お茶会 2ラウンド

GM
*お茶会、開始です。
GM
2ラウンド目になり、PKが登場したため、クエストを公開します。
クエスト:トカゲの説得
概要:村落の一員であるトカゲの末裔が絶望し、ヘルブラムの軍門に降る事で生き延びようとしている。
目標値:7
消滅条件:お茶会終了と同時に消滅。
成功:説得によってトカゲは改心する。あるいは、寝返ることができない状態になる。
失敗:逆鱗に触れてしまう。トカゲは救世主を罵り、去っていく。
放置:「有象無象・HP1・技能習得:追風」の配下が追加される。
クエスト:略奪の阻止
概要:物々しい武装をしたヘルブラムの配下に倉庫が襲撃され、食糧が奪われようとしている。
目標値:7
消滅条件:お茶会終了と同時に消滅。
成功:略奪を食い止める。
失敗:ただ食糧が奪われるのを見過ごすしかない。裁判に勝利できても、この村の未来はないだろう。
放置:ヘルブラムの小道具に、「とうみつ」が追加される。
クエスト:鎮火
概要:建物の一つが火に巻かれている。放っておけば、火は村全体を覆うだろう。
目標値:7
消滅条件:お茶会終了と同時に消滅。
成功:どうにか火を消すことに成功する。
失敗:火を食い止められない。裁判が始まるころに、村全体が炎に包まれてしまう。
放置:裁判中、ファンブル値が1上昇する。
GM
また、シーン表も更新されます。
村焼かれシーン表(1D12)
1.村の門。すでに打ち壊されている。ヘルブラムの配下が見張っており、ここから逃げられるような甘い話はない。
2.広場。村民がバリケードを作って抵抗している。はかない時間稼ぎだ。
3.民家。誰もいないように見えるだけで、村民が息を潜めて隠れているかもしれない。
4.酒場。戦う前に気付けしておいてもいいかも。
5.倉庫。食糧が蓄えられていたが、今まさにそれも奪われようとしている。
6.燃え盛る家。末裔の子供が、絶望の表情でその前に座り込んでいる。家族が中に残っていたのかもしれない。
7.村長の家。ここでは最も大きい家だ。避難してきた末裔が身を寄せ合っているが、安全などは保証されていない。
8.岩山。村落が背にしている巨人の右足である。ここから逃げていく村民もいるが、自殺行為だろう。
9.村の中心を流れる川。かつては清流だったのだろう。手を拱いているうちに、さらに血で汚れることになる。
10.墓地。こんなところで眠ることすらも贅沢だろう。
11.教会。ここも堅牢な場所なので立てこもるには適している。神の助けはなさそうだ。
12.PC2の住居。今のところは安全だ。……本当に?
GM
以後はこちらを使用してください。
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 コウキの手番
コウキ
1d12 (1D12) > 8
GM
8.岩山。村落が背にしている巨人の右足である。ここから逃げていく村民もいるが、自殺行為だろう。
コウキ
「み、みんな!!!」
コウキ
震える声で叫ぶ。
コウキ
岩山に逃げていく末裔たちに。

火に撒かれ、逃げ場を求めて駆けていた末裔たちの何人かが、あなたのほうを振り返る。

「きゅ、救世主さま……!」
コウキ
「おっ」
コウキ
「おれが、なんとかする! から!」

視線を交わし、顔を見合わせる村人たち。

救世主の力に対抗できるのは、確かに救世主だけだ。

だが、この世界に落ちてきて間もない、こんな小さな子供に、あのヘルブラムを倒す力があるだろうか……?

