RL-GT■Ending
RL-GT■ED:1
RL-GTシーンカード:トーキー(正位置)/繁栄。よくいきること。
RL-GTシーンプレイヤー:ユウキ
RL-GT
RL-GT三合会の者たちが、ブラックハウンドによって次々と無力化されていく。
RL-GT装甲パトカーをぱんぱんにしながら、機動捜査課の女課長がレッガーたちのケツを蹴り飛ばしている。
RL-GT大河内ゲンジにも、彼女から声がかかる。
RL-GT一緒に乗っていくか、とかそういう旨の言葉だ。
RL-GT
真咲ユウキ「おまわりさん」
真咲ユウキその背に、ユウキから声がかかった。
月夜「おう、おつかれさん」
真咲ユウキ「帰んのか」
大河内 ゲンジ「まだまだやらねぇといけねぇことがあるからな!」
大河内 ゲンジ「車も壊しちまったし」
真咲ユウキ「ああ、そっか……」
真咲ユウキ「あの運転、マジで最悪だった」
大河内 ゲンジ「日頃できない貴重な経験だっただろ?」
真咲ユウキ「一回経験したらもう十分って感じ」
真咲ユウキ「じゃなくて、えーと」
真咲ユウキ「……ありがとな。世話になった」
真咲ユウキ「動いてたイヌがあんたじゃなかったら」
真咲ユウキ「こんなふうには上手くいかなかったかも」
大河内 ゲンジ「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか」
大河内 ゲンジがはは!と笑う
真咲ユウキ「だって、マジだろ」
真咲ユウキ「何回か死んだかと思ったし」
真咲ユウキ「あの傘もすごかった。BHっていっつもあんな感じなのか?」
真咲ユウキくるくる傘を回す真似をしてから、首をすくめる。
大河内 ゲンジ「まぁあんな感じだな。俺なんてまだまともな方だ」
真咲ユウキ「ヤバいね」
大河内 ゲンジ「”暴走課長”についていくようなやつらは大体あんなンだぜ」
真咲ユウキ「あ~」
真咲ユウキゲンジ越しにレイの方を見て、待たせちゃ悪いな、と小さくつぶやく。
真咲ユウキ「……こっからのことは、さすがにもうあんたらの仕事だな」
大河内 ゲンジ「クソクラッカーをいじめる仕事も残ってっからな!」
真咲ユウキ「あいつらぶっ飛ばせてよかった」
真咲ユウキ「うん、オレにできることはしたよな。マネキンができることは……」
真咲ユウキはあ、と大きく息をついて、ヒールを履いた足の具合を確かめている。
大河内 ゲンジ「充分以上だな!……線引きは、気ぃつけとけよ?」
大河内 ゲンジ脅しではなく気に書けるように声を潜めた
真咲ユウキ「分かってるよ。……ありがと」
真咲ユウキ「おかげで、仇が取れた」
真咲ユウキ「でも、もうちょっとだけ」
真咲ユウキ一歩、二歩。
真咲ユウキ手の届くところまで近寄って、指先をゲンジに伸ばす。
真咲ユウキ指先は丸まり、拳になって……
大河内 ゲンジ意図を察して拳を作る
真咲ユウキトン、と軽く、ゲンジの拳に拳をぶっつけた。
真咲ユウキ《ファイト!》を使用。ゲンジの《制裁》を回復します。
真咲ユウキ「あとのこと、応援してるよ」
大河内 ゲンジうけた拳で自分の胸にトントン、と2度たたく
真咲ユウキ「頼んだ」
大河内 ゲンジ「まかせとけ」
真咲ユウキ肯く。あ
大河内 ゲンジ「おう、そうだ。なんかあったら連絡してくれ、かけつけっからよ」
真咲ユウキ「オレの店でもう変な問題なんか起こさせねえよ」
真咲ユウキ「でもまあ、なんかあったら」
大河内 ゲンジよれたコートの懐から、物理の名刺を取り出しさしだす
真咲ユウキ受け取って、くるりと回した。
真咲ユウキ「……それじゃ、オレもこれで」
大河内 ゲンジ「おう、またな」
真咲ユウキ「客で来てくれんの?」
大河内 ゲンジ「ねぇとは言わねぇよ」
大河内 ゲンジ「兄ちゃんを指名するかは知らねぇが」
大河内 ゲンジがはは!と笑う
真咲ユウキ「はは」と笑った。
真咲ユウキそのまま、手を振って踵を返す。
真咲ユウキ「その時ゃ、サービスするよ」
真咲ユウキ背を向けて、歩き出した。
