シナリオ本編②

GM
◆シーン④:騎士たちの物語◆
GM
シーンプレイヤー:PC③
月花 柘榴
2d6+2 (2D6+2) > 5[2,3]+2 > 7
イザンナ
2d6+5 (2D6+5) > 6[3,3]+5 > 11
三善清次郎
2d6+6 (2D6+6) > 6[1,5]+6 > 12
辰巳 悠希
2d6+3 (2D6+3) > 9[3,6]+3 > 12
三善清次郎
5を1にしちゃう
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
GM
──3月7日 12:55 コテージ・エントランス──
GM
カミガカリたちは、それぞれ情報収集のために散ってゆく。
GM
情報:フェアリー・ブルダンの任務について[交渉【精神】]8(PC③のみ)または【知性】17
マリア=ロドリーゴ
2d6+1>=8 (2D6+1>=8) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功
マリア=ロドリーゴ
この6は5
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
GM
ガレージへと移動して、副長テレサ・カラスへと連絡を取る。
マリア=ロドリーゴ
縛られているリサの「体」を横目に、状況を説明する。
テレサ・カラス
「……そんな事になっていたのね」
マリア=ロドリーゴ
「”聖ヴェロニカ”の首の行方は、今のところ不明です」
テレサ・カラス
「彼女はきっと、予知の力で法則障害の穴をすり抜けて迷い込んでしまったのね」
マリア=ロドリーゴ
「はい、それで単独で」
マリア=ロドリーゴ
「シスター・テレサは……ご存じでしたか。これの体質を」
テレサ・カラス
「ええ。彼女が騎士へとなった時に聞いた」
マリア=ロドリーゴ
「……そうですか」
マリア=ロドリーゴ
思い出す。一年前、デュマの事件の時。
マリア=ロドリーゴ
自分はひとではない、と再三言って、柘榴を気にかけていた。
マリア=ロドリーゴ
……あの時リサは、いったいどんな気持ちだったのか。
テレサ・カラス
「ブルダン家の秘密に関わることだから、きっと騎士団で知っているのは私だけ」
マリア=ロドリーゴ
「……」
マリア=ロドリーゴ
「関係のないことを質問し、失礼しました」
テレサ・カラス
「ええ。あなたの話を聞いて、私もひとつわかった事があります」
マリア=ロドリーゴ
「と、いうと」
テレサ・カラス
「“聖ヴェロニカ”の失踪の原因は、彼女の任務に関わっているとみて間違いないわ」
テレサ・カラス
「機密情報ですが、私の独断で他のカミガカリへの情報共有を許可します。ただし厳重に口止めを行うように」
マリア=ロドリーゴ
「……承知しました」
テレサ・カラス
「……………………それと」
マリア=ロドリーゴ
「は」
テレサ・カラス
「こんな形で伝える事になってしまって、ごめんなさい」
マリア=ロドリーゴ
「……………」
マリア=ロドリーゴ
話を聞き。
GM
獲得[情報:フェアリー・ブルダンの任務について]>PC③
マリア=ロドリーゴ
沈黙する。
マリア=ロドリーゴ
「これは…………」
マリア=ロドリーゴ
「では、今は、彼女は?」
マリア=ロドリーゴ
「聖堂騎士団からは……」
テレサ・カラス
「私が知っているのは、これが全てよ」
テレサ・カラス
「混乱するのは分かるけど、あとはあなたが確かめて」
マリア=ロドリーゴ
「……そう、ですね」
マリア=ロドリーゴ
その通りだ、額を押さえる。
マリア=ロドリーゴ
「承知しました」
マリア=ロドリーゴ
「私の任務は”聖ヴェロニカ”の救出」
マリア=ロドリーゴ
「“聖ヴェロニカ”の任務は──」
テレサ・カラス
「あなたの任務は変わらず。“聖ヴェロニカ”の救出を最優先として」
テレサ・カラス
「……そこから先は、あなたの判断で」
マリア=ロドリーゴ
「ありがとうございます。了解です」
マリア=ロドリーゴ
「……お任せを」
テレサ・カラス
「……汝に祝福があらんことを」
マリア=ロドリーゴ
「はっ」
マリア=ロドリーゴ
通話を切り、大きく息をつく。
マリア=ロドリーゴ
視界の中には、リサの体が収まっている。
マリア=ロドリーゴ
「……お前が見たのは」
マリア=ロドリーゴ
「いったい、何だったんだ」
マリア=ロドリーゴ
「死ぬのは──」
マリア=ロドリーゴ
言葉を飲み込んで、眉根を寄せた。
マリア=ロドリーゴ
スマートフォンをしまい込む。
マリア=ロドリーゴ
この情報は、メッセージで済ませるわけにはいかなかった。
マリア=ロドリーゴ
柘榴が戻ってくるのを待たねばならない。
マリア=ロドリーゴ
「……くそ」
マリア=ロドリーゴ
髪を掻き回す。
マリア=ロドリーゴ
柘榴が戻ってきたら……
マリア=ロドリーゴ
いったいどんな顔をして、この情報をあいつに伝えたらいい?
マリア=ロドリーゴ
それを、考えなければいけなかった。
GM
GM
情報:木下果子について(PC①のみ)[直感【幸運】10]失敗時[直感【幸運】]12で再挑戦可能
辰巳 悠希
2d6+3 (2D6+3) > 10[5,5]+3 > 13
GM
果子と悠希は、コテージの中を手分けして回っていた。
GM
リビングには、書類がまとめられていた。
GM
電気、ガス、水道、診断書や保険証、説明書や保証書、その他。
辰巳 悠希
書類を手に取って見る。
辰巳 悠希
特にあやしい所はない、かな?
GM
その中の診断書で目が止まる。
辰巳 悠希
「……?なんだろこの診断書」
辰巳 悠希
「……?」
辰巳 悠希
「え……?」
辰巳 悠希
先程の果子の顔を思い出し、複雑な気持ちを抱く。
辰巳 悠希
診断書に書いている情報を、どう受け止めていいのか分からない。
木下果子
「悠希~」
木下果子
上階から降りてくる。
辰巳 悠希
「あ、な、なに!?」
慌てて診断書を隠す。
木下果子
「こっちは手詰まりだわ。これ以上は思い出せそうにねえな」
辰巳 悠希
「そ……っか。うん」
辰巳 悠希
「僕も……、それっぽい情報は見つからなかったよ」
木下果子
「だよなあ」
木下果子
「ま、しゃあない。柘榴ちゃんの帰りでも待つか」
辰巳 悠希
「うん……」
辰巳 悠希
果子に気付かれないように、診断書を懐にしまった。
GM
GM
情報:アラミタマに出来る事[知識【知性】]14
三善清次郎
2d6+8+2>=14 (2D6+8+2>=14) > 8[3,5]+8+2 > 18 > 成功
GM
メフィストの情報を思い出す。
GM
アラミタマの正体は、かつての従僕たち。
GM
下級のモノノケたちが集ったもの。
GM
その中にはきっと、あの一年前の鼠たちも含まれているのだろう。
GM
メフィストは確かに言っていた。
GM
アラミタマには、知性も自我も残っていないと。
GM
であれば、今回のアラミタマの本当に特筆すべき点は、その目的ではなく……
GM
……それは極めて珍しいケースだ。
GM
かつて似たようなアラミタマなどは居なかっただろうか。
GM
清次郎が見聞きした知識や経験から、アラミタマの輪郭を予想する。
GM
獲得[情報⑪:アラミタマに出来る事]>PC⑤
三善清次郎
「~~~~~~~~……!」
三善清次郎
頭をがりがりと掻く。
イザンナ
「…………?」
三善清次郎
「いや、いやッ……いや~…………」
イザンナ
「どったのミヨシ君。」
三善清次郎
「いや……」
三善清次郎
さらに頭を掻きむしり、深く息。横になってソファに沈む。
イザンナ
「こわ。人間こわ~」
イザンナ
近くに歩いて行って、隣にしゃがみ込む。
三善清次郎
「……………… ……」
イザンナ
「なんか思いついちゃった?」
三善清次郎
「…………………いま自分に反証中……」
三善清次郎
か細い声。
イザンナ
「ほう?」
三善清次郎
あの時。あの時。あの時。
三善清次郎
額に手を当てて、それぞれの瞬間を思い出す。
三善清次郎
記憶を辿り、立ち返り、振り返り……
イザンナ
「水でももってこようか?」
三善清次郎
「……ん……」
イザンナ
「はいはいよ。」
三善清次郎
どうせ短い命だから。
三善清次郎
そう思って。
三善清次郎
「ごめん、……やっぱいい、煙草吸ってくる」
イザンナ
「ふぅん?」
イザンナ
「いってらっしゃーい」
三善清次郎
ふらふらと立ち上がり、玄関へと向かう。
三善清次郎
後手後手。――ほんとうに、そうだったのか?
GM
GM
情報:ムツミ、ミク、マシロについて【精神】8または【敏捷】10
月花 柘榴
2d6+9>=10 (2D6+9>=10) > 8[3,5]+9 > 17 > 成功
GM
胡桃の中学校へと向かう。
月花 柘榴
近くの中学校の制服だから、私服よりは怪しまれないだろう。きっと。
月花 柘榴
走って校門を抜けて、校舎に辿り着く。
月花 柘榴
……胡桃の教室、どこだっけな。
GM
休日なので、生徒の数はまばらだ。
GM
すれ違う柘榴をじろじろと見つめる。
月花 柘榴
軽く会釈とかして、教室を探す。
GM
黒板の隣には座席表が貼られている。
GM
その中に、「月花胡桃」の文字があった。
月花 柘榴
……このクラスだ。
GM
クラスの座席表を見る。
GM
その中には他にも
GM
「上杉睦美」
GM
「宮下真白」
GM
そして「羽村三空」の文字。
月花 柘榴
本当に同じクラスだったんだ、と思う。
月花 柘榴
学校の話、ほとんど聞いたことなかった。
GM
座席やロッカーを見れば、やはりそこには彼女たちの名前が書かれている。
GM
彼女たちはどうやら本当に胡桃の同級生だったようだ。
GM
「あれ……よその学校の人?」
GM
教室の学校へと戻ってきた生徒がいた。
月花 柘榴
顔を上げる。
GM
柘榴を見ている。あきらかに訝しむ目つきで。
GM
「どうしたの?」
月花 柘榴
「……妹の物を取りに来た」
月花 柘榴
「月花胡桃っていうんだけど」
GM
「月花?月花ならそこの席だよ」
GM
その話を信じたかは分からないが、生徒は胡桃の席を指す。
月花 柘榴
「……ありがと」
月花 柘榴
「……胡桃、どう? 元気にしてる?」
GM
「え、さあ……」
GM
「知らないな、影薄いし」
月花 柘榴
「……そう」
月花 柘榴
「仲いい人、いる?」
GM
「あんま他の生徒とはツルんでないけど」
GM
「何人かの生徒には心開いてたみたい」
月花 柘榴
「……そうなんだ」
月花 柘榴
「あー、聞いたことあるかも」
月花 柘榴
「ミクとか、マシロとか、ムツミとか……だっけ?」
GM
「あー……なんだ、本当に家族の人か」
GM
その言葉を聞いて、安堵したようだった。
GM
「そうそう、羽村とか宮下とか上杉とか」
GM
「他のやつと話してるとこは……あんま見ないな」
GM
「ていうか、月花どうしたの?最近ずっと登校してないじゃん」
月花 柘榴
「…………色々ね」
月花 柘榴
「…………」
月花 柘榴
「胡桃がいない間、その3人はどうだった?」
月花 柘榴
「心配してた?」
GM
「ん? ああ」
GM
「心配してたよ。一か月経ったのに、ずっとザワついてる」
GM
獲得[情報⑧:ムツミ、ミク、マシロについて]>PC②
月花 柘榴
「……………………!」
月花 柘榴
息を飲もうとして、耐える。怪しまれてはいけない。
月花 柘榴
「……そっか」
月花 柘榴
「ありがと、」
月花 柘榴
「…………じゃあ、急いでるから、えっと、またね」
月花 柘榴
胡桃の荷物を持ち帰ることも忘れて、走る。
月花 柘榴
早く、
月花 柘榴
早く戻らないと、
月花 柘榴
……胡桃が、
GM
柘榴は、すぐにコテージへと向かう。
GM
来たときと同じ速さで戻れば、コテージまではすぐだった。
GM
しかし、柘榴がコテージへと姿を現したのは、それからずっと後。
GM
──日が傾いても、柘榴はコテージへは現れなかった。
GM
GM
一瞬、ぞわりと寒気がした。その時にはもう遅かった。
GM
道迷いの法則障害は人を迷わせる法則障害。
GM
その効果に距離や広さは関係ない。
GM
空間があれば、人は迷うのだ。
GM
悠希、果子、イザンナはリビングで。
GM
マリアはガレージで。清次郎はコテージ前で。そして柘榴は屋外で。
GM
ふたたび皆は迷宮へと取り残された。
GM
法則障害の正体と対処法は既に判明している。
GM
だが、今回は法則障害の起点を教えてくれる案内人がいない。
GM
数時間もあれば、法則障害は問題なく見つかるだろう。
GM
[探索【幸運】]6
マリア=ロドリーゴ
2d6+3>=6 (2D6+3>=6) > 2[1,1]+3 > 5 > 失敗
イザンナ
2d6+5>=6 (2D6+5>=6) > 5[1,4]+5 > 10 > 成功
三善清次郎
2d6+6>=6 (2D6+6>=6) > 6[2,4]+6 > 12 > 成功
月花 柘榴
2d6+2>=6 (2D6+2>=6) > 10[4,6]+2 > 12 > 成功
辰巳 悠希
2d6+3>=6 (2D6+3>=6) > 6[2,4]+3 > 9 > 成功
月花 柘榴
*6と5交換
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
イザンナ
2d6+5>=6 (2D6+5>=6) > 11[5,6]+5 > 16 > 成功
辰巳 悠希
2d6+3>=6 (2D6+3>=6) > 5[1,4]+3 > 8 > 成功
月花 柘榴
2d6+2>=6 (2D6+2>=6) > 8[2,6]+2 > 10 > 成功
マリア=ロドリーゴ
2d6+3>=6 (2D6+3>=6) > 7[2,5]+3 > 10 > 成功
三善清次郎
2d6+6>=6 (2D6+6>=6) > 6[1,5]+6 > 12 > 成功
マリア=ロドリーゴ
2と5を交換
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
イザンナ
「…………ほう。」
イザンナ
「2人とも、近くにおいで。」
木下果子
「お?お?」
辰巳 悠希
「え、何今の……」
辰巳 悠希
言われる通り、イザンナの近くへ
イザンナ
「突然ですが、僕達は今閉じ込められています。」
辰巳 悠希
「ええ……?」
木下果子
「閉じ込め……?」
木下果子
「このリビングの中でか?」
木下果子
すぐそばには扉が見える。
イザンナ
「そう。誰かがみんなバラバラにしようとしているみたいだね。」
木下果子
「どゆこと?」
イザンナ
「外に出てごらん。」
木下果子
扉へと向かう。そこから出ようと。
木下果子
ところが数歩歩いた地点で、
木下果子
「あ?あれ?」
木下果子
果子はキッチンへと向かっていた。
木下果子
それを見ていた者もまた、
辰巳 悠希
「ちょ、ちょっと果子ちゃん?」
辰巳 悠希
「え、あれ?」
木下果子
果子が方向を見失ったのか、それとも部屋の形が歪んだのかの見分けはつかない。
イザンナ
「このコテージを覆っていた結界を分割して作っているんだろうね。」
イザンナ
「『許可された者』は通れるはずだから……」
木下果子
「あ…………」
辰巳 悠希
「そ、そんな!」
木下果子
「そうか、それがコレか……」
辰巳 悠希
「そんなはずは……」
思わず階段の方に駆け出す。
イザンナ
「僕達は、術者から敵とみなされているみたいだねぇ。」
イザンナ
スマートフォンの表示は圏外。
GM
やはり階段へはたどり着けない。目の前には壁があった。
辰巳 悠希
「そん……な」
イザンナ
深呼吸して、思い出す。
ミクに教えてもらった感覚。
木下果子
「しかし、なんで今……?」
イザンナ
「…………。」
イザンナ
ものが多いせいか、術者が近くにいるためか。
なんにせよ場所はわかりにくくなっている。
イザンナ
「さて……少し時間がかかりそうだな。」
木下果子
「何か出来ることはある?」
辰巳 悠希
恐る恐る移動している。
イザンナ
「知られちゃ困ること、知っちゃったのかもね。」
辰巳 悠希
「知られちゃ、困ること……」
イザンナ
「そうだな……この部屋の中で、ちょっとでも違和感を感じたら教えて欲しい……かな?」
木下果子
「……わかった」
イザンナ
「おおざっぱにでもわかれば、僕が特定するから。」
辰巳 悠希
先程見つけた診断書を思い出す。
知られちゃ、困ること。
辰巳 悠希
首を振り、部屋の中の違和感を探そうと顔を上げる。
辰巳 悠希
「……違和感って、例えばどういう感じなんですか?」
イザンナ
「説明はちょっと難しいけど。なんだろう、う~ん……」
イザンナ
「霊力……って言ってもまだわからないかな。そうなると、直観とか第六感とか虫の知らせ……なんていうのかな。」
木下果子
「つまり、なんかぴんときたらって事か」
イザンナ
「そゆこと。」
辰巳 悠希
「ぴんと来たらかぁ」
イザンナ
部屋の中央に立つ。
辰巳 悠希
霊力、ということは何か特殊な感覚で探せるものなのだろう。自分にはよく分からない。
24歳の自分には分かったのだろうか。
イザンナ
「…………半分よりこっちな気がする!」
辰巳 悠希
「半分よりこっち!」
辰巳 悠希
言われた方の半分にバタバタッと移動する。
木下果子
「勘だ!」
イザンナ
「最初に見つけた人には、後でパフェをおごってあげよう。」
イザンナ
「捜索開始!」
木下果子
「おっしゃあ!」
GM
30分。
GM
何も見つからない。
GM
1時間。
木下果子
「……喉乾いたな」
GM
2時間。
GM
日が傾き始める。
辰巳 悠希
「全然見つかんないな……」
GM
4時間。
辰巳 悠希
「一回一休みしませんか……?」
イザンナ
「おもちゃ箱で針の穴を探すみたいなものだからね」
木下果子
「私も……ちょい休む……」
イザンナ
「うん。疲れちゃったら困るからね。」
辰巳 悠希
「はぁ~」
床にごろんと転がる。
GM
6時間。
木下果子
「……トイレに行けねえ……」
辰巳 悠希
と、トイレ!
