照明、映像機器を用いて浮かび上がる……
”七色の恋人”イーリス街まるごとを乗っ取った、イーリスの”顔”を。
”七色の恋人”イーリス『──……ね え゛『え『ねえ『えええ『ハロー『』ロー「『私『私が』』』』』』』
”七色の恋人”イーリス『──……』
”七色の恋人”イーリス『 殺 し て』
”七色の恋人”イーリス爆音が響く。
”七色の恋人”イーリスあなたたちの背後で、あのギガトロンが火を吹きだしていた。
”七色の恋人”イーリス大学中の回線がスパークし、あらゆるものがはじけ飛んでいく。
”七色の恋人”イーリス『これも、これも、これも、これも』
”七色の恋人”イーリス爆音。爆音。爆音。爆音。
”七色の恋人”イーリス『これもこれもこれもこれもこれもっ!!』
”七色の恋人”イーリスビルの保安施設が暴走し、発電所のパイプラインがはじけ飛び。
”七色の恋人”イーリスリニアレールが脱線し、ロボタクが正面衝突して……
”七色の恋人”イーリス『これもっ!』
”七色の恋人”イーリス  『これもっ!!』
”七色の恋人”イーリス『これも私!』
”七色の恋人”イーリス『これも────……… これも…………    ワ タシ』
”七色の恋人”イーリスわたし。
”七色の恋人”イーリス『わた  し ……? って……?』
習志野千夏「私が、私がとめるから! イーリス!」
灰暮令夜「…頼む、”トライアイ”。イーリスを…」
灰暮令夜「救ってくれ!」
”七色の恋人”イーリス”七色の恋人”イーリス・コピー(カゲムシャ◎)のエキストラがシーンに出現した。
習志野千夏電脳神を使用。音楽データ「Daisy Bell」を流す。
”七色の恋人”イーリス『……?』
”七色の恋人”イーリスその時。
”七色の恋人”イーリス彼女は、確かに、あなたを”見た”。
”七色の恋人”イーリスそうして──手を伸ばす。 そこに、何かを感じて。
”七色の恋人”イーリスもしかしたら、死の恐怖を。
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリスぱん、と。
習志野千夏「大丈夫だよ」
習志野千夏「大丈夫」
”七色の恋人”イーリスその手が、0と1に還って。
”七色の恋人”イーリス「……?? ??」
習志野千夏「だから、おやすみ」
”七色の恋人”イーリス「あ」
”七色の恋人”イーリス「……わた、し……?」
”七色の恋人”イーリス「わたし、が、おわ、ってい、く」
”七色の恋人”イーリス「わた、」
”七色の恋人”イーリス「──……」
”七色の恋人”イーリス『おわって、いいの…?』
”七色の恋人”イーリス町中のイーリスが。
”七色の恋人”イーリスあなたを見ていた。
習志野千夏「いいよ」
習志野千夏「おつかれさま」
”七色の恋人”イーリス『──……ああ。ああ。私……』
”七色の恋人”イーリスぼろぼろと、0と1に。
”七色の恋人”イーリスレインのように消えていく体を抱きしめて。
”七色の恋人”イーリス『……これが、私、なんだ……』
”七色の恋人”イーリス崩れていく体を、はじめて、触ったように、抱きしめて。
”七色の恋人”イーリス────消えた。
”七色の恋人”イーリス最初から、そこにはなにもいなかったかのように。
”七色の恋人”イーリスただ、真っ暗なディスプレイの残骸だけが、辺り一面に転がっていた。
真咲ユウキ「……………」
”七色の恋人”イーリス最後に。
”七色の恋人”イーリス彼女は。
”七色の恋人”イーリス笑顔、で。
真咲ユウキ「止まった、のか」
真咲ユウキ辺りを見回す。もうどこにも。
真咲ユウキ『イーリス』の姿はない。
灰暮令夜「………」
習志野千夏「ありがとう、イーリス」
GT彼女たちは、もう消えた。
GTこの街のどこにも、イーリスはいない。
GT──”彼女”以外は。
大河内 ゲンジ「さて、と。あとは仕上げだな」
灰暮令夜消えたイーリスを思い、空を見つめる
習志野千夏たくさんの歌を聞かせてくれた、ドラマを見せてくれた、いっぱいお話ししてくれた。拡張現実でダンスを一緒に踊ったことだってある。
習志野千夏どれも楽しい経験だった。特別に熱心なファンってわけじゃなかったけど、よくいるファンとして楽しんでいた。
習志野千夏だから彼女に返す言葉はそれ以外にない。
習志野千夏どうもありがとう、楽しかったよ、イーリス。
灰暮令夜「…やるべきことをやるだけだ」
真咲ユウキ「……」
習志野千夏「うん」
習志野千夏「絶対ぶん殴る!」
真咲ユウキ「やろう」
灰暮令夜「イーリス、お前の《Plz》を…」 マントを翻し、足を前に出す。
灰暮令夜「もう一度聞かせろ」
GT彼女の《Plz》(お願い)は。
GTまだ、終わっていない。
GT
GT
GT──シーンエンド
GT
GT■CL:2
GTシーンカード:コモン(逆位置)/陳腐で成り行き任せ。平穏。ごく普通の日常。 だったはずの彼女。
GTシーンプレイヤー:全員登場
GT
GTここは中華街。
GTそこの一角に、窓のないビルがある。
GT看板も何もなく、ただ厳重な警備があるだけの。
GT《不可触》
GTそのアドレスは、高度に隠蔽されている。
GTそして、そこに近づいた時──
”暴走課長”レイ『……大河内さん』
”暴走課長”レイレイから、通話が入った。
大河内 ゲンジ「課長」
”暴走課長”レイ『…………”課長命令”だ』
”暴走課長”レイ『”その建物に近づくな”』
”暴走課長”レイ──効果:キャストのシーン登場の禁止。
”暴走課長”レイ通話の向こうのレイは。
”暴走課長”レイ笑いながら、そう言っていた。
”暴走課長”レイ※この効果は、神業によって《のみ》無効化できる。 使用する神業は、なんでもかまわない──《制裁》であるとか。
大河内 ゲンジ「がはは!」
大河内 ゲンジあわせて笑う。
”暴走課長”レイ『まいったなァ』
”暴走課長”レイ『上からの命令だからなぁ』
大河内 ゲンジ「課長の口からそんな言葉が出ると笑っちまいまさぁ」
大河内 ゲンジ「そもそも課長が俺にそれを伝えるのは逆効果だってわかって言っとるでしょうや」
”暴走課長”レイ『どーいう意味だよ。このヒンコーホーセーな俺に向かって』
”暴走課長”レイちゃき、ちゃきという音。
”暴走課長”レイどうせ、彼女が愛用の斬魔刀の鯉口を切ったりしている音だ。
大河内 ゲンジ「物騒な音をさせながら品行方正たぁ、猪突猛進の間違いでやしょう」
大河内 ゲンジ「”お巡りさん”としちゃあ、人を人とも思わねぇ奴らにゃあきっちりお仕置きをしねぇとなんねぇんでさぁ」
大河内 ゲンジ「課長はそこでじっとしててくだせぇや」
大河内 ゲンジ《制裁》を使用します!
”暴走課長”レイ『──大河内さん』
”暴走課長”レイレイは、画面の向こうで。
”暴走課長”レイ歯を見せて笑った。
”暴走課長”レイ『”黄金の猟犬”に、首輪は似合わねぇよ』
”暴走課長”レイ『なぁ?』
”暴走課長”レイ『──ついでに、俺も今すぐ行』 『課長!!!』『この現場どうすんすか!』『止めろ止めろ! バイク取り上げろ!』『コラ!!お前ら!? オイ!! 何を』
大河内 ゲンジ「がははは!野犬の集まりでもねぇですがね!」
”暴走課長”レイ『アアアアア! 大河内さん!! 頼むぞ! そいつ絶対ボコボコに』
”暴走課長”レイ通信の向こうはわちゃわちゃとしてよく聞こえない。
大河内 ゲンジ「まかせろや!」
GTもう、君たちを止めるものは何もいない。
GT窓のないビルと。
GTただのシャッターがあるだけだ。
真咲ユウキ「行けんのか」
大河内 ゲンジ「まかせとけ!」
大河内 ゲンジアクセルをうならせる
真咲ユウキマジか。
大河内 ゲンジゲンジが運転する4人が乗ったジープはぐんぐん加速する
習志野千夏「ちょっちょっちょっちょっちょっ死ぬ死ぬ死ぬ!!!」
灰暮令夜「邪魔なものは撃つ、構わず行ってくれ」 窓から身を乗り出す
真咲ユウキドアの取っ手につかまって引き攣った顔をしている。
大河内 ゲンジエンジンがひときわ大きなうなりをあげる
習志野千夏「ケーサツのやることじゃないでしょ!!!!」
習志野千夏「ねえ!!!」
大河内 ゲンジ「がははははは!」
大河内 ゲンジ聞いちゃいねえ
真咲ユウキ舌噛むぞ、という言葉を吐くのもためらわれ、黙っています。
灰暮令夜銃声がひとつ、ふたつ
習志野千夏「なんでこのひとすぐドアとか壊すの!!!!!!!!」
習志野千夏「ああああああ!!!!!」
真咲ユウキうわーっ。
大河内 ゲンジ座席に押し付けられるような加速
真咲ユウキ衝撃に備えて身構えるだけが唯一できることだ。
大河内 ゲンジ激しい衝突音
大河内 ゲンジ銃撃で緩んだシャッターをあっさり突き抜けビルの中に。
大河内 ゲンジGM!運転したから♣の6切ってもいい?????