「おっ、俺は……救世主さまを信じる!」

誰かが声を上げる。

火を恐れ、逃げてはきたが、岩山を着の身着のまま、無策に越えようとすれば、やはり待っているのは死だけなのだ。

であれば、やはりコウキに頼るしかない。

呼び止められて考え直した村人たちは、ありがとうございます、とか、お願いします、と言葉をかけて、ヘルブラムたちの標的にならないように散り散りに隠れに向かった。

「うわああっ!やめてくれっ!そこには村の貯えが……!」

そうしていると、倉庫のほうから悲鳴が聞こえてくる。
コウキ
「い、いかなきゃ……!」
スクエア
そこは、つい昨日案内したばかりの場所。
スクエア
コウキに視線をやってから、そちらに駆けだす。
GM
倉庫には、武装したヘルブラムの末裔たち。
ヘルブラム
それから、長大な槍を構えたヘルブラムの姿。
ヘルブラム
「しけた村のくせに、けっこう溜め込んでやがるじゃねえかよ」
ヘルブラム
「これもみんな俺様のもんだ。ありがたく思うんだな!」
ヘルブラム
笑いながら、戯れに槍が振るわれるたびに、足元に縋り付いてでも止めようとする村人の体から血がしぶく。
コウキ
「…………!!!」
コウキ
怖い。
スクエア
一人、また一人と斃れていく。
コウキ
ヒーローだからとか、救世主の力はおんなじだからとか。色々考えて、決意して、ここまできたけど。
コウキ
やっぱり近くで見ると怖いし。
コウキ
足元にこんなに血が広がってるのを、見たのは初めてだった。
GM
血の臭い、火の臭い、煙の臭い。
GM
そして、耳障りなヘルブラムの高笑いと、燃える木の弾ける音。悲鳴。
スクエア
見知った人々が、目の前で肉の塊になっている。
コウキ
心臓がばくばく鳴っている。
GM
つい昨日までこの村にあった平穏は、すでに破壊された。
スクエア
止めなければならない。
スクエア
止めなければならない。こんな。
スクエア
こんなに怯え切った子供を、矢面に立たせることなんて。
GM
しかし、救世主が救世主として立たなければ、戦わなければ。
GM
笑うどころか、生きていくことさえもはやこの場では許されない。
スクエア
だから、伸ばせない手のひらを握ることしかできない。
コウキ
ぎゅっと目をつぶって。
コウキ
手を握りしめた。
コウキ
「ゆ」
コウキ
「ゆ、るさないぞっ」
コウキ
震えている。
ヘルブラム
「あん?」
ヘルブラム
聞こえた声に、視線がぐるりと回る。
ヘルブラム
コウキのほうを向く。
コウキ
「む、むっ、村をめちゃくちゃにするやつはっ」
コウキ
「このおれがっ」
コウキ
「ヒーローが」
コウキ
「やっつけるんだ」
ヘルブラム
「……」
ヘルブラム
片手の槍に足元の死体を貫かせたまま、籠手に包まれた指先がポリポリと頬をかく。
ヘルブラム
「なんだって?」
コウキ
「だっ、だからっ」
コウキ
「おまえを」
コウキ
「やっつける!」
コウキ
盾をかかげる。
ヘルブラム
「……ハッ」
ヘルブラム
「はっ、はははは、ひゃははははははっ!」
ヘルブラム
腕を広げて、ヘルブラムが哄笑する。
ヘルブラム
「……インゲルのやつは死んだって聞いてたが、まだ救世主がいたとはなぁ?」
ヘルブラム
「だが、ちょうどいい」
ヘルブラム
「何震えてんだ?お前、来たばっかか?」
コウキ
「そっ」
コウキ
「そうだよ!!!」
ヘルブラム
「コイン十枚、枕元に忘れて来てねえだろうな?今朝はおねしょしなかったか?」
ヘルブラム
血の尾を垂らしながら槍を引き抜いて、大股にあなたに向かう。
コウキ
「ひっ」
ヘルブラム
「おお、おお、ビビっちまって、かわいそうに」
ヘルブラム
「お前みたいなガキを突き出すなんて、ここの連中も酷ぇもんだなア!」
ヘルブラム
「まあ、末裔なんてのは、どいつもこいつもそんなもんか」
ヘルブラム
「役に立たねえくせに、死にたくねえ死にたくねえって、うるせえのなんの!」
コウキ
「…………っ」
コウキ
「ちが…………」
コウキ
うまく呼吸ができない。
コウキ
がくがくと足が震えて、歯が音を立てている。
コウキ
左手の鍋蓋を、握る。
コウキ
*ヘルブラムの「救世主憎悪」を抉ります。クエストは「略奪の阻止」。
ヘルブラム
*配下の奴隷の白兎が横槍をします。
ヘルブラム
2d6+2=>7 (2D6+2>=7) > 10[5,5]+2 > 12 > 成功
ヘルブラム