イザンナ
ふたりが休憩を始めてから、床に横になり天井を見上げる。
GM
8時間。
イザンナ
神経を集中させ。
辰巳 悠希
果子のトイレ事情がずっと気になっている。
イザンナ
ふたりの歩き回る足音の中に、違和感を、見つける
イザンナ
「ストップ!」
木下果子
「お」
木下果子
止まる。
辰巳 悠希
「お?」
イザンナ
「辰巳君、ちょっとジャンプしてみてくれる?」
辰巳 悠希
止まる。
辰巳 悠希
「ええ……?こ、こうですかぁ……?」

ジャンプジャンプ。
ポケットで小銭が鳴った。
イザンナ
「うん、そこだねぇ。」
辰巳 悠希
「ここ!?」
イザンナ
辰巳の側に歩いていき、床を見下ろす。
イザンナ
「ちょっと失礼。」
辰巳 悠希
イザンナの行動を見守っている。
イザンナ
ここに来るときにそうしたようにつま先で踏みつけ、両手を合わせ、目を閉じて。
つま先から自らの魔力を流し込んでいく。
イザンナ
正しい流れに逆流させ、その在り様を破壊。
ダン!と一気にその魔力、霊力を爆発させる。
辰巳 悠希
なんか‥‥、何か行われているっぽいのを、割と感覚として理解できる。
木下果子
「!」
イザンナ
「はい、おわり。トイレにいっといれ~」
GM
違和感が霧散する。
木下果子
「わ、ありがとう!行ってきます!」
辰巳 悠希
「あ、変なのが消えた」
木下果子
部屋から出ていく。
GM
空間が繋がった。
マリア=ロドリーゴ
ガレージからの扉が乱暴に開く。
辰巳 悠希
トイレに走っていく果子にちょっと恥ずかしそうにしている。
イザンナ
「おかえり~」
マリア=ロドリーゴ
ドアバーン!
辰巳 悠希
「うわぁっ!マリアさん!」
マリア=ロドリーゴ
「おっ…………」
イザンナ
「2階に行く前に、2人を待った方がいいと思う。ちょっと我慢してね。」
マリア=ロドリーゴ
「……ああ」
辰巳 悠希
あ、ちゃんということを聞いてる。えらい。
マリア=ロドリーゴ
果子がいないことを確認する。
マリア=ロドリーゴ
「法則障害の術者が分かった」
辰巳 悠希
「え……」
三善清次郎
そこへ玄関から続く扉が急に開き、転ぶようにはいってく。「うわ!!」
イザンナ
「朗報だね」
三善清次郎
「った……」
イザンナ
「おかえり~」
辰巳 悠希
「うわわっ、三善さん……」
辰巳 悠希
なんか皆勢いよく帰ってくるな~
三善清次郎
「いやっ……びっくりした、ごめんごめん……今何の話ししてた?」
月花 柘榴
少し遅れて、玄関の扉を開ける音。まっすぐ皆が集まるところまで走ってくる。
月花 柘榴
「おそく、なった」
月花 柘榴
「ごめん……」
マリア=ロドリーゴ
「柘榴」
マリア=ロドリーゴ
「こちらへ来い。報せることがある」
イザンナ
「聖モニカちゃんが術者わかったって」
月花 柘榴
「…………うん」
辰巳 悠希
さっきお兄さんが何かしてから、皆一気に帰って来たな……
月花 柘榴
「……それより、胡桃は」
月花 柘榴
「胡桃は……?」
マリア=ロドリーゴ
「二階にいるはずだ」
イザンナ
「ちょっと我慢してね。まず、話を聞いてから。」
マリア=ロドリーゴ
「ああ。お前は知っておく必要がある」
辰巳 悠希
「一度も下りてきてないから、大丈夫だとは思うよ……」
マリア=ロドリーゴ
「胡桃に会うなら」
イザンナ
「無策で飛び込むのは、死にに行くのと同じだからね。」
マリア=ロドリーゴ
「これから話すことは、聖堂騎士団の機密だ。
 他言無用で…………」
マリア=ロドリーゴ
中学生、中学生、ライター、異世界の魔王、という面々を見回しています。
三善清次郎
ライターで~す。
マリア=ロドリーゴ
「話したら殺す」
三善清次郎
「こわ……」
イザンナ
「心得た。」
月花 柘榴
「……うん…………」
マリア=ロドリーゴ
情報7を共有します。
辰巳 悠希
「もちろんです。っていうか、誰に言うのかって感じだし……」
GM
情報⑦:リサ・ブルダンの任務について
リサ・ブルダンの任務は、とある聖堂騎士の捜索である。
聖堂騎士の暗号名は“聖イシドールス”。
本名は、“月花胡桃”という。
──月花胡桃は、聖堂騎士団のカミガカリである。
1年前、“デュマ”の儀式により断片と化した一振りの儀礼剣があった。
“デュマ”の滅びの際、儀礼剣は新たな持ち主を選んだ。それがかつての玩具の所持者、つまり胡桃であった。
あの事件は、胡桃を人知れずカミガカリへと目覚めさせていたのだ。
彼女は何も分からぬまま、ただ一人、超常の世界へと放り込まれた。その能力が聖堂騎士団の目に留まり、仲間へと迎え入れられたのはそのすぐ後のこと。呪術や法則障害の作成・解析において恐るべき才能を発揮した胡桃は、聖堂騎士の位階と“聖イシドールス”の守護聖人の名を与えられた。
彼女は自身の姉の正体を知らなかった。それゆえ彼女は誰にもそれを口外する事なく、その秘密を抱え続けた。聖堂騎士団もまた“聖イシドールス”の能力の特異性を危惧し、彼女の能力と正体を機密情報として取り扱った。
『道迷いの法則障害』と『霊力を吸い上げる法則障害』──それらはすべて、彼女ひとりの手によって作られたものだ。
マリア=ロドリーゴ
「術者は”聖イシドールス”」
マリア=ロドリーゴ
「『霊力を吸い上げる法則障害』を解除させるためには」
マリア=ロドリーゴ
「対象を斃す必要がある」
イザンナ
「はぁん」
月花 柘榴
「――――、」
三善清次郎
「…………」
月花 柘榴
「……は?」
イザンナ
「まあ、子供には過ぎたあつかいよな……」
辰巳 悠希
「胡桃さん……が?」
三善清次郎
「あの事件のせい、?」
マリア=ロドリーゴ
「そう」
辰巳 悠希
そんなに話した訳ではないが、聖堂騎士という肩書からは遠い印象の少女だった。
マリア=ロドリーゴ
「“聖イシドールス”の能力は特殊かつ特異」
マリア=ロドリーゴ
「お前がカミガカリであることは報告を上げていたが」
マリア=ロドリーゴ
「……お前はフリーランスのカミガカリ」
イザンナ
「…………しかし。」
マリア=ロドリーゴ
「騎士団は情報を秘した。恐らくな」
月花 柘榴
「…………………………」
イザンナ
「であれば、アラミタマと契約することもなかろうよ。」
マリア=ロドリーゴ
「いや、……」
マリア=ロドリーゴ
「カミガカリがアラミタマと契約する例は、ある」
イザンナ
「その危険性について、理解するには……若すぎたという事か。」
三善清次郎
「……」
マリア=ロドリーゴ
その末路については口を噤む。
マリア=ロドリーゴ
「そうとは限らんがな」
イザンナ
「ふう……」
マリア=ロドリーゴ
「契約者ではない可能性もある」
三善清次郎
「……いや」
イザンナ
「ひとつはっきりしたのは」
マリア=ロドリーゴ
三善の方へ目を向ける。
イザンナ
「クルミは我々に会いたくなかったという事か。」
三善清次郎
「今回の俺たちが探してるアラミタマに……おそらく、何かと契約するだけの知性は、ないよ」
三善清次郎
視線がさまよう。悠希を見て、果子を探し……言葉をためらう。
三善清次郎
「……話しとかなくちゃ、いけないね」
辰巳 悠希
不安そうに、三善の顔を見上げる。
三善清次郎
情報⑪を共有します。
GM
情報⑪:アラミタマに出来る事
アラミタマは人間へと至るために人間の体を乗っ取ろうとしている。
特筆すべきは、彼らはアラミタマには珍しく知性と悪意を持たないという点にある。
彼らは目標のための計画的な行動などは出来ない。人間を唆して魂の契約を結ぶことすらままならない。法則障害の行使など以ての外だ。
しかし、かわりに彼らは、言葉を持たぬ生き物たちと心で結びつくことができる。
それは例えば植物。例えば知能の低い動物。そして例えば、産まれる前の胎児などだ。
三善清次郎
「聞いたことがあるだけの話」
三善清次郎
「確信はない」
三善清次郎
「……でも、」
マリア=ロドリーゴ
「胎児」
イザンナ
「珍しくはない。」
辰巳 悠希
「あ」
三善清次郎
「妊娠してたって、言ってたね」
辰巳 悠希
「たい……じ……」
イザンナ
「ん、どうした?」
マリア=ロドリーゴ
「何か、見つけたのか」
辰巳 悠希
首を横に振る。
辰巳 悠希
が、止まる。
イザンナ
「…………。」
辰巳 悠希
果子の行った方向を見て、周囲のカミガカリ達の顔を見渡す。
辰巳 悠希
「…………」
辰巳 悠希
ポケットに入れてくしゃくしゃになった診断書を、差し出す。
辰巳 悠希
情報⑩:果子について② を共有します。
GM
情報⑩:果子について②
彼女の妊娠には、不審な点が多い。
胎児の成長は異常なほどに急速であった。
妊娠後も果子は体力面での不自由はなく、むしろ妊娠前よりも活発になっている。
そもそも果子は体調に問題を抱えていた。胎児の成長は絶望視されていたはずだった。
マリア=ロドリーゴ
「…………」
イザンナ
「辰巳君。」
辰巳 悠希
返事はない。黙って診断書に視線を落としている。
イザンナ
「隠したかった気持ちはわかる……が。」
イザンナ
「わからなければ救える者も救えない。」
辰巳 悠希
「だから出したでしょ」
マリア=ロドリーゴ
「ああ、よく教えてくれた」
イザンナ
「うむ」
マリア=ロドリーゴ
「…………だが」
三善清次郎
悠希の顔が見られない。今、姿の見えない果子が何処にいるかも訊けない。
イザンナ
「しかし……」
マリア=ロドリーゴ
救う、か。
イザンナ
「となると、クルミ達がここにいるのは何故だ?」
マリア=ロドリーゴ
それは可能か?
月花 柘榴
「…………いや、」
イザンナ
「ここは、2人の所有物件で、アラミタマの気配があったならば」
月花 柘榴
かすれた声。
イザンナ
言葉を中断する。
月花 柘榴
「くるみ、『たち』、じゃない」
月花 柘榴
「あれ、は…………」
マリア=ロドリーゴ
「!」
GM
情報⑧:ムツミ、ミク、マシロについて
「ムツミ」「ミク」「マシロ」は、それぞれ胡桃の同級生「上杉睦美」「羽村三空」「宮下真白」の特徴と一致する。
彼女たちは胡桃の失踪に戸惑いつつも、現在も登校を続けている。
今日も宮下真白が、他の生徒たちにグループチャットで胡桃のことを訪ねていた。コテージの中は、電波が通じなかったにもかかわらず。
つまり彼女たちはコテージ内とコテージ外、同時に2つの地点に存在している。
コテージの3人組は、彼女らの姿を模した偽物。
人ではない『何か』だ。
三善清次郎
「……」
月花 柘榴
機能を持たない心臓がばくばくと鳴っている。
月花 柘榴
「……………………」
イザンナ
「…………」
マリア=ロドリーゴ
「霊力を──」
マリア=ロドリーゴ
「このコテージに吸い上げているのは、“聖イシドールス”」
マリア=ロドリーゴ
「その霊力は、集められてすぐに、使用されている」
イザンナ
「使い道は……つまり。」
三善清次郎
「ほかにないだろうね」
イザンナ
「…………。」
辰巳 悠希
「…………」
マリア=ロドリーゴ
「私たちは……」
マリア=ロドリーゴ
「ずっと彼女に見られていた」
マリア=ロドリーゴ
「もしかしたら、それどころではなく」
マリア=ロドリーゴ
「彼女と話していたのかもしれん」
イザンナ
「…………。」
マリア=ロドリーゴ
「“聖ヴェロニカ”は」
マリア=ロドリーゴ
「”聖イシドールス”を捜索しており、今もって首が行方知れずだ」
辰巳 悠希
「子供も」
イザンナ
もう、ヒトでいる必要はない。
辰巳 悠希
「お腹の子供もいない」
三善清次郎
「……うん」
マリア=ロドリーゴ
「ああ」
マリア=ロドリーゴ
「私は先に“聖イシドールス”に話を聞く」
イザンナ
「ミク……」
マリア=ロドリーゴ
「アラミタマについても、情報を持っているかもしれんしな」
イザンナ
「まて。」
イザンナ
「また法則障害を使われては厄介だ。」
イザンナ
「共に行こう。」
三善清次郎
「……そういえば、……果子ちゃんは?」
イザンナ
「トイレに行っておるが……?」
木下果子
「ういーす……呼んだ?」
木下果子
少し顔色が悪い。
辰巳 悠希
「あ、果子ちゃん……」
辰巳 悠希
思わず駆け寄り。
三善清次郎
「お、……おかえり~」
辰巳 悠希
「顔色、悪くない?大丈夫?」
木下果子
「ごめんごめん。ちょっと気持ち悪くなっちゃって」
木下果子
「もう大丈夫。全然元気!」
辰巳 悠希
「そう……」
イザンナ
「カコ。」
イザンナ
「ミコトである。」
木下果子
「……うおう!?」
三善清次郎
「うわ、いつのまに」
木下果子
「また見た目が変わってる!」
イザンナ
「真命をイザンナ、異界の魔王だ。」
木下果子
「……イザンナさん?そっちが本名なんだ」
三善清次郎
「なんかもう慣れてきちゃったのがちょっと悲しいな……」そしてやっぱりその姿かっこいいな……
イザンナ
「うむ。」
イザンナ
「今から、お前たちの問題を……解決しに行く。」
イザンナ
「一緒に来るか?」
木下果子
「……」
木下果子
「私が居たら足手纏いじゃないか?」
イザンナ
辰巳を見る。
イザンナ
「お前は来るだろう?」
辰巳 悠希
「行きますよ。僕は」
イザンナ
「彼女を守れるな?」
辰巳 悠希
「聞かれるまでもない」
イザンナ
「……とのことだ。」
マリア=ロドリーゴ
「…………」
三善清次郎
「……そうだね」
マリア=ロドリーゴ
大股に近づいた。
マリア=ロドリーゴ
顔を覗き込んで、頬をつねり上げる。
辰巳 悠希
「あっ!いだだだだ!」
三善清次郎
「あっ ひどい 男の子の決意の顔を」
辰巳 悠希
「え!?なに!?」
マリア=ロドリーゴ
「何が決意の顔だ」
マリア=ロドリーゴ
「完全にイッてただろうが目が」
イザンナ
「ヒヒヒ」
木下果子
「…………辛い話だったのか?」
マリア=ロドリーゴ
頬を乱暴に離した。痛い離し方。
辰巳 悠希
「……?」
なんでつねられたのか全然分からない、という顔。
マリア=ロドリーゴ
「自分が何言ってたか覚えてるか?」
辰巳 悠希
「痛ァ!」
辰巳 悠希
「……行きますって……」
三善清次郎
「……」
マリア=ロドリーゴ
「いいか」
三善清次郎
小さく溜息。戦闘時のあの様子を見ている。本来の姿を覚えている。
カミガカリになる者の持つ異常性は、この少年にも充分ある。
マリア=ロドリーゴ
「お前たちが子供に戻った理由は、まだ分からない」
辰巳 悠希
「そう……ですね」
マリア=ロドリーゴ
「その原因を調べるために、お前の力も要る」
辰巳 悠希
「はい……」でもつねる必要あった?