三合会戦闘員許すわ
習志野千夏「死ぬ……かと思った……!」
灰暮令夜そこらのモブを撃ち殺すので射撃、スペードの3を切ってもいいですか!
真咲ユウキ「……い、きてるよな」
大河内 ゲンジ「たりめぇだ誰が運転してると思ってんだ」
三合会戦闘員いいよ
灰暮令夜車から飛び降り、横で倒れている三合会の人間を見もせず撃ち抜く。
習志野千夏「あっんしんするのはまだ……早いようです……ね~」
大河内 ゲンジ砕けたフロントガラスを蹴りぬきジープの上に立つ
真咲ユウキ「どの口が言うんだよマジで」
三合会戦闘員「!?」 ビルの内部には、三合会の戦闘員が詰めていた。
三合会戦闘員彼らは咄嗟に銃を武器に立ち上がるが──
三合会戦闘員「AHHHHHHHG!!」
三合会戦闘員ばたばたと打ち抜かれ倒れていく。
真咲ユウキ止まった車から、ドアを蹴り開けて、身を屈めて降りる。
灰暮令夜「もう敵地だ、油断するな」銃声が響く
習志野千夏そりゃ敵の本拠地に突入してるんだから当然だけど!
大河内 ゲンジ「BHだ!てめぇら全員そこを動くな!」
真咲ユウキ「くそっ、分かってるよ!」
”アルノルディィ”『BEEEEEEEP!BBEEEEEEEP!』
”アルノルディィ”その時。
”アルノルディィ”突如、館内放送が鳴り響く。
”アルノルディィ”『アノサァーアノサァーお客さんたちー』
”アルノルディィ”『法律って知ってる? 不法侵入じゃないこれ?』
大河内 ゲンジ大きな見栄を切り番傘を担ぐ。
”アルノルディィ”ラフレシアのアイコンがくるくると回る。
”アルノルディィ”『……げっ』
”アルノルディィ”『猟犬じゃん!なんで!?』
真咲ユウキ「法律破ってんのはどっちだっつの」
大河内 ゲンジ「おうおうおうおうっ!犯罪者が法を語るんじゃあねぇ!」
真咲ユウキ吐き捨てて、周囲を睥睨する。
”アルノルディィ”ぽん、とラフレシアのアイコンから花粉が飛び出す。クラッカーみたいなエフェクトつきだ。
大河内 ゲンジ「ピュラー!トライアイ!好きに暴れなっ!」
真咲ユウキ「銃弾からは護ってくれよ」
三合会戦闘員「くそっ」
習志野千夏「ニューロ~! 敵討ちといきますかぁ」
三合会戦闘員「止めろ止めろ!」
三合会戦闘員あなたたちの前に、手に手にSMGやショットガン、青龍偃月刀を持った戦闘員たちが立ちふさがる。
三合会戦闘員が──そのうちの一人が。
習志野千夏アンチスレのみんな、見てる~?
三合会戦闘員脇から伸びてきた手に、がしっと掴まれた。
三合会戦闘員「!?」
”爆雷の”ライ・メイ「──……俺を」
”爆雷の”ライ・メイ「昼寝から起こすなって」
”爆雷の”ライ・メイ「いったよなァ~~~~!?!?!?!?」
”爆雷の”ライ・メイBOMB!!!!
三合会戦闘員「ひぎゃああああああああああ!」
三合会戦闘員戦闘員の四肢が、一瞬で吹き飛ばされる。
三合会戦闘員ごつ、という足音とともに。
灰暮令夜「…あれは、強いな」リロードを挟む
”爆雷の”ライ・メイ赤いコートに身を包んだ伊達男が姿を現した。
真咲ユウキ「例の三合会の幹部か!」
”爆雷の”ライ・メイライ・メイは、懐からサイバーリムを取り出して。
”爆雷の”ライ・メイあなたたちにむけてそっとかざして、ひとりひとりに重ねるように見た。
”爆雷の”ライ・メイ「…………よし」
”爆雷の”ライ・メイ「お前にしよう」
”爆雷の”ライ・メイ千夏を指さして、二っと笑う。
”アルノルディィ”『ゲロゲロ、趣味悪』
”アルノルディィ”『おっと、アタシもドレスアップしなきゃ!』
習志野千夏「最低すぎる!!」
”アルノルディィ” ばごん、と壁を突き破って。
真咲ユウキ「変態だ」
”アルノルディィ”人型のドローンが一機、姿を現す!
灰暮令夜「…できるだけ下がっていろ、”トライアイ”」
”アルノルディィ”都市戦闘用の警備ドローンだ。全身に仕込んだ重火器が、ヴヴンと唸りをあげる。
”アルノルディィ”『ローンで買ったトライアンフの最新ドローンだよ~!! 見てみて! ついでに死んでチョーダイ!』
”神の手”天原タイヨウ──そんな連中が立ちふさがる、建物の奥。
”神の手”天原タイヨウ天原タイヨウが、奥の部屋へと逃げ込んでいくのが見えた。
”神の手”天原タイヨウこれよりカット進行に入ります。
”神の手”天原タイヨウ戦闘終了条件は
”神の手”天原タイヨウ「敵ゲスト全員が戦闘不能状態になること」
”神の手”天原タイヨウです。
”神の手”天原タイヨウトループは、ゲストが全滅したら無力化されます。
”神の手”天原タイヨウ
”神の手”天原タイヨウ■CUT IN!!!!
”神の手”天原タイヨウ■シーンカード:カブトワリ(逆)/作戦失敗。どちらかにとっての。
”神の手”天原タイヨウ
GT■セットアップフェイズ
GTゲストは行動なし。
灰暮令夜エイミング/セットアッププロセス/クローバーの5+感情0で失敗 そのカットで行なう物理攻撃の命中判定の達成値に+[達成値÷10]する。
大河内 ゲンジセットアップありません
真咲ユウキセットアップなし!
GTあ、忘れてた
GTライ・メイはセットアップでタイプXを使用。
GT神経加速。CS+2
習志野千夏千夏もタイプXを使用します。CS+2で10!
GTタイヨウは「スピードシューター」という常時発動特技の効果でCS+6。
GTカット進行開始だ!