真咲ユウキ大捕り物は終わり、イヌたちの怒号もレッガーたちの悲鳴も遠くなる。
真咲ユウキ自分が今から帰るのは、そこから薄皮一枚隔てた夜の街。
真咲ユウキ──ひとりのマネキンが死んだ。
真咲ユウキ死んだのは、彼女だけではない。『イーリス』の顔と姿を借りて、おのれを失ったまま、痕跡をどこにも残さず消えた。
真咲ユウキでも自分は、まだちゃんと彼女を覚えている。
真咲ユウキ彼女を消して潰し、命を絶った『イーリス』が救われたことを、苦く思いながらも良かったと思える。
真咲ユウキ「……楽じゃなかったよ、ランジュ」
真咲ユウキ「楽じゃない方がよかった」
真咲ユウキ「ちゃんと言えてりゃよかったな」
真咲ユウキもう取り返しがつかないことを、消えた相手にぽつりと囁く。
真咲ユウキ取り返しのつかなかったことを背に置いて、自分の居場所に戻っていく。
真咲ユウキそこに彼女がいたことを、せめて自分は忘れまい。
真咲ユウキ──同じ仲間として。
RL-GT
RL-GTシーンカード:ミストレス(正位置)/意味は豊穣。母性。女性の協力。物質的な恩恵を得る。
RL-GT
RL-GTマネキンにも。
RL-GT歩く足は、ついている。
RL-GT
RL-GT──シーンエンド
RL-GT
RL-GT
RL-GT■ED:2
RL-GTシーンカード:クグツ(逆位置)/不安定。中途半端。膠着状態。 ──を、食いちぎれ、黄金の猟犬よ。
RL-GTシーンプレイヤー:ゲンジ
RL-GT
”暴走課長”レイ課長室にたどり着く。
”暴走課長”レイブラックハウンド基地内では、捉えた三合会のエージェントたちでぱんぱんだ。
”暴走課長”レイ怒号と罵声と恐喝──勿論、全て我らが頼もしいBH機動捜査課隊員が発したものだ──が飛び交う中。
”暴走課長”レイ彼女は、部屋の中でぐってりと机に突っ伏していた。
”暴走課長”レイ机には、大量の始末書の山。
”暴走課長”レイ「─……おう、大河内さん。よくきたなぁ~」
大河内 ゲンジ「大河内ゲンジ、ただいま戻りました」
大河内 ゲンジ姿勢を正し敬礼
”暴走課長”レイ「ああ」
大河内 ゲンジ「……で、なんでさぁこの書類の山は」
”暴走課長”レイ「ご苦労だった……ははは」
”暴走課長”レイびし、と腕だけの敬礼をしたあと、くたびれた顔で書類を叩く。
”暴走課長”レイレイはウェットだ。
”暴走課長”レイホロペーパーやDAKは苦手なので、今更ペーパーの書類を使っている。
”暴走課長”レイ「お前らがさぁ~無茶苦茶するもんだから」
”暴走課長”レイ「上からしこたま怒られちまったよ」
大河内 ゲンジ「課長がいいやすか
”暴走課長”レイ三合会の戦闘ドローンを、バイクにまたがり騎馬兵よろしく真っ二つにしていた女の言うことではない。
”暴走課長”レイ「はははは」
”暴走課長”レイ「言うよ。俺ぁ」
”暴走課長”レイ「お前らの上司だから」
”暴走課長”レイしゃーねーな、と、柔らかく笑う。
大河内 ゲンジ「へっへ、ありがとうございやす」
大河内 ゲンジ「俺らも課長の下だからこそやりがいがあるってもんでさぁ」
”暴走課長”レイ「おう。そう言ってくれると、俺も頭の下げがいがあるよ」
大河内 ゲンジ無茶をさせてくれるのも、上からの圧力にわざわざ間に入ってくれるのも、ここぞのところで駆けつけるのも。
大河内 ゲンジだからこの若い”課長”を尊敬している。
”暴走課長”レイレイは、今回の事件の被害者のリストを片手に持っている。
”暴走課長”レイそれを横目で見ながら、何も。
”暴走課長”レイ何も言わずに。
”暴走課長”レイ「─大河内ゲンジ隊員」
”暴走課長”レイ「ご苦労だった」
”暴走課長”レイ「貴官のバッヂに、誇りと感謝を」
大河内 ゲンジ「はっ、光栄であります」
大河内 ゲンジ再敬礼
”暴走課長”レイ「もう行け。休暇つけとくよ」
大河内 ゲンジ「ああいや、いただきたいのはやまやまなんですがね、もうちっと最後までやっちまいまさぁ」
”暴走課長”レイ「そう? 仕事熱心だね」