マリア=ロドリーゴ
「お前はあのくそデリカシーなし男よりは頭が回る」
辰巳 悠希
「くそデリカシーなし男?」
マリア=ロドリーゴ
「くそデリカシーなし男だ」
マリア=ロドリーゴ
「お前は将来くそデリカシーなし男になる」
辰巳 悠希
「…………もしかして、24歳の僕ってくそデリカシーなし男なんですか?」
辰巳 悠希
「え~~~~~~~……」
三善清次郎
「あ~……いや辰巳おにいさんは辰巳おにいさんなりにがんばってて……」
マリア=ロドリーゴ
「ああいうフォローをされる男になるんだよ」
イザンナ
「ヒヒヒヒヒ……」
辰巳 悠希
「ええ~~~~~~~~」
三善の方を見る。
マリア=ロドリーゴ
「だがまあ、それはいい」
三善清次郎
「ああっそんなつもりじゃっ」
マリア=ロドリーゴ
「とにかくそれはいいところだ」
マリア=ロドリーゴ
「24歳のお前よりな」
マリア=ロドリーゴ
「頭を動かせ」
辰巳 悠希
「24歳の僕って、14歳の中学生より頭動かないアホちゃんなんですか……?」
マリア=ロドリーゴ
「……」
イザンナ
「気にするな。待てのできる男だった。」
三善清次郎
「いやっ。いや、いやアホとかじゃなくってね!ちょっと変わってたけどね!」
木下果子
「………………」
辰巳 悠希
「否定してくれない……」
マリア=ロドリーゴ
「柘榴」
マリア=ロドリーゴ
話は終わりましたという顔で柘榴の方を見た。
辰巳 悠希
終わったの?話?
イザンナ
意味もなく浮いたりしている。
月花 柘榴
「……なあ、あんたさ」顔を上げてマリアを見て。
辰巳 悠希
なんで果子ちゃんはそんなアホちゃんと結婚したんだろう……。
マリア=ロドリーゴ
「ああ」
月花 柘榴
「ゾンビに混じって、聖ヴェロニカが出てきたとき」
月花 柘榴
「どうだった」
月花 柘榴
「どういうきもちだった」
マリア=ロドリーゴ
「いつか」
マリア=ロドリーゴ
「そういう時が来ると思っていた」
月花 柘榴
「………………」
マリア=ロドリーゴ
「今は、まだそうじゃない」
月花 柘榴
「……あたしは、そんな覚悟してなかったな……」
マリア=ロドリーゴ
「”聖ヴェロニカ”は」
マリア=ロドリーゴ
「”聖イシドールス”の捜索過程でああなった」
マリア=ロドリーゴ
「……お前の妹の手で、”聖ヴェロニカ”はやはり死ぬかもしれない」
マリア=ロドリーゴ
「だが、お前がその覚悟をする必要はない」
マリア=ロドリーゴ
「私は私」
マリア=ロドリーゴ
「お前はお前だ」
月花 柘榴
「………………う、ん」
マリア=ロドリーゴ
「お前は胡桃を助けにここに来たんだろう」
マリア=ロドリーゴ
「アラミタマと契約してるわけでもない」
マリア=ロドリーゴ
「たぶんな」
マリア=ロドリーゴ
「……だから、その目的のために行動し続けりゃいい」
マリア=ロドリーゴ
「カミガカリ同士なら」
マリア=ロドリーゴ
「話せる話もあるだろ」
マリア=ロドリーゴ
「会いに行こう。お前の妹に」
マリア=ロドリーゴ
「……私の騎士団がお前の妹のことを隠していて、すまなかった」
マリア=ロドリーゴ
「こんな形で、お前に伝えることになるとは、思わなかった」
月花 柘榴
「……あんたも、今まで知らなかったんだろうし」
月花 柘榴
「知ってたとしても、なんかそういう組織なら、話せないこと、あるんだろうし」
月花 柘榴
「……だから、いいよ」
月花 柘榴
「…………」
イザンナ
「…………いいのか?」
マリア=ロドリーゴ
「怒るならあとでいくらでも怒られてやる」
イザンナ
「欲がないなぁ……ザクロは。」
月花 柘榴
「……怒られるようなことは、あたしもたぶん、いっぱいしてんだ」
月花 柘榴
見回す。それから、悠希を見る。
月花 柘榴
「24歳の辰巳悠希はさ」
辰巳 悠希
なんとなく、どういう顔をしていたらいいのか分からない顔をしている。
月花 柘榴
「なんか、なんていうか、すげー怖い顔してて、やばくて、超失礼なこととか言いまくるやつで」
月花 柘榴
「でも」
辰巳 悠希
やっぱだめじゃん!
月花 柘榴
「あたしに戦い方を教えてくれた」
辰巳 悠希
「戦い方を……?」
月花 柘榴
「力があるって」
月花 柘榴
「教えてくれたのは、あんただった」
月花 柘榴
「……だから」
月花 柘榴
「あたしはあんたを守りたいし」
月花 柘榴
「胡桃を助けたい」
月花 柘榴
「……大丈夫」
月花 柘榴
「行こう」
月花 柘榴
「胡桃に、会いに」
辰巳 悠希
実感がない。
目の前の少女が腹部から触手のようなものを出しているのを見た。
木下果子
「…………」
辰巳 悠希
恐ろしいと思った。
人間ではないと、思った。
辰巳 悠希
そんな子に、力がある、って言ったのか?
僕が?
辰巳 悠希
くそデリカシーなし男で、中学生よりアホちゃんで、すげー怖い顔して、やばくて、超失礼な24歳の僕が?
辰巳 悠希
「……全然何がどうなってるのか分からないけど、理解できたこともあります」
辰巳 悠希
「多分、24歳の僕は大分だめな人だけど……、悪い所ばっかりでもなくて」
辰巳 悠希
「この状況なら、迷わなかったと思います」
辰巳 悠希
「……行きましょう」
月花 柘榴
頷く。
木下果子
「……よくわからんけど」
木下果子
「それじゃお言葉に甘えて、守ってもらおうか」
イザンナ
「ミヨシ、今度は喰われるなよなぁ」
三善清次郎
「えあ!?」
イザンナ
「ヒヒヒ……」
三善清次郎
「あ、……ああ、うん。気をつけまーす……」
GM
向かう先は二階、胡桃の部屋へ。
辰巳 悠希
果子に向き直り。

「……うん、頑張るよ」

それだけ答えた。
イザンナ
辰巳 悠希に『期待』
月花 柘榴
マリア=ロドリーゴに『信頼』
マリア=ロドリーゴ
月花柘榴に『謝罪』
辰巳 悠希
月花 柘榴に『信頼 したい』
三善清次郎
”辰巳果子”に『心苦しさ』
GM
GM
──3月7日 23:10 コテージ・客室──
GM
先程まで胡桃が居たのは、ベッドルーム隣の客室だった。
GM
その扉を開ける。
GM
中には誰もいない。
GM
[察知【幸運】]
マリア=ロドリーゴ
2d6+3 (2D6+3) > 8[2,6]+3 > 11
辰巳 悠希
2d6+3 (2D6+3) > 3[1,2]+3 > 6
月花 柘榴
2d6+2 (2D6+2) > 2[1,1]+2 > 4
三善清次郎
2d6+6+2 (2D6+6+2) > 9[3,6]+6+2 > 17
イザンナ
2d6+5 (2D6+5) > 8[3,5]+5 > 13
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
三善清次郎
6を5に。16です。
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
イザンナ
5と3を交換。
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
GM
清次郎とイザンナは、僅かな違和感に気付く。
GM
この部屋全体が法則障害となっていた。
イザンナ
「…………ほう。」
GM
友達ごっこ
察知:12/14
強度:3
必要人数:全員
消去:【知性】12
対象:地域
特殊ダメージ:2d(装甲無効)
ペナルティー:【幸運】−2(累積)
その他の影響
A:【霊紋】を[強度]+2分[回復]する。
B:術者が従えるモノノケの[装甲]と[結界]に+5。
混沌のモノノケを生み出す[法則障害]。
この効果によって生み出されたモノノケは、[術者]の知る人間の人格を模倣し、その役割を演じる。
GM
これは、魍魎を生み出す法則障害だ。
GM
ムツミ、ミク、マシロ。
GM
コテージに居た3人の少女は、この法則障害によって生成されていた。
GM
なぜ彼女たちは生み出されたのか、なぜ友人の姿を模して作られたのかは定かではない。
GM
確かなのは、彼女たちは、胡桃の意思によって作られたものだということ。
GM
そして彼女達を生み出し、動かすために、この法則障害を用いているということ。
GM
この法則障害もまた、霊力を枯らす一因であるということ。
GM
つまり──
GM
この法則障害は破壊しなければならず、破壊すれば彼女たちはいずれ泥へと還るだろうということだ。
ミク
『……ミコトくんはさ』
ミク
『……冷静に客観的に、仕事をこなせるよね?』
ミク
『あたしは、ミコトくんの依頼主であるがゆえ』
ミク
『仕事は任せましたぞ!』
イザンナ
「…………」
イザンナ
あれはまやかし。
イザンナ
まやかしだ。
イザンナ
冷静に、客観的に。
イザンナ
つまり、自分が何者か。
イザンナ
何のために生み出されたのか、わかっていたという事だ。
イザンナ
ミクよ。
イザンナ
ならば我は……
イザンナ
お前の願いを、依頼を。叶えるのみ。
イザンナ
「…………友達だからな。」
三善清次郎
「何か言った?」
イザンナ
「いや……」
ミク
『ミコトくんも友達なので、辛い立場である!』
マシロ
『さあ?ボクは、呼ばれただけだからね』
ムツミ
『私たちと、あなたたち』
ムツミ
『試練は、もうすぐそこ……』
イザンナ
「…………破壊しよう。」
イザンナ
「人形遊びは卒業だ。」
マリア=ロドリーゴ
「法則障害か」
イザンナ
「うむ。やはりあの3人はまやかし……モノノケだ。」
三善清次郎
「……あの3人を維持してるのも、これの効果だね」
三善清次郎
何もない空間を、ぺちぺちと叩いてみせる。
月花 柘榴
「…………」
マリア=ロドリーゴ
いつかのように、カメラを手の中に収める。
イザンナ
ミクの記憶にワタシはいない。
友達になったミクはいない。
イザンナ
初めからいなかったのだよ。
イザンナ
「破壊するぞ。」
マリア=ロドリーゴ
「ああ」
月花 柘榴
「……うん」
マリア=ロドリーゴ
「おい」辰巳に声をかける。
辰巳 悠希
「あ、はい!」
マリア=ロドリーゴ
「これから少し、これの破壊に協力してもらう」
マリア=ロドリーゴ
何もない場所を指す。
辰巳 悠希
「はぁ……」
何もない場所を見る。
辰巳 悠希
この人部屋とか壊せるのかな?
壊せそう~
マリア=ロドリーゴ
「さっき言ったろう。頭を動かして、よく見ろ」
月花 柘榴
「……えっと、こういうのは叩けば壊れると思……いや、なんかむずかしそーだな……」
辰巳 悠希
「全然分からないですけど……。
なんか24歳の僕よりはマシらしいんで、やってみます……」
月花 柘榴
「……気合いでなんとかして」
辰巳 悠希
「気合!?」
月花 柘榴
「気合い」
マリア=ロドリーゴ
「そうだぞ」
月花 柘榴
「むずかしいこと、わかんないし……」
辰巳 悠希
「頭を使ったらいいのか、気合でやったらいいのか、どっちなんですか!?」
三善清次郎
「頭を使って気合入れたらいいんじゃない?」
三善清次郎
モバイルに目を遣る。23時を少し、回っている。
辰巳 悠希
「ええ~~~………」
木下果子
「……そうか」
木下果子
「胡桃ちゃんがカミガカリで、あの三人は胡桃ちゃんに作られたって事か」
木下果子
皆より少し遅れて、果子が状況を理解する。
月花 柘榴
「……うん」
辰巳 悠希
でもさっきピンと来たらって話をしてたな。
そういう感じ……なのか?
イザンナ
「…………まあ、傷をつければ」
イザンナ
「殴るあても見えようよ。」
イザンナ
2d6+8>=12 (2D6+8>=12) > 12[6,6]+8 > 20 > 成功
マリア=ロドリーゴ
神器変形を使って心霊カメラにデータを変更。
三善清次郎
2d6+8>=12 (2D6+8>=12) > 9[4,5]+8 > 17 > 成功
マリア=ロドリーゴ
1d 霊紋燃焼 (1D6) > 3
[ マリア=ロドリーゴ ] 霊紋 : 15 → 12
月花 柘榴
2d6+2>=12 (2D6+2>=12) > 4[1,3]+2 > 6 > 失敗
マリア=ロドリーゴ
3d6+4=>12 (3D6+4>=12) > 12[3,4,5]+4 > 16 > 成功
月花 柘榴
*太古の記憶!
辰巳 悠希
1d 霊紋燃焼 (1D6) > 1
[ 辰巳 悠希 ] 霊紋 : 22 → 21
月花 柘榴
1を6に
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
辰巳 悠希
3d6+2>=12 (3D6+2>=12) > 11[1,4,6]+2 > 13 > 成功
イザンナ
ぐっと、拳を握り。
イザンナ
「せい!」
イザンナ
正拳突き
辰巳 悠希
ほんとに物理でやってる!
三善清次郎
「気合入ってんな~」
イザンナ
そこに、魔力を流し込む。
月花 柘榴
頭を使った気合いだ……
マリア=ロドリーゴ
シャッターを何度か切ったあと、カメラを放り投げた。
イザンナ
この世界では霊力とよばれるもの。
マリア=ロドリーゴ
魔弾は元の姿を取り戻し、唸りを上げる。
イザンナ
殴った個所から闇に染まる。闇が広がる。
イザンナ
夜が障害を侵食する。
マリア=ロドリーゴ
部屋の中に広がる夜闇へ向けて、銃弾が殺到する。
月花 柘榴
手のひらの中心から触手を生やす。
イザンナ
包みこむ、閉じ込める。
マリア=ロドリーゴ
なにかが破裂するような、銃声が室内に無数に響き渡る。
イザンナ
目標を可視化する。
辰巳 悠希
素手で壁殴るのはやだな~。
確か……、そのへんから武器とかを出せたよね?
そこまでは覚えてる……。
三善清次郎
あまり派手な動きはない。霊力の通った符が僅かに輝くばかり。
辰巳 悠希
虚空に手を差し出すと、手首から先が消える。
「うわわ」
辰巳 悠希
何かの柄のような手触り。
辰巳 悠希
ぱーぱっぱらー。
悠希は剣を手に入れた。
辰巳 悠希
「おお……」
月花 柘榴
おお~……
辰巳 悠希
とりあえず、見えるようになった目標に……
辰巳 悠希
気合で剣をガンガンやる!
月花 柘榴
触手が目標にぶつかっていく。
マリア=ロドリーゴ
そうだぞ。
三善清次郎
「……デジャヴ……」
辰巳 悠希
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
イザンナ
「うむうむ。」
木下果子
「お、わあ」
イザンナ
ぎりぎりと締め付けていく。
GM
ひときわ大きい抵抗を最後に
GM
それは砕けていった。
GM
法則障害が消えた瞬間、空気が僅かに軽くなる。
イザンナ
「…………。」
GM
一瞬、耳抜きのような感覚と共に音が遠のき……
GM
……やがて再び部屋は音を取り戻す。
木下果子
「……これで、あの三人のエネルギー源が断たれた?」
マリア=ロドリーゴ
「の、はずだ」
木下果子
「それって…………」
辰巳 悠希
少し、心配そうな顔で柘榴を見る。
GM
その先の言葉は続かない。
GM
そんな重たい空気を打ち破ったのは
GM
どん!
