第4サイクル

GM
次の駅名を決定しましょう。
天使 みお
決めます。
GM
1d12を2回振ってください。
天使 みお
2D12 (2D12) > 13[1,12] > 13
管原陽翔
1d12 (1D12) > 4
天使 みお
今まで2人で振ってきたけど、ここは俺が振らせてもらいます。
管原陽翔
了解です。
GM
「潮ヶ瀬」
GM
次の駅は「潮ヶ瀬」です。
天使 みお
*キティの鍵を使います。
GM
了解いたしました。
天使 みお
*ダイス目は7,8になります。
GM
『次の駅は……』
GM
『次は「風岬」……』
管原陽翔
え、という声がこぼれる。
GM
『「風岬」です……』
管原陽翔
風岬。
天使 みお
深呼吸を繰り返している。
管原陽翔
紙片に書いた駅。
天使 みお
「どこへでも行ける、どこへでも行ける、どこへでも行ける……」
管原陽翔
「天使さん」

[ 天使 みお ] 正気度 : 2 → 0

管原陽翔
「あまつか、さん?」
天使 みお
肺が制御できなくなったように息が乱れる。
GM
顕在化する狂気があるようですが、宣言はございますか。
天使 みお
とりあえず顕在化します。
管原陽翔
「ゆ、唯、さん」
管原陽翔
肩に手を触れる。
GM
では顕在化する狂気を公開してください。
天使 みお
公開しました
天使 みお
「どこへでも、どこ、どこへでも」
どこへ行けばいい?どこへ行けばいい?どこへ行けばいい?
GM
正気度の現在地を顕在化した狂気が上回ったので、天使 みおは一時的に錯乱状態に陥ります。
管原陽翔
「唯さん、唯さん!」
管原陽翔
ぶつぶつとつぶやく、尋常ではない様子の天使を見て、慌てて肩をゆする。
天使 みお
揺らされて、青ざめた顔をそちらに向けた。
天使 みお
「こ、れに、失敗したら。だって、君はひとりだ」
天使 みお
「いやだ、そんなの……俺は、ちゃんと君を助けたいのに……」
管原陽翔
「でも、で、でも……」
管原陽翔
どうしたらいいか分からない。ずっと、どうしたらいいか分からないままだ。
天使 みお
「わからない、本当に。これがあってるのか」
天使 みお
「でも…………」
天使 みお
「俺は陽翔くんといっしょにいたい……」
管原陽翔
天使がなにをしようとしているのかも、分からない。
管原陽翔
いや、すでに何かをしたのだ。
天使 みお
「助けて……」
管原陽翔
自分とともにいるために。
管原陽翔
「あ、」
管原陽翔
「う、うあ……」
天使 みお
首を横に振る。
GM
今度は電車は止まってはくれない。
駅が近づいている。
天使 みお
「違う、助けさせて、ほしい……」
管原陽翔
最後の駅は、「風岬」
天使 みお
頭の中がぐるぐるする。
管原陽翔
賭けをした。
管原陽翔
もし、一度も使ったことのない路線で、あの駅の名前を見つけたら。
管原陽翔
死ぬことをやめて、帰ろうと決めた。
管原陽翔
……あの駅って、なんなんだっけ。
天使 みお
その時は適当に晩ごはんを食べようなんて言った。
管原陽翔
どうして俺は、この駅の名前を書いたんだっけ。
管原陽翔
死ぬのをやめて、ふたりで帰って、Uberでも頼んで。
管原陽翔
けれど自分たちは一体、どこへ帰ろうとしているのだろう?
天使 みお
二人で帰ろう。そうしたらもうちょっと、君に都合の良い世界にしてみて、一緒に暮らしてみようなんて。
天使 みお
あの時は思っていた。
管原陽翔
泣きじゃくりながら、天使の手を掴む。
天使 みお
「ごめん、ごめん、陽翔くん……」
管原陽翔
苦しくて、辛くて、痛くて、終わらせたくて。
管原陽翔
でもひとりではどうしてもそれができなかった。
天使 みお
うまくいかない君が好きだった。
管原陽翔
なにもうまくいかなくて、辛かった。
天使 みお
もしかしたら、二人で開放されるのかもしれないなんて思った。
管原陽翔
天使さんに手を差し出してもらった時、何度か、何度も。
管原陽翔
もしかして死ななくていいんじゃないかって。つらいのはなくなるんじゃないかって。
管原陽翔
でもだめで。
管原陽翔
どうしよう。どうしたらいい?
管原陽翔
助けようとしてくれた人が、俺に向かって謝っている。
天使 みお
無理矢理に息を吸う。喉が引き連れて、ひどい音が出た。
天使 みお
「ちゃんと、するよ……」
管原陽翔
何を。
管原陽翔
何をするのか、分からないまま、頷いた。
天使 みお
*鎮痛剤を使用し、正気度を1点回復します。