1d6 (1D6) > 2
ヘルブラム
*ヤリイカ使っちゃうか
ヘルブラム
-4で判定をお願いします
コウキ
*ティーセット使用
[ ヘルブラム ] 奴隷の白兎 : 33 → 32
[ ヘルブラム ] ヤリイカ : 1 → 0
コウキ
2d6+3+2-4=>7 判定(+愛) (2D6+3+2-4>=7) > 8[6,2]+3+2-4 > 9 > 成功
[ ヘルブラム ] 救世主憎悪 : 0 → -1
コウキ
鍋蓋に描かれた、落書きのような星模様。
コウキ
それがまっすぐヘルブラムの前に向く。
コウキ
「おれも」
コウキ
「救世主だからっ!」
コウキ
「こども、だけどっ」
コウキ
「ヒーローなんだっ!!!」
ヘルブラム
「……なぁにが」
ヘルブラム
「『ヒーローなんだ』だっ!」
ヘルブラム
「俺はなぁ、てめえみてえなバカなガキが一番嫌いなんだよ!」
ヘルブラム
ヘルブラムの表情に、はっきりと苛立ちが滲む。
ヘルブラム
あなたに向けて槍を振るおうと、ピクリと穂先が跳ね上がる。
コウキ
たたかれる、と思った。
コウキ
もっと痛いことかも。
コウキ
怖い。
コウキ
もう自分でも、なにがなんだかわからなくて。
コウキ
掲げた「ヒーローの盾」で、ヘルブラムを突き飛ばした。
ヘルブラム
それは一瞬のことだ。
ヘルブラム
子供の力ではあり得ない、まさに救世主の持つ力でもって吹き飛ばされ、ヘルブラムが転がる。
ヘルブラム
「っ……てめえ!」
コウキ
「…………っ???」
ヘルブラム
「このっ……この、クソガキが、俺様を……っ」
ヘルブラム
致命的なダメージではないにしても、痛烈な一打だったのだろう。
ヘルブラム
ややふらつきながら、ヘルブラムは立ち上がる。
ヘルブラム
「ガキがッ、ガキがっ……何にも分かってねえ、バカでのろまなガキがっ……」
ヘルブラム
*2ラウンド目 PKの手番
ヘルブラム
「ふざけやがって!」
ヘルブラム
怒声とともに、コウキに向かって鉄の靴底が迫る。
ヘルブラム
したたかに、蹴り飛ばす。
コウキ
軽い身体が吹き飛ばされる。
コウキ
地面に打ち付けられる。
ヘルブラム
そのあとを追って、靴があなたを踏みつける。
スクエア
「!!」
コウキ
「ぎっ」
ヘルブラム
「何がヒーローだっ」
ヘルブラム
「何が救世主だっ」
ヘルブラム
「何がみんなを守るだ!」
ヘルブラム
「末裔におだてられてのぼせやがって!バカが!」
ヘルブラム
踏みつける。踏みつける。
コウキ
悲鳴にもならないこどもの声。
ヘルブラム
「末裔なんてのはなあ、護る価値なんざねえんだよ!」
ヘルブラム
「必要な時にだけすり寄ってきて、肝心な時には何もしやがらねえ!」
ヘルブラム
「死んだほうが俺様の役に立つんだよ!」
ヘルブラム
踏みつける。蹴り飛ばす。
ヘルブラム
「それを……っ」
ヘルブラム
「クソガキが!」
コウキ
服やマントが、土に汚れてぐしゃぐしゃになる。
ヘルブラム
コインがあって、奇跡の力があっても子供は子供。
ヘルブラム
力の使い方が分からなければ、こうして力によって踏みつぶされる。
ヘルブラム
コウキを踏みつけたまま、ヘルブラムは周囲を睥睨する。
ヘルブラム
その視線が、まだ生きて動いている末裔──スクエアのほうを向く。
スクエア
逃げず、留まったまま、立っている。
スクエア
けれども、立っているだけだ。
ヘルブラム
槍の穂先もまた、スクエアのほうを向く。
ヘルブラム
「そうだろうがよ? なあ?」
ヘルブラム
「お前らは、こいつを利用しようとしているだけなんだろ?」
ヘルブラム
末裔の血にまみれた槍。それを握るヘルブラムの視線には憎悪が滲む。
スクエア
「…………」
スクエア
答えられない。
スクエア
無言は、即ち。
ヘルブラム
「そうだってよ!」
ヘルブラム
肯定と取って、踏みつけるコウキに声をかける。
ヘルブラム
「バカな奴だ!いいように使われて、騙されて、戦わされて」
ヘルブラム
「最後は襤褸屑のように死ぬんだよ!お前は!」
ヘルブラム
「この村にいた救世主が、どうなったか知ってんのか?」
ヘルブラム
「それと同じになるって言ってんだ!」
ヘルブラム
*スクエアの『救世主』を才覚で抉ります。
コウキ
*横槍!
スクエア
*コウキにティーセットを譲渡します。
コウキ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