GM
内側から戸棚を叩く音。
GM
どん、どんと叩く音。
マリア=ロドリーゴ
「…………」
辰巳 悠希
「うわわ」
イザンナ
腕が浮遊する。
月花 柘榴
「…………!」
三善清次郎
「何が出るかな……」
イザンナ
「…………」
マリア=ロドリーゴ
大股に戸棚に近づいて、開ける。
GM
中に入っていたものが、ごろりと転がった。
マリア=ロドリーゴ
受け止める。
フェアリー・ブルダン
「……マリア!」
マリア=ロドリーゴ
「ああ」
GM
見覚えのある首だった。
三善清次郎
「うおあ!」
イザンナ
「…………おう。」
月花 柘榴
「……あ」
マリア=ロドリーゴ
「無事か」
辰巳 悠希
「生首だぁ!!」
イザンナ
「身体はガレージぞ。」
フェアリー・ブルダン
「……はい」
フェアリー・ブルダン
「皆さんにも、ご迷惑をお掛けしました」
三善清次郎
「わーーっ、優しいほうのおねえさん久しぶりだ!」
マリア=ロドリーゴ
「問題ねえ。暴れるんで縛ってある」
マリア=ロドリーゴ
「”聖イシドールス”……月花胡桃だな?」
フェアリー・ブルダン
「……はい」
フェアリー・ブルダン
「皆さん、すぐに上へ。“聖イシドールス”はそちらに向かいました」
フェアリー・ブルダン
「話し込んでいる時間がありません。私が知っていることを手短にお話します」
月花 柘榴
「…………」
マリア=ロドリーゴ
「おう」
フェアリー・ブルダン
「辰巳さん。あなたと果子さんは、日付が変わるまでに全てを終わらせないといけません」
辰巳 悠希
「え!?なんで……」
フェアリー・ブルダン
「あなた達は明日になれば、今日の出来事も、カミガカリの力も忘れてしまいます」
フェアリー・ブルダン
「恐らくあなたたちは、ひと月前……」
フェアリー・ブルダン
「ここに来てからずっと、そんな日々を続けていた」
辰巳 悠希
「え……」
GM
情報⑫:失踪後のリサの行動について
失踪した“聖イシドールス”捜索メンバーの一人、“聖ヴェロニカ”が現場へと到着したのは3日5日深夜のこと。
彼女はデュラハンの死の予言により、法則障害の穴をすり抜け、捜し人の居場所へと辿り着いてしまう。
騎士団が彼女の行方を見失ったのはこの時点である。連絡が途絶えたのは、法則障害の影響によるものだ。
その後、すぐに胡桃たちを発見。そして法則障害の痕跡を発見する。
“聖イシドールス”の情報を叩き込んだ“聖ヴェロニカ”は、胡桃の正体と能力の事も知っていた。
だから彼女にとって「胡桃が自らここに篭もって法則障害を展開し、膨大な霊力を用いて何かをしている」という所まで察するのは難しいことではなかった。
事件の背景を探るため、彼女たちの前に姿を現さず、コテージへと潜入。そこには胡桃、マシロ、ミク、ムツミ、果子、そして悠希がいた。
捜査の結果、アラミタマの存在に気付く。真相を探るべくコテージ付近を探索していたところ、マシロの不意打ちを受けて気絶。首を奪われ、体は外へと捨てられた。
“聖ヴェロニカ”は、悠希と果子が若返っていることを知っている。昨日も一昨日も、彼女は二人を見ていたからだ。
彼女は見ていた。日付が変わってベッドから目覚めた悠希と果子が、まるで初めてその場所に連れてこられたかのように動揺するさまを。胡桃がうんざりとした様子で、その二人をあしらうさまを。
その朝の光景は、今日も、昨日も、そして恐らくは彼らが行方不明となった一月前から、ずっと繰り返されていたのだ。
フェアリー・ブルダン
「“聖イシドールス”を確保するのは今しかありません。私達は、彼女を追い詰めすぎてしまった」
フェアリー・ブルダン
柘榴の方を見る。
フェアリー・ブルダン
「彼女は邪法の専門家です。そして彼女が解明した法則障害の中には」
フェアリー・ブルダン
「……術者をアラミタマへと変える術も、含まれています」
フェアリー・ブルダン
「ここで仕切り直しても、アラミタマとなった彼女に法則障害を結び直されたら……」
フェアリー・ブルダン
「我々はきっと、二度とこのコテージを見つける事ができません」
辰巳 悠希
「毎日……同じことを……」
マリア=ロドリーゴ
「急ぐぞ、柘榴」
フェアリー・ブルダン
「私の事は後回しで構いません、すぐに彼女の元へ。不甲斐なくてごめんなさい。皆さん、あとは宜しくお願いします」
月花 柘榴
「…………術者を、アラミタマに」
フェアリー・ブルダン
「……はい」
フェアリー・ブルダン
「どうか……彼女を止めてあげて……」
マリア=ロドリーゴ
「まだ間に合う」
月花 柘榴
「…………うん」
イザンナ
「そうさせてもらおう。」
マリア=ロドリーゴ
「悪いが、ここで待ってろ」
三善清次郎
「…………」
フェアリー・ブルダン
「……はい」
マリア=ロドリーゴ
「すぐ戻る」
フェアリー・ブルダン
「……うん」
フェアリー・ブルダン
「待ってる」
マリア=ロドリーゴ
部屋の中、問題なさそうな場所にリサの首を置いて立ち上がる。
マリア=ロドリーゴ
「行こう」
月花 柘榴
「……ありがとう」
三善清次郎
「うん、……」
月花 柘榴
「いってきます」
辰巳 悠希
ちらりとリサの方を見て、カミガカリ達の後に続いた。
月花 柘榴
「……くるみを、とめて」
月花 柘榴
「助けて」
月花 柘榴
「もどってくる」
イザンナ
「…………。」
イザンナ
「そうしよう。」
GM

◆シーン*:独白:三善清次郎◆
三善清次郎
玄関に出てくる。誰もいないのを確かめて、煙草に火をつける。
そうして深く深く息を吸い、吐いて。
三善清次郎
先ほどの自分自身の言葉にひっかかりを覚えた。
『アラミタマってやつは、契約を迫ってくる』……
今回討伐しようとしているアラミタマに、その知能はあるのか?
メフィスト・フェレス
『あれには知恵がありません。何をしでかすか分かりゃしない!』
三善清次郎
知性も自我も残っていない、下級悪魔、死霊、鬼火、
……ネズミなどの、畜生たち。
三善清次郎
そういうケースがある、と聞いたことがある。
言葉を持たぬ生き物たちと”心”で結びつくアラミタマ。
”ひとになりたい”……その憧れ、願い、目的。
一年前の、メフィストフェレスの言葉が頭の中で反響する。
メフィスト・フェレス
『未然に防ごうと愚考しているわけです』
三善清次郎
アラミタマの発生の経緯はそう単純なものではない。
そして発生した以上、経緯には複雑な要因が絡んでいるはずで。
三善清次郎
あの日自分があのネズミたちを見逃したのが全ての発端だなどと、
あの時自分がメフィストフェレスを止めなければなどと、
あの瞬間自分がメフィストフェレスを殺していれば、――などと、
思い上りであるはずで。たらればをいちいち数えていてはキリが無い。
三善清次郎
いま重要なのは、辰巳果子の胎にいたはずのこどもが、
肉体時間の遡りを経て"何処へ行ったか"……”何に成ったか”それだけだ。
あるいは、何処かへ行ってしまったから、
何かに成ってしまったから、この状況に陥ったのか。
自分の悪い想像であればいいと思えば思うほど、状況はそれを指し示す。
三善清次郎
アラミタマは敵だ。心を傾けていいことなどひとつもない。
たとえそれがどんな来歴で顕れたものであろうと、
殺してやる以外に出来ることはなにもない。
わかっている。わかっていたはずなのに。
メフィスト・フェレス
『どこへなりとお供しましょう。ダンナの生き方を側で見られるなら、それも悪くない』
三善清次郎
気づかぬうちに灰が落ち、シャツの胸元を汚した。
霧は晴れつつあるとはいえ、周囲は未だ薄暗く、重くべたついた風が吹く。
枯れ果てた霊脈、生気を失う木々、飢えて彷徨うモノノケたち。
自分を呼ぶやさしい声。師の見せた苦い顔。
いやなことばかりを思い出す。
三善清次郎
「……やっぱり人間は愚かだよ」
三善清次郎
自分一人を指すのには大きすぎる主語で溜息を一つ吐き出して、
律儀に持ち歩いている灰皿へと煙草を押しつけた。
GM
◆シーン⑤:在りし日のリバース、明くる日のリバース◆
GM
シーンプレイヤー:PC②
月花 柘榴
1d6 (1D6) > 2
マリア=ロドリーゴ
*
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
マリア=ロドリーゴ
2d6+3>=8 (2D6+3>=8) > 8[3,5]+3 > 11 > 成功
イザンナ
2d6+5 (2D6+5) > 5[2,3]+5 > 10
三善清次郎
2d6+6 (2D6+6) > 6[1,5]+6 > 12
辰巳 悠希
2d6+3 (2D6+3) > 11[5,6]+3 > 14
GM
──3月7日 23:40 コテージ・屋根裏──
GM
ムツミは部屋の片隅で、本を読んでいる。
ミク
「くるみちゃん……」
ミク
ミクは、マシロによって羽交い締めにされている。
月花胡桃
「……なんで」
GM
胡桃は、ゲーム機に向かっていた。
月花胡桃
「なんで、できないの……!」
ミク
「やめて、胡桃!もう諦めようよ!」
ミク
「こんなこと……アラミタマになってまで、しなくたっていいじゃん!」
マシロ
「仕方ないんだ。カミガカリ達を追い返して、すべてを解決させるためには、もうそれしかない」
ミク
「それしかない?本気で言ってるの、マシロ」
マシロ
「……ああ、本気さ。ボクは、胡桃の願いを叶える為に生まれてきた」
ミク
「……っ、思い直して!」
ミク
「それをしたら、もう、引き返せない!」
月花胡桃
「……さい」
月花胡桃
「うるさい、うるさい、うるさい!」
月花胡桃
「もう引き返せない!?とっくに……」
月花胡桃
「とっくに引き返せないところまで来てる!」
月花胡桃
「ちゃんと時間は稼いだ!ざくろちゃんたちを外に出るのも見逃したのに!」
月花胡桃
「みんなが調べたんだ。私の事も絶対気づいてる!ここに来られたら、もう、おしまいなんだ!」
月花胡桃
「早く、早くしないと」
月花胡桃
「私にはもう、これしかないのに!なのに、くそっ、どうしてっ」
GM
がちゃがちゃと、ボタンを押す。
月花胡桃
「起動しない!なんで!?」
月花胡桃
「どこも……どこも間違ってないのに。絶対に、完璧なはずなのに!」
月花胡桃
「ここまで、覚悟っ……したのに!」
月花胡桃
「なんでだ、ちくしょうっ……!」
ムツミ
「クルミ」
GM
ムツミが本を閉じて、入り口を見る。
ムツミ
「残念だけど、時間切れよ」
GM
そこには、カミガカリ達の姿があった。
月花胡桃
「…………!!!」
月花 柘榴
「…………くるみ」
月花胡桃
「来るなあっ!」
月花胡桃
「帰って!帰ってよ!私のことなんて放って!今すぐに!」
辰巳 悠希
「それは、僕も?」
月花 柘榴
「ほっとけるわけないじゃん!!!」
辰巳 悠希
つかつかと胡桃の所に歩み寄る。
辰巳 悠希
頬を引っ叩く。
月花胡桃
「っ!」
辰巳 悠希
「僕と果子ちゃんに、あんなことしておいて」
辰巳 悠希
「自分だけ……かわいそうだと思ってるの?」
月花胡桃
「ひっ……」
マシロ
「……ふむ」
マシロ
その手を掴む。
辰巳 悠希
掴んだマシロを見る。
マシロ
「遅かれ早かれ、こうなるかとは思っていた」
マシロ
握る。人間ではありえない力で悠希を持ち上げ、
マシロ
そして投げる。
辰巳 悠希
放り投げられた悠希は、壁にぶつかって床に落ちた。
イザンナ
「子供の楽園……か。」
三善清次郎
「うわ、っと!辰巳君!」駆け寄る。
ミク
「……」
辰巳 悠希
「大丈夫です。大丈夫……」
月花 柘榴
「…………悠希」
三善清次郎
怪我がないか確かめる。それほど高さはなかったはずだ。
三善清次郎
背中にかばうように僅かに前へ。
辰巳 悠希
少しふらつきながらも立ち上がる。
イザンナ
「人形ごっこはもう終わりだ。」
イザンナ
「ミク……依頼を果たしに来たぞ?」
月花 柘榴
「あとで、あたしも謝るから」
ミク
「ミコトくん……。や、イザンナちゃんかな」
イザンナ
「ヒヒヒ……その通り。」
ミク
「ナイスタイミングだ!」
マリア=ロドリーゴ
「見たところ、まだアラミタマにはなっちゃいないな」
イザンナ
「この魔王イザンナに依頼できたこと、光栄に思うがよいぞ。」
三善清次郎
「ギリギリっぽいけどね」
ミク
「うん」
ミク
「光栄だよ、ホントに」
ミク
「後はどうすればいいか、わかるよね?」
マシロ
「……だから言ったんだよ、胡桃」
マシロ
「ミクを自由にさせておくと、後々が厄介だと」
月花胡桃
「……っ!」
月花胡桃
端末をいじる。
ミク
「お、お、おおわっと」
ミク
ミクの身体が跳ねる。まるで操られるように、胡桃とカミガカリたちの間に。
イザンナ
「…………愚かな少女よ。」
ミク
「うーむ」
ミク
「ダメっぽい!協力できるのはここまでだ!」
イザンナ
「よいよい。世話になったな。」
イザンナ
「あとは……任せて。眠れ、優しき子。」
マシロ
「話が分かりやすくていいだろう?」同じく、胡桃とカミガカリたちの間へ。
ムツミ
「…………」
イザンナ
「優しい子らよ……せめて。」
イザンナ
「楽に消してやろう。」
月花 柘榴
「……くるみ」
月花 柘榴
「いままで、だまってて、ごめん」
月花胡桃
「…………」
月花 柘榴
「ひとりにして、ごめん」
月花 柘榴
「……気付けなくて、ごめん」
月花 柘榴
「……でも、あたしは」
月花 柘榴
「くるみがアラミタマになるのは、やだ……!」
月花胡桃
「……うるさいっ……!」
月花胡桃
「ざくろちゃんが」
月花胡桃
「ざくろちゃんがここから居なくなれば」
月花胡桃
「全部、全部丸く収まるのに!」
月花 柘榴
「………………っ」
月花 柘榴
「…………ごめん、」
月花 柘榴
「でも、」
月花 柘榴
「あたしは」
月花 柘榴
「くるみといっしょにいたいよ……」
月花胡桃
「……っ……!」
月花 柘榴
「…………あたし、こういう身体でさ」
月花 柘榴
「傷付けるの、こわくて」
月花 柘榴
「だから、ぜんぜん、話せなくて」
月花 柘榴
「でも、」
月花 柘榴
「くるみのこと、好きで、」
月花 柘榴
「だから…………」
月花胡桃
「っ、ぐ……」
月花胡桃
「い、」
月花胡桃
「やだ……」
月花胡桃
「やだ、やだ、やだ!聞きたくない!」
月花胡桃
「私のためを思うなら!」
月花胡桃
「今、ここで!」
月花胡桃
「ここから出てって!今すぐ!」
マシロ
「……埒が明かないな」
マシロ
「言葉で語る意味はないだろう。キミたちは既に、法則障害の無効化のために術者の無力化が必要であることを知っている」
マリア=ロドリーゴ
「ああ」
マシロ
「そして、ここにこうして立っているボクたちの役割も……わかるね?」
イザンナ
「そうだな。」
マリア=ロドリーゴ
「分かりやすくて助かる」
辰巳 悠希
「つまり、全部倒せばいいんだよね」
三善清次郎
「……そういうことに、なるみたいだね」
辰巳 悠希
「それならわかる。難しくない」
ミク
「気にするな!しょせん紛い物である!」
イザンナ
「……マシロ。」
イザンナ
「本当に……友達思いの良い子だな。」
マシロ
「……」
イザンナ
「だがなぁ。願い事を聞いてあげる事だけが……」
イザンナ
「優しさではないのだよ。」
三善清次郎
符を握り締める。
月花 柘榴
「……くるみ!」
月花 柘榴
「ちゃんと、止めるから」
月花 柘榴
「一緒に帰ろう」
月花 柘榴
「そんで、ぜんぶ終わったら」
月花 柘榴
「一緒にいっぱい謝ったり、しよう」
月花 柘榴
「謝ってダメなら、一緒に逃げよう」
月花胡桃
「あ……っ」
月花胡桃
「う、うっ、う…………」
月花 柘榴
「あたしは、くるみと一緒なら、どこでもいいし」
月花 柘榴
「一緒に背負うし」
月花 柘榴
「くるみが隣にいてくれるだけで、いいから……!」
月花胡桃
「…………」
GM
涙を拭う。けれどもまたすぐに頬は濡れる。
GM
けれど、次に目を開いた時には。
月花胡桃
そこには、決意の色があった。
月花胡桃
「馬鹿にしないで」
月花胡桃
「私が何をしたかなんて、とっくにわかってる」
GM
屋根裏を、風が殴りつける。
GM
窓から見える外は白い。
GM
季節外れの吹雪が、コテージの屋根を叩いている。
月花胡桃