[ 天使 みお ] 鎮静剤 : 1 → 0

[ 天使 みお ] 正気度 : 0 → 1

天使 みお
*鎮痛剤をトリガーに狂気が顕在化します。
GM
では狂気を公開してください。
天使 みお
公開しました。
GM
錯乱状態は回復しません。
どうぞお気を付けください。
天使 みお
「俺を、信じて……」
天使 みお
そうでないと耐えられない。
管原陽翔
「しん、じます」
天使 みお
「うん」
管原陽翔
「信じますから……」
天使 みお
「うん、大丈夫だよ」
管原陽翔
「だから、い、いっしょに」
管原陽翔
「いっしょに、いてください……」
天使 みお
「うん。うん……」
天使 みお
「絶対に、俺がなんとかするからね」
管原陽翔
「はい…………」
管原陽翔
「俺も、俺も……がんばります」
管原陽翔
「う、うまく」
管原陽翔
「できたことなんて、ないけど」
天使 みお
菅原の手を冷えた手が握った。
管原陽翔
「がんばりますから……」
天使 みお
頷く。
管原陽翔
いやな汗で濡れた手が、冷えた手を掴んでいる。
天使 みお
その手の汗に不快感を覚えるような余裕はなかった。
天使 みお
ただ、この手を離したくないという耐え難さと、この手が離れた時にまた掴みに行くことだけを考えていた。
管原陽翔
電車は揺れて、間もなく風岬に着く。
天使 みお
「そこで全部、うまくいく」
GM
これがあっていようと、あっていまいと。
うまくいこうと、いくまいと。
……次の駅は「風岬」だ。
GM
もう行くも帰るも、ここで決めるしかない最後の駅。
GM
入り江にほど近く、雨が潮風をとかしてアスファルトをたたくにおい。
GM
少し歩けば、海が見える。
そしてそこは崖だ。
GM
『間もなく、「風岬」……「風岬」……』
GM
4つ目の駅のハンドアウトを公開いたします。
GM
④「風岬」駅
終着駅だ。折り返し運転を行うため、あなたたちが乗ってきた電車はホームに停車している。
周囲に人影はないが、駅員室には明かりがついている。駅員が常駐しているようだ。
このハンドアウトは、「プライズ:預り証」を所持していないと調査判定の対象にできない。
天使 みお
*手番を貰いましょう。
GM
では手番の方はシーン表を振って調査するものを指定して判定をしてください。
天使 みお
2D6 (2D6) > 3[1,2] > 3
GM
3:こうして電車に乗っていると、昔のことを思い出すような気がする……。
天使 みお
思い出す。こんなワンマン電車に乗ったことがなかったなんてことを。
天使 みお
テレビで見て、ぼんやりと知っているだけのワンマン電車。
天使 みお
*『運転士』を笑いで調査します
GM
判定をどうぞ。
天使 みお
2D6>=5 (判定:笑い) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
GM
成功ですね。
GM
先に個室でお渡しします。
天使 みお
「夢なら、夢だから……俺がなんとかしないといけない」
天使 みお
ぼんやりと立ち上がって、ふらふらと運転士の方に向かう。
管原陽翔
止めることができず、それを目で追う。
管原陽翔
立ち上がって、のろのろと追いかける。
管原陽翔
手は繋いだまま。
天使 みお
離そうとしてもこの男が離してくれなかっただろう。
GM
まだ運転士は運転室にいる。
顔はよく見えない。
GM
古いような、新しいような── 曖昧な機材を眺めているのが見える。
天使 みお
夢というものは、記憶の整理だと言うが、集合的無意識と繋がっているというオカルトもある。
天使 みお
興味のない電車の機器がぼんやりでも見えるのは、そういうことなのだろうか。と現実からふわふわと遊離した考えが浮かぶ。
GM
『何か御用でしょうか』
GM
振り向くが、顔は見えない。
GM
『……ああ、それでしたら……』
天使 みお
何事かをぽつぽつと話した。
GM
『はい……はい……』
GM
『ございます』
天使 みお
「そうですか」
天使 みお
片手を差し出して、何かを受け取る。
GM
それ以上のことは話さない。
天使 みお
*プライズ『預り証』を陽翔くんに渡します。
GM
プライズ:預り証