コウキ
*もらったティーセットを使用。
コウキ
2d6++2=>7 判定(+才覚) (2D6+2>=7) > 8[2,6]+2 > 10 > 成功
コウキ
1d6 (1D6) > 3
ヘルブラム
*ティーセット使用
ヘルブラム
2d6+3-3+2=>7 (2D6+3-3+2>=7) > 4[1,3]+3-3+2 > 6 > 失敗
[ ヘルブラム ] ティーセット : 2 → 1
[ スクエア ] ティーセット : 2 → 1
コウキ
「う」
コウキ
こどもの身体が身じろぐ。
コウキ
「そ、」
コウキ
「そんなことないもんっ」
コウキ
「ヒーローは勝つんだもんっ」
ヘルブラム
「まだそんなこと言いやがるのか!」
スクエア
踏みつけにされる救世主、踏みつけにする救世主。
スクエア
末裔が、そのやりとりに干渉する余地はない。
スクエア
末裔は、六ペンスコインを持たない。
コウキ
「それにっ」
コウキ
「スクエアは」
コウキ
「おれのこと、手伝ってくれるって」
コウキ
「言ったもん……!」
ヘルブラム
「本気でそんなこと信じてるのかよ!」
ヘルブラム
「見ろそいつを!突っ立ってブルってるだけだろうが!」
スクエア
そうだ。
スクエア
このままでは、他の末裔と変わらない。
スクエア
不動だった脚が僅かに動く。
スクエア
視線を巡らせ――足元の、死体の傍に目を止める。
スクエア
護身に持ち出したのだろう、些か頼りない、果物用のナイフ。
スクエア
それを拾い上げる。
スクエア
「……あなたは」
ヘルブラム
バカにするような目で、それを見ている。
スクエア
「あなたは、信じられなかったんですか」
スクエア
足先を向ける。
スクエア
「それとも」
ヘルブラム
「……」
スクエア
動かなかった足が、そちらに向かう。
スクエア
「いつかは、信じていたんですか」
ヘルブラム
「黙れ」
ヘルブラム
槍が振るわれる。
スクエア
切っ先の間合い、その際。
スクエア
咄嗟に腕を持ち上げ、刃をぶつける。
スクエア
「ッ」
ヘルブラム
金属同士のぶっつかる耳障りな音とともに、槍が弾かれる。
ヘルブラム
「ッチ……ガキのコインの力か……」
ヘルブラム
ヘルブラムは驚くでなく舌打ちをして、コウキをスクエアのほうへ蹴り飛ばした。
スクエア
受け止めるには重い。けれど、不可能ではない。
ヘルブラム
「おいお前ら!ここはもういい!あとは全部燃やしちまえ!」
コウキ
ごろごろと転がって、スクエアの足元で止まる。
スクエア
「……コウキ」
ヘルブラム
ヘルブラムの命に従って、物々しい格好をした末裔たちが倉庫から出ていく。
ヘルブラム
ヘルブラムもまた、踵を返した。
ヘルブラム
「お前らのことはあとだ」
スクエア
警戒を解かないまましゃがみ込み、その身体を案じる。
ヘルブラム
「まずはこの、どうしようもねえちんけな村を消してやるよ!」
スクエア
視線は、ヘルブラムを捉えたまま。
GM
言い放って、ヘルブラムもまた、倉庫を出ていきます。
コウキ
げほげほと、苦しそうな咳。
スクエア
深く、息を吐く。
コウキ
「スクエア」
スクエア
「……」
スクエア
「……悪かった。すぐに、助けられなくて」
コウキ
「ちがう……」
コウキ
「だいじょうぶ、だった……?」
コウキ
「おれ、が……」
コウキ
「まもれなくて……」
スクエア
どう見たって、大丈夫でないのはあなたの方だった。
スクエア
「……いいえ」
スクエア
「いいえ」
スクエア
しゃがみ込んで、泥に塗れてしまった、その頬を拭う。
スクエア
「あなたは、確かに、守ってくれました」
スクエア
そうして、あなたを起こすことなく立ち上がる。
スクエア
「……後は、俺がやります」
スクエア
「休んでいてください」
コウキ
服の裾をひっぱる。
コウキ
「やだ」
コウキ
「おれもいく……」
スクエア
「……」
コウキ
スクエアの身体を掴みながら、ふらふらと立ち上がる。
コウキ
「なんかねえ」
コウキ
「だいじょうぶなきがするんだ」
コウキ
笑う。
コウキ
「からだ、もう痛くないよ」
[ コウキ ] HP : 21 → 20
スクエア
救世主の力。
スクエア
例え深く傷ついたとしても、致命傷を受けない限りは立ち続ける。
スクエア
「……そうですか」
スクエア
「でしたら、一緒に」
コウキ
「うん」
GM
あなたたちは二人で倉庫を出る。
