GM
さて前回の続きから……。
盤面の確認やログの確認などしつつはじめてゆきましょう。
GM
狂気カードが1枚 ハンドアウトが7つのうち駅2つとそれ以外が2つあいてますね。
GM
次は3サイクル目です。
次の止まる駅名を決定していきましょう。
管原陽翔
どうして、あんな紙を未練がましく書きつけたのかと思う。
天使 みお
陽翔くんが急に落ち着いた。不自然なほど、けれど心底落ち着いている。
管原陽翔
天使さんは、ここまでついて来てくれたとてもいい人だ。
管原陽翔
2d6 シーン表 (2D6) > 7[2,5] > 7
GM
7:座席の下に缶コーヒーが置いてある。マナーの悪いやつもいたものだ。
管原陽翔
「俺は、結局……何もうまくいかないやつだってことを」
管原陽翔
*一度目の記憶の秘密を天使さんに渡します
GM
【秘密】
ショック:全員
あなたはかつて自殺を図った。
それがいつだったか、どういう結果に終わったのかはどうしても思い出せない。……だが、いまこうしているということは、きっと失敗したのだろう。
だが、あなたは思い出した。今度こそきっと、うまくやれるはずだ。
このプライズの所持者は、クライマックスフェイズの儀式判定を一度だけ自動成功させることができる。
この【秘密】に対して感情による情報共有を行うことはできない。
[ 天使 みお ] 正気度 : 4 → 3
管原陽翔
そうして、だから、それでも、けれど、だからこそ。
管原陽翔
あの大学ノートを書きつけたのは、やっぱり自分だったのではないだろうか。
管原陽翔
覚えていないだけで、この列車に乗って死にに行こうとして、死にきれなかったのではないだろうか。
管原陽翔
そんなわけもない妄想が頭の中に浮かんで消えて。
天使 みお
……けれど、自分の中にある推論があって、それが曖昧な輪郭を見せている。
管原陽翔
「死ぬのだって、うまくできなかった……」
天使 みお
「……なら、ちゃんと、手伝ってあげないとね」
天使 みお
「……いや、でもな……」珍しく真顔になって、何かを考え込む。
天使 みお
「ああ、いや、陽翔くんと死ぬのが嫌だってんじゃない……」
天使 みお
「わからないことがある……、いや、本当に望む結果が手に入れられるかわからない。理由があるというか……」
天使 みお
「……これが、信じられるかはわからない……」
天使 みお
「俺の頭がおかしいだけなら、いいんだけどな……」
管原陽翔
あまつかさん、ともう一度、不思議そうな声で名前を呼ぶ。
管原陽翔
その名前は、彼が店に勤めるための源氏名であって、本名ではなかった。
管原陽翔
本当の名前は教えてもらっていたけれど、最初に聞いた通り名のほうが馴染んでいた。
管原陽翔
嘘の名前のように、なにかをこの人は隠している。
GM
『次は雫島……雫島……運転の待ち合わせのため停車いたします。しばらくお待ちください』
GM
先ほどの駅よりは停車時間は短そうだった。
どのくらいとまではわからないが……。
GM
先の2駅よりも人の気配のする駅。
自販機、カプセルトイの自販機、黒板……書き置き……。
管原陽翔
アナウンスも、電車が止まったことも、駅舎の様子も、頭に入ってこなかった。
管原陽翔
大学ノートを見た時に感じた時と、同じような痛みを、膚の上に感じている。
管原陽翔
ずっとずっと、天使さんは俺の話を聞いてくれた。
管原陽翔
金だってくれたし、女の子を紹介してくれたことだってあった。
管原陽翔
世界で唯一と言っていいぐらい、俺に良くしてくれた。
管原陽翔
紙片を隠していることが、ずっと後ろめたかった。
管原陽翔
「どうして、俺に、ついてきてくれたん、ですか」
管原陽翔
2D6>=5 (判定:痛み) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
GM
【秘密】
ショック:PC1
この世界はあなたの夢だ。あなたはずっと醒めない夢の中にいる。
すべてはあなたの作り出したまぼろしで、ここではきっとあなたに都合のいいことしか起こりはしない。
けれど、PC1だけは違うのかもしれない。
そう持ちかけられるまで、あなたは死のうだなんて思ったことはなかったのだから。
あなたの【本当の使命】は、この夢から醒めることだ。
ただし、プラスの【感情】を取得しているキャラクターがいる場合は、あなたの【本当の使命】はそのキャラクターとともにこの夢から醒めることになる。