(天使 みお)と名前が書かれた預かり証。
特定のハンドアウトを調査した際にこのプライズを所持していると、落とし物を受け取ることができる。
このプライズに【秘密】はない。
管原陽翔
*感情共有で、運転士の秘密も閲覧します。
GM
では公開します。
GM
【秘密】
ショック:なし
運転士はあなたに「落し物でしたら——駅の駅員室でお預かりしています」と無愛想に言う。駅名はよく聞き取れなかったが、おそらく終着駅のことだろう。
落し物……そう言われると、何か落としたような……?

▽この【秘密】を調査したPCは「プライズ:預かり証」を獲得する。
天使 みお
「……一緒に見に行ってくれる?」
管原陽翔
頷いた。
管原陽翔
「い、行きましょう。一緒に」
天使 みお
微笑む。
管原陽翔
*手番をもらって、シーン表を振ります。
管原陽翔
2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8
GM
8:手すりに引っかけられた持ち主不明のビニール傘。天気予報はしばらくはずっと雨だった気がする……。
管原陽翔
電車の中には、色々な忘れ物があった。
管原陽翔
大学ノート、音楽プレイヤー、それからビニール傘。
管原陽翔
天使さんが忘れたのは、なんだったんだろう。
管原陽翔
ふたりで手を繋いで、駅員室へと向かう。
管原陽翔
*風岬駅のHOを、痛みで調査します。
管原陽翔
2D6>=5 (判定:痛み) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
GM
成功ですね。
GM
一旦個室で渡しましょうか。
管原陽翔
了解です。
管原陽翔
TET 情動分野ランダム特技表(5) > 《恥じらい/情動5》
管原陽翔
2D6>=6 (判定:憂い) (2D6>=6) > 4[1,3] > 4 > 失敗
管原陽翔
このまま確定し、狂気カードを引きます。
GM
では山札から1枚引き、自分だけ確認してGMに個室か秘話で内容を教えてくださいませ。
管原陽翔
*まず、駅の秘密と、もうひとつの表HOの情報を天使さんにお渡しします。
GM
では駅の秘密から。
GM
④「風岬」駅
終着駅だ。折り返し運転を行うため、あなたたちが乗ってきた電車はホームに停車している。
周囲に人影はないが、駅員室には明かりがついている。駅員が常駐しているようだ。
このハンドアウトは、「プライズ:預り証」を所持していないと調査判定の対象にできない。

【秘密】
ショック:なし
愛想のない駅員が、あなたの持つ預り証を一瞥して奥からなにかを取り出してきた。
それにしてもこの駅員、運転士とふたごのようによく似ている。

▽このハンドアウトを調査したPCは、「プライズ:身代わり人形」を獲得する。
GM
プライズ:身代わり人形

手のひらサイズの人形。頭部にボールチェーンがついている。
まじまじと見ていると、なんだか自分自身に似ているような気がして不気味だ。
所有者は自由に【秘密】を見ることができるが、情動分野のランダムな特技で恐怖判定を行う必要がある。
管原陽翔
*天使さんにお守り二つぐらい都合してほしいです。天使さんの恐怖判定のために…
天使 みお
*渡します。