GM
村に迫る危機も、ヘルブラムも、まだ去っていない。
GM
GM
*2ラウンド目 スクエアの手番
スクエア
1d12 (1D12) > 10
GM
10.墓地。こんなところで眠ることすらも贅沢だろう。
スクエア
火に巻かれた村の内、墓地は比較的元の形を保っていた。
スクエア
コウキを伴って一度、そちらから村全体をあらためる。
GM
最初のほうに逃げまどっていた村人たちの姿は、もう見られない。
GM
目につくのは動かない死体。ほかの村人たちは、どこかへ隠れているか、村の外に一度逃れたか。
GM
いずれにしても、この火の手の上がりようでは村は長くなく、荒野に逃げた末裔たちも亡者たちに見つかれば命はないだろう。
GM
そうして死んだ村人たちは、こうして墓に葬られることもない。
GM
ヘルブラムは末裔を伴いながら、方々を燃やして回っている。
GM
火の手の上がった建物からたまらず飛び出してきた村人を屠る姿も見えるかもしれない。
スクエア
その光景に、微かに眉を顰める。
スクエア
疾く、対処しなければならない。
スクエア
けれども、何方かだけでは駄目だ。
スクエア
「……見ているとは思いますが。村の中央に川があります」
コウキ
「うん……」
スクエア
「これだけの火を消すには、その水を使うしかないでしょう」
スクエア
「そして火に包まれ切った建物は、むしろ壊してしまった方がいい」
スクエア
「水では消しきれないので、燃え広がるのを止めましょう」
コウキ
うなずく。
スクエア
そう言葉にしながら、火の下を指差していく。
水が必要な場所。破壊が必要な場所。目星を付ける。
スクエア
「……大丈夫です」
スクエア
「俺たちならやれる」
コウキ
「う、うん……!」
スクエア
そして、行動を起こす。
スクエア
舐めるような火を避けて、濁った水を汲み。
肌を焼く熱の中で、脆くなった建物を崩す。
GM
村落の住民であるスクエアは、地理についてよく把握をしており、火を消す順番もまた心得ている。
GM
あなたたち二人の手で、火は順調に消し止められていく。
GM
だが、それをヘルブラムが見逃すはずはない。
ヘルブラム
「てめえら……」
ヘルブラム
末裔を伴って、ヘルブラムが現れる。
ヘルブラム
顎をしゃくって末裔たちを散じさせると、槍を構えた。
ヘルブラム
「邪魔してくれるじゃねえか、え?」
ヘルブラム
「後回しにしてやったのによ……」
スクエア
「邪魔されないと思ったんですか」
ヘルブラム
あなたの言葉に、ヘルブラムの眉間に皺が寄る。
スクエア
救世主がやって来ることは想定の範囲内ではある。が、望ましくはない。
ヘルブラム
「まあいい、また痛めつけて動けなくしてやるよ」
ヘルブラム
「今度は二人ともな」
ヘルブラム
「さっきみてえな曲芸、何回できるか試してやる!」
スクエア
「いいんですか」
スクエア
「二対一では、些か、分が悪いと思いますが」
ヘルブラム
「ぬかせっ!」
ヘルブラム
槍が振るわれる。
スクエア
ナイフを構え、逆手に持つ。
スクエア
末裔であれば、避けることの能わない切っ先。
スクエア
辛うじて僅かに体を逸らす。
コウキ
「!」
ヘルブラム
弾かれて、表情に苛立ちを滲ませながらも、二撃目がスクエアを襲う。
ヘルブラム
救世主の出身世界は様々だ。
ヘルブラム
コウキのように、武器の扱いなど全く知らない子供もいる。
ヘルブラム
しかしヘルブラムの槍の扱い方は、明らかにそうした心得の『ある』人間のものだった。
ヘルブラム
弾かれても体を崩さず、平然と追撃を加える。
スクエア
刃を掲げ、けれど、所詮は不慣れな者の動き。
ヘルブラム
「おらっ!そこだ!」
コウキ
手を伸ばす。
ヘルブラム
隙を逃さず、槍が伸びあがる。
コウキ
槍にぶつかりにいく。そうして、槍の向く先を逸らす。
ヘルブラム
「もう見たんだよそれはッ!」
ヘルブラム
コウキを盾の上から蹴り飛ばして、槍は再びスクエアへ。
コウキ
軽い身体は容易に空中に浮く。
スクエア
「――コウキ!」
スクエア
意識が逸れる。
ヘルブラム
致命的な余所見。
スクエア
眼差しを引き戻した時には、手遅れ。
ヘルブラム
肩口を、槍が突き刺す。
スクエア
「ッ、ぐ、」
ヘルブラム
「どうした!? もう品切れかアッ!?」
ヘルブラム
「役立たずの末裔が、ちょっとコインの力を得たぐらいでッ!」
ヘルブラム