「手詰まりだ。あとは当たって砕けろだ。でも」
GM
胡桃の霊力結界が皆を包む。
月花胡桃
「意地でも、最後まであがいてやる。絶対に、何が何でも、ざくろちゃんを追い出すんだ……!」
月花胡桃
「私は“聖イシドールス”!私だって……聖堂騎士なんだ!」
GM
霊紋が光る。手にはおもちゃの剣。
マシロ
「さあ」
マシロ
「パーティーを始めようか!」
ミク
「うむ!対戦よろしゃっす!」
ムツミ
「……」
GM
識別>ムツミ
マリア=ロドリーゴ
2d6+2 (2D6+2) > 8[4,4]+2 > 10
三善清次郎
2d6+8+2 (2D6+8+2) > 5[2,3]+8+2 > 15
月花 柘榴
2d6+2 (2D6+2) > 6[3,3]+2 > 8
辰巳 悠希
2d6+2 (2D6+2) > 3[1,2]+2 > 5
イザンナ
2d6+8 (2D6+8) > 7[3,4]+8 > 15
イザンナ
3と6を交換して18
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
GM
種別:混沌 LV:5(1)
サイズ:3  知能:狡猾  感覚:魔力  会話:可能  反応:敵対
知名度:15 弱点:[冷気][電撃]   移動:歩行
固定値:命12、回12、発20、抵17、判11
行動値:21(9)
生命力:61
装甲:8
結界:2
[武器攻撃]:魔法攻撃/7マス/1体/消滅
 対象に3d+13の魔法ダメージ。
[追加効果]:1戦闘中1回、[攻撃行動]の[対象]を[5体]に変更。
《血管槍》:魔法攻撃/10マス/範囲/半減
 対象に3d+20の魔法ダメージ。
《混沌の秘術》:特殊/7マス/1体
 対象が《タレント》宣言時に使用。1ターン中1回、対象が使用した[タイミング:特殊]の《タレント》1つの効果を消滅する。
《高位の混沌》:常時/使用者
 対象は[手番]の際、[タイミング:攻撃]を+1回。また、対象は受けた[形状:剣・槍]の[物理ダメージ]を[半減]。
GM
識別>ミク
月花 柘榴
2d6+2 (2D6+2) > 12[6,6]+2 > 14
マリア=ロドリーゴ
2d6+2 (2D6+2) > 8[4,4]+2 > 10
辰巳 悠希
2d6+2 (2D6+2) > 5[1,4]+2 > 7
三善清次郎
2d6+8+2 (2D6+8+2) > 9[4,5]+8+2 > 19
イザンナ
2d6+8 (2D6+8) > 5[1,4]+8 > 13
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
GM
種別:混沌 LV:5(1)
サイズ:3  知能:狡猾  感覚:魔力  会話:可能  反応:敵対
知名度:15 弱点:[火炎][風圧]   移動:歩行
固定値:命20、回18、発12、抵11、判11
行動値:19(8)
生命力:71
装甲:3
結界:7
[武器攻撃]:肉弾攻撃/2マス/2体
 対象に[形状:槍]3d+13の物理ダメージ。
[追加効果]:1戦闘中1回、[攻撃行動]の[ダメージ]に+3d。
《鎧通し》:物理攻撃/戦闘地帯/範囲
 対象に物理攻撃を行う。[受動判定]に失敗した対象は[形状:剣]1d+25の[物理ダメージ]を2回受ける。
《吸引の外骨格》:特殊/戦闘地帯/1体
 ダメージ減少時に使用。対象が行った[攻撃行動]を[対象:1体]に変更、[ダメージ]と効果を使用者が代わりに受ける。
《高位の混沌》:常時/使用者
 対象は[手番]の際、[タイミング:攻撃]を+1回。また、対象は受けた[形状:斧・槌]の[物理ダメージ]を[半減]。
GM
識別>マシロ
マリア=ロドリーゴ
2d6+2 (2D6+2) > 6[1,5]+2 > 8
月花 柘榴
2d6+2 (2D6+2) > 7[2,5]+2 > 9
イザンナ
2d6+8 (2D6+8) > 7[2,5]+8 > 15
三善清次郎
2d6+8+2 (2D6+8+2) > 8[3,5]+8+2 > 18
辰巳 悠希
2d6+2 (2D6+2) > 9[4,5]+2 > 11
GM
種別:混沌 LV:5(1)
サイズ:3  知能:狡猾  感覚:領域  会話:可能  反応:敵対
知名度:16 弱点:[電撃][幻覚]   移動:歩行
固定値:命19、回8、発18、抵11、判12
行動値:7(4)
生命力:100
装甲:4
結界:2
[武器攻撃]:魔法攻撃/5マス/3体/消滅
 対象に[属性:磁力]2d+16の魔法ダメージ。
《混沌障壁》:開始/戦闘地帯/戦闘地帯
 対象は受けた[対象:2体以上]([範囲・戦闘地帯]も含む)の[攻撃行動]から受けた[ダメージ]を[半減]。
《磁力重撃》:物理攻撃/移動3マス/1体
 対象に[属性:磁力/形状:剣]3d+31の物理ダメージ。
《高位防御魔術》:防御/5マス/1体
 ダメージ減少時に使用。対象は[装甲]に+10。
《混沌の軍将》:常時/使用者
 対象が[死亡]しない限り、[戦闘地帯]内に存在する[種別:混沌]のモノノケは【行動値】に+10、「[×n]のモノノケを[死亡]」の効果を受けない。
GM
識別>月花胡桃
月花 柘榴
2d6+2 (2D6+2) > 8[2,6]+2 > 10
イザンナ
2d6+8 (2D6+8) > 7[1,6]+8 > 15
マリア=ロドリーゴ
2d6+2 (2D6+2) > 7[3,4]+2 > 9
辰巳 悠希
2d6+2 (2D6+2) > 6[1,5]+2 > 8
三善清次郎
2d6+8>=n
三善清次郎
2d6+8+2 (2D6+8+2) > 6[1,5]+8+2 > 16
三善清次郎
1を6に
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
三善清次郎
21に
GM
種別:人型 LV:1(1)
サイズ:2  知能:狡猾  感覚:通常  会話:可能  反応:時々
知名度:14 弱点:なし         移動:歩行
行動値:11(6)
[ マリア=ロドリーゴ ] 霊紋 : 12 → 17
[ イザンナ ] 霊紋 : 13 → 18
[ 三善清次郎 ] 霊紋 : 12 → 17
[ 月花 柘榴 ] 霊紋 : 20 → 22
[ 辰巳 悠希 ] 霊紋 : 21 → 22
GM
GM
戦闘開始
GM
タイミング:開始
イザンナ
開始前特殊:霊威精錬 錬金・霊神 錬金・霊杖 3
開始:錬金・霊神を装備
マシロ
手をかざす。黒い霧が人形たちを包む。
マシロ
《混沌障壁》:開始/戦闘地帯/戦闘地帯
マシロ
 対象は受けた[対象:2体以上]([範囲・戦闘地帯]も含む)の[攻撃行動]から受けた[ダメージ]を[半減]。
イザンナ
黄金の騎士が降り立つ。
辰巳 悠希
結晶変身 5
三善清次郎
戦闘力増強:開始/対象:マリア・ロドリーゴ 物理ランク+1 4・4
イザンナ
騎士は両手で長剣を構え、イザンナを守護するように前に立つ。
三善清次郎
声もなく呪が結ばれる。
辰巳 悠希
体の内側が冷えるのを感じる。
指先が、頭が、心が。
マリア=ロドリーゴ
声もなき異端の呪の加護を受け、魔弾が光の軌跡を描く。
辰巳 悠希
熱を失った硬い心が結晶を結び、額に、顕現する。
辰巳 悠希
龍脈の力を持つ戦士が顕現した。
月花 柘榴
バンダナがゆるむ。触手が頭を突き破って、生えてくる。
月花胡桃
「……!」
月花 柘榴
……こうして向かい合って、やっぱり、全然実感がわかないし。
月花 柘榴
顔を見るのが怖いし。
月花 柘榴
もらい泣きなのか、わかんないけど、涙がこぼれてくる。
月花 柘榴
けど。
月花 柘榴
『心を強く持って、諦めないで、』
月花 柘榴
『あの子のこと、助けてあげてね』
月花 柘榴
そう言われたから。
月花 柘榴
――滑り落ちるバンダナを掴む。
月花 柘榴
指で涙をぬぐって、振り払って、顔を上げた。
月花 柘榴
「あとで」
月花 柘榴
「あとで、ちゃんと、胡桃といっしょにあやまるから」
月花 柘榴
「いまは、協力してほしい」
月花 柘榴
「胡桃を――止める!」
マリア=ロドリーゴ
「おうよ」
イザンナ
「……うむ。」
三善清次郎
「うん、」
月花 柘榴
「…………くるみ!」
月花 柘榴
「……痛かったら、っていうか、いっぱい痛いと思うけど」
月花 柘榴
「ごめん、でも、」
月花 柘榴
「ちゃんと、止めるから……!!!」
月花胡桃
「…………っ」
月花胡桃
「ひ……はあ、はあっ…………!」
マシロ
「すでに火蓋は切られた」
GM
マシロが前に立ち、二人の視線を遮る。
マシロ
「あとは行動で示すがいい!」
ムツミ
本をめくる。
ムツミ
《血管槍》:魔法攻撃/10マス/範囲/半減
 対象に3d+20の魔法ダメージ。
ムツミ
発動20
マリア=ロドリーゴ
2d6+2>20 (2D6+2>20) > 6[3,3]+2 > 8 > 失敗
辰巳 悠希
2d6+3 (2D6+3) > 7[2,5]+3 > 10
三善清次郎
2d6+9 (2D6+9) > 8[4,4]+9 > 17
イザンナ
2d6+1>20 (2D6+1>20) > 9[4,5]+1 > 10 > 失敗
月花 柘榴
2d6+3>20 (2D6+3>20) > 11[5,6]+3 > 14 > 失敗
ムツミ
3d+20 (3D6+20) > 11[3,3,5]+20 > 31
マリア=ロドリーゴ
モノクルディスプレイの効果を使用 結界に+5
イザンナ
C(31-7) c(31-7) > 24
三善清次郎
C(31-5) c(31-5) > 26
マリア=ロドリーゴ
C(31-5-3) c(31-5-3) > 23
[ 三善清次郎 ] 生命力 : 51 → 25
[ イザンナ ] 生命力 : 53 → 29
[ マリア=ロドリーゴ ] 生命力 : 59 → 36
月花 柘榴
C(31-8-2) c(31-8-2) > 21
辰巳 悠希
C(31-8) c(31-8) > 23
[ 月花 柘榴 ] 生命力 : 61 → 40
[ 辰巳 悠希 ] 生命力 : 58 → 35
月花 柘榴
*神器咆哮 イサーパワー 6
月花 柘榴
2d6+10 (2D6+10) > 6[3,3]+10 > 16
月花 柘榴
6と3交換!
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
月花 柘榴
C(6*4+29) イサーパワー c(6*4+29) > 53
マシロ
《高位防御魔術》:防御/5マス/1体
 ダメージ減少時に使用。対象は[装甲]に+10。
マシロ
マシロの霧が攻撃を阻む。
ムツミ
C(53-4-10) c(53-4-10) > 39
ムツミ
:生命-39
[ ムツミ ] 生命力 : 61 → 22
月花 柘榴
触手のいくつかが行き場を失って、彷徨って、地面にぶつかる。
ムツミ
ページをめくるのを止めない。
ムツミ
《血管槍》:魔法攻撃/10マス/範囲/半減
 対象に3d+20の魔法ダメージ。
マリア=ロドリーゴ
2d6+2>20 (2D6+2>20) > 10[5,5]+2 > 12 > 失敗
イザンナ
2d6+1 (2D6+1) > 5[2,3]+1 > 6
三善清次郎
霊紋燃焼 1D
月花 柘榴
2d6+3>20 (2D6+3>20) > 7[2,5]+3 > 10 > 失敗
辰巳 悠希
2d6+3>20 (2D6+3>20) > 10[4,6]+3 > 13 > 失敗
月花 柘榴
*2と3交換
三善清次郎
1D (1D6) > 5
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
[ 三善清次郎 ] 霊紋 : 17 → 12
三善清次郎
3d6+9 (3D6+9) > 7[1,3,3]+9 > 16
三善清次郎
この1は6!!!!!
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
三善清次郎
21で抵抗です
ムツミ
3d+20 (3D6+20) > 9[1,4,4]+20 > 29
マリア=ロドリーゴ
C(29-3) c(29-3) > 26
辰巳 悠希
C(29-8) c(29-8) > 21
月花 柘榴
C(29-8-2) c(29-8-2) > 19
イザンナ
C(29-7) c(29-7) > 22
[ 辰巳 悠希 ] 生命力 : 35 → 14
[ マリア=ロドリーゴ ] 生命力 : 36 → 10
[ イザンナ ] 生命力 : 29 → 7
[ 月花 柘榴 ] 生命力 : 40 → 21
月花 柘榴
*治癒の神宝 2
[ 月花 柘榴 ] 生命力 : 21 → 41
三善清次郎
C(24/2-5) c(24/2-5) > 7
三善清次郎
12!!!!!
[ 三善清次郎 ] 生命力 : 25 → 13
ミク
「みんな~!」
ミク
「絶対、当たっちゃダメだぞ!」
ミク
《鎧通し》:物理攻撃/戦闘地帯/範囲
 対象に物理攻撃を行う。[受動判定]に失敗した対象は[形状:剣]1d+25の[物理ダメージ]を2回受ける。
ミク
命中20
マリア=ロドリーゴ
2d6+8>20 (2D6+8>20) > 6[1,5]+8 > 14 > 失敗
辰巳 悠希
2d6+12>20 (2D6+12>20) > 9[4,5]+12 > 21 > 成功
月花 柘榴
2d6+8>20 (2D6+8>20) > 6[1,5]+8 > 14 > 失敗
三善清次郎
2d6+3 (2D6+3) > 11[5,6]+3 > 14
イザンナ
2d6+5>20 (2D6+5>20) > 7[1,6]+5 > 12 > 失敗
月花 柘榴
*エレメントロンド 2
ムツミ
見えない障壁が、柘榴の仲間への干渉を阻む。
ムツミ
《混沌の秘術》:特殊/7マス/1体
 対象が《タレント》宣言時に使用。1ターン中1回、対象が使用した[タイミング:特殊]の《タレント》1つの効果を消滅する。
マリア=ロドリーゴ
《エレメントロンド》2・2
ミク
1d+25 (1D6+25) > 3[3]+25 > 28
ミク
1d+25 (1D6+25) > 2[2]+25 > 27
ミク
手を醜悪な異形へと変えて、水平に手刀を薙ぐ。
マリア=ロドリーゴ
全員を薙ぐようなその一撃を受けるべく、女が前に立つ。
月花 柘榴
「…………!」
マリア=ロドリーゴ
「ッ、ぐっ……」
イザンナ
「…………。」
マリア=ロドリーゴ
血がしぶく。
マリア=ロドリーゴ
女の体が膝を突き、倒れかけて。
マリア=ロドリーゴ
2d6 生命燃焼 (2D6) > 11[5,6] > 11
[ マリア=ロドリーゴ ] 霊紋 : 17 → 6
マリア=ロドリーゴ
踏み止まる。
マリア=ロドリーゴ
:
[ マリア=ロドリーゴ ] 生命力 : 10 → 1
イザンナ
速いな。
マリア=ロドリーゴ
霊紋が燃え上がり、女の体を動かす。
ミク
「もいっちょおう!」
ミク
《鎧通し》:物理攻撃/戦闘地帯/範囲
 対象に物理攻撃を行う。[受動判定]に失敗した対象は[形状:剣]1d+25の[物理ダメージ]を2回受ける。
マリア=ロドリーゴ
「来やがれ!」
イザンナ
霊紋燃焼 2d
イザンナ
2d (2D6) > 7[2,5] > 7
[ イザンナ ] 霊紋 : 18 → 11
イザンナ
4d6+5>20 (4D6+5>20) > 8[1,2,2,3]+5 > 13 > 失敗
マリア=ロドリーゴ
1d6 霊紋燃焼 (1D6) > 2
[ マリア=ロドリーゴ ] 霊紋 : 6 → 4
辰巳 悠希
1d6 霊紋燃焼 (1D6) > 4
[ 辰巳 悠希 ] 霊紋 : 22 → 18
マリア=ロドリーゴ
3d6+8>=20 (3D6+8>=20) > 7[1,1,5]+8 > 15 > 失敗
月花 柘榴
1d6 霊紋燃焼 (1D6) > 3
辰巳 悠希
3d6+12 (3D6+12) > 9[1,2,6]+12 > 21
[ 月花 柘榴 ] 霊紋 : 22 → 19
マリア=ロドリーゴ
この1たちは5と6!!!!!!!