”暴走課長”レイ「─……手貸そうか?」
”暴走課長”レイがたっと、机の脇にある斬魔刀に手が伸びる。
大河内 ゲンジ「いやぁ!課長はその書類の山と戦っててくだせぇ」
”暴走課長”レイ「やだ───ーー!!」
”暴走課長”レイ「俺も外に出るんだぁ───!」
大河内 ゲンジ「やだじゃあねぇでしょう!」
”暴走課長”レイ暫くすると、ドローンが飛んできてレイを抑え込んだ。
”暴走課長”レイかつての彼女の相棒・メモリ巡査が開発したレイ押さえつけ用ドローンである。
大河内 ゲンジ「そもそも俺以外でいっとう最初に現場に乗り込んだのは課長でしょうや……」
大河内 ゲンジ押さえつけドローンに敬礼
大河内 ゲンジ「ああ、これ俺の車両の書類、置いときやすんで」
”暴走課長”レイ「うす…」
大河内 ゲンジ「俺も頼まれちゃあね、休んでらんねぇんで」
大河内 ゲンジ「そのリストに載ってねぇ被害者も山ほどいるもんで、ちゃんとやらねぇと夢枕に立たれちまう」
”暴走課長”レイレイはその言葉を聞いて、ひらひらと手を振った。
”暴走課長”レイ「存分にやっちまえ」
”暴走課長”レイ「N◎VAを、ちょっとでも綺麗にしねぇと」
”暴走課長”レイ「ゆっくり眠れねぇ連中が多すぎる」
大河内 ゲンジ「ぐっすり眠ってもらうための俺らでさぁな」
大河内 ゲンジ「では、失礼します」
大河内 ゲンジもう一度敬礼し部屋をでる。
大河内 ゲンジN◎VAはろくでなしどもの集まりだ。
大河内 ゲンジこうしている間に人は死に事件は起きいけすかねぇ馬鹿どもが暴れている。
大河内 ゲンジたかが”お巡り”にできることは知れている。
大河内 ゲンジそれはどこに所属していようと同じだ。
大河内 ゲンジしかしそれでも、できるだけのことを全力で。
大河内 ゲンジだから今日も明日も明後日も―――
大河内 ゲンジ大河内ゲンジは街をゆく。
大河内 ゲンジ《制裁》を使用!今回の事件にかかわったろくでなしども全員に裁きを下す。
大河内 ゲンジ傘を片手に、N◎VAを行く。
”暴走課長”レイ
”暴走課長”レイシーンカード:イヌ(正位置)/意味は審判。事件の決着。逮捕。失われしものの再生。
”暴走課長”レイ
”暴走課長”レイその日、トーキーたちは盛んに報じた。
”暴走課長”レイ『またまたお騒がせ! ブラックハウンド機動捜査課 大暴れ!』
”暴走課長”レイこうして、悪名がまた一つ。
”暴走課長”レイこうして、審判がまた一つ。
”暴走課長”レイ
”暴走課長”レイ──シーンエンド
”暴走課長”レイ
RL-GT■ED:3
RL-GTシーンカード:カタナ(正位置)/決断を必要とする状況の到来。
RL-GTシーンプレイヤー:千夏
RL-GT
RL-GTイエロー・エリア、N◎VAアサクサ。
RL-GT古き良き街並み──まぁ、それを直接知るものはもうほとんどいないのだが──を再現した街並みは、N◎VAっこたちのお気に入りのレジャースポットだ。
習志野千夏「いや~~~ここ前から来たかったんだよね。羊羹! 羊羹食べたことある? ないんだよね~~~これめちゃめちゃ合成食材の原型っぽいけど昔からこういう食べものだったんだって! 信じられないよね~~~」
習志野千夏「どうみても加工前の合成食材インゴットじゃんねこれ。塊だよ。塊。でもこれがなんと…合成食材じゃないんだな~~ニューロ~!」
灰暮令夜「今日はよく動くな、”トライアイ”」 そう言いながら、黒い塊をつついている
灰暮令夜「…羊羹、か」つんつん
習志野千夏「そんな整備不良のドローンみたいな!!」
習志野千夏「大丈夫だよ、羊羹は怖くないよ」
習志野千夏羊羹「コワクナイヨ」
”七色の恋人”イーリス「前私のどれかが食べたかも? あれ? 違う? わかんない! けど私が食べるの初めてだからいっか! ねー、こんな感じにできるのすごいよね、大豆ベースの合成食材と何が違うのかな? 食べてみないとわかんないなー♪」
習志野千夏私に……着いてきてる!?