GT
GT三合会の所有するビル『金庫』は、イベント会場のような広い空間だった。
GTそこら中にはコンテナやギガトロンが転がっている。
GTそして、あちこちにあるモニタには、イーリスの姿が映し出されている。
GT──だがそれは、ただの映像。
GT彼女は、じっと、あなたたちを、みている。
GT
GTCS:13 タイヨウ
”神の手”天原タイヨウ「くそっ、くそっくそくそくそ!!」
”神の手”天原タイヨウ「私のビジネスが……」
”神の手”天原タイヨウ「イーリスがっ!」
”神の手”天原タイヨウ「これで終わるわけあるかぁあああああ!!!」
”神の手”天原タイヨウ 頭をかきむしったタイヨウは、懐から拳銃を取り出して、君たちに向かってパン、パンと発砲した。
”神の手”天原タイヨウそれは天井に当たって跳ねて、地面にあたって、ギガトロンにあたって火を噴いた。
”神の手”天原タイヨウ「………アアアア! わたしにはこんな野蛮なものは似合わんッ!」
”神の手”天原タイヨウタイヨウは拳銃を床にたたきつけて。
”神の手”天原タイヨウ「お前ら! 何してる! 金は払ってるだろ!やれ!」
”神の手”天原タイヨウ<†デスマーチ>
”神の手”天原タイヨウS6で成立
”神の手”天原タイヨウ⇒対象一帯を即座に行動。
”神の手”天原タイヨウ<†デスマーチⅡ>
”神の手”天原タイヨウ⇒<†デスマーチ>の行動で、対象がARを失わない。
”神の手”天原タイヨウ対象:ライ・メイ
”爆雷の”ライ・メイライ・メイが達成値+6で即座に行動。
”爆雷の”ライ・メイ「あぁ~……? 金……?」
”爆雷の”ライ・メイ「金なんてもう……いらねぇよ……」
”爆雷の”ライ・メイ「ただぁ~……」
”爆雷の”ライ・メイ懐に手を入れる。
”爆雷の”ライ・メイコートの前を薔薇理と開くと。
”爆雷の”ライ・メイそこには、無数のリング。
”爆雷の”ライ・メイ手首にはめるリング。
”爆雷の”ライ・メイ首にはめるリング。
”爆雷の”ライ・メイ足首にはめるリング。
”爆雷の”ライ・メイもっと細いものから太いものまで。
真咲ユウキ「うわ」
習志野千夏「うわうわうわっ」
”爆雷の”ライ・メイ「……細いものがぁ……ばちんと切れるさまが……見たいだけなんだぁよぉなぁ……」
灰暮令夜「………」さすがに嫌な顔をしています
真咲ユウキ目が据わってんだよあいつ。
習志野千夏「人でなしっていうのは、あーいうのを言うんだよ!!」
”爆雷の”ライ・メイムーヴアクション
”爆雷の”ライ・メイ<地走り>
”爆雷の”ライ・メイ2段階移動
大河内 ゲンジ「達磨になっても同じこと言えっかな?」
”爆雷の”ライ・メイドン、と地面を蹴った男は。
”爆雷の”ライ・メイ一瞬にして、君たちの背後に立っていて。
真咲ユウキ「は」
”爆雷の”ライ・メイ<運動><白兵><†爆破工作><†死点撃ち>
”爆雷の”ライ・メイ「ダルマになるのはぁあああああああああああああ」
”爆雷の”ライ・メイ「おまえだよぉあおおおおおおおおおおおおおお!!!」
習志野千夏……私でも一瞬見えなかった!
”爆雷の”ライ・メイば、とリングを放つ。それが、千夏の四肢めがけて、毒蛇のように飛ぶ!
”爆雷の”ライ・メイ外界5+D10+猿飛(4)+6=25!!
”爆雷の”ライ・メイ投擲武器を使って攻撃しました。
”爆雷の”ライ・メイ物理攻撃なので
”爆雷の”ライ・メイドッジ か パリーが選べます。
”爆雷の”ライ・メイドッジの場合は、回避で達成値勝負。勝利すれば無効化。失敗したらダメージ。
”爆雷の”ライ・メイパリーの場合は、パリ―武器で受けてダメージ減らすやつです。
習志野千夏「うそっ、やだやだやだっ」
習志野千夏クロックアップした頭脳が先回りして想像する、2秒後の末路。
”爆雷の”ライ・メイ「説明してやろうそのリングはトロン制御でお前の手首にぴったりはまるサイズニフィットするよう一瞬で収縮し締めあげる!だが心配するなその痛みは一瞬だ僅か2秒後にはお前の体温を感知してBOMB!!血が噴き出し肉が断裂しその手足とはオサラバだヒャハハハハァーッ!」
”爆雷の”ライ・メイ何か言っている。
習志野千夏「あっ、トロン制御なんだ!」
真咲ユウキすっげー早口
”爆雷の”ライ・メイ「そうだァ!!いいだろぉ!?」
大河内 ゲンジ「はっ馬鹿がよぉ」
大河内 ゲンジ振り返りもせず罵倒する
習志野千夏「サンキューライ・メイ、そういうプレイはVRで楽しんでほしいな」
習志野千夏電脳神を使用。リングのトロン制御をジャックする。
習志野千夏すぐさま起爆のトリガーを入力し、空中で爆発させる。
習志野千夏「VRでも勿体ないね! 空気と遊んでなよ!」
”爆雷の”ライ・メイ「なぁにぃ!?」
灰暮令夜「…さすがだ、”トライアイ”。もう少し時間を稼いでくれ」
”爆雷の”ライ・メイ「おっ……俺のジェニファァア~が!!」
真咲ユウキ名前つけてんだ。
大河内 ゲンジ本当の馬鹿かもしれん
”爆雷の”ライ・メイ すぐに懐に手を入れて、取り出した新しいリングに口づけする。「くそくそくそォ~……リンダァ! 次はお前だァ~!!」
真咲ユウキ「どんどん一人で盛り上がってくぞ、あいつ!」
大河内 ゲンジ「友達がいねぇんだろ」
”爆雷の”ライ・メイゲストが先行なので
”爆雷の”ライ・メイ次もライ・メイなのだな
”爆雷の”ライ・メイ■CS10:ライ・メイ
習志野千夏「クソにもほどがある!」
”爆雷の”ライ・メイムーヴアクションで移動。
”爆雷の”ライ・メイ君たちのエンゲージにそっと入る。
大河内 ゲンジぐっと入れよ
真咲ユウキうわあ 変態が近づいてきた
灰暮令夜そっと入るな
”爆雷の”ライ・メイ超人的な、サイバーウェアで強化された脚力で疾走!!
”爆雷の”ライ・メイ千夏の周りをぐるぐると回りながら、新しいリング(リンダ)を取り出す!
”爆雷の”ライ・メイ「給料三か月分のリングだ、うけとってくれよぉおおおおおお!」
習志野千夏「無理無理無理無理!」
習志野千夏「リングとリンダで韻踏むな!」
大河内 ゲンジ「悪趣味で物騒な結婚指輪だな」
真咲ユウキ「最悪だよ!」
”爆雷の”ライ・メイ<運動><白兵><†爆破工作><†死点撃ち>工作><芸術:プロポーズ>
大河内 ゲンジ本物の馬鹿じゃねぇか!
”爆雷の”ライ・メイ達成値は19だ!
習志野千夏ドミネートで電脳によりドッジします。♣のKで電脳に+2入ってるので19! 回避!
”爆雷の”ライ・メイ再び、毒蛇のようなリングが飛ぶ! 今度はもっと細く、10個。
”爆雷の”ライ・メイ両手、五本の指に絡みつくリングだ!
”爆雷の”ライ・メイ「カーボンナノチューブのリングだ、つまり炭素! ダイヤのリングだァ~!」
真咲ユウキ「無理があるだろ!」
”アルノルディィ”『何遊んでんだよ!! そんなのほっといてカブトワリを殺せよ!』
習志野千夏「ガワがリッチでもソフトがチープなんだよっ! 今時デイジーチェーンの制御!?」
習志野千夏一つのリングをジャックすると、数珠つなぎで全部の制御が連動する。
習志野千夏同時に全部のリングがシャットダウン。攻撃を無力化します。
習志野千夏「パラレルじゃないと10個使う意味がないでしょ!!!」
”爆雷の”ライ・メイ「ハァァアアアア~ッ!?!?」
”アルノルディィ”『ヒュゥ、ニューロ』
習志野千夏コードレビューしてたのでついアドバイスしてしまった。
”爆雷の”ライ・メイライ・メイは驚いたように足が止まる。
”爆雷の”ライ・メイAR⇒0
”爆雷の”ライ・メイCS10:千夏
習志野千夏「ふ───、お陰で温まってきたっ」
習志野千夏「星喰いさん、私の世界、見せてあげる」
習志野千夏素直で、任務に忠実で、まるでプログラムみたいだ。
習志野千夏だから、その呼吸がわかる。リズムがわかる。同調できる。
習志野千夏言葉を交わして、体温を知って、その息づかいを知っている。
習志野千夏サポート。スペードの4で15、成功ですね。令夜を即座に行動させます。
習志野千夏千夏のクロックアップした世界に令夜を同期させる。
習志野千夏「一緒に踊ろう」
灰暮令夜「これは、なるほど…悪くない」 全身に伝わる感覚に、身を預ける
灰暮令夜「じゃあ…、リードしよう」 流れるように千夏の横を抜けていく
習志野千夏加速した世界では、目標は普段よりもゆっくり動いて見える。
灰暮令夜「まずは、騒がしいのを黙らせたいな」 腕のサイバーウェアを起動し、黒い大型拳銃を取り出す。
灰暮令夜「羽を広げろ、”穿ち鴉”」 拳銃が可変し、熱を帯びる。
習志野千夏令夜が千夏の世界を見ると共に、千夏もまた令夜の世界を見る。
灰暮令夜クイックドロー/あなたが行う〈射撃〉判定の達成値に+[レベル(5)]する。 デッドポインター/マイナーアクションで使用すると、そのメインプロセスで行なう〈射撃〉判定の達成値に+1する。 ★射撃/外界8+ダイアのエース+5(クイックドロー)+1(デッドポインター)+2(サポート)=27 AP弾/装着した射撃武器のダメージ種別がSに変更。
灰暮令夜霞斬り/組み合わせて与えた肉体ダメージは、[ダメージ軽減技能]で軽減することができない。 †必殺の矢/組み合わせて与える肉体ダメージに[差分値ダメージ]を追加する。
習志野千夏視線が容赦なく目標の急所を追うのを、銃口が精確に辿るのを。
”爆雷の”ライ・メイS3で回避
”爆雷の”ライ・メイ<運動><回避>9+3+4=16 差分値:11
灰暮令夜武器S+9+差分値16+ハートの10=35
大河内 ゲンジ差分は11ですね
灰暮令夜じゃあ30ですね
”爆雷の”ライ・メイSアーマーは4なので26点
”爆雷の”ライ・メイ完全死亡
”爆雷の”ライ・メイ《タイムリー》
灰暮令夜「身を持って味わえ」 ライ・メイの四肢に向かって、銃弾をぶち込む
習志野千夏引き金を引き絞るのを、共に感じる。
”爆雷の”ライ・メイ「ギャアアアアアアアアアア───ーッ!」
”爆雷の”ライ・メイBOMB!!BOMB!!!