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
月花 柘榴
3d6+8 (3D6+8) > 9[1,2,6]+8 > 17
月花 柘榴
この2は6!
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
三善清次郎
2d6+3 (2D6+3) > 7[3,4]+3 > 10
辰巳 悠希
陰式でイザンナの3と悠希の6を交換
[ 辰巳 悠希 ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
イザンナ
この1と2は6と5
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
月花胡桃
「……っ!」
月花胡桃
胡桃が清次郎を睨む。
GM
ミクの薙ぎ払いが当たる、その瞬間に
GM
《アーマーペースト》防御/戦闘地帯/1体
 ダメージ減少時に使用。対象の[装甲]の値を使用者の[装甲]と同じ値に変更する。
GM
装甲0
GM
攻撃が防具をすり抜ける。
ミク
1d+25 (1D6+25) > 3[3]+25 > 28
ミク
1d+25 (1D6+25) > 6[6]+25 > 31
三善清次郎
かつての約束の証をすり抜けて、そのまま痛みが襲いかかる。
三善清次郎
声も上げられない。
マリア=ロドリーゴ
《死線の魔眼》
三善清次郎
膝を突く。――こどもの痛みが胸を突く。
[ 三善清次郎 ] 生命力 : 13 → 0
マリア=ロドリーゴ
ミク以外の3体を攻撃。
マリア=ロドリーゴ
2d6+9 (2D6+9) > 7[1,6]+9 > 16
マリア=ロドリーゴ
《霊光昇華》
マリア=ロドリーゴ
C(6*3+32+20) c(6*3+32+20) > 70
マリア=ロドリーゴ
C(6*3+32) c(6*3+32) > 50
マシロ
「!む……」
マシロ
《高位防御魔術》:防御/5マス/1体
 ダメージ減少時に使用。対象は[装甲]に+10。
マシロ
C((70-8-10)/2) c((70-8-10)/2) > 26
ムツミ
C((70-4-10)/2) c((70-4-10)/2) > 28
月花胡桃
C((50-0-10)/2) c((50-0-10)/2) > 20
[ 月花胡桃 ] 生命力 : 0 → -20
マリア=ロドリーゴ
血を噴き上げながら、指先を振り上げる。
[ ムツミ ] 生命力 : 22 → -6
[ マシロ ] 生命力 : 100 → 74
[ マシロ ] 生命力 : 74 → 70
[ ムツミ ] 生命力 : -6 → 2
マリア=ロドリーゴ
霊紋の光を帯びながら魔弾が狭い部屋の中を縦横無尽に飛び交い、少女たちに襲い掛かる。
マリア=ロドリーゴ
霊威の衝撃
ムツミ
その身を穿つ。血は零れない。表情も変わらない。
マリア=ロドリーゴ
魔弾の効果を使用し、全員を対象に。
マシロ
「ちっ……」魔弾が脇腹を抉る。
月花胡桃
「ぎっ……!!!」
マリア=ロドリーゴ
2d6+9 (2D6+9) > 8[2,6]+9 > 17
月花胡桃
「あ…………あっあ…………!」
マリア=ロドリーゴ
2を確保 命中は16なのでミク以外にあたる
月花胡桃
腹を押さえてよろめく。服を赤く染めながら。
月花 柘榴
「…………」
マリア=ロドリーゴ
血塗れの女は無言のまま。
マリア=ロドリーゴ
容赦をすることはない。
マリア=ロドリーゴ
C(6*3+32+20) c(6*3+32+20) > 70
マリア=ロドリーゴ
C(6*2+32+20) c(6*2+32+20) > 64
マリア=ロドリーゴ
C(6*3+32) c(6*3+32) > 50
マリア=ロドリーゴ
C(6*2+32) c(6*2+32) > 44
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
ミク
「あ、そらよっ!」
ミク
《吸引の外骨格》:特殊/戦闘地帯/1体
 ダメージ減少時に使用。対象が行った[攻撃行動]を[対象:1体]に変更、[ダメージ]と効果を使用者が代わりに受ける。
ミク
C(70-3-10) c(70-3-10) > 57
[ ミク ] 生命力 : 71 → 14
マリア=ロドリーゴ
霊威の衝撃
ミク
異形の腕が砕けて落ちる。
マリア=ロドリーゴ
躊躇わない
マリア=ロドリーゴ
魔弾の効果を使用し、全員を対象に。
マリア=ロドリーゴ
2d6+9 (2D6+9) > 11[5,6]+9 > 20
マリア=ロドリーゴ
C(6*2+32+20) c(6*2+32+20) > 64
マリア=ロドリーゴ
C(6*2+32) c(6*2+32) > 44
月花胡桃
C((44-0-10)/2) c((44-0-10)/2) > 17
[ 月花胡桃 ] 生命力 : -20 → -37
マシロ
C((64-4-10)/2) c((64-4-10)/2) > 25
[ マシロ ] 生命力 : 70 → 45
月花 柘榴
くずれていくそれを見ている。
月花 柘榴
「…………っ、」
ムツミ
「!……」
マリア=ロドリーゴ
少女の姿をした者たち。
ムツミ
身体がばらばらに砕けて、崩れて落ちる。
月花 柘榴
「……ムツミ! ミク!」
ムツミ
そのままゆっくり、泥へと姿を変えて地面に溶けてゆく。
イザンナ
「…………」
月花 柘榴
「いっかげつ」
月花 柘榴
「くるみといてくれて、ありがとう」
月花 柘榴
「……くるみと、」
月花 柘榴
「なかよくしてくれて、ありがとう」
ムツミ
「……礼を言われるような事じゃないわ」
ミク
「うむ!」
ミク
「次はざくろちゃんの番だ!」
ミク
「くるみちゃんのこと、よろしくね!」
月花 柘榴
「…………っ、」
月花 柘榴
「うん」
月花 柘榴
「ちゃんと、まもるから」
月花 柘榴
ぼろぼろと涙をこぼしながら、笑う。
月花 柘榴
「…………だいじょうぶ!」
月花胡桃
「痛い。苦しい。寂しい」
マリア=ロドリーゴ
泥と崩れてゆく少女たち。
月花胡桃
「やだ、やだ、やだ……!」
月花胡桃
「やだあ!」
マリア=ロドリーゴ
その向こうに立って涙を流す少女を、魔眼が捉える。
マリア=ロドリーゴ
「“聖イシドールス”」
マリア=ロドリーゴ
「聖堂騎士、とその口で言うならば」
マリア=ロドリーゴ
「私もお前を『そう』扱おう」
月花胡桃
「ひっ、ぐ、うっ……」
マリア=ロドリーゴ
断固たる口調、揺らがない眼差しが少女を睨む。
マリア=ロドリーゴ
超過霊力を使用し《記憶再現》
マリア=ロドリーゴ
霊威の衝撃。
マリア=ロドリーゴ
対象は胡桃とマシロ。
マリア=ロドリーゴ
2d6+9 (2D6+9) > 10[5,5]+9 > 19
マリア=ロドリーゴ
この5は1
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
マリア=ロドリーゴ
C(5*2+32)+20)
マリア=ロドリーゴ
C(5*2+32+20) c(5*2+32+20) > 62
マリア=ロドリーゴ
C(5*2+32) c(5*2+32) > 42
マシロ
C((62-4-10)/2) c((62-4-10)/2) > 24
[ マシロ ] 生命力 : 45 → 21
マリア=ロドリーゴ
魔弾が唸りを上げる。
月花胡桃
C((42-0-10)/2) c((42-0-10)/2) > 16
[ 月花胡桃 ] 生命力 : -37 → -53
マリア=ロドリーゴ
少女を護るべく立ちはだかった者たちを泥と崩し、
マリア=ロドリーゴ
泣きながら立ち尽くす彼女を穿つ。
月花胡桃
「いっ!」
マリア=ロドリーゴ
「終わりだ」
月花胡桃
「げほっ、げほ……」
月花胡桃
血を零して、ゆっくりと地面に倒れる。
マシロ
「……これがキミの望んだ結末か、ミク」
ミク
「マシロ。くるみちゃん」
ミク
「……永遠に続く日なんてないんだ。いつかは、終わるんだよ」
ミク
倒れる。ぼろぼろと崩れていく。
イザンナ
「ミク……」
ミク
イザンナの方を見る。
ミク
にこりと笑って、
ミク
形なき泥となった。
イザンナ
「…………そうだな。」
イザンナ
「ミクが、望んだのは結末ではない。」
イザンナ
「未来か。」
マリア=ロドリーゴ
「まだ、やるか」
マリア=ロドリーゴ
マシロへ向けて問う。
マシロ
「当然」
マリア=ロドリーゴ
「いいだろう」
マリア=ロドリーゴ
「分かりやすくて、助かるぜ」
マシロ
魔力を込める。
マシロ
「では……行くぞ!」
マシロ
[武器攻撃]:魔法攻撃/5マス/3体/消滅
 対象に[属性:磁力]2d+16の魔法ダメージ。
マシロ
>マリア、イザンナ、辰巳
マリア=ロドリーゴ
2d6+2 (2D6+2) > 6[3,3]+2 > 8
イザンナ
2d6+1 (2D6+1) > 9[3,6]+1 > 10
イザンナ
2と6を交換
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
辰巳 悠希
2d6+3 (2D6+3) > 6[1,5]+3 > 9
辰巳 悠希
3と5交換
[ 辰巳 悠希 ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
イザンナ
「一体……お前は。」
マシロ
2d+16 (2D6+16) > 3[1,2]+16 > 19
辰巳 悠希
C(19-8) c(19-8) > 11
イザンナ
「何のために立っているのだろうな……」
[ 辰巳 悠希 ] 生命力 : 14 → 3
イザンナ
C(19-7) c(19-7) > 12
[ イザンナ ] 生命力 : 7 → 0
マリア=ロドリーゴ
膝を突く。
[ マリア=ロドリーゴ ] 生命力 : 1 → 0
イザンナ
受け止めきれなかった騎士の衝突を受けて闇の塊が離散する。
マリア=ロドリーゴ
マシロの立つ理由が、よく分かる。
マリア=ロドリーゴ
もっとも、魔王の問いに答える体力は残っていなかった。
マリア=ロドリーゴ
倒れ伏す。
月花 柘榴
倒れていく皆を見ていた。
辰巳 悠希
柘榴の方を見る。
辰巳 悠希
「さっきの話だけど」
辰巳 悠希
「……悪いけど、泣いて謝っても許さない」
辰巳 悠希
「でも、絶対に殺したいって訳じゃない。
別に僕は普通の人間だし」
月花 柘榴
「……うん」
辰巳 悠希
「今の状態じゃ、これからどうするかって話すらできない」
マシロ
「……フ」
マシロ
「『僕と果子ちゃんに、あんなことしておいて』だったか?」
マシロ
「……フフ、フ。滑稽な言葉だ」
辰巳 悠希
「そうだね」
月花 柘榴
「…………」
辰巳 悠希
「だから」
辰巳 悠希
「ぼけっとしてたら僕が全部殺すから」
辰巳 悠希
「先になんとかしてよね」
月花 柘榴
「……ゆるしてもらえるとも、思ってない」
月花 柘榴
「…………言われるまでもねーよ!」
月花 柘榴
*I8に移動
月花 柘榴
*武器攻撃
月花 柘榴
2d6+10 (2D6+10) > 5[2,3]+10 > 15
月花 柘榴
C(3*1+29) 武器攻撃 c(3*1+29) > 32
月花 柘榴
C(3*2+29) c(3*2+29) > 35
マシロ
「ハハ……ハハハ!」
マシロ
「見せてみろ、キミの意地を!」
月花 柘榴
「っ、」
月花 柘榴
触手は伸びない。斧を振り上げて、
月花 柘榴
「っあ、」
月花 柘榴
「あああああっ――!!」
月花 柘榴
勢いよく、振り下ろす。
月花 柘榴
その斧は真っ直ぐに、マシロを斬って、
月花 柘榴
その動きにすこし遅れて、髪と触手がふわりと浮かぶ。
マシロ
それが胡桃に向けた攻撃ではないと分かっていて、
マシロ
それでもなお、彼女は胡桃の前から動かない。
月花 柘榴
「っ、う、あ、」
月花 柘榴
「おまえ、さあ!」
月花 柘榴
「なんか、余裕ぶって笑って、」
月花 柘榴
「すっげー悪そうなこと言ってるけど!」
月花 柘榴
「最後までくるみと一緒にいてくれて、」
月花 柘榴
「諦めないでこうやってさいごまで、立ち向かってきてさあ!」
月花 柘榴
「超いいやつじゃん!!!」
マシロ
「……やめたまえ、気色悪い」
マシロ
「人形に心などない。元の宮下真白のように振る舞っているだけだよ」
月花 柘榴
「うるせーーー!!! ばか!!!」
月花 柘榴
「そういう難しいことはどーだっていいんだよ!!!」
月花 柘榴
「一ヶ月、くるみ、ぜったい寂しかったし」
月花 柘榴
「まわりにカミガカリのことわかるやつとかもいねーし」
月花 柘榴
「心細かったと思うから!」
月花 柘榴
「おまえの性格とか? ……が、どっからきてるとか関係なくて!」
月花 柘榴
「ありがとうって言ってんだよ!!!!!」
マシロ
「まったく、お人よしなことだ」
マシロ
「だが……まあ」
マシロ
「悪い気分ではないかな」
マシロ
「ゲームはボクらの負けだ。胡桃の事は頼んだよ」
マシロ
肩で受けた傷から亀裂が広がる。
マシロ
袈裟型に身体が裂けて、そのまま沈んでいった。
月花 柘榴
「…………っ、」
月花 柘榴
「わかっ、てる」
月花 柘榴
「安心しろ、」
月花 柘榴
「ぜったい、なんとかする、からっ…………!!!」
GM
ムツミ
マリア=ロドリーゴ
2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5
GM
2〜9:群青の宝石/知性+1:500G(効果値:1)
GM
ミク
イザンナ
2d6 (2D6) > 7[2,5] > 7
GM
2〜9:白銀の突起/体力+1:500G(効果値:1)
GM
自動:紫の外骨格/磁力付与:1500G(効果値:3)
[ マリア=ロドリーゴ ] 生命力 : 0 → 1
[ イザンナ ] 生命力 : 0 → 1
マリア=ロドリーゴ
2d6 (2D6) > 10[4,6] > 10
月花 柘榴
3d6 (3D6) > 9[1,3,5] > 9