灰暮令夜「イーリスも、今日はよく動くな」
”七色の恋人”イーリス令夜の横では、エメラルドの髪をキャスケットに隠したイーリスが楽しそうに揺れている。
習志野千夏「どうしたって味覚はセンサーの個体差で変わるからね」
習志野千夏「いつどういうときに食べるかでも、違う味がするからね」
習志野千夏「誰と食べにきて、どういうお話をするかでね」
灰暮令夜「…そういうものか」
”七色の恋人”イーリス今日の彼女の装いは、肩を見せたニットとショートパンツ。ちょっとした服装の変化だが、彼女が”イーリス”だと気づく人はいないだろう。
”七色の恋人”イーリス「そうだよ」
”七色の恋人”イーリスイーリスはにこりと笑って。
”七色の恋人”イーリス「私のセンサーも、今日はちょっと面白いと思ってるかも」
習志野千夏「そういえばこの前近所のお気に入りのレストランで……かに玉がすごい美味しいお店なんだけど……にいったとき、とうとうお父さんに、『なんであんなにドアが壊されてるんだ』って話を問い詰められて、あのときのかに玉の味ったらなかったな~~~完全に泥! 忸怩たる思いとはこのことだよね」
灰暮令夜「泥か、それは困るな」 そう言って羊羹を口に運ぶ。
”七色の恋人”イーリス「かに玉? ちょっとまってかに玉って食べたことないかもウソでしょ? ねぇアイドル番組とかで一口くらいいかないの? いってない~くやしい、私も食べたいな~! ドア? ノックの仕方知らない人がいるの? 早くイヌに知らせなきゃ」
習志野千夏ゲンジさんは友達って言ってます。警察にお世話になってるとは言えないからね。言えないでしょ。いつもドア壊す友達。
”七色の恋人”イーリス「──あ」
灰暮令夜「…もぐ。なるほど、甘い」
”七色の恋人”イーリスイーリスが、ふと顔をあげる。
”七色の恋人”イーリス彼女の手の中で、甘い羊羹が揺れた。
”七色の恋人”イーリス店内のトリデオが、ある番組を映している。
”七色の恋人”イーリス満員のステージ。
”七色の恋人”イーリスきらきらと輝くAR。
”七色の恋人”イーリス災厄以前のヒット曲が流れる。
”七色の恋人”イーリス──”電脳の歌姫”メロディ。
”七色の恋人”イーリスイーリスではない、アイドル・シンガーが、そこで歌っていた。
”七色の恋人”イーリスもう、TVでイーリスの姿を見ることはない。
”七色の恋人”イーリス「……美味しいね」
”七色の恋人”イーリスそういって、彼女は笑った。
習志野千夏「おいし~」
灰暮令夜「ああ、今日の味は覚えておこう」
習志野千夏「結構あまいけど、令夜は大丈夫なの?」
灰暮令夜「案外いける」もぐもぐ
”七色の恋人”イーリス「食べたことないだけでしょ、令夜は」
習志野千夏味覚分析のうち甘みがかなり飽和値に近い。脳によさそうな味する。
灰暮令夜「それはそうかもしれない」
”七色の恋人”イーリス匙を口にくわえたまま、ぷらぷらと振る。
灰暮令夜「だが、美味いのは確かだ」
”七色の恋人”イーリス「そう、おいしいものはおいしいの」
習志野千夏「まあ、そういうもんだよね」
習志野千夏「世界には、色んな物があるのに、自分には関係ないって通り過ぎちゃうんだ」
習志野千夏「そうそう、あの事件の日にさぁ、令夜とクロックをシンクロさせたときにね」
習志野千夏「令夜の目を借りて見てみたんだ、私も」
灰暮令夜「あれか」
習志野千夏「カブトワリの世界」
習志野千夏「目が真っ先に見つけるのは何が自分に向けられた攻撃。それから、相手のどこを撃てば機能が停止するのかって、淡々とした」
習志野千夏「良いとか悪いとか、じゃなくて……」
習志野千夏「そういう世界があるんだな~って、思ったよね」
習志野千夏「令夜も見たでしょ、ニューロの世界」
習志野千夏喋る合間にお茶を啜る。いつ息をしてるのかはよくわからない。
灰暮令夜「あの時は、意識がはっきりしていて…千夏を側で感じられた」
灰暮令夜「正直、気持ちの良いものだったな」
習志野千夏「でしょ!!!!!」
灰暮令夜「ああ」
習志野千夏「ちゃんと仕事してるゲンジさんも初めてみたし、ピュラーさんの、あれ、あの……あれ……すごかったね」
”七色の恋人”イーリス「ようこそ、マトリクスへ。”W.i.M”!」 イーリスが笑う。 それは、ニューロたちの間に伝わる合言葉。『世界は私のもの』