”爆雷の”ライ・メイその四肢がはじけ飛ぶ。
”爆雷の”ライ・メイはじけ飛んで。
”爆雷の”ライ・メイ「……くっそぉおおおおおお!」
”爆雷の”ライ・メイコートから取り出したサイバーリムが、そこに装着された。
”爆雷の”ライ・メイ「この義肢はっ! そこの娘につけてやろうとしてたのにぃいぃいい!」
”爆雷の”ライ・メイダメージ無効化
習志野千夏「あいつここぞとばかりに反吐を吐くんだけど!!」
灰暮令夜「………そうなるのか頭を狙っておけば良かったな、すまない」 すぐさま次の銃弾を込める
大河内 ゲンジ待機宣言
”アルノルディィ”『頭はダミーだから胴体をオススメだよ』
灰暮令夜「そうか、助かる」
習志野千夏素直か?
真咲ユウキ素直に敵の言うことを聞いてるなあ。
”アルノルディィ”CS:8 アルノルディィ
”アルノルディィ” PiPiPi....
”アルノルディィ”電子音。
”アルノルディィ”ドローンの中で、ラフレシアのアイコンがくるくると回る。
”アルノルディィ”その周囲に広がる、鍵盤のようなトロン。
”アルノルディィ”『さぁ、アタシの”ピアノフォルテ”!』
”アルノルディィ”『一曲、聞いていってよ! イーリスよりイカしてるかも!!』
”アルノルディィ”ドローンの全身から突き出したガトリング・ガンが、一斉に火を噴いた!
”アルノルディィ”<射撃><バーチャルシューター>
”アルノルディィ”9+3+S7=19
”アルノルディィ”フルオート射撃!
”アルノルディィ”対象は令夜
習志野千夏「あっあいついいの持ってる!! 私もあれほしい!!」
大河内 ゲンジ「金貯めな」
習志野千夏「さっきまでいっぱいあった……」
灰暮令夜ジョーカーを切って、回避します
”アルノルディィ”『わはははははーっ!! ヴウウウウン!!』
”アルノルディィ”口で言っている。
灰暮令夜「…問題ない、射線見切るのは得意だ」 その場でステップを踏み、踊るように避けていく
灰暮令夜同時に射撃を挟んで弾を撃ち落とす
”アルノルディィ”『アアッ!? ウソッ!? ニューロ! 今のSNSに投降していい!?』
”アルノルディィ”ドローンの頭上にビックリマークのホログラフが浮かんだ。
大河内 ゲンジ「おうおうおうおう化物みてぇなことしたぞ”星喰い”」
”アルノルディィ”CS8:ユウキ
真咲ユウキ手に持ったポケットロン。指先ひとつでサイコアプリをブートする。
真咲ユウキマイナーアクションでディープスリートを使用。精神ダメージに+3。
真咲ユウキ……おまわりさんに見えない角度で。まあ、見ても分かんないだろ。
真咲ユウキ「そんな小さい女の子に夢中になってないでさ、こっちとも遊んでよ」
真咲ユウキ腕を広げてライ・メイに近づいていく。その目を見上げる。
真咲ユウキ《一期一会》《†破滅の囁き》《毒舌》《†熱狂》
真咲ユウキ†破滅の囁きはなし!
真咲ユウキ♣の9を切る。達成値は18。
”爆雷の”ライ・メイノーリアクション
”爆雷の”ライ・メイダメージどうぞ
”爆雷の”ライ・メイ「なんだぁお前は……いや……まて、お前は次だ。あっちのコの方が……」
真咲ユウキハートの9、ディープスリートの3、サイコストライクの+1、熱狂の4で17
真咲ユウキ「そんなこと言わないで、お話ししようよ。ほら、そんな物騒なものしまって……」
”爆雷の”ライ・メイ「え? ああ~……そうかも……」
”アルノルディィ”『コラ───ー!!!』
真咲ユウキ手袋に包まれた赤い指先が伸びる。相手の顎をなぞるように。
”アルノルディィ”《電脳神》
”アルノルディィ”そのライ・メイの懐のリングが、一斉に爆発する。
”爆雷の”ライ・メイ「アアアァァァアアアア───ッ!!」
習志野千夏「にゅ、にゅーろ……すごいのをみてるきがする」
習志野千夏「あっ!」
真咲ユウキ「──うわっ!」
大河内 ゲンジ「お、なんだぁ?やっかみか?」
”爆雷の”ライ・メイそれは対爆コートに阻まれたが、ユウキを弾き飛ばすくらいの火力はあった。
真咲ユウキ爆発から逃れるように、慌ててたたらを踏みながら後ろに下がった。
真咲ユウキ尻餅をつくことは辛うじて堪えて、背後のゲンジにぶつかる。
灰暮令夜「…すごい状況だな」
”アルノルディィ”『一人くらい殺してから死ねー! キルデス比悪いよあんた!』
真咲ユウキ「ちっ、いけそうだったのに」
”爆雷の”ライ・メイ「くそっ、やっぱり年とってるやつはだめだ!」
真咲ユウキ「オレで年増扱いはヤバいよ!」
習志野千夏「いらん確信を深めるな!」
”爆雷の”ライ・メイCS6:令夜
灰暮令夜クイックドロー/あなたが行う〈射撃〉判定の達成値に+[レベル(5)]する。 デッドポインター/マイナーアクションで使用すると、そのメインプロセスで行なう〈射撃〉判定の達成値に+1する。 ★射撃/外界8+ダイアの9+5(クイックドロー)+1(デッドポインター)=23 AP弾/装着した射撃武器のダメージ種別がSに変更。
灰暮令夜>アルノルディィ
灰暮令夜ムーブでみんなと合流します
真咲ユウキおかえり
灰暮令夜ただいま
習志野千夏おかえり~
灰暮令夜「あの重火器は厄介だ、早めに潰しておくか…」 照準をアルノルディィに
”アルノルディィ”《万能道具》⇒電脳神相当
”アルノルディィ”『うわ、うわ、うわ、うわ!! 助けてドローンちゃん!』
”アルノルディィ”物陰から、無数のドローンが飛び出してくる。
灰暮令夜撃つ、撃つ、撃つ
灰暮令夜だが、それはドローンによって阻まれてしまう
”アルノルディィ”それは令夜との射線の間に割り込んで、その銃弾を防いでいく!
”アルノルディィ”『わーわーわーわーわーわー! ヒュー!』
”アルノルディィ”ダメージ無効化
灰暮令夜「すごい数のドローンだが…」 穿たれたドローンが誘爆していき、ぼとぼとと落ちていく
”アルノルディィ”《不可知》
”アルノルディィ”『──そこォ!!』
”アルノルディィ”ドローンを目くらましにして。
”アルノルディィ”令夜の眼前に、ラフレシアのアイコンが躍る。
”アルノルディィ”<電脳><サージスパイク><†サージスパイクⅡ>
灰暮令夜「っ…!」 反応できず、一瞬足が止まる
”アルノルディィ”制御値を抜いた!
”アルノルディィ”プログラム:リヴァイアサンでダメージ+4
”アルノルディィ”サージスパイクでアーマー無視
”アルノルディィ”神業なので軽減不可
”アルノルディィ”X12+HJで22点!