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 4 に変更しました。
辰巳 悠希
1d6 (1D6) > 2
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
[ 辰巳 悠希 ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
イザンナ
1d6 (1D6) > 2
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
[ 三善清次郎 ] 生命力 : 0 → 1
[ マリア=ロドリーゴ ] 霊紋 : 4 → 7
[ イザンナ ] 霊紋 : 11 → 14
[ 月花 柘榴 ] 霊紋 : 19 → 22
[ 辰巳 悠希 ] 霊紋 : 18 → 21
三善清次郎
2D6 (2D6) > 11[5,6] > 11
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
GM
霊脈剥奪

察知:不要
強度:5
必要人数:なし
消去:なし
対象:地域
特殊ダメージ:なし
ペナルティー:なし
その他の影響
A:【霊紋】を[強度]分[回復]する。
B:なし
禁呪などを用いることで霊脈に負荷を与え、その霊脈を枯渇させることで[術者]の力を増大させる[法則障害]。
この効果により得た霊力は、別の[法則障害]の触媒へと使用されている。

この[法則障害]は[術者]を倒した時点で自動的に[消去]される。
[ 三善清次郎 ] 霊紋 : 12 → 15
[ マリア=ロドリーゴ ] 霊紋 : 7 → 12
[ 辰巳 悠希 ] 霊紋 : 21 → 22
[ イザンナ ] 霊紋 : 14 → 19
三善清次郎
15+5
[ 三善清次郎 ] 霊紋 : 15 → 20
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 1 に変更しました。
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
GM
月花胡桃
「う……」
GM
霊力結界が消え、元の屋根裏部屋へ。
辰巳 悠希
少年の体から結晶が剥がれ落ちる。
辰巳 悠希
泣いている胡桃を見下ろしている。
月花胡桃
地面に伏した胡桃が、目を腫らして嗚咽する。
マリア=ロドリーゴ
血の染みた重たい服をまとってむくりと起き上がる。
イザンナ
闇は人の形をとる。
三善清次郎
「う、……う~……」
辰巳 悠希
柘榴を見る。
三善清次郎
起き上がる。
イザンナ
「はぁ…………」
月花 柘榴
胡桃の隣で座って、じっと胡桃をみつめている。
イザンナ
結界と共に騎士と杖は消える。
マリア=ロドリーゴ
立ち上がり、胡桃とその傍の柘榴を見た。
三善清次郎
「あー……おわってる、」
マリア=ロドリーゴ
近づいていく。
月花 柘榴
顔を上げる。
月花胡桃
「うっ……ううっ……」
マリア=ロドリーゴ
「“聖イシドールス”」
イザンナ
友を失った。
臣下でも、崇拝者でも、兵士でもない。
イザンナ
友だった。
マリア=ロドリーゴ
「顔を上げろ」
マリア=ロドリーゴ
熱のない声で言い放つ。
月花胡桃
泣いて俯いたまま。
月花胡桃
「うああ……」
マリア=ロドリーゴ
「なぜ聖堂騎士団との連絡を絶ち」
マリア=ロドリーゴ
「コテージに閉じこもった?」
月花胡桃
「……………………っ」
月花胡桃
その問いには答えず、柘榴の方を見る。
月花胡桃
「ねえ、ざくろちゃん」
マリア=ロドリーゴ
「…」
月花胡桃
「私、どうすれば良かったのかな」
月花 柘榴
「…………どう、って」
月花胡桃
「私……」
月花 柘榴
「……わかんないけどさ」
月花 柘榴
「とりあえず、まず」
月花 柘榴
「くるみが、無事で、アラミタマになんなくて、よかった」
月花胡桃
「……う」
月花 柘榴
「…………あとのことはさ」
月花 柘榴
「いっしょに、なんとかしよう」
月花胡桃
「……っ」
月花胡桃
「あ、あああああああっ!」
月花胡桃
柘榴の胸に顔をうずめる。
月花胡桃
「あ、あ、うああっ……」
イザンナ
「なぁ、聖モニカよ。」
月花 柘榴
ゆっくりと背中に触れる。触れてみる。
マリア=ロドリーゴ
嘆息する。
マリア=ロドリーゴ
「何だ」
イザンナ
「先に、下のを見に行った方がよいのではないか?」
イザンナ
「この調子ではすぐには話せまい。」
マリア=ロドリーゴ
「……」
月花 柘榴
「…………おかえり」
月花 柘榴
「ごめんね」
辰巳 悠希
「少しぐらい強引に聞いてもいいんじゃないですか?」
月花 柘榴
「……ありがとう」
マリア=ロドリーゴ
「“聖ヴェロニカ”の首をくっつけて、一階に戻ろう」
イザンナ
「……もう、アレは無力化した。」
イザンナ
「それでも戻らんという事は……お前達の、敵は。」
マリア=ロドリーゴ
「分断の法則障害はもうない」
イザンナ
「別にいるかもしれん。」
辰巳 悠希
「別にいるならなおさら。時間がないんですよ」
マリア=ロドリーゴ
「……そうか」
イザンナ
「忘れるという話か。」
月花 柘榴
「…………うん」
三善清次郎
「……あと、8分くらい」
マリア=ロドリーゴ
「仕方ねえな」
月花 柘榴
胡桃の背中を軽くなでて。
イザンナ
「そういう事だ、ザクロよ。」
月花 柘榴
「くるみ」
月花 柘榴
「ここで、なにがあったの」
月花 柘榴
「なにを、してたの」
月花胡桃
「っ、っ……」震える唇。上手く声を出せない。
月花胡桃
ゆっくりと呼吸を整えながら。
月花 柘榴
背中をなで続けて。
辰巳 悠希
本当はこの女子を殴ってもいい気がするのだが、一応黙っている。
月花胡桃
たどたどしく、言葉を発していく。
月花胡桃
「私」
月花胡桃
「頑張ったんだよ。すごく頑張った」
月花胡桃
「なのに、何ひとつ上手く行かなかった……」
月花 柘榴
「……うん」
月花胡桃
「全部……裏目に出たんだ……」
木下果子
「…………」
木下果子
先程まで黙っていた果子が、ぐったりと座り込む。
木下果子
そのまま力なく倒れると同時に。
GM
悠希の頭に、割れるような痛みが走る。
GM
胡桃が、ぽつぽつと出来事を語っていく。
GM
少しずつ、少しずつ。
GM
在りし日の思い出。
GM
転校生が来てからのこと。
GM
恋人と過ごした日々。
GM
大人になってからのこと。
GM
子供を授かったときのこと。
GM
──悠希は、思い出していった。
GM
在りし日の“逆行”
察知:不要
強度:5
必要人数:なし
消去:なし
対象:地域
特殊ダメージ:なし
ペナルティー:なし
その他の影響
A:【生命力】が40[回復]する。
B:なし
指定した対象の体を過去の状態へと巻き戻す[法則障害]。
この効果により対象は強制的に若返り、記憶、能力、怪我や病気などの状態は当時のものへと逆行(リバース)される。
対象が生まれる前まで時間を巻き戻したい場合は、対象の両親の時間も同時に巻き戻さなければならない。
対象を巻き戻した後も[法則障害]の効力は持続し、朝日が昇るたび、対象はその成長と記憶を失い続ける。
この[法則障害]はPC①に認識された時点で自動的に[消去]される。
GM
真相
アラミタマ──メフィスト・フェレスの従僕たちは、人間へと至る方法を模索していた。
そして彼らが行き着いたのは「人の子に産まれる」という手段だった。
彼らは取り憑くべき胎児を探した。霊力豊かな子供が望ましかった。
見つけた子供は死産の危機にあった。それもまた、彼らには都合が良かった。
その生存本能──赤子の生まれたいという欲求に応える形で《魂の契約》を結ぶ事にした。
アラミタマは知らなかった。そんな事をしても、己が人間として生まれる事は出来ないということを。
こうして、たまたま彼らの標的になったのが、PC①と果子の子供であった。
契約は成立し、木下果子は、アラミタマを宿す人間と化していた。
子供は異常な速度で成長し、ついに産まれ落ちてしまう。
その場に居合わせたのが、聖堂騎士団のカミガカリである胡桃であった。
胡桃はすぐに悟る事となる。このアラミタマには勝てない。しかしアラミタマを野放しにはできない。
悩んだ末に出した結論は『木下果子の契約をなかった事にする』という手段であった。
法則障害の専門家でもあった胡桃は、遡及の禁呪へと手を伸ばす。
霊脈を用いて[法則障害:在りし日の“逆行”]を発動させ、木下果子とPC①の体を10年前へと戻す。
この法則障害によって、生まれようとしていたアラミタマは果子の胎内へと封印された。
PC①が夢に見た情景は、かつて彼が実際に体験し、そして失われた、正真正銘、彼自身の人生の記憶だ。
しかし、もし禁呪によって完全に時間が巻き戻っているならば、PC①はこの出来事を思い出す事は有り得ない。遡及の禁呪は不完全だったのだ。
彼らが記憶を取り戻すほど、禁呪の効力もまた弱まっていく。
そして、PC①と果子が記憶を取り戻した時、この禁呪は崩壊を迎え、果子は再びアラミタマを宿すのだ。
GM
明くる日の“再誕”
察知:不要
強度:5
必要人数:なし
消去:なし
対象:地域
特殊ダメージ:なし
ペナルティー:なし
その他の影響
A:【霊紋】を[強度]分[回復]する。
B:なし
不完全な[法則障害:在りし日のリバース]の副作用として偶発的に現れてしまった[法則障害]。
[法則障害:在りし日のリバース]が[消去]された際に、[法則障害:在りし日のリバース]によって封印されたアラミタマを、再誕(リバース)させる効果を持つ。
母体は、即座にアラミタマ化した子を宿す。子は母体を食い破って誕生し、より強力なアラミタマへと成長する。
この[法則障害]は、アラミタマを殺すことで自動的に[消去]される。
GM
これは、騎士たちの話。
GM
これは、人に憧れた邪神たちの話。
GM
これは、家族が育む愛の話。
GM
GM
GM
GM
雪降る避暑地に、恐ろしい騎士が降り立った。
GM
騎士は一振りのおもちゃの剣を輝かせ、邪法を用いて鼠と世界に牙を剥く。
GM
しかし、恐ろしい騎士は、カミガカリたちの手によって倒された。
GM
GM
GM
GM
在りし日は終わり、明くる日が始まる。
GM
GM
◆シーン⑥:ないしょの話◆
GM
シーンプレイヤー:メフィスト・フェレスの従僕たち
GM
無数の魂が蠢く。ひそひそと、囁き合っている。
GM
楽しそうに、嬉しそうに、愉快そうに。
従僕たち
おれたちは
従僕たち
我々は。
従僕たち
ぼくたちは?
従僕たち
やったのか?
従僕たち
やったよ!
従僕たち
やったのだ
従僕たち
とうとう我らは
従僕たち
やったのだー!
従僕たち
我ら迷い仔は
従僕たち
あかちゃんと
従僕たち
人の仔と
従僕たち
とー
従僕たち
契約を結ぶ事ができたのだ
従僕たち
おやくそくが
従僕たち
できたのだ!
従僕たち
のだー
従僕たち
あっあっ あのっ
従僕たち
かこ かこ いいやつ
従僕たち
しりあい?
従僕たち
うん
従僕たち
ママになってくれるんだね
従僕たち
うんっ
従僕たち
よかったねえ
従僕たち
うんっ うんっ
従僕たち
あかちゃんとも
従僕たち
なかよくなれたね!
従僕たち
従僕たち
うちらと一緒だったね
従僕たち
うん
従僕たち
生まれたがってた
従僕たち
死んじゃうところだったもんね
従僕たち
助けてあげた
従僕たち
えらい!
従僕たち
叶えられたね
従僕たち
生まれさせてあげられるね
従僕たち
うれしいね!
従僕たち
これでとうとう
従僕たち
あたしたちも
従僕たち
生まれられるの?
従僕たち
うん
従僕たち
ほんとに?
従僕たち
そうさ
従僕たち
そうだよ
従僕たち
そうだとも
従僕たち
そろそろだ
従僕たち
時は来る
従僕たち
いっぱい待ったね
従僕たち
何年?
従僕たち
ねんってなに?
従僕たち
ねんっていうのはねえ
従僕たち
ねんだよ
従僕たち
わかんなーい
従僕たち
ごしゅじんの
従僕たち
我が主の
従僕たち
メフィストさまの
従僕たち
元を離れてから
従僕たち
はなれてからー
従僕たち
からの?
従僕たち
彷徨い
従僕たち
ふよふよ
従僕たち
ふわふわ
従僕たち
とことこ
従僕たち
ぐーるぐる
従僕たち
まわって
従僕たち
まよって?
従僕たち
いっぱいあったね
従僕たち
あったー
従僕たち
けど
従僕たち
けども
従僕たち
ついに!
従僕たち
生まれられるね
従僕たち
たのしみだねえ
従僕たち
せーの
従僕たち
\\やったー///\わーい/\うれしー/
従僕たち
ばらばらじゃん!
従僕たち
あはは
従僕たち
ふふふっ
従僕たち
やっとだね
従僕たち
ねー
従僕たち
夢に見た人間
従僕たち
にんげん
従僕たち
ニンゲン!
従僕たち
私はかつて人の身であったが
従僕たち
またはじまったー
従僕たち
ニンゲンっておいしい?
従僕たち
おかあさんもニンゲンなんだって
従僕たち
すごい!
従僕たち
おかあさん、あかちゃんうみたいんだって
従僕たち
ほんと?
従僕たち
やったじゃん
従僕たち
かなえてあげられるね!
従僕たち
好きって言ってくれるかな
従僕たち
かなー
従僕たち
わからないね
従僕たち
ねー
従僕たち
いってほしいねー
従僕たち
ねー
従僕たち
ちがったらどうしよう
従僕たち
わあー
従僕たち
かなしいねー
従僕たち
ねー
従僕たち
もうすぐわかるよ
従僕たち
そっかー
従僕たち
たのしみー
従僕たち
どうかな?
従僕たち
どうかなあ?
従僕たち
果たして、この世界は──
従僕たち
はてさて
従僕たち
わくわく
従僕たち
はらはら
従僕たち
どきどき
従僕たち
我々を、歓迎してくれるのだろうか?
GM
GM
◆シーン⑦:懺悔◆
GM
シーンプレイヤー:リサ・ブルダン
フェアリー・ブルダン
一ヶ月前、私は極秘任務を言い渡された。
フェアリー・ブルダン
任務の内容を聞いたとき、耳を疑った。
フェアリー・ブルダン
副長に何度も聞き返して、ようやく飲み込めた。
フェアリー・ブルダン
あの時助けた胡桃さんが、1年も前にカミガカリになっていて、その上今は行方不明?