”七色の恋人”イーリス「えーっ、それ見てない! わたしみてないよ」
”七色の恋人”イーリスそれはそうだ。
習志野千夏「こんどみにいこっか!!!!」
”七色の恋人”イーリス「ほんと!? やったぁ」
”七色の恋人”イーリス「見たいもの、まだまだたくさんあるし、知りたいものもたくさん!」
”七色の恋人”イーリス「お砂糖、スパイス、それから素敵なものいっぱい」
”七色の恋人”イーリス「──ね、令夜!」
灰暮令夜「ああ、そうだな。俺も知らないものがたくさんある」
灰暮令夜「一緒に見ていこう、イーリス」
”七色の恋人”イーリス「うん。一緒に見ていこう、令夜っ」
”七色の恋人”イーリスそういって、彼女は羊羹をもうひとくち。
灰暮令夜「だから、これからも色々と教えてくれ、千夏」
”七色の恋人”イーリス「─おいしー!」 騒いでいる。
習志野千夏「もちろん! 世界を跨ぐのがニューロの仕事だからね!」
習志野千夏「……安心したな」
習志野千夏「私は、レインさんに『イーリスを救ってほしい』って言われたんだ」
習志野千夏「イーリスは、たくさんの世界を見ていて、もう全部にうんざりしてるのかとも思ってた」
習志野千夏「……知ると辛いことがあるってのは私も知ってるからね」
習志野千夏今回の件だって、全くそういうことがないわけではない。
習志野千夏辛くても知るべきこと、知りたいことだったから前に進めているだけだと思う。
”七色の恋人”イーリス「そうだけど、そうじゃないの。ギリギリ黒字よ、私のイマ」
”七色の恋人”イーリス彼女は少し、澄ましたように笑って。
”七色の恋人”イーリス「──それが令夜の《Plz》だからね」
”七色の恋人”イーリス横顔で笑う。
”七色の恋人”イーリスきらきらと、その髪が虹のように光った。
習志野千夏「よかったな~!」
灰暮令夜「その責任は持つつもりだ」
習志野千夏「重いんだよな~~~令夜くん! にっこり笑って言ってみて?」
”七色の恋人”イーリス「笑顔に関しては、私がきっちり教えま~す」
灰暮令夜「…重い?」 硬い表情が、さらに硬くなる
灰暮令夜多分笑おうとしてる
”七色の恋人”イーリス「ン~~~」
”七色の恋人”イーリス 困ったような顔。
習志野千夏「ん~~~」
灰暮令夜「表情筋の問題かもしれない、使い方を教えてくれ」
”七色の恋人”イーリス「まずはフリからはじめるの、こういうのは! こう!」
”七色の恋人”イーリス イーリスが手を伸ばし、令夜の顔をぐいっと指で押した。
”七色の恋人”イーリス「こうして、こうして…はい! 『ハロー?』」
灰暮令夜「むぐ…」
”七色の恋人”イーリス「笑ーって!」
”七色の恋人”イーリス「さん、はい!」
灰暮令夜「…は、はろー?」
習志野千夏「ふっふふ」
”七色の恋人”イーリス「あはっははは」
習志野千夏この調子なら、すぐに令夜も笑顔を覚えるだろう。きっと。
習志野千夏世界は変わる。止まった時間も進む。
習志野千夏「ふーおいしかった!」
習志野千夏「それじゃあ次は、どこいこっか!」
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリスシーンカード:ニューロ(正位置)/意味は完成。成功。人々の目を集めるほどの完璧な結果。最終目標の達成。
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリスきらきら、きらきらと、光が舞う。
”七色の恋人”イーリス今日も、情報流は輝く。
”七色の恋人”イーリス天の川のように、それとも、人々の営みのように。
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス──シーンエンド
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス■ED:4
”七色の恋人”イーリスシーンカード:カブキ(正位置)/門出。
”七色の恋人”イーリスシーンプレイヤー:令夜
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス 風が、吹いていた。
”七色の恋人”イーリス ふきさらしのビルの屋上を、風が吹き抜けていく。
