天使 みお
けれど、辿り着く先はある程度予測出来る。
天使 みお
予測できても、どういう結末になるとしても、この男は喜んで着いてくるだろう。
天使 みお
足を止めて、引き換えして、電車に乗ったってよかった。
管原陽翔
都合のいい世界で、終わりが来るまで二人過ごせるかもしれない。
天使 みお
もう少し楽しめて、もしかしたら死ぬ事なんて忘れてしまうような世界が作れるかもしれない。
天使 みお
けれど、きっとそれほど長いことは遊べないだろうし、この男にも耐えられないだろう。
天使 みお
だから、もっとちゃんとしないといけない。
管原陽翔
その先に何があるのか、陽翔にはわからない。
GM
夏を待ちわびながら伸びゆく草をかき分け、踏みしめて足元の線路の錆色を追う。
GM
歩く。
緑に紛れる錆色を目で追いながら歩くさなか、後ろから冷たい風が吹くのを感じる。
GM
どんどん、あなたたちの体は曖昧になっていく。
歩くたびに、あなたたちの意識は空白が増えてゆく。
GM
戦闘終了の条件は両者の脱落か、儀式「手を繋ぐ」の完遂です。
管原陽翔
*開始前に、身代わり人形をみおさんに渡します。
GM
ダイスシンボルを出してセットしていただきます。
GM
天使みおさんは錯乱状態なので1d6を振ってください。
GM
セットを確認しましたので、オープンしていただきましょう。
[ 管原陽翔 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ 管原陽翔 ] 生命力 : 6 → 5
GM
行動順は天使 みおさんから。
速度が同じ場合、エネミーはPCの後に行動します。
管原陽翔
*生命点を1点使って、感情修正を行います。
[ 管原陽翔 ] 生命力 : 5 → 4
GM
演出のあと秘密を貼って、判定に+3ができます。
回想の際にはショックや恐怖判定は発生いたしません。
GM
錯乱状態ですので、判定の前に生命力か正気度を‐1してください。
[ 天使 みお ] 正気度 : 1 → 0
天使 みお
夢が崩れ落ちていく。眠りから覚めたあとの記憶を可視化したような、ざらついた視界。
天使 みお
あれに巻き込まれれば、きっと自分は消えてしまうんだろう。
天使 みお
手の中の感触を自分が見失ったことが恐ろしい。
管原陽翔
手を繋いでいたはずなのに、どこか曖昧でぼやけている。
天使 みお
さっきまで見ていた顔は、聞いていた声は、そこにいたあなたは。
天使 みお
*【PC2】秘密
ショック:PC1
この世界はあなたの夢だ。あなたはずっと醒めない夢の中にいる。
すべてはあなたの作り出したまぼろしで、ここではきっとあなたに都合のいいことしか起こりはしない。
けれど、PC1だけは違うのかもしれない。
そう持ちかけられるまで、あなたは死のうだなんて思ったことはなかったのだから。
あなたの【本当の使命】は、この夢から醒めることだ。
ただし、プラスの【感情】を取得しているキャラクターがいる場合は、あなたの【本当の使命】はそのキャラクターとともにこの夢から醒めることになる。
▼《夢》で恐怖判定。
あなたは「プライズ:キティの鍵」を所持している
天使 みお
これが俺の夢なら、最後まで保ってくれ!
天使 みお
2D6>=8 (判定:笑い) (2D6>=8) > 8[2,6] > 8 > 成功
天使 みお
けれど、もう一度一人になることは、あの男を一人にすることは。それが何よりも恐ろしい。
GM
足元で砂利が鳴るような、気がする。
かすかに指先が温かいような、気がする。
管原陽翔
名を呼ばれるこの男もまた、隣で天使のことを探していた。
管原陽翔
手を固く繋いでいたはずなのに、手を開いているのか閉じているのかも分からない。
GM
追いつかれる、という気配が拭えないまま歩き続ける。
管原陽翔
視界は昏く、名前を呼ぶ声が聞こえる気がするけれど、それは記憶の中の声を再生しているにすぎないように聞こえる。
管原陽翔
この世界が夢であったという感覚を、天使と違って陽翔は得ていなかった。
管原陽翔
現実の中で、何も思い通りにならず、うまくいかないままならさに喘いで、死を望んでいた。
管原陽翔
けれど、このひとが夢だというならそうだと思ったし。
管原陽翔
助けられてくれと望むのならばそうしたかったし。
管原陽翔
助けてくれと言われるのならそうしたかった。
管原陽翔
ちゃんとするというのなら、自分もいっしょにちゃんとしようと思った。
管原陽翔
その先のことは分からないけれど、手を繋いで、ついていくぐらいならできる。
管原陽翔
世界で二人だけの人間がはぐれてしまったら、一人きりだ。
管原陽翔
でも今は、独りになるよりも、あの人を独りにすることの方が恐ろしかった。
管原陽翔
手を放してしまうとどこかに行ってしまうような気がしたんだ。
[ 天使 みお ] 生命力 : 5 → 4
管原陽翔
どうして自分は、あの紙にこの駅の名前を書きつけたのだろうか。
管原陽翔
なにも思い出せない。自分にとって、いかなる意味を持つ駅だったのか。
管原陽翔
もしかしたら、一度目の死を選んだ駅が、風岬だったのかもと思う。
管原陽翔
それだったら、生きる可能性としてその駅の名前を残したのが、なんともおかしな話だとも。
管原陽翔
もっと自分の人生において何か、少しだけいいことがあったような、そんな場所だったのかも。
管原陽翔
その紙が、手を繋いでいる人のもとにあることを思う。
管原陽翔
ショック:なし
あなたはひとつ、賭けをした。
もしも死出の旅路の途中、いままで乗ったこともない路線で、あの駅と同じ名前の駅を見つけたら、そのときは……。
1D12を2回振って駅名を決定する。
セッション中、決定したものと同じ駅名を目にしたとき、あなたの【本当の使命】はPC2とともに帰還することになる。
あなたは「プライズ:紙片」を所持している。
管原陽翔
プライズ『一度目の記憶』の効果を使って、判定を自動成功にします。
GM
鼓膜に痛いほどの静寂に浸る間もなく、あなたたちはお互いの手がしっかりと握られているのを感じる。
天使 みお
握る手が、恐怖を思い出したように震えた。
天使 みお
「…………よか、った……よかった、ちゃんと居る」
GM
歩き出す。
雨の止んでいる向こう側は、白くかすかに光っている。
GM
夏の気配をはらんだ風が、ふたりを撫ぜてゆく。
GM
どこまでも線路は続くような気がする。
けれど、靴底が草と砂利を踏みしめる感触を思い起こしている。
天使 みお
「少し待ってもらうことになるかもしれないけど……」
天使 みお
「俺の電話番号は、080の……メールアドレスは、……の……」
天使 みお
「あは、今言っても起きたら忘れちゃうかも……」
天使 みお
「この駅が起きてもあったら、そこに来てよ。もし居なかったら、東京タワーとか、トー横とか、どこか。目立つところに居て……」
管原陽翔
「……こんなこと言ってて、起きてすぐそばにいたら気まずいスけど」
天使 みお
「そうじゃなくっても、どこかで俺の名前を呼んでよ。さっきみたいに……」
天使 みお
「そうしたら、陽翔くん。俺のこと見つけられるよ」
管原陽翔
「唯さんも、きっと俺のこと、呼んでください」
管原陽翔
ぐるぐると回るのが、止まったような気がした。