「俺様に、楯突くんじゃねえ!」
スクエア
激しく焼けるような痛みの中で、浴びせられる言葉。
ヘルブラム
「死んじまえ! 末裔も、救世主も、俺様を邪魔するやつはみんな!」
スクエア
「……、ッ」
スクエア
「――五月蠅いッ!!」
スクエア
ナイフを構え直し、腕を突き出す。肩口を突かれたまま。
スクエア
己の肉が裂け、解放される感覚。
ヘルブラム
引き抜けた槍を退け、再び構えなおす。
ヘルブラム
今度こそあなたの命を刈り取ろうと、槍が迫る。
スクエア
「なにが、気に食わない」
スクエア
ナイフで軌道を逸らす。肌に赤い線が走る。
ヘルブラム
殺すには至らない。
ヘルブラム
あなたの肩を傷つけ、優位であるはずのヘルブラムの表情が怒りで染まる。
ヘルブラム
「末裔ごときが……」
ヘルブラム
あなたの問いに答えず、呻くように罵倒し、槍を突き出す。
スクエア
「お前を裏切った、“役立たずの末裔”か」
スクエア
血の筋が、またひとつ。
ヘルブラム
「──ッ!?」
スクエア
「末裔を信じた、お前自身か」
ヘルブラム
槍の穂先に動揺が滲む。仕留められなかったことに歯噛みし、もう一撃。
ヘルブラム
「黙れ」
ヘルブラム
「黙れ、黙れッ、黙れッ!」
スクエア
*ヘルブラムの「末裔憎悪」を抉ります。クエストは「鎮火」。
ヘルブラム
*配下が横槍を行います。
ヘルブラム
2d6+2=>7 (2D6+2>=7) > 9[5,4]+2 > 11 > 成功
ヘルブラム
1d6 (1D6) > 5
ヘルブラム
*-5で判定を。
[ ヘルブラム ] 奴隷の白兎 : 32 → 31
スクエア
*ティーセットを使用。
スクエア
2d6+3+2-5=>7 判定(+才覚+ティーセット) (2D6+3+2-5>=7) > 8[2,6]+3+2-5 > 8 > 成功
[ ヘルブラム ] 末裔憎悪 : 0 → -1
ヘルブラム
*ヘルブラムは発狂
スクエア
思い切りしゃがみ込んだことで、末裔の体躯は槍の軌道から消える。
ヘルブラム
視線が末裔を探して泳ぐ。
ヘルブラム
素早く槍を引き戻すが、それまでにわずかな隙がある。
スクエア
勢いのまま、懐に飛び込む。
ヘルブラム
「ッ!」
スクエア
狙いは脇腹。すぐに離脱できる位置。
ヘルブラム
衝撃を受けてからようやく、スクエアが屈みこんでいたことに気が付く。
ヘルブラム
冷静であれば、あるいは避けられたかもしれない。
スクエア
「――差し出がましいことを言いますが」
ヘルブラム
スクエアの言葉によって血が頭に上り、末裔に対して細心の注意を払うことをプライドが許さなかった。
ヘルブラム
「て、めえ……」
スクエア
「あなたは。子供より、子供らしい」
スクエア
引き抜く。
スクエア
咄嗟に付けた傷口は、決して深くはない。
ヘルブラム
槍は懐に飛び込んだ相手を打ち据えるには不向きだ。
ヘルブラム
よろめきながら後ろに下がり、あなたと距離を置く。
ヘルブラム
血があふれ出る。
ヘルブラム
「っ、こ、の……」
スクエア
一歩、二歩。此方も退く。
ヘルブラム
スクエアはしかし、懐まで潜り込んだ時に気が付いたかもしれない。
ヘルブラム
ヘルブラムの体格はあなたとそう変わりなく、顔もよく見れば、幼さが残っている。
ヘルブラム
「くそったれ……くそが……」
ヘルブラム
「末裔が……」
ヘルブラム
「救世主がいなきゃ何にもできねえ、末裔が……」
スクエア
「……」
ヘルブラム
「俺様を戦わせて、見ているだけの末裔が……!」
スクエア
救世主は、等しく救世主だ。
ヘルブラム
気づけば、村から火の気配は消えている。
スクエア
こうして相対する、あなたもまた。
ヘルブラム
村を灰燼に帰すヘルブラムの目論見は、今この時は挫かれている。
ヘルブラム
「ぐ、くっ……」
スクエア
そこに、本来、貴賤はない。
ヘルブラム
「くっ、はは、……」
ヘルブラム
「ははははっ、ひゃはははははっ!」
ヘルブラム
二対一、それは確かにヘルブラムには不利だった。
ヘルブラム
槍を弾かれ、脇腹を刺され。
ヘルブラム
それでもヘルブラムは笑っている。
スクエア
それを、見ている。
ヘルブラム
ふらつくように、槍を構えたままヘルブラムは後ろに下がる。
ヘルブラム
そのヘルブラムを、配下の末裔たちが慌てて取り囲む。
スクエア
ひとつ、言葉を紡ぎかけて。
スクエア
けれど間もなく、姿が見えなくなった。