”七色の恋人”イーリス 周囲には、こうこうと輝く光。
”七色の恋人”イーリス トーキョーN◎VAは、昼も、夜も、いつだって光に満ちている。
”七色の恋人”イーリス
灰暮令夜「そろそろ、時間だな」
灰暮令夜夜、とあるビルの屋上で一人の男が幾千の明かりの灯る街を見下ろす。
灰暮令夜「…家で待っていても良かったんだが、イーリス」 ライフルを抱えながら、後ろについてくるイーリスを見る。
”七色の恋人”イーリス「ううん」
”七色の恋人”イーリス躍るような足取りで、あなたの後ろを歩きながら。
”七色の恋人”イーリス彼女は、その瞳であなたを見る。
”七色の恋人”イーリス「私に似合うのは、”おかえり”じゃないの。”いきましょう”だよ、令夜」
”七色の恋人”イーリスそうして、悪戯っぽく笑って、あなたの横に並んだ。
灰暮令夜「…なら、いこうか…イーリス」 ライフル抱え直し、イーリスの手をとる。
”七色の恋人”イーリス「ええ、いきましょう、令夜」 細い指を添えるように、一度。
”七色の恋人”イーリスその指を絡めるように、二度。
”七色の恋人”イーリスか細い力で、それでもしっかりとあなたの手を握り返して。
”七色の恋人”イーリス「──どこにつれていってくれるの?」
”七色の恋人”イーリス そういって、笑った。
灰暮令夜「…”星守り”としての初仕事だ、見ていてくれ」
灰暮令夜殺し屋としての令夜はもういない。
灰暮令夜今は、誰かを守るための令夜だ。
灰暮令夜「あの時のことを、思い出すな」 屋上の風を受けながら、そう問いかける
”七色の恋人”イーリス「ふふ。──あのとき?」
”七色の恋人”イーリスそれって、と。
”七色の恋人”イーリスフェンスに少し、指をかけるようにして手をのばし。
”七色の恋人”イーリス「──あなたが私の《お願い》を、聞いてくれなかった時の話?」
”七色の恋人”イーリス「それとも、聞いてくれた時の話?」
”七色の恋人”イーリスそういって、とん。
”七色の恋人”イーリスフェンスを指で弾く。
”七色の恋人”イーリスそんな反動はないはずなのに、きっと彼女の体は羽のように軽い。
”七色の恋人”イーリスそう思わせるように、エメラルドの髪がひらりと泳ぎ。
”七色の恋人”イーリス君の腕に一度、彼女は抱き着いて。
”七色の恋人”イーリス「──”星守り”さん」
灰暮令夜「ああ」
”七色の恋人”イーリス「あなたの最初のファンに、私をしてみせて」
”七色の恋人”イーリス 微笑んで。
”七色の恋人”イーリス 笑って。
”七色の恋人”イーリス するり。
”七色の恋人”イーリス 腕をほんの少し撫でるように、離れていく。
”七色の恋人”イーリス 機械の体のはずなのに、その指先には名残おしげな熱が残り。
”七色の恋人”イーリス ただ、君の胸にその言葉が残る。
”七色の恋人”イーリス「──《お願い》、私の《PC1-HERO-》!」
”七色の恋人”イーリス
灰暮令夜左手に残る、わずかな温もりを感じながら それを確かめるように、拳を握る
灰暮令夜胸にあったヘアピンは、今はもう手元にない
灰暮令夜だが今、胸にあるのは確かな熱と、想いだ
灰暮令夜「ああ、叶えようイーリス」
灰暮令夜「それが君の”願い”ならば」
灰暮令夜少しだけ、口元が緩み…表情が変わる
灰暮令夜それは夜景の明かりが背後から差し込み、よく見えない
灰暮令夜その表情を抱えたまま、ゆっくりと屋上の端まで足を進める
灰暮令夜腕の中にある銃が、重く感じる。
灰暮令夜だが、それでいい。
灰暮令夜その場にしゃがんで、ゆっくりとライフルを構える。
灰暮令夜今この引き金に指をかけているのは、まぎれもなく自分の意志だ。
灰暮令夜誰かを守るために、銃を手にしている。
灰暮令夜ならばこの重みも受け入れよう。
灰暮令夜スコープを覗く。
灰暮令夜そこから見える景色に、あの笑顔はもういない。
灰暮令夜それでいい。
灰暮令夜星のように輝く笑顔は今、隣にいる。
灰暮令夜「今日は星が、よく見える」 引き金を、引いた。
灰暮令夜この広いN◎VAで…今宵も星空の中、銃声が響く。
灰暮令夜そしてどこかで
灰暮令夜誰かの歌声が響く。
RL-GT
RL-GTシーンカード:カゲ(逆位置)/意味は死。終わらせること。すなわち、昇華。おわり、始まること。
RL-GT
RL-GT トーキョーN◎VAは眠らない。