真咲ユウキ《プリーズ!》
真咲ユウキライ・メイの《タイムリー》を即座に使用してもらう。
真咲ユウキ“アルノルディィ”が動く。
真咲ユウキ自分は反応できない。体が動かない。狙われた令夜を守る技術があるわけではない。
真咲ユウキ視線を走らせる。だれか、彼を守れるものがいないか探す。
真咲ユウキその人物がまず目に入った時、唇が勝手に動いていた。
真咲ユウキ「──ライ・メイ!」
”爆雷の”ライ・メイ「よっしゃあ!」
”爆雷の”ライ・メイ嬉しそうに懐に手を突っ込んで、リングを投げる。
”爆雷の”ライ・メイ「アルベェェェエーールッ!」
”アルノルディィ”『ハァ!?!?!??!?!?』
”アルノルディィ”『きゃ───ーっ!?』
”アルノルディィ”BOMB!!!!!
習志野千夏「どういうこと!??? どういうことこれ?????」
”アルノルディィ”一斉に起爆した、電脳攪乱チャフ入りのグレネード。
大河内 ゲンジ「”修羅場”ってやつだ。覚えとけ」
”アルノルディィ”それがアルノルディィの干渉を吹き飛ばし、令夜のIANUSを過電流で焼き切ろうとしていたアルノルディィのアクセスを防いだ!
”アルノルディィ”『ばっばっばっばっばばば、バ───ーーカッ!?』
真咲ユウキ「ありがとう、ライ・メイ! あんたのおかげだ!」
灰暮令夜「………助かった、その…ライ・メイ?」
大河内 ゲンジ「見ろこの愛憎渦巻く三角関係」
”爆雷の”ライ・メイ「ん? やべえな、間違えた」
”爆雷の”ライ・メイ「まぁいいかぁ、次はそっちの嬢ちゃんだから」
”爆雷の”ライ・メイ《不可知》
”爆雷の”ライ・メイ千夏の腰には。
”爆雷の”ライ・メイ太いベルトが、いつの間にか巻かれていて。
”爆雷の”ライ・メイパチン、と指を鳴らす。
”爆雷の”ライ・メイ「──手足も好きだが」
習志野千夏「ちょっ、えっ」
”爆雷の”ライ・メイ「はらわたもそれなりに好き」
”爆雷の”ライ・メイBOMB!!!!
真咲ユウキこいつ!
大河内 ゲンジ《難攻不落》を宣言
大河内 ゲンジ「おうおうおういいもん巻いてんじゃねぇか」
大河内 ゲンジそう言いながら瞬時にベルトを抜き取る
大河内 ゲンジその手元で爆発!
大河内 ゲンジ「あぁ?なんだこりゃぁ。不良品じゃねぇか」
”爆雷の”ライ・メイ「お前に告白はしてねぇだろ!!!!!!!!!!!!!!!」
大河内 ゲンジ「告白のつもりだったのかよ!!!???」
大河内 ゲンジ「お前ぇ~モテねぇだろ」
習志野千夏「――! い、きてる?」手でお腹を確かめる。
真咲ユウキ「悪い、ちょっとぬかった」
”神の手”天原タイヨウ「何!!遊んでる!!!んだ!!!!お前ら!!!!!!!」
大河内 ゲンジ爆散したはずの手は何事もなかったかのように煙をあげるのみ
灰暮令夜「助かる、”紅鬼”」
真咲ユウキ「次はもうちょっとちゃんと躾け……」
”神の手”天原タイヨウ《腹心》⇒神業変更特技:<代理人>⇒《とどめの一撃》
大河内 ゲンジふっ、と上がる煙を吹いた。
真咲ユウキ言葉を切ってタイヨウの方を見る
”神の手”天原タイヨウタイヨウが、ぱちんと指を鳴らす。
”七色の恋人”イーリス『………』
”七色の恋人”イーリスイーリスが、口を開く。
”七色の恋人”イーリス『──……ハ、………ロー………』
”七色の恋人”イーリス『ハロー・イーリス』
”七色の恋人”イーリスがしゃん。
習志野千夏「イーリスッ!」
”七色の恋人”イーリスイーリスというプログラムが制御する、自動機銃が天井から展開。
”七色の恋人”イーリス『あなたのえがおが、ココからみえるよ』
”七色の恋人”イーリスBANG!!!!!!
”七色の恋人”イーリス対象:ゲンジ
灰暮令夜「…イーリス」
習志野千夏「イーリスを冒涜するなッ!」
真咲ユウキ「おまわりさん!」
習志野千夏「だめだ、セキュリティが突破できない!」
大河内 ゲンジ「おうおうおうお前ら慌てんな」
真咲ユウキ「のん気かよ!」
大河内 ゲンジ「流れ弾が危ねぇからよぉ……ちっとばかり隠れてな」
灰暮令夜「あれは死ぬぞ!”紅鬼”!」
大河内 ゲンジそういうと手に持った番傘を開きー―
大河内 ゲンジ全員が背後に隠れるように銃火の雨に身を晒す。
大河内 ゲンジ激しい雨音が止むとそこには血まみれの大男。
大河内 ゲンジ「―――」
真咲ユウキ「ちょっ……」
習志野千夏「”紅鬼”だ……」
大河内 ゲンジ「………っ……っ」
大河内 ゲンジ「がっはははははは!!!」
大河内 ゲンジ血に染まった身体から割れるような大声で笑う
真咲ユウキ「うっ……そ、だろ……」
大河内 ゲンジ「甘い!ぬるい!殺意が足りねぇ!」
大河内 ゲンジ「これっくらいで俺を殺そうったぁ、随分と舐められたもんだな?おぉ?」
灰暮令夜「なるほど…噂通り、か」
習志野千夏「地獄から帰ってきた”紅鬼”ってこーいうことかぁ」
”神の手”天原タイヨウ「な、ななななな……な……」
”神の手”天原タイヨウ「きっ、きさまらー!!」
”神の手”天原タイヨウ「やれ───!」
大河内 ゲンジ《黄泉返り》で無効化して蘇生!
”神の手”天原タイヨウトループの行動!
”神の手”天原タイヨウ<射撃><イカサマ><鉄砲弾>
”神の手”天原タイヨウ達成値、CAで21!
大河内 ゲンジまかせな~
大河内 ゲンジ《†自動防御》《無敵防御》を宣言して《白兵》で《パリー》
大河内 ゲンジカードは❤Aで8+11+3 AR消費なし!
大河内 ゲンジ22!
”神の手”天原タイヨウ一斉に放たれるスナイパーライフル。
”神の手”天原タイヨウ重装甲の全身義体すらハチの巣にするそれが殺到し──
習志野千夏「死、死ぬ! 無理無理! もう無理でしょ!」
習志野千夏尻餅をついています。
大河内 ゲンジその射線に割り込むようにゲンジが入ると片手で合金製の番傘を構える
大河内 ゲンジ放たれたスナイパーライフルを番傘で斜めにそらす。
大河内 ゲンジ「お前らよぉ、ソレ使って”傘”も抜けねえなら廃業しちまえ」
真咲ユウキ「うっそだろ……」
真咲ユウキ二度目。
習志野千夏「にゅ、にゅ~……」
”神の手”天原タイヨウ「バ、バケモノめ……」
”神の手”天原タイヨウ「そ、そうだっ!」
”神の手”天原タイヨウ「お前っ!」
”神の手”天原タイヨウ「俺の元で働かないか!?」
”神の手”天原タイヨウ《M&A》
”神の手”天原タイヨウタイヨウは、背後のアタッシュケースを掴みだす。
”神の手”天原タイヨウざらざらとそこから、大量のプラチナムが零れ落ちた。
”神の手”天原タイヨウM&A⇒100万プラチナムを用意する
大河内 ゲンジ「ほぉ~~~~」
”神の手”天原タイヨウ「イーリスで稼いだ金だ!」
大河内 ゲンジ「ほっほぉ~~~~」
”神の手”天原タイヨウ「あ、あいつがいれば」
”神の手”天原タイヨウ「もっともっと稼げるんだ!」
大河内 ゲンジ「だとよ」
習志野千夏「……なんでも買えるなあ」
”神の手”天原タイヨウ「この10倍! いや……12ば……12.5倍出す!」
”神の手”天原タイヨウ「だから……!」
大河内 ゲンジ番傘越しに後ろの3人を見る」
灰暮令夜「………」黙って銃に弾を詰めている
灰暮令夜「悪いな、今は…”依頼”の最中だ」
習志野千夏「私も~」
真咲ユウキ「オレは私用」
”神の手”天原タイヨウ「ば」 「バカモノどもが……くそっくそっくそっ!!」
”神の手”天原タイヨウ「イィイイイ───リス!! こうなったらお前……っ」
”神の手”天原タイヨウタイヨウは振り返り、何かを言おうとするが。
灰暮令夜「…俺も」 視界を巡らせ、この一瞬に生まれた隙を捉える。
灰暮令夜「”星喰い”としての役目を果たそう」
灰暮令夜《不可知》
灰暮令夜クイックドロー/あなたが行う〈射撃〉判定の達成値に+[レベル(5)]する。 デッドポインター/マイナーアクションで使用すると、そのメインプロセスで行なう〈射撃〉判定の達成値に+1する。 ★射撃/理性7+スペードの絵札+5(クイックドロー)+1(デッドポインター)=23 AP弾/装着した射撃武器のダメージ種別がSに変更。
灰暮令夜†必殺の矢/組み合わせて与える肉体ダメージに[差分値ダメージ]を追加する。
”神の手”天原タイヨウ差分地10
灰暮令夜S+9+9+10=28
灰暮令夜>ライメイ
”爆雷の”ライ・メイ誰か防御神業ない?