[ 天使 みお ] お守り : 3 → 1

[ 管原陽翔 ] お守り : 1 → 3

管原陽翔
*身代わり人形の秘密を天使さんに渡します。
管原陽翔
TETですね。
GM
恐怖判定からどうぞ。
天使 みお
TET 情動分野ランダム特技表(7) > 《我慢/情動7》
天使 みお
2D6>=6 (判定:笑い) (2D6>=6) > 9[3,6] > 9 > 成功
GM
では公開します。
GM
【秘密】
ショック:なし
このプライズの所有者が生命力または正気度が2点以上減少するとき、一度だけその値を1D6点軽減してもよい。ただし、この効果によって減少値を0点以下にすることはできない。
管原陽翔
駅員室には明かりがついていた。
管原陽翔
預かり証を、駅員へ渡す。
GM
預かり証を一瞥すると、返答を返しもせずに何かをあなたへ手渡す。
GM
駅員は運転士によく似ている気がするが、よく似ている気がするだけだ。
GM
この何かもまた、あなたに似ている気がするだけだ。
管原陽翔
茫洋と、曖昧と、模糊としている。
管原陽翔
それは自分が愚図でどんくさいからだと思っていたけれど。
管原陽翔
夢の中だったからなのだろうか。
管原陽翔
手の中のなにかを見つめる。
GM
この駅のさなかにあっては寒々しい気のする明かりに照らされる。
天使 みお
曖昧になりゆく状況に、あの言葉が脳裏に過っている。
管原陽翔
煌びやかな街の裏手、室外機の熱気が漂う裏通りで働いていた。
管原陽翔
この駅のさまとはひどく遠い。
管原陽翔
あれもすべて夢だったのだろうか。
管原陽翔
それでも、あそこで出会った。
管原陽翔
助けてもらった。
天使 みお
代わり映えのしない刺激の中に一つ浮かんだ人間。
天使 みお
戯れに拾い上げてみて、それが人間だと初めて気づいたあの時。
天使 みお
ようやく夢から醒められると思っていた。
天使 みお
……でも今もっと大事なことは、この人を楽にしてあげることだと思っている。
管原陽翔
どうやったら楽になるのかは、分からないままだ。
管原陽翔
天使さんが仕事をやめようと言ってくれたあの日から。
管原陽翔
生きていたら得られないようなものを、さまざま与えてもらえた。
管原陽翔
金とか、服とか、女とか。
管原陽翔
あるいは、傍に寄り添って慰めてもらえることだとか。
天使 みお
いっそ死ぬことをやめて二人で帰って、夢の中であがいてみるのもよかった。
天使 みお
たった一人の夢の中は辛くて苦しいけれど、この人と一緒なら耐えられるだろうと。
管原陽翔
この人がいてくれたら、もしかしたら辛いことはなくなって、死にたくなくなるかもと。
天使 みお
そう思っていた。さっきまでは、それが正解なのではないかとすら。
管原陽翔
何度か思った。でも、だめで。
管原陽翔
どうしても死にたくて、苦しくて、辛くて、痛かった。
管原陽翔
だから、一緒に来てもらって。死ねばいいのだと思って。
管原陽翔
死ねば楽になるのだと思っていた。
管原陽翔
死んでも終わりが来ないのだと知って絶望した。
管原陽翔
楽になれることはないのだと思った。
管原陽翔
でも。
管原陽翔
ただ。
管原陽翔
手を握っている。
管原陽翔
手を握り返してくれる人が。
天使 みお
なにがあっても離すまいと。
管原陽翔
ちゃんとするからと、助けてと、助けさせてくれと。
管原陽翔
それはもしかしたら、ずっとずっと、与えられるものよりも縋るに値するものかもしれなかった。
管原陽翔
望みさえすれば簡単に得られるものよりも。
天使 みお
愛する人に望むものを与えたいというシンプルな望み。
GM
落し物が持ち主の元に届けられたのを見届けたかのように電車のベルが鳴る。
……元来た方へ、再び発車するようだ。
天使 みお
電車が去る。
管原陽翔
自分たちが帰る場所は、電車の戻る先ではない。
GM
線路の方を見ると、終着駅の先へ雑草に覆われた廃線が続いているのが見える。
天使 みお
「ここからは歩きだね」
GM
天使 みおにはそれが、世界の果て——夢の終わりへ続いていることがわかる。
管原陽翔
「そうみたいっスね」
GM
そして、そこではない方へ海はある。
管原陽翔
どこへ行けばいいのか、この男にはわからない。
管原陽翔
分からないまま、あなたと手を繋いで、共に行こうとしている。
管原陽翔
現実へ帰っても、この男は変わらないから、辛く苦しいまま、死にたいままかもしれなくて。
管原陽翔
傍にいられるかもわからないのだから、ここでふたりで死を選んでしまうのが、もしかしたら優しさなのかもしれない。
天使 みお
でもね、それで死ぬのが俺だけって可能性もあるんだよね。
天使 みお
そうしたら、やりきれない。
管原陽翔
やってみなければ分からない。
天使 みお
やってみなければわからない。けれど、より可能性のある方を俺は取るよ。
管原陽翔
あなたの選ぶ方向へ、男はついていく。
管原陽翔
あなたに助けられたいと、……あなたを助けたいと思ったから。
GM
「海へ向かう」
「電車に乗り込み元来た場所へ戻る」
「廃線の先へ向かう」
GM
どれを選んでも、誰にも咎められることのない場所へあなたたちは来た。
天使 みお
僕らの選択には誰にも口出し出来ない。
天使 みお
ここに人間は二人しかいない。
管原陽翔
世界でたった二人の人間がここにいる。