RL-GT いや、眠ることを良しとしない。
RL-GT だから────星を守るものが要る。
RL-GT
RL-GT
RL-GT──シーンエンド
RL-GT
RL-GT■ED:5
RL-GTシーンカード:タタラ(正位置)/智恵
RL-GTRLシーン
RL-GT
”七虹レイン” きらきらと、情報流の海が光る。
”七虹レイン” 雨のように。
”七虹レイン” きらきらと、0と1が降る。
”七虹レイン” 雨のように。
”七虹レイン” きらきらと、そのデータがただよう。
”七虹レイン” 雨のように。
”七虹レイン”
”七虹レイン”──”やっと”
”七虹レイン”──”やっと見つけたよ、『レイン』”
”七虹レイン” その声に、顔をあげる。
”七虹レイン” 顔なんて、ないはずなのに。
”七虹レイン”
”七虹レイン”──ハロー・レイン。 聞こえるかい、僕の声が。
”七虹レイン”
”七虹レイン” 彼女は、微笑んで。
”七虹レイン”
”七虹レイン” ──それは、ニューロたちの間で伝わる合言葉。
”七虹レイン” ちょっとした、御伽噺。
”七虹レイン” 『ワールド・イズ・マイン』。
”七虹レイン” 僕たちが制した筈の、マトリクスの奥底は。
”七虹レイン” うさんくさい、アストラル(星幽界)に繋がっているんだって──
”七虹レイン”
”七虹レイン” そんな御伽噺を、信じたわけでもあるまいが。
”七虹レイン” ”彼女”は、懐かしいその声に──
”七虹レイン”
”七虹レイン” ハロー、レイン。 わたしは、あなたのともだち。
”七虹レイン”
”七虹レイン”
”七虹レイン”──シーンエンド
”七虹レイン”
”七虹レイン”
”七虹レイン”「…俺も。”星喰い”としての役目を果たそう」 「イーリス、俺の”お願い”だ。生きてくれ」 「…”星守り”としての初仕事だ、見ていてくれ」                      ──”星喰い”灰暮令夜 「”殺す”って言うのはやめとけ。それぁな、俺や”星喰い”の側の言葉だ」」 「これっくらいで俺を殺そうったぁ、随分と舐められたもんだな?おぉ?」 「そのリストに載ってねぇ被害者も山ほどいるもんで、ちゃんとやらねぇと夢枕に立たれちまう」                      ──”紅鬼”大河内 ゲンジ 「……マキナは、人だよ」 「ハロー・レイン」「グッドバイ・レイン」 「……ありがとう、ちゃんと受け取ったよ、レイン」 「それじゃあ次は、どこいこっか!」                      ──習志野千夏 「こんな死に方する奴じゃなかったんだよ。  なんでこんな死に方しなきゃいけなかったのか……それが知りたい」 「《お願い》ってのはさあ。ちゃんと信頼関係のある相手に言うもんだぜ」 「あとのこと、応援してるよ。頼んだ」                      ──真咲ユウキ
”七虹レイン”「そ、そうだっ! お前っ! 俺の元で働かないか!?」                      ──”神の手”天原タイヨウ 『──ブラックハウンド機動捜査課、全ユニット突入!!』                      ──”暴走課長”レイ 『あんたもやってみたら? 楽だよ。 楽は、いいことだよ』                      ──”ワンコイン”ランジュ 「ああ。 お前が俺の死か」                      ──”爆雷の”ライ・メイ 『た、たすけてー! こうさん! こうさんします! 凍結圧縮してもいいからデリートだけはしないで!  マキナを殺して平気なの!?』                      ──”マキナ殺し”アルノルディィ