「スクエア~!」
GM
そうしたさなか、あなたの名前を呼びながら、末裔が駆けてくるのが見える。
GM
あなたのよく知った、トカゲの末裔が。
GM
*2ラウンド目 ヘルブラムの手番

「無事だったか!」

息を切らせながら、あなたの数歩前で歩調を緩めて、近づいてくる。
スクエア
ヘルブラムの消えた方を束の間眺めてから、振り返る。
スクエア
「……」
スクエア
「ああ。お前こそ。無事で良かった」

「村中、ひどいもんだ、ほかの奴らも何とか動いて、火は消し止められたが……」
スクエア
コウキのことも気にかかるが、一先ずは目の前の末裔へ向き直る。

一歩、二歩。さらに近くへ。

「何か手伝えることはないかと思ってさ」
スクエア
緊張が幾許か解け。遅れて、肩口がズキズキと脈打つ。

トカゲの末裔の顔には、緊張が滲んでいる。

それは、ヘルブラムとその配下の末裔たちが近くにいるからだろうか?
スクエア
「……そうだな。まだ、やらなきゃいけないことはある」

いや、そもそも、この青年は、こんなに近くに救世主がいるにもかかわらず駆けつけるような、勇敢なたちだったろうか?
スクエア
些か視界が眩むのは熱気のせいか、血を失っているせいか。

あなたがそう思った時には、もう距離は言葉を交わす必要以上に近づいている。
スクエア
少なくとも、今この瞬間。そうした違和感に気を払えない。

そして、トンッ、と。

小さな衝撃が腹に走った。
スクエア
「――」
コウキ
「え」

顔を上げたコウキの目に入ったのは、

昨日歓迎会を開いてくれた村人たちの中にいたおとなが、

スクエアの腹を刺している光景だった。
ヘルブラム
*コウキの『おとな』を、才覚で抉ります。
スクエア
*横槍します。
スクエア
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
スクエア
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 4[2,2]+0 > 4 > 失敗
ヘルブラム
*ティーセットを使用します
ヘルブラム
2d6+3+2=>7 才覚+ティーセット (2D6+3+2>=7) > 7[1,6]+3+2 > 12 > 成功
ヘルブラム
*成功
[ ヘルブラム ] ティーセット : 1 → 0
[ スクエア ] HP : 15 → 14
[ コウキ ] おとな : 1 → 0