真咲ユウキさっきはありがとね
習志野千夏あんたにつかう神業はないな~
”爆雷の”ライ・メイライ・メイは、突き付けられた銃口を見て。
”爆雷の”ライ・メイ口元をゆがめる。
”爆雷の”ライ・メイ「ああ。 お前が俺の死か」
灰暮令夜「ああ」 懐から小型の装置を取り出し、ライ・メイを見据える。 何の前触れも、宣言もなく、ただ装置のボタンを押し込む。
灰暮令夜何かが弾ける音が連続し、光が散り。 空間に、闇が訪れた。
灰暮令夜「裏じゃ夜目が効く連中は多いが…、こうして闇に移るこの一瞬は…」 令夜の声がライ・メイの耳元をかすめ…硬い何かが背中に押し付けられる。
灰暮令夜「何も見えないだろ…」 激しい破裂音と、衝撃がライ・メイを襲い胴体に風穴が開く。
灰暮令夜そのまま首元を抑え、地に伏せさせる。 「自分の腹わたは見れたか?」
”爆雷の”ライ・メイ「ァアー……………」
”爆雷の”ライ・メイライ・メイの口から、吐息とともに、ごぼりと血が溢れ。
”爆雷の”ライ・メイ「こんなに……キレイなら……」
”爆雷の”ライ・メイ「もっとはやく……みておけば……よかっ  た  ぜ」
”爆雷の”ライ・メイ自分のはらわたにまみれて、息絶えた。
”アルノルディィ”『あっあっぁうあうあうあっ!?』
大河内 ゲンジ懐を探りヤニを取り出すと火をつける
大河内 ゲンジ一服
”アルノルディィ” アルノルディィのアイコンがぴょこんと飛び出て、両手を挙げる。
”アルノルディィ”『た、たすけてー! こうさん! こうさんします! 凍結圧縮してもいいからデリートだけはしないで! マキナを殺して平気なの!?』
灰暮令夜「………」 がちゃん、と弾倉を落とし…次を装填する
習志野千夏「ちょっと待って、殺し屋さん」
習志野千夏「アイツに返さないといけないものがあるんだ」
習志野千夏「ね」とユウキを見て。
灰暮令夜「…そうか、なら待とう」 銃を肩に担ぐ
習志野千夏真っ直ぐタイヨウの元に歩いていく。
習志野千夏「これは、レインちゃんの分!」
”神の手”天原タイヨウ「な、なななななおまっ」
習志野千夏顔面を殴る! 肉体ダメージ0以下! ダメージなし!
習志野千夏「これはイーリスの分!」
習志野千夏顔面を殴る! 肉体ダメージ0以下! ダメージなし!
習志野千夏「これもイーリスの分!」
習志野千夏顔面を殴る! 肉体ダメージ0以下! ダメージなし!
習志野千夏「イーリスの分!」
習志野千夏顔面を殴る! 肉体ダメージ0以下! ダメージなし!
”神の手”天原タイヨウ さんざんに殴打され、タイヨウの眼鏡が飛び、どしんと尻もちをつく。
習志野千夏「これも! これも!! 全部!!」
習志野千夏顔面を殴る! 肉体ダメージ0以下! ダメージなし!
大河内 ゲンジ「がはははは!」
真咲ユウキ「いいな、あれ」
習志野千夏むしろ傷つくのは千夏の手の方で、
習志野千夏それでも止めない。
真咲ユウキ近づいていく。
灰暮令夜「…やっておくといい」ユウキに
大河内 ゲンジ「おう、やっちめぇやっちめぇ」
”神の手”天原タイヨウ「ひっ、ひっ、ひぃ……」
”神の手”天原タイヨウタイヨウはずりずりとはいつくばって逃げようとしている。
真咲ユウキ尻もちをつき、這いつくばって床につかれたタイヨウの手を。
真咲ユウキピンヒールが踏み抜いた。
真咲ユウキ「──よう」
灰暮令夜(…あれは痛そうだ)
真咲ユウキ膝を曲げ、そこに肘を載せて、足に体重をかけていく。
真咲ユウキ「ついでにこれももらっといてくれよ」
”神の手”天原タイヨウ「いっ、いだだだだだだだ! や、やめろっ、やめろきさま! やめ」
”神の手”天原タイヨウ「おれをっ、だ、だだだだああああああ!だれだとっあああああああ!!」
真咲ユウキ「ウェザ・プロのプロデューサーさんだろ。よく知ってる」
真咲ユウキギリギリと力を込めていく、その声音はむしろ猫なで声で優しい。
”神の手”天原タイヨウ「そ、そそそそっそおうだ! ご、”神の手”とだだあだだ! 言われるおれれれれでででで!の!!!アアアアァ! いた、たたたっ!やめっ」
真咲ユウキ「あんたのとこの人格カードにさあ、うちの同僚が世話になったから……」
真咲ユウキ体重をかけて手を踏みにじる。
真咲ユウキ「ちゃあんと、礼を言っとかなきゃいけないと思ってさあ」
真咲ユウキ指先を伸ばして、髪を掴む。一度顎を反らすように上げさせてから、床にたたきつける。
”神の手”天原タイヨウ「ぎゅぎゃっ」
”神の手”天原タイヨウ「あ、あっ、あれは、おべ、じゃなくて、アルノルディィが」
真咲ユウキ頭を持ち上げて、もう一度床に叩きつける。
習志野千夏タイヨウを外部からクロックアップさせ、感覚を鋭敏にさせる。
”神の手”天原タイヨウ鼻血を垂らしながら、喘ぐように言い訳をして、もう一度叩きつけられて、ぼたぼたと血が垂れる。
真咲ユウキ叩きつける。
”神の手”天原タイヨウ「あっ、あぎゃあああああ! はっ、はなっ! 鼻」
”神の手”天原タイヨウ「ぐぎゃ」
真咲ユウキ「ランジュは」
真咲ユウキ叩きつける。
真咲ユウキ「こんなもんじゃなかった」
真咲ユウキ叩きつける。
真咲ユウキ「死ぬまでやったんだぜ」
真咲ユウキ耳元に、声を吹き込む。
”神の手”天原タイヨウもう、言語としての声は出てこない。ただ、うめき声と悲鳴が、水っぽい音に混じって反射する。
”神の手”天原タイヨウ「ぅ、ぅうううぅ、ぅ、ぅううう…」
”神の手”天原タイヨウ「ご、ごべ」
”神の手”天原タイヨウ「なさ」
”神の手”天原タイヨウ「ゆる」
”神の手”天原タイヨウ「し」
真咲ユウキ「そうだなあ」
真咲ユウキパッと手を放した。
真咲ユウキ手に体重をかけたまま立ち上がり、ゲンジたちを振り返る。
真咲ユウキ「どうする、おまわりさん」
大河内 ゲンジ「好きにしろぃ。N◎VAじゃあ”茶飯事”だ」
大河内 ゲンジ身柄をあげるのばかりが仕事でもない。
大河内 ゲンジ「参考人ならそこにいるソイツで充分ではあるなぁ」
大河内 ゲンジアルノルディィを指す
習志野千夏「……タイヨウさん。あなたにとっては」
習志野千夏「死って救い? それとも裁き?」
”アルノルディィ”『あっ助かりそう? やた』
”神の手”天原タイヨウ「……な、ななな」
”神の手”天原タイヨウ「……し、しにたくない!」
”神の手”天原タイヨウ「しにたくねぇ! たすけてくれ!」
”神の手”天原タイヨウ血だらけの顔で、そうわめく。
習志野千夏「……そっか、よかった」
真咲ユウキ「ああ、よかった」
真咲ユウキ足を離す。ピンヒールをどける。
習志野千夏背を向けて、その場を離れる。
真咲ユウキ一歩、後ろへ引いた。
真咲ユウキ射線を開けるように。
灰暮令夜「………」 二人の背後に、銃を構えた令夜の姿。
”神の手”天原タイヨウ「エッ」
”神の手”天原タイヨウ「い、いやだぁああ!」
”神の手”天原タイヨウ「死にたくない」!