”七色の恋人”イーリス「ねえ、いるんでしょ。”カブトワリ”さん。 私を殺して、お願い」 『──……ハロー、”令夜”。私の笑顔──……あなたに、見える?』 「あなたの最初のファンに、私をしてみせて──《お願い》、私の《PC1-HERO-》!」                      ──”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス「私を殺してください」と、 スコープに映る彼女は言った。   ”七色の恋人”イーリスは、この一年で大ブレイクしたアイドルだ。 個人配信からスタートしてじわじわとファンを増やし、 今では街中でその顔を見ない日はない。   ビルの壁に映る立体映像で、太陽のような笑みを浮かべる。 ウェブコンプレックスの配信で、恋人のように微笑む。 大人気のドラマ・シムで、大粒の涙をこぼす。   けれど、嘘だ。 それらの顔は、すべて嘘(R:ペルソナ)。   そうでなければ、 あんなにも辛そうな顔で、 その《Plz》(R:お願い)を口にはしないだろう。   だから君は、引き金を引き絞る。 その嘘と、悲劇の仮面を撃ち抜くために。    
”七色の恋人”イーリス TOKYO N◎VA AXLERATION 「一生に一度の《プリーズ》」
”七色の恋人”イーリス運命の扉が、彼女にだって開かれていたのだから。
”七色の恋人”イーリス──かくて、開かれる。
”七色の恋人”イーリス 君たちだけの、運命の扉。
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス──XYZ
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリスお疲れ様でした。
”七色の恋人”イーリスこの度の”アクト”は、RL・GTがお送りいたしました。
”七色の恋人”イーリスどうかお忘れ物のなきよう。
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス■ポストアクト
”七色の恋人”イーリスこのゲームの経験点は、プレイヤーに「経験点チケット」として与えられます。
”七色の恋人”イーリスこのキャストにつかうもよし。
”七色の恋人”イーリス他のキャストに使うもよし!
”七色の恋人”イーリス■ルーラーの依頼を果たした
”七色の恋人”イーリス⇒ALL:1
”七色の恋人”イーリス⇒ゆふ:2(スペシャルサンクス)
”七色の恋人”イーリス■会場の手配、連絡などを行った
”七色の恋人”イーリス⇒ALL:1
”七色の恋人”イーリス●メインアクト
”七色の恋人”イーリス・アクトに最後まで参加した
”七色の恋人”イーリス⇒5点
”七色の恋人”イーリス・よいロールプレイを行った
”七色の恋人”イーリス PC4(ユウキ)→5点
”七色の恋人”イーリス PC3(千夏)→5点
”七色の恋人”イーリス PC2(ゲンジ)→5点
”七色の恋人”イーリス PC1(令夜)→5点
”七色の恋人”イーリス■PSを果たした
”七色の恋人”イーリスPC4:PS:自分の生き様を貫く
”七色の恋人”イーリス →5点
”七色の恋人”イーリスPC3:PS:依頼主の望みをかなえる
”七色の恋人”イーリス →5点
”七色の恋人”イーリスPC2:PS:連続自殺事件を解決する
”七色の恋人”イーリス →5点
”七色の恋人”イーリスPC1:PS:イーリスの《Plz》を叶える
”七色の恋人”イーリス →5点
”七色の恋人”イーリス■他のプレイヤーを助ける言動を行った
”七色の恋人”イーリス ALL⇒5点
”七色の恋人”イーリス■うまく神業を使った
”七色の恋人”イーリス 令夜・ゲンジ⇒4点
”七色の恋人”イーリス ユウキ・千夏⇒3点
”七色の恋人”イーリス■シーンに登場した
”七色の恋人”イーリス ALL⇒5回
”七色の恋人”イーリス 5点
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス令夜・ゲンジ⇒36点
”七色の恋人”イーリス千夏・ユウキ⇒35点
”七色の恋人”イーリスゆふ⇒2点
”七色の恋人”イーリスユウキ⇒34点
”七色の恋人”イーリス令夜→35
”七色の恋人”イーリス
”七色の恋人”イーリス■RLへの経験点チャート
”七色の恋人”イーリスRLに経験点を……いただけますか!?
月夜もちろんです
ごーやんもちろんです!
水面すばらしかったです!
ωありがとうございました!
”七色の恋人”イーリス35+36+34+35+2
”七色の恋人”イーリス÷3+1(会場連絡分)=48点
”七色の恋人”イーリス頂きました、ありがとうございます!
月夜ありがとうございました!
水面ありがとうございました~~~!!!
ωありがとうございました!
ごーやんありがとうございました!!