熱いような痛みが広がるのは、一拍遅れてから。

「はあっ、はあっ……」

息を荒げて、トカゲの末裔が逃げるように後ろに下がる。
スクエア
「お、」

涙目で、顔を引きつらせ、ぶるぶると震えている。
スクエア
「まえ」

「この、村は、もうだめだ」

「だから、だったら……」

あなたの横をすり抜けるように、ヘルブラムのもとへ駆けていく。

「こうやって、い、生き延びるほうが、賢いってもんだろ……?!」
スクエア
「なにを、」
スクエア
ナイフを手放し、腹部を押さえる。振り返る。
ヘルブラム
「は、はは」
ヘルブラム
「ははは、ははははははっ」
コウキ
視線が交わる。
ヘルブラム
末裔たちを従えて、脇腹から血を流すヘルブラムが笑声を上げる。
ヘルブラム
「そうだ、それでいい」
ヘルブラム
「そうやって醜く裏切って、立ち回って、救世主に媚びるしか能がねえのが末裔なんだよ」
ヘルブラム
「そして、そんな末裔に守られなきゃ戦えねえような弱っちい救世主は……」
ヘルブラム
「俺様の手で、無様に死ぬのがお似合いだ」
スクエア
頬を冷えた汗が滑り、滴る。
ヘルブラム
「そうだ、そうだ……」
スクエア
「クソ…………」
ヘルブラム
「だから、ここでてめえらを殺して、村も潰して」
ヘルブラム
「全部更地にしたら、帳尻が合うってもんだ」
コウキ
「スクエア」
コウキ
「おれのせいなの?」
コウキ
「おれが、たおすって、言わなかったら」
コウキ
「スクエアは傷付いたりしなかったの?」
スクエア
瞳がコウキを向く。
コウキ
「おれが……」
コウキ
「ここに来なきゃよかったのかな」
スクエア
「……それは――」
スクエア
「俺が、」
スクエア
「傷ついたのは、お前の、せいじゃない」
スクエア
手指が冷える。血を流し過ぎていた。
スクエア
「村がこうなったのも、お前のせいじゃない」
ヘルブラム
「いいや」
ヘルブラム
「お前の、お前らのせいさ」
ヘルブラム
「お前らが、弱いから悪いんだよ」
ヘルブラム
「だから、弱くて馬鹿で間抜けなくせに」
ヘルブラム
「俺に楯突いた罪を償って死ね」
ヘルブラム
一歩、あなたたちへ向けて足を踏み出す。
ヘルブラム
槍を振るってスクエアの血を払う、その足取りは確かだ。
ヘルブラム
だがその表情は蒼褪めて、すでに正気のものではない。
ヘルブラム
「殺してやる」
ヘルブラム
「末裔も、救世主も、みんな死ね」
ヘルブラム
「死んで──最後に、俺の役に立ってみろッ!」
ヘルブラム
怪我を負ってなお、ヘルブラムは退く様子はない。
ヘルブラム
この場での戦いは、もはや避けられないだろう。
コウキ
「ごめんなさい」
コウキ
「こんなことがしたいんじゃなくて」
コウキ
「もっと、つよくて、かっこよくて、全部すくっちゃうみたいな、やつが、よくて」
コウキ
「おれは……」
コウキ
涙が一滴、地に落ちて。
コウキ
それに呼応するように。
コウキ
鍋蓋が淡く光る。
コウキ
光はスクエアの傷を包んで、癒やす。
コウキ
「わかんないの」
コウキ
「村はめちゃくちゃだし」
コウキ
「ひとがいっぱい死んじゃった」
コウキ
「かっこいい、あこがれのヒーローにはなれなくて」
コウキ
「でも」
コウキ
「せめて」
コウキ
「スクエアだけは」
コウキ
「死なないでほしいよ……」
スクエア
痛みが引いていくのが分かる。熱の名残を残して。
スクエア
縋るような言葉が纏わる。
スクエア
「……」
スクエア
コウキに必要な言葉をやる、そのための時間は、残されていない。
スクエア
だから、ひとつだけ。
スクエア
「そう簡単に、死にませんよ」
スクエア
「あなたが、確かに、守ってくれたんだから」
スクエア
眼差しを幼い人影に向ける。
スクエア
「それに。言ったじゃないですか」
スクエア
「俺たちなら、やれる」
コウキ
「……」
コウキ
「……うん」
コウキ
いつの間にか光はおさまっていて。
コウキ
おもちゃみたいな武器を持った、ただのこどもがうなずいた。
ヘルブラム
槍を構え、ヘルブラムが近づいてくる。
ヘルブラム
はじめてのお茶会が終わり──そして、裁判が始まる。