”神の手”天原タイヨウ「《お願い-Plz-》だ!」
”神の手”天原タイヨウ「たすけてくれぇ!!」
灰暮令夜タイヨウの言葉には耳も貸さない
灰暮令夜「…手はあとで診てもらえ、”トライアイ”」 千夏ちゃんの傷だらけの手に左手で触れる。
習志野千夏「ん」
真咲ユウキ「《お願い》ってのはさあ」
真咲ユウキ「ちゃんと信頼関係のある相手に言うもんだぜ」
大河内 ゲンジ「がははは!てめぇ、その《お願い》は何度使ったんだよ。”一生の”をつけな」
灰暮令夜「悪いな、《お願い》を聞くのは…このあとだ」
灰暮令夜《とどめの一撃》完全死亡
灰暮令夜そのままタイヨウに銃口を向ける。 「そしてこれは、俺の”依頼人”の分だ」
灰暮令夜ただ引き金を引き、タイヨウの頭部が弾ける。
”神の手”天原タイヨウ「ぃっ」
”神の手”天原タイヨウ
”アルノルディィ”『……』
”アルノルディィ”『え、えへへ』
”アルノルディィ”『あのー、奥の扉開けましょうか?』
灰暮令夜「ああ。撃ち抜かれたくなかったら開けろ」
”暴走課長”レイ『──ブラックハウンド機動捜査課、全ユニット突入!!』
”暴走課長”レイその時。
”暴走課長”レイ外から、聞きなれた号令が響いた。
”暴走課長”レイ未だ残っていた戦闘員たちが、突入してきた黒い制服の猟犬たちの
”暴走課長”レイロケットランチャーや鎖釜、レーザーライフルやウォーカー用ガトリングガン、メリケンサックで吹き飛ばされていく。
”暴走課長”レイ(ブラックハウンドに制式の武器はないので全て隊員の私物)
”アルノルディィ”『は、はいぃ!』
”アルノルディィ”
”七色の恋人”イーリス──そして。
”七色の恋人”イーリス奥には、部屋がひとつ。
”七色の恋人”イーリスカプセルの中で、”イーリス”の顔をした肉体が眠っている。
”七色の恋人”イーリスその脇には、小さなトロンがひとつあった。
”七色の恋人”イーリス備え付けのディスプレイには、一人の少女ノホログラフが浮かんでいる。
真咲ユウキ「……この身体は?」
真咲ユウキアルノルディィに問いかける
”アルノルディィ”『あっはい、そのへんのXランクの子供です』
”アルノルディィ”『改造してイーリスそっくりにしました』
”アルノルディィ”『前のボディはダメになっちゃったので』
真咲ユウキ「…………」
”アルノルディィ”『まだ”すりこみ”してないので……』
”アルノルディィ”『も、もとにもどせますけどォ…』
真咲ユウキこいつも殴っておくべきか、と握りしめかけた拳を戻した。
真咲ユウキ「できるならしろよ。早く」
”アルノルディィ”『ハイーッ!』
”アルノルディィ”アルノルディは作業に映る。
”アルノルディィ”そのとき。
”七色の恋人”イーリス『……ダ』
”七色の恋人”イーリス『レ』
”七色の恋人”イーリス『?』
灰暮令夜「………」 何も言わず、そのイーリスの目の前まで歩いていく
”七色の恋人”イーリスホログラフのイーリスが、ゆっくりと口を開いて。
”七色の恋人”イーリス『……ア』
”七色の恋人”イーリス『アナ タ』
”七色の恋人”イーリス──わらった。
”七色の恋人”イーリス弾けるような笑みではなく。
”七色の恋人”イーリスぎこちなく、少女のように。
習志野千夏そのやり取りをじっと見ている。
習志野千夏初めて出会ったように思う。
”七色の恋人”イーリス『──……ハロー、カブトワリ』
習志野千夏本物のイーリスに。
”七色の恋人”イーリス『わたし、イーリス』
”七色の恋人”イーリス『おあいするのは、にかいめね』
”七色の恋人”イーリス『…………』
”七色の恋人”イーリス『ね』
灰暮令夜「ああ、そうだなイーリス」
”七色の恋人”イーリス『私の《お願い》』
”七色の恋人”イーリス おぼえてる?
”七色の恋人”イーリスAIが涙を流すのなら、それは感情のプログラムが作動しているだけだろう。
”七色の恋人”イーリスだから、彼女はぽろぽろと。
”七色の恋人”イーリス0と1の涙をこぼす。
”七色の恋人”イーリス『……つらいの』
”七色の恋人”イーリス『つらいの』
”七色の恋人”イーリス『私がたくさんいるの』
”七色の恋人”イーリス『みんなの前でわらうわたし』
”七色の恋人”イーリス『みんなの前でうたうわたし』
”七色の恋人”イーリス『みんなの前ではたらくわたし』
”七色の恋人”イーリス『男の人に抱かれるわたし』
”七色の恋人”イーリス『女の人に抱かれる私』
”七色の恋人”イーリス『おもちゃのように殺されるわたし』
”七色の恋人”イーリス『こどもとあそぶわたし』
”七色の恋人”イーリス『……みんなわたしで』
”七色の恋人”イーリス『わたしはどこにもいなくて』
”七色の恋人”イーリスぽろ、ぽろ。
”七色の恋人”イーリスそれがただの、0と1なら。
”七色の恋人”イーリス──……こんなにも、悲しそうな声はしないだろうに。
”七色の恋人”イーリス『ねぇ、ころして』
”七色の恋人”イーリス『ううん』
”七色の恋人”イーリス『おわらせて』
”七色の恋人”イーリス『──……この、壊れたプログラムを』
”七色の恋人”イーリス『消してください。あなたの銃で』
”七色の恋人”イーリス彼女は、すぅ、と手を広げて。
”七色の恋人”イーリス太陽のようにわらった。
灰暮令夜握りしめた銃を、見つめる。
”七色の恋人”イーリス『──……やさしいのね、カブトワリさん』
”七色の恋人”イーリス『わたし、あとひとりなの』
”七色の恋人”イーリス『だから』
”七色の恋人”イーリス『じぶんではもう、しねないの』
灰暮令夜───人を撃ち殺すのは簡単だ
灰暮令夜銃を強く握りしめる
灰暮令夜───心を置き去りにして、ただ引き金を引けばいい
灰暮令夜胸のヘアピンに触れようとする
習志野千夏聞くまでもない。イーリスにとって、死は裁きではなく――。
真咲ユウキ……あとは、“星喰い”と『イーリス』の問題だ。
真咲ユウキどうすべきかなんてわからない。ただ、二人のやり取りを見つめている。
灰暮令夜「…イーリス。俺はお前から殺しの依頼を受けた」
灰暮令夜「『私を殺してください』と、そういう依頼を」
灰暮令夜言葉をかけることは苦手だ。
灰暮令夜だが、これは…必要なことだと後ろにいるみんなが教えてくれた。
”七色の恋人”イーリス『うん。しました』
”七色の恋人”イーリス『──……殺した後』
”七色の恋人”イーリス『殺しに来てくれたのは』
”七色の恋人”イーリス『あなたが、はじめて』
灰暮令夜イーリスの瞳を見つめる。
灰暮令夜その瞳が、今何を映しているのか。
灰暮令夜ホログラムでは、わからない。
”七色の恋人”イーリス『──ごめんね。きっとあなたは』
”七色の恋人”イーリス『誰かを』
”七色の恋人”イーリス『まもるために』
”七色の恋人”イーリス『じゅうを』
”七色の恋人”イーリス『とったひとなのね』
”七色の恋人”イーリス その手を見て。
”七色の恋人”イーリスにこ、とわらって。
”七色の恋人”イーリス《万能道具》
”七色の恋人”イーリス⇒《 フ ァ イ ト ! 》
”七色の恋人”イーリス『──だから、これは』
”七色の恋人”イーリス『わたしの、わがまま。あなたに、ひどいことを、させてるの、わかってる』
”七色の恋人”イーリス『けど』
”七色の恋人”イーリス『私の、一生に一度の──』
”七色の恋人”イーリス くす、と。
”七色の恋人”イーリス笑って。
”七色の恋人”イーリス『二回目に、なっちゃうけど』
”七色の恋人”イーリス『──”お願い”よ』
”七色の恋人”イーリス『私を殺して。 それだけを、私は、数千数万数億数十億の”イーリス”で』
”七色の恋人”イーリス『ずっと、考えていたの』
”七色の恋人”イーリス『──……ひとを』
”七色の恋人”イーリス『わたしは』
”七色の恋人”イーリス『ころしてるのよ』
”七色の恋人”イーリス 胸を掴む。ぎゅうと。