フェアリー・ブルダン
何かのたちの悪い冗談かと思った。
フェアリー・ブルダン
絶対に見つけなければ、とも思った。
フェアリー・ブルダン
こういうのは良くないけど、知っている人だったから……余計に張り切ってたんだと思う。
フェアリー・ブルダン
……マリアは、私を心配そうに睨むようになった。
フェアリー・ブルダン
その目で、無理をしている自分に気付いた。けど、今回は諦められなかった。
フェアリー・ブルダン
マリアに事情が言えないのが辛い。本当は全部言ってしまいたい。
フェアリー・ブルダン
マリア。私たちが救った子は、元の世界には戻せなかったんだよ。
フェアリー・ブルダン
それで……今はどこかに行っちゃったんだ。
フェアリー・ブルダン
柘榴さんも、きっと彼女を探してる。
フェアリー・ブルダン
でもね、彼女は私たちを頼ってはくれなかったんだよ。……
フェアリー・ブルダン
辛い。
フェアリー・ブルダン
隠し事は、重石のようにのしかかる。
フェアリー・ブルダン
私の身体のことも、ずっと言えていない。
フェアリー・ブルダン
家の秘密だからって、言い訳して。
フェアリー・ブルダン
親戚のロドリーゴ家のマリアに言っちゃいけない理由なんて、ないのに。
フェアリー・ブルダン
柘榴さん。
フェアリー・ブルダン
私も、人間じゃないんです。
フェアリー・ブルダン
予知の力は大嫌い。
フェアリー・ブルダン
こんな見苦しい姿も大嫌い。
フェアリー・ブルダン
本当は、こんな身体、大っ嫌いなんですよ。
フェアリー・ブルダン
見栄を張って、ごめんなさい。
フェアリー・ブルダン
本当の私は、心の中ではこんなことばかり考えているんです。
フェアリー・ブルダン
せめて、胡桃さんだけでも見つけて、あなたに会わせてあげたいです。……
フェアリー・ブルダン
……私は身体を引きずって、任務を続けた。
フェアリー・ブルダン
でも、成果は出なかった。
フェアリー・ブルダン
“聖カタリナ”に助けを求めた。
フェアリー・ブルダン
あの人ならきっと、上手くやってくれるんだろう。
フェアリー・ブルダン
私なんかよりもずっと優秀で。
フェアリー・ブルダン
私なんか、要らなくて……。
フェアリー・ブルダン
……追い込まれてるな、と思ったタイミングで、マリアが来てくれた。
フェアリー・ブルダン
いつもみたいに、彼女は私を寝かせてくれた。
フェアリー・ブルダン
その晩、私は薄れてゆく意識の中……予知を見てすぐに飛び起きたんだ。
フェアリー・ブルダン
見えたのは、ひとつの光景だった。
フェアリー・ブルダン
“デュマ”と戦ったときのカミガカリたちが揃って……果子さんのおなかに潜むモノを、殺す光景だった。……
フェアリー・ブルダン
行かなくちゃ。場所はわかる。行き方もわかる。
フェアリー・ブルダン
何ができるかは分からないけど、何かをせずにはいられなかった。
フェアリー・ブルダン
……焦るあまり、正常な判断力が残ってなかったんだと思う。
フェアリー・ブルダン
伝言だけを残して、私はコテージへと向かってしまった。
フェアリー・ブルダン
予知で穴をすり抜けて、入ることはできた。だけど、出ることはできなくなってしまった。
フェアリー・ブルダン
翌日になってみれば、だんだんと状況が見えてきた。
フェアリー・ブルダン
コテージには、眠る男の子と女の子がいる。そして、“聖イシドールス”がいた。
フェアリー・ブルダン
ここにあるのは“聖イシドールス”の法則障害だ。
フェアリー・ブルダン
戦えない“聖イシドールス”が、果子さんの中のアラミタマに対抗するためには、これしかなかったんだ。
フェアリー・ブルダン
霊脈が荒れて、モノノケたちが暴れていた。
フェアリー・ブルダン
道を迷わせる法則障害さえなければ外と連絡が取れる、だけど、これを消すとモノノケたちはきっと人里へと出てしまう。
フェアリー・ブルダン
法則障害は、まだ消せない。だからここを出る事もできない。その前に、私がやるべき事は……
フェアリー・ブルダン
……果子さんの中に封印されたアラミタマが目覚めるより早く、母体の果子さんを殺すことだ。
フェアリー・ブルダン
……わからなくなってきた。私は正しい事をしてるのかな。
フェアリー・ブルダン
どうして、こんな事になっちゃったんだろう。私たちが出会ったことは、間違いだったのかな。
フェアリー・ブルダン
でも、アラミタマは倒さなきゃ。
フェアリー・ブルダン
そう。アラミタマは敵なんだ。放置したら大勢の人が死ぬ。見逃すわけにはいかないんだ
フェアリー・ブルダン
もう……見ちゃったんだ。
フェアリー・ブルダン
予言は避けられない。それなら私は……。
フェアリー・ブルダン
ごめんね、マリア。あなたに何も言えなくて。
フェアリー・ブルダン
ごめんね、マリア。あなたを置いて、ここまで来てしまって。
フェアリー・ブルダン
……主よ。お赦し下さい。私は今、罪深い考えを浮かべました。
フェアリー・ブルダン
“愛さえなければ、誰も死なずに済んだのに”……。
GM
GM
◆シーン⑧:果の子、木の下へと堕ちて◆
GM
シーンプレイヤー:木下果子
木下果子
浮かぶような心地。
木下果子
夢の中にいる。
木下果子
そうだ。ぜんぶ思い出した。
木下果子
私は、間違いなくあなたと付き合っていた。
木下果子
あのベッドも、私達のベッド。
木下果子
この部屋も、私達の部屋だった。
木下果子
書斎も、リビングも、客室も、森の見える景色も。2人で探して、考えて、建てた、私達の城だった。
木下果子
夢に見た幸せな景色は、私の大切な思い出だった。
木下果子
私はこんなにあなたのことが好きなのに、
木下果子
今まで、それをすべて忘れていたんだ。
木下果子
……子供が欲しかった。
木下果子
授かったときは驚いた。
木下果子
不自然なのも、分かってた。
木下果子
見ないふりをした。
木下果子
この子を産みたかった。
木下果子
これを逃したら、私は二度と、あなたの子を産めないのだと思った。
木下果子
愛しい子。あなたの子。
木下果子
でも、そうか。お前はアラミタマだったんだな。
木下果子
私の子供に取り憑いたのか。生まれるために。
木下果子
そうか。
木下果子
悪気はなかったんだな。
木下果子
産まれてもいない子供だもんな。
木下果子
何も知らないだけ。
木下果子
赤ん坊と、同じだ。
木下果子
バカだなあ、お前。
木下果子
そんなの……
木下果子
憎めるわけ、ないじゃないか……。
木下果子
いいよ。怒らないさ。
木下果子
愚かなのは、お互い様。
木下果子
それでもお前は私の子だ。
木下果子
せめて私だけでも、お前を愛してやりたい。
木下果子
お前の命を、歓迎させてくれ。
木下果子
夢の中で、子守歌を歌う。
木下果子
おなかを撫でながら。
GM
GM
◆シーン⑨:「知性」の花言葉を持つ少女◆
GM
シーンプレイヤー:月花胡桃
月花胡桃
ある日を境に、変なものが見えるようになった。
月花胡桃
この世界は、どこかほつれのようなものがある。
月花胡桃
特定の条件を満たすと、物理法則に反する挙動をするのだ。
月花胡桃
私はそれをバグと呼んでいた。
月花胡桃
ゲーム画面越しに、それを見つけることができるようになった。
月花胡桃
それが、カミガカリに覚醒した私の能力だった。
月花胡桃
私は、聖堂騎士団に拾われた。この世界の事を知った。
月花胡桃
私は、力を手に入れた。
月花胡桃
お父さんを、お母さんを、友達を……そしてざくろちゃんを護る力を。
月花胡桃
でも、みんなにこのことは言えなかった。
月花胡桃
私の力はカミガカリの中でもかなり珍しいものらしい。
月花胡桃
そのうえ、私自身は弱かったから、他の組織に狙われたら大変だ。
月花胡桃
そんなこんなで、私のことは騎士団内部にすら隠されていた。
月花胡桃
それでも私は仕事をして、私達の家を平和にして、そうして私はざくろちゃん達の安全な日常を守れている気分に浸っていた。
月花胡桃
本当は、全部を言いたかった。ざくろちゃんに褒めて欲しかった。
月花胡桃
でも、それは我慢した。ざくろちゃんがそばにいて、ざくろちゃんと一緒に遊ぶ日々が永遠に続けば、それでよかった。
月花胡桃
関係が変化するのも怖かった。私が夢を見て恐れたように、ざくろちゃんが私のことを怖がったらどうしようって。
月花胡桃
私はずっとざくろちゃんと一緒にいたいんだ。ただ、ざくろちゃんにとって一番大事な存在でありたい。
月花胡桃
けど、そんなささやかな願いすら叶わない。
月花胡桃
二人の関係は、少しずつぎこちなくなっていった
月花胡桃
ざくろちゃんと私は、お互いに自分のことを話さなくなった。
月花胡桃
壁ができた。距離ができた。
月花胡桃
私はそれが悔しくて、ざくろちゃんに一方的に怒りをぶつけた。私だって隠し事をしてるくせに。
月花胡桃
そのまま、私はざくろちゃんから逃げた。
月花胡桃
行く宛もなくて、したい事もなくて、ただ子供がいじけて家出しただけだって、わかってた。
月花胡桃
死にたい気持ちではあったけど、死ぬつもりはなかった。
月花胡桃
数日したら帰るつもりだった。
月花胡桃
けど、そうはならなかった。
月花胡桃
……私がアラミタマと出会ってしまったのは、本当に偶然だった。
月花胡桃
カミガカリの男性が一人、一般人の女性が一人いた。
月花胡桃
女性の腹部は異様に膨れ上がっていて、そこからアラミタマの気配を感じた。
月花胡桃
その人たちには見覚えがあった。
月花胡桃
どこかで……どこだろう。それは思い出せない。それどころじゃなかった。
月花胡桃
私の背筋は凍りついた。
月花胡桃
怖い。
月花胡桃
足が震える。歯がかちかちと鳴る。
月花胡桃
鼓動が全身に鳴り響く。
月花胡桃
胸を押さえ、呼吸を整え、歯を食いしばって。
月花胡桃
私は、ゲーム機を手に取った。
GM
GM
GM
月花胡桃
「…………あ、ああ……あっ、あっ……」
木下果子
「……久しぶり、胡桃ちゃん。つっても、私の事はわからないよな」
月花胡桃
「あああ…………!」
木下果子
「ごめんな、巻き込んじゃって。無事でよかった」
月花胡桃
腹部を突き破られた女性が居た。
月花胡桃
声はほとんど出ず、唇を動かして、言葉を紡ぐ。
月花胡桃
その横には、男性が倒れていた。彼らの言動から、二人がどういう間柄かは、何となく想像がついた。
月花胡桃
彼もアラミタマへと立ち向かったけど、敵わなかった。本気を出せなかったのかもしれない。
月花胡桃
「……ごっ…………」
月花胡桃
「ごべ、ごえ、なざいっ…………!」
月花胡桃
私は、飛び出せなかった。
月花胡桃
アラミタマに立ち向かえなかった。
月花胡桃
怖かったから。
月花胡桃
どうしても怖かったから。
木下果子
「ああ、いいんだ。……うちの子の事だから」
月花胡桃
弱った母体は、母体の価値を失った。
月花胡桃
アラミタマは彼女の腹を突き破って誕生し、この地ではない何処かへと去ろうとしている。
月花胡桃
「う、うえええええっ…………!」
月花胡桃
私の頭は、ぐちゃぐちゃだった。
月花胡桃
アラミタマが逃げてゆく。民間人は、私の醜い失態で死ぬ。
月花胡桃
私は臆病で卑劣な、ただの子供だった。
月花胡桃
「いやだ……」
月花胡桃
「やだ、やだ、やだ、やだ、やだ……」
月花胡桃
頭をかきむしって、この状況を打開する策を巡らせる。
月花胡桃
一つだけ、手札がある。
月花胡桃
それを見ないふりをして、策を捜し続ける。
月花胡桃
そのたびに、その手札が、ちらり、ちらりと頭の片隅をかすめる。
月花胡桃
方法は、ある。
月花胡桃
アラミタマを封印して、この人の命も救う、たった一つの、最悪の方法が。
月花胡桃
「……………………」
月花胡桃
それをすれば、私は禁忌に触れる。
月花胡桃
禁忌とは、犠牲を己の都合や正義で選んで、他の何かへ痛みを強いる愚行だ。
月花胡桃
この禁忌は、霊力を必要とする。
月花胡桃
それはいずれ、この地を枯らして、これから生まれてくるいくつもの生命を奪う事になる。
月花胡桃
それに結局のところ、これはただの先延ばしに過ぎない。
月花胡桃
いつかは誰かが気付く。再び時は動き出す。
月花胡桃
アラミタマは生まれ、この人は死ぬ。
月花胡桃
それが分かっているのに。
月花胡桃
「うう」
月花胡桃
「うううううう、あああああ……!」
月花胡桃
泣きながら、ゲーム機を掴む。
月花胡桃
私は、禁術に手を出してしまった。
GM
GM
GM
GM
彼らの時は戻り、子供の姿になった。
月花胡桃
そこから先は、地獄だった。
月花胡桃
術者である私は、この場を離れられない。
月花胡桃
そう遠くないうちに、騎士団が私の捜索を始めるだろう。
月花胡桃
それは助けか、それとも破滅か。
月花胡桃
終わりが迫っている。
月花胡桃
恐怖が自分を追い詰めてゆく。
月花胡桃
遡及の術式は、人の成長と記憶を毎日リセットする。『その時』が訪れるのを、防ぐために。
月花胡桃
彼らは、毎朝同じ時間に、同じ言葉で騒ぎ始める。
月花胡桃
最初の数日は、真面目に応対をしていた。
月花胡桃
けれど、仲良くしようとしても、何を説明をしても、結局、翌朝にはすべてを忘れられてしまうのだ。
月花胡桃
彼らはセーブをしないまま、ロードを繰り返す。朝になればまた、同じ言葉で騒ぎ始める。
月花胡桃
私の心は、予想以上に早く限界を迎えた。
月花胡桃
もう駄目だ。本当にもう駄目だ。
月花胡桃
気が狂いそうだ。
月花胡桃
誰かがいないと、心が壊れてしまう。
月花胡桃
寂しかった。ぬくもりが欲しかった。
月花胡桃
人に飢えていた。話し相手が欲しかった。
月花胡桃
毎日同じ動きをする人間じゃない。共に時を過ごせる仲間が。
月花胡桃
最初に思い浮かんだざくろちゃんの顔を夢中で振り払う。
月花胡桃
次に浮かんだのは、学校の友達だった。
月花胡桃
睦美と、三空と、真白。
月花胡桃
記憶を頼りに、私の知る彼女たちの性格をイメージして、泥人形を創造した。
月花胡桃
彼女たちの姿をして、彼女たちの性格に似た、彼女たちではない異形が、私の側に寄り添ってくれた。
月花胡桃
一人遊び、人形ごっこだなんて分かってる。
月花胡桃
それでも、そうしないわけには行かなかった。
月花胡桃
私は強い人間じゃない。
月花胡桃
誰にも褒められない事をして、
月花胡桃
誰にも知られずに苦しんで、
月花胡桃
罪だけを被って死ぬ、
月花胡桃
そんな生き方は無理だった。
月花胡桃
一人で生きる事なんて、できなかった。
月花胡桃
誰かに、慰めてもらわないと駄目だった。
月花胡桃
そんな私に、運命はさらに追い打ちをかける。
月花胡桃
ある日、悠希さんと果子さんが、夢の話をしているのを見た。
月花胡桃
それは時間が戻っていれば、絶対に覚えていないはずの、未来の夢だった。
月花胡桃
絶望した。
月花胡桃
術は不完全だったんだ。
月花胡桃
悠希さんは、少しずつ思い出し始めているんだ。
月花胡桃
この術は、いずれ崩壊を迎えてしまうんだ。
月花胡桃
アラミタマの再生は、絶対避けられない事なんだ。
月花胡桃
もう、終わらせたかった。
月花胡桃
けれど、封印を解いたら果子さんは死んでしまう。私は殺されてしまう。
月花胡桃
終わらせられなかった。
月花胡桃
終わらない地獄が始まってから、ひと月が経過していた。
月花胡桃
誰かが結界に侵入した。
月花胡桃
マシロは、聖堂騎士団のシスターだと言っていた。
月花胡桃
怖かった。
月花胡桃
事態が露見することが。露見したら術を解かなければならないことが。術を解けば、またアラミタマに向かわなければいけないことが。
月花胡桃
恐怖が勝ってしまった。
月花胡桃
結界に侵入したシスターは、マシロとムツミが対処してくれた。
月花胡桃
泳がせて、不意をついて、頭を隠して、体は外に放り出した。
月花胡桃
自分が何をしたいのか、わからなくなった。
月花胡桃
カミガカリが来るのを待っているのか、カミガカリを追い払いたいのか。
月花胡桃
終わらせたいのか、終わらせたくないのか。
月花胡桃
翌日には、また別のカミガカリが来た。
月花胡桃
シスターと並ぶほどの使い手が、今度は5人。
月花胡桃
これが最後のチャンスだと思った。
月花胡桃
封印した悠希さんも目覚めさせて、彼らと手を組めば、アラミタマにも勝てるかもしれないと考えた。
月花胡桃
けれど。
月花胡桃
その中に、ざくろちゃんが居るのが、だめだった。
月花胡桃
ざくろちゃんを命の危機に巻き込む勇気が、私には無かった。
月花胡桃
……1年前。
月花胡桃
恐ろしい夢を見た。
月花胡桃
夢だ。
月花胡桃
夢だと思ってた。
月花胡桃
だけどもし、あれが現実なんだとしたら……
月花胡桃
……私はざくろちゃんに、どれだけ残酷なことをしたんだろう。
月花胡桃
あなたの顔を見ると辛い。あなたが憎い。あなたのことが嫌い。そう思ってた。
月花胡桃
でも、今更になってわかったんだ、全部私のせいだって。
月花胡桃
言えなくて当然だって。私は何もわかってなかったんだって。
月花胡桃
私はざくろちゃんが好きだ。
月花胡桃
それなのに、知らないうちに、こんなにあなたを深く傷付けてた。
月花胡桃
隣に居る資格なんて、きっとない。
月花胡桃
だけど、それでも私は。
月花胡桃
あなたのことが、未だに好きなんだ。
月花胡桃
考えるだけで、胸が張り裂けそうなほどに。
月花胡桃
狂おしいほどに、未だに好きなんだ。
GM
[ マリア=ロドリーゴ ] 生命力 : 1 → 41
[ イザンナ ] 生命力 : 1 → 41
[ 月花 柘榴 ] 生命力 : 41 → 61
[ 三善清次郎 ] 生命力 : 1 → 41
[ 辰巳 悠希 ] 生命力 : 3 → 43