▼《夢》で恐怖判定。
あなたは「プライズ:キティの鍵」を所持している。
GM
管原陽翔さんは正気度を‐1して恐怖判定を行ってください。
[ 管原陽翔 ] 正気度 : 3 → 2
管原陽翔
2D6>=7 (判定:暗黒) (2D6>=7) > 7[2,5] > 7 > 成功
天使 みお
「君が俺しかいないと言ったように……」
天使 みお
「俺にとっても陽翔くんしかいなかった」
天使 みお
「ずっと、何をやっても、何も……何事もなかったみたいに、ずっと……」
天使 みお
「夢の中で遊んでいられるのは最初のうちは楽しかった……」
天使 みお
「けどね、全部自分の思い通りになるのって、飽きちゃうよ……」
管原陽翔
どういう顔をしていいのか分からず、天使の顔を見つめている。
天使 みお
「ずっとただひとりで、思った事をただなんとなく繰り返す……」
天使 みお
「君の事も都合の良い夢だと思ったんだ」
天使 みお
「きっと俺はどこかで寝ていて、脳が限界を迎えて生み出されたのが君だとか、そういうことを……」
天使 みお
「だってそれまで、死のうなんて思ったこと、無かったし」
天使 みお
「……陽翔くんは、俺に助けられたのかと思ったんだろうけど」
管原陽翔
これが夢なら、自分の苦しみもまた夢幻に過ぎないのだろうか。
管原陽翔
自分はほかの人間とは違うのだと、天使は言う。都合のいい存在ではないと。
管原陽翔
夢の中にいることを知らされているのに、心地の良い夢から覚めたような心地で。
管原陽翔
自分が死ぬべきで、すべてがその方向に流れているのだという錯覚から引き剥がされて。
天使 みお
「君と死ねば夢から醒められると思った……」
天使 みお
「……陽翔くんはさっき、死のうとして、失敗したと言ったろう」
天使 みお
「……もしかしたら、単に陽翔くんも俺も死にかけていて、たまたま夢が繋がって、ここで死んでも起きるだけだったりして……」
管原陽翔
「じゃあ、俺は、死んでも、目が覚めるだけで……」
天使 みお
「……僕は陽翔くんになんだってしてあげたい」
天使 みお
「けどもしもこの推測が当たってたとしたら……」
天使 みお
「俺は何もしてあげられなくなるかもしれない」
天使 みお
「……それとも、起きた途端に夢のように、全て忘れてしまうかも」
管原陽翔
先程まで見えていたものが、駅の終着点だったはずのものが。
管原陽翔
ぐるぐる回ることをやめられるはずだったのが。
管原陽翔
そんなのは聞いていない、という、責めるような感情が渦巻いて消える。
天使 みお
「どうすれば君が、君にとって一番いいのか」
管原陽翔
「ひとりじゃ、できなくて、天使さんが、いてくれて」
天使 みお
「……だから、死ねば本当にうまくいくかもしれない」
天使 みお
だから、本当のところはやってみるしかない。
天使 みお
この推測は、失敗よりもよっぽど恐ろしい。
管原陽翔
起きたあとに、現実に戻って、自分がどうなるかは分からなくて。
管原陽翔
きっと、今と同じように何もできない自分が待っていて、天使はいなくて。
管原陽翔
ひとりでは死ぬことさえできない現実が待っているかもしれない。
天使 みお
今度こそ一緒に死のうとしても、探しにもいけない状況であったなら。
天使 みお
「けれどそれ以上に、一人になるのが、」
管原陽翔
この人が、一人であるということを、自分はまだうまく飲み込めていなくて。
管原陽翔
だって天使さんは、何でもそつなくこなしてうまくやる、自分とは違う人だったから。
管原陽翔
でもそれが、これが天使さんの夢だからだったということを。
天使 みお
何もかもうまくいく、自分の想像した世界。
天使 みお
ナンバーワンの忙しさもなくて、嫌われもしない。適度に太客がついて金に困らない、遊びのような仕事。
天使 みお
夢の中でどれだけ酩酊しても虚しいことだ。
管原陽翔
それがどれぐらい辛いのかを、想像できない。
GM
もはや、電車は出発する気配すら見せずにあなたがたが次の駅を心に浮かべるのを待っているかのように、ただ雨の中沈黙している。
管原陽翔
うまくいかない辛さに浸って、自分のことでいっぱいだったから。
管原陽翔
助けようとしてくれていることだけは、ずっと分かる。
天使 みお
なにもかもうまくいかない君が、自分の影響を受けないと解った時の喜びといったらない。
天使 みお
けれど、それでもしこの男を置いていくことになったら?
管原陽翔
それでも、どうしていいかは分からなかった。
管原陽翔
電車は停まって、動き出す気配もなく、なにかを待っている。
管原陽翔
それは、やはりこれが、天使さんの夢だからなのだろうか?
天使 みお
この世界ではなにもかもうまくいく。起きること以外は。
天使 みお
「現実で、二人共死んでたらいいんだけどなあ」
GM
さて。
あなたたちは今日、死にに行くのだろうか?
天使 みお
全てを終わらせられるような気がしていた。
管原陽翔
また、ぐるぐる回るだけなんじゃないか……
天使 みお
確実にできることが一つだけ残っていて、頭の中でそれを天秤にかけている。
天使 みお
足を止めることは、そこに行ってからでもできる。
GM
次の手番の方はシーン表を振って調査する対象を指定して判定をどうぞ。
他にしたい行動があればそちらを宣言してください。(感情判定や回復判定など)
天使 みお
2D6 (2D6) > 9[4,5] > 9
天使 みお
一人きりで生きている事と死んでいることに対して差はない。俺にとっては。
天使 みお
2D6>=5 (判定:愛) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
[ 天使 みお ] 正気度 : 3 → 2
天使 みお
2D6>=6 (判定:分解) (2D6>=6) > 6[2,4] > 6 > 成功
天使 みお
手元に音楽プレイヤーが落ちていたことに気づく。
GM
新しい型なのか古い型のものなのか、曖昧なものだと認識できる。
天使 みお
ぼんやりとした音楽プレイヤーを手にとって、戯れにイヤホンを耳に当ててみた。
天使 みお
はっとしてイヤホンを外すと、開いたままのドアに向かって放り投げる。
管原陽翔
丸まっていた陽翔が、びくりと身を震わせて顔を上げる。
GM
放り投げられて、音を立ててプレーヤーは砕けた。
GM
息をつくと同時に、ひどく雑音交じりのアナウンスが車内にくわんと鳴り響いた。
GM
ほとんど聞き取れないようなアナウンスは、最後の言葉だけはっきりと耳元で聞こえるように囁かれた。
GM
ふたりとも《時間》で恐怖判定を行ってください。
管原陽翔
2D6>=10 (判定:痛み) (2D6>=10) > 11[5,6] > 11 > 成功
天使 みお
2D6-2>=9 (判定:分解) (2D6-2>=9) > 5[2,3]-2 > 3 > 失敗
GM
天使 みおさんは山札から狂気カードを1枚引いてください。
GM
耳元で囁かれた言葉だけを残してアナウンスは沈黙する。
天使 みお
「……何をすればいいか、わかったから」
天使 みお
「陽翔くんを楽にするためなら、頑張るよ」
管原陽翔
「それで、ずっと、苦しくなったりは、しませんか……」
天使 みお
「そうしたらうまくいくような気がするから」
GM
『……間もなく発車いたします。お気を付けください』
管原陽翔
信じていて。この人が俺を助けたいというのは本当なんだと思ってる。
天使 みお
この男を救えるのは自分しかいないんだと。
天使 みお
自分を救ってくれたこの人を、なんとかして助けたいと。
GM
ドアが閉まる。
つり革が緩くたわんで、電車が動き出すのを足元に感じる。
GM
タタン……タタン……と音を立てて線路を軋ませながら海へ向かう。
管原陽翔
終着駅には海があって、飛び降りれば助からないような崖がある。
天使 みお
緊張が全身を静かに縛って、胃の中身が暴れている。
天使 みお
それは死への恐怖からではない。失敗への恐怖。
管原陽翔
終わるはずだったものが終わらない暗闇の中にいるこの男は、何をどうすればいいかもわからないまま、ともに来てくれた人のことを見つめている。