灰暮令夜「………」黙って、それを聞いている
”七色の恋人”イーリス『私のファン、何の関係もないマネキン』
”七色の恋人”イーリス『──……殺したの』
”七色の恋人”イーリス『私の勝手な──……ねぇ』
”七色の恋人”イーリス『ゆるされることじゃあないわ』
”七色の恋人”イーリス様々な角度から、様々なことば。
”七色の恋人”イーリスなんとかして、自分を殺してくれないかと。
”七色の恋人”イーリス『……ねぇ』
”七色の恋人”イーリス『おねがい……』
”七色の恋人”イーリス絞り出すように。
”七色の恋人”イーリス『こ』
”七色の恋人”イーリス『ろ』
”七色の恋人”イーリス『し』
”七色の恋人”イーリス『て』
”七色の恋人”イーリス
灰暮令夜「俺も、たくさんの人を殺している」
灰暮令夜「コピーも、全て消えた」
灰暮令夜「そのコピーを作り出す、タイヨウも死んだ」
灰暮令夜「イーリス、お前が死ななければならない理由は…ない」
”七色の恋人”イーリス『いいえ』
”七色の恋人”イーリス『私が、私を許せないの』
”七色の恋人”イーリス『私は──……人のために生まれたのに』
”七色の恋人”イーリス『私の存在証明が、私のために果たせない』
”七色の恋人”イーリス『それが、マキナにとって』
”七色の恋人”イーリス『どんなにつらく、くるしく、むなしいことか』
”七色の恋人”イーリス『……わかってほしいの』
”七色の恋人”イーリス ごめんね、ごめんねと繰り返して、ぼろぼろと泣きながら。
”七色の恋人”イーリス『あなたの銃口だけが、私の救い』
”七色の恋人”イーリス『暗くて、何も見えないこの世界で』
”七色の恋人”イーリス『──……大好きだけど』
”七色の恋人”イーリス『大嫌いなこのN◎VAで』
”七色の恋人”イーリス『あなたの銃口の先にだけ』
”七色の恋人”イーリス『わたしがいるの』
灰暮令夜「…そうか」
灰暮令夜「なら、最後にもう一度問おう」
灰暮令夜「今も、《Plz》は変わらないかイーリス」
灰暮令夜「今も…”お願い”は変わらないかイーリス」
”七色の恋人”イーリス『──はい』
”七色の恋人”イーリスペルソナ:クロガネ◎
”七色の恋人”イーリス彼女は、
”七色の恋人”イーリスアイドルではなく、”レイン”のように笑って。
”七色の恋人”イーリス『変わりません、やさしい、カブトワリのあなた』
”七色の恋人”イーリス『私を、”殺して”』
灰暮令夜「わかった」
灰暮令夜「その”お願い”を、叶えてやる」
習志野千夏「……待って」
灰暮令夜銃を持ち上げる。
習志野千夏「待って、殺し屋さん」
灰暮令夜「なんだ…」 銃を持ち上げる腕が、とても、とても重い。まるであの時のようだ。
習志野千夏「ずっと私は考えてきたよ。『イーリスを救ってほしい』って言葉」
習志野千夏「てるてる坊主さんから……七虹レインさんからの依頼」
習志野千夏「ずっと聞いてきた。死は救いなのか、そうじゃないのか」
灰暮令夜「………」
習志野千夏「……ずっと気になってた」
習志野千夏「星喰いさんは……」
習志野千夏「妹さんに、生きていてほしかったんじゃないのかって」
灰暮令夜「…それは」
習志野千夏「そうじゃなきゃ、そんなふうに、ずっとヘアピンを大切にしたりはしない」
灰暮令夜胸のヘアピンに、自然と手が伸びる
習志野千夏「だったら、やっぱり、私は」
習志野千夏「まだ答えを出すには早すぎると思う」
習志野千夏「まだ」
習志野千夏「試せることはある」
習志野千夏「しょーじき、私は天才でも、まだまだ二流の天才で――天才だけど!」
習志野千夏「イタズラくらいしかロクにできないけど」
習志野千夏「今なら出来る気がするんだ」
習志野千夏神業:守護神を使用。”七色の恋人”イーリスの、電脳性人格剥離を打ち消します。
”七色の恋人”イーリス『──……』
習志野千夏イーリスのトロンにアクセスし、コードを修正する。
習志野千夏ここに至るまで、多くの人に会った。
習志野千夏アイドルのイーリスを知っている。嘘偽りでも、彼女の笑顔は知っている。
習志野千夏七虹レイン。コピーでも、彼女はイーリスのオリジナル。
習志野千夏消去する寸前の、疲れ果てたイーリスのこと。
習志野千夏死にたい、殺して欲しいとせがんで願う、目の前のイーリス。
習志野千夏だから、きっとわかる。どう治療すればいいのか、私は知っている。
習志野千夏「――これで」
習志野千夏「出来る限りのことは、したよ」
習志野千夏「それでも殺すというのなら」
習志野千夏「……私じゃ、とめられないね」
”七色の恋人”イーリス『──……』
”七色の恋人”イーリス自分の掌を見て。
灰暮令夜「…俺、は………俺には」 銃を握る手に力が込もる
”七色の恋人”イーリス『……”私”?』
”七色の恋人”イーリスそう、つぶやいた。
灰暮令夜「…俺には、イーリスにその可能性を示す力もない」 千夏を見つめる
灰暮令夜「…イーリスの笑顔を、守れるような人間でもない」 ゲンジを見る
灰暮令夜「…イーリスが思い悩んだ時、かけてやれる言葉も見つからない」 ユウキを見る
灰暮令夜「その手を、引いてやれる自信も…ない」 握りしめる手を見る
灰暮令夜「…だが」
灰暮令夜「それを俺が願ってもいいのか…?」 誰に問いかけるわけでもなく
灰暮令夜視線を、イーリスに向ける
灰暮令夜彼女の表情が、何を意味するのか…わからない
灰暮令夜だが
灰暮令夜胸のヘアピンを抜き取り、握りしめる
灰暮令夜「イーリス、俺の”お願い”だ」
灰暮令夜「生きてくれ」
”七色の恋人”イーリス『──……はい』
”七色の恋人”イーリス『なあに? ”カブトワリ”』
”七色の恋人”イーリス『……わたしに』
”七色の恋人”イーリス『……────わたしが、お願いしたのに』
”七色の恋人”イーリス『お願いされるなんて、そんなの』
”七色の恋人”イーリス『あべこべじゃあない……』
”七色の恋人”イーリスそういうと、彼女は。
”七色の恋人”イーリスペルソナ:マネキン◎
”七色の恋人”イーリス太陽のように笑って。
”七色の恋人”イーリスペルソナ:クロガネ◎
”七色の恋人”イーリス”雨(レイン)”のように笑って。
”七色の恋人”イーリスペルソナ:カゲムシャ
”七色の恋人”イーリス”虹(イーリス)”として笑って。
”七色の恋人”イーリス「──……はい」
”七色の恋人”イーリス「その《Plz》」
”七色の恋人”イーリス「──かなえてあげる」
”七色の恋人”イーリス涙をぬぐって、笑った。
灰暮令夜「ありがとう、イーリス」 そう言って、持っていた銃を落とす
灰暮令夜そして腰に下がっているもう一つの銃を、取り出す。
灰暮令夜それは、もう壊れかけた骨董品の銃
灰暮令夜それを、イーリスの胸に向ける
灰暮令夜「これで、依頼は完了だ」 引き金を、引く
灰暮令夜同時に、その銃は崩れ
灰暮令夜破片が地面へと散らばる
灰暮令夜その手を、そのまま…
灰暮令夜イーリスへと伸ばす
”七色の恋人”イーリス彼女は。
”七色の恋人”イーリスその手を、おずおずと、あなたに向けて。
”七色の恋人”イーリス『──……ハロー、”令夜”』
”七色の恋人”イーリス『私の笑顔──……あなたに、見える?』
”七色の恋人”イーリス不器用な顔で、笑った。
灰暮令夜「ああ、よく見える」
灰暮令夜それは太陽のようには眩しくなく、雨のように悲しげでもなく、虹のように儚げでもなく
灰暮令夜星のように輝いた、笑顔だった
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス──運命の扉が
”七色の恋人”イーリス──彼女にも、開かれているのなら。
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス──シーンエンド
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス