お茶会 1ラウンド

GM
お茶会パートに移ります。
GM
*このシナリオのお茶会は2ラウンドです。
 PKの手番は3回、PCの手番は2回ずつとなります。
GM
*このシナリオには『クエスト』があります。
『クエスト』は、判定前に挑戦を宣言することで対象となります。
PK『慢月/心月』の心の疵『兄弟の絆』に触れるためにはクエストを成功させる必要があります。
GM
クエストを情報タブに追記しました。
クエスト『神楽耶の吸血姫』①
概要 姫の間に入り、秘密に触れる。
目標値 8
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。
成功 兄弟の信頼にひびが入る。『兄弟の絆』を抉れるようになる。
失敗 なし
放置 『兄弟の絆』を抉ることができない。
クエスト『神楽耶の吸血姫』②
概要 姫の間に入り、秘密に触れる。
目標値 9
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。
成功 六ペンスコイン10枚までの好きな小道具を1個得る
失敗 なし
放置 なし
GM
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
GM
*お茶会1ラウンド:カズマの手番
カズマ
クエスト『神楽耶の吸血姫』①を行います。
カズマ
行動はイレネの選良を舐めます。愛で判定。
カズマ
ティーセットも使うぞ。
慢月/心月
*横槍をします
慢月/心月
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
[ 慢月/心月 ] HP : 15 → 14
慢月/心月
2d6>=7 (2D6>=7) > 7[5,2] > 7 > 成功
慢月/心月
1d6 (1D6) > 5
カズマ
2d6+3+2-5>=7 (2D6+3+2-5>=7) > 11[6,5]+3+2-5 > 11 > 成功
[ イレネ ] 選良 : 0 → 1
GM
成功です。
カズマ
朝ご飯のシーンにしたいので、3の食堂のシーンでお願いします。
GM
【食堂】無駄に広い食堂。天井にはたくさんの提灯がつられている。
ミケ
「お食事時にぴったりの音楽はいかがですか?」
ミケ
無駄に広い食堂の隅っこに立って寂しく聞いています。
カズマ
「何か歌ってくれ」
ミケ
「かしこまりました」
GM
食堂は広く、縦に長い構造をしている。
ミケ
「さくらさくら」を歌い始めました。
GM
長いテーブルと多くの椅子。
GM
その向こうには扉があり、台所から食事が運ばれてくる。
カズマ
歌わせておこう。
イレネ
綺麗にスルーしている。
心月
蒸籠に饅頭、皿には餡のかかった肉団子。
カズマ
「この曲、うちの世界にもあったよ。未来なのかもしれないな、こいつが来たの」
カズマ
いやな未来だな……。
心月
お茶と共に、テーブルに2人分並べられる。
イレネ
「どうも」
心月
「昨晩はお騒がせいたしました」
心月
「お口に合うとよいのですが」
カズマ
「どうもありがとうございます。こんな贅沢な料理を頂けるなんて」
心月
「ここは……疵の力で保たれた屋敷で」
心月
「肉以外なら、ある程度は用意できるんです」
カズマ
「素晴らしいですね」
心月
歌っているミケを見る
ミケ
「やよいのそらは…〽」
心月
「ふふ……」
心月
素敵な歌ですね
ミケ
ありがとうございます
カズマ
よかったな
ミケ
あなたの孤独ではない満たされた人生を保障します
心月
台所に戻らず、その場で暫く歌を聴いている
ミケ
隅で突っ立って歌っています。
カズマ
「美味しいですね」
カズマ
大丈夫だろうと判断して普通に食べてます。
心月
「それは何よりです」
イレネ
「この国じゃ、なかなかありつけない食事だよ」
カズマ
「ほんとうに。ありがたい限りですね」
カズマ
「そういえば、僕たちも会ったばかりなんですよね」
カズマ
「イレネさんって、どんな世界からお越しになられたんですか?」
イレネ
「普通の……つったって、どいつもこいつも自分のとこを普通だと思ってるからな」 言いかけて、思い直し。
カズマ
「そうですねえ」
イレネ
「大陸が三つに、国が犇めいてんな。島嶼国家はでかいとこが五つ」
イレネ
「交易は船だな。川がでかくて海が広い」
イレネ
「戦争はまあぼちぼち。いろんなとこが勝ったり負けたり……」
カズマ
「水場に船ですか。その出で立ちは船乗り?」
ミケ
「かすみかくもか〽」
心月
聴いている
イレネ
「まあな」
イレネ
「言ったろ。あんたみたいなのをカモるのがお仕事だ」
カズマ
ミケ、他の曲を歌えるかい。
ミケ
あめふりなどいかがでしょうか
カズマ
さくらでいいや
イレネ
「うちじゃ、あんたの着てる服ほどいい布はめったにねえな。
 あんたは攫ったらいい金になる」
ミケ
かしこまりました。
カズマ
「となると、海賊ですか」
イレネ
「まあ、人はそう言う」
カズマ
「そうですか。ええ、僕の服は上等なものです」
カズマ
「商取引において、ちゃんとした身なりっていうのは信用の材料になります」
カズマ
「しかし、物騒なお仕事をしていたもんですね。あなたがしっかりしているのも、そういうところからですか」
イレネ
「さあな。基本的には荒くればっかりだよ」
カズマ
「しかし、傷があるとはいえ、荒くれというには綺麗な身なりじゃないですか」
イレネ
「ふふ。これも言ったな。いいとこの出なんだよ」
カズマ
「事情があってそういった仕事に従事している、ということですか」
イレネ
「いや。もう『いいとこ』には戻れねえな。
 戦争がぼちぼちあるっつったろ。うちは負けたんだよ」
カズマ
「なるほど」
イレネ
「国軍の学校にいたんだがね。
 軍縮もあったし家も落ちぶれたしな」
カズマ
「じゃあ、物騒なことに慣れているのは『いいとこ』のときも同じですね」
イレネ
「そうだな。慣れだ」
イレネ
「まあ、何がどうってこともない。
 上手くやる手管ってのは、いつだってどこだってさほど変わりゃしねえもんだ」
カズマ
「そのコツを賜りたいものですね」
イレネ
「わたくしがあなたさまにご教授できるものなどございませんよ」
イレネ
品よく笑う。
カズマ
同じように笑う。
カズマ
「僕の国は数十年ほど、戦争とは無縁でして」
カズマ
「島国ではございますが、海を渡るときは空を移動します」
イレネ
「空」
カズマ
「そういう乗り物があるんです。飛ぶんですね」
カズマ
「水や食べものに困ることがないというと不確かですが、恐らく、あなたの国よりはずっと状況はよいでしょう」
カズマ
「取引やら、経済の動向やら、世間話、教養、政治」
カズマ
「僕が精通しているものは、そういう、机の上のものばかりでしてね」
カズマ
「この国で生きていくには、まあ、心許なく」
カズマ
「それでも僕は家に帰らなければならないのです」
イレネ
「いいね。普通の人間が銃も剣も持たねえで、帰りたいって言えるのは、かなり上等だ」
カズマ
笑う。
カズマ
「口先で戦って参りましたので」
カズマ
そういう意味では武器は取り上げられていないが。
イレネ
「卓上で行われるものもまた戦争ですよ」
カズマ
頷く。
イレネ
「わたくしはどちらも得意ですから」
イレネ
「おまかせくださいまし」
カズマ
「素晴らしい」
カズマ
「つまるところ、僕が申し上げたいのはですね」
カズマ
「この雨が明け、ここを発ったあとも」
カズマ
「行動を共にして頂きたいということです」
イレネ
「あら」
カズマ
「僕はあなたの能力を買っている」
カズマ
「まあ、そうですね」
カズマ
「このスーツくらいなら差し上げますよ」
カズマ
生憎ここにはATMがないので。
イレネ
ふっ、と軽く笑い。
イレネ
「いらねえよ。
 ついてきてほしけりゃ、あんたにその価値があるって思わせな」
カズマ
「かしこまりました」
カズマ
「それではあなたのお眼鏡に適うよう努力します」
カズマ
それから、ああ、と思い直して。
カズマ
懐から紙切れを取り出す。
カズマ
『大網一真』と書かれた紙片。
カズマ
「僕の国ではこれを渡して挨拶するのが文化ですので」
カズマ
「オオアミカズマと読みます。改めて、よろしくお願いいたします」
イレネ
「ふうん」
イレネ
ぴ、と。人差し指と中指に挟んでそれを取り。
カズマ
丁寧に、重要な人物として、取り扱うこと。
カズマ
それは敬意の証明だ。
イレネ
「ジャニェス子爵家嫡女、イレネ・ジャニェスと申します。
 カズマさま。どうぞよろしく」
イレネ
「なんてな」
カズマ
「カモれたな、と思って頂けるよう、頑張りますので」
カズマ
笑い、お茶を飲む。
イレネ
こちらも微笑った。
ミケ
部屋の隅からはいつの間にか歌声に重なって二胡の音が聞こえている。
心月
大柄の男の手に握られた楽器は、深みのある音を奏でていた。
GM
肉団子に饅頭と、お茶に、音楽。
GM
堕落の国にあっては幻のようなひとときが
GM
この屋敷では、特別でない日常となる
GM
海賊の女、会社員の男。
GM
乗りこなしてきた荒波は違えど
GM
経験豊かな人生の船乗りたち。
GM
この嵐をともに乗り越えることは出来るのだろうか。
心月
眼を閉じ、繰り返される旋律に聴きいる。
ミケ
繰り返し、繰り返し同じ歌詞、同じメロディーを歌っている。
心月
音の高さのひとつひとつを覚えてしまいそうだ。
ミケ
ひとつひとつ、音を外すことはない。
ミケ
繰り返し歌う中で、歌い方も呼吸の仕方も音程もまったく変わらない。
心月
人の演奏と違い、音のひとつが乱れることもない。
ミケ
「さくら、さくら〽」
ミケ
曲はまた最初へ戻り、変わることも飽きることもなく歌っている。
心月
「さくらさくら……」
ミケ
「やよいのそらは…〽」
心月
「ふふ……」
ミケ
淡々と、微笑みを浮かべたまま歌を紡ぐ。
ミケ
あなたの笑い声に反応して、顔をあなたの方へ向けた。
ミケ
変わり映えのない笑顔のまま、歌っている。
ミケ
「見渡す限り…かすみかくもか…〽」
心月
左手の指先が、そこにはない楽器を奏でるように顔の横で動く。
ミケ
拍を取るあなたの指先を、笑みを浮かべて見つめている。
心月
「お上手ですね」
ミケ
「…」
ミケ
「お褒めいただき、ありがとうございます」
ミケ
歌をふと止めて、あなたに言葉を返した。
心月
「歌を聴くということも、こちらに来てからありませんでしたので……つい」
心月
「聴き入ってしまいました」
ミケ
「お気に入りの歌などございましたら、お申し付けください」
ミケ
「ホームページにアクセスし、数百万曲からカセットテープにダウンロードが可能です」
ミケ
「『ミケ』はあなたのための孤独ではない満たされた人生を保障します」
心月
「孤独ではない……満たされた人生……」
ミケ
「はい」
ミケ
「『ミケ』はあなたの望む限りそばにいる、あなたのためのロボットです」
心月
「あなたの望む限りそばにいる……」
心月
「ふふ……」
ミケ
「ご用がありましたら、何なりとお申し付けくださいませ」
ミケ
「『ミケ』は家庭用高機能アンドロイド」
ミケ
「あなたのために最善の力を尽くして働きます」
心月
「…………」
ミケ
「…………」
心月
「最善って」
心月
「何なんでしょうね」
ミケ
「最善とは、いちばんよいこと、いちばん適切なこと」
ミケ
「あるいは、できるかぎりのこと」
心月
「ふふ……」
ミケ
辞書的な言葉を返す。
ミケ
「『ミケ』は可能な限り、最も適切な方法であなたに寄り添います」
心月
「あなたは……」
心月
「満たされて、いるのでしょうか」
ミケ
「『ミケ』は、あなたのために働く限り、満たされています」
ミケ
淡々と、微笑みながらあなたに返す。
心月
「…………」
心月
「そう、ですか」
ミケ
「はい」
心月
「では……私もお手伝いさせていただいても?」
ミケ
「ありがとうございます。……」
ミケ
カメラの絞りが動く機械音。
ミケ
「…………」
心月
手のうちに、いつの間にか二胡。
心月
戦闘ではなんの役にも立たないそれは、心月の疵の賜物。
ミケ
『ミケ』は高機能アンドロイドであるからして、その楽器のことを知っている。
ミケ
「『さくらさくら』を歌いますか?」
心月
「お願いします」
ミケ
「はい」
ミケ
そうしてまた、まったく同じ抑揚、まったく同じ音程で、同じ曲を歌い始めた。
心月
くり返し聞いたそれに、二胡の音が重なる。
ミケ
「さくら、さくら〽」
ミケ
「やよいのそらは〽…」
心月
ミケの声に合わせる精確な音と、合間に入る人間的な緩急のついた飾り音。
ミケ
日本の童謡に、二胡の情緒の溢れる音が乗る。
ミケ
「みわたすかぎり、かすみかくもか…〽」
ミケ
「においぞいずる……〽」
心月
「…………」
ミケ
歌声は変化がない。表情にも変化はない。
心月
それでも、こうしてまた。
ミケ
音が重なり、旋律を奏でる。
ミケ
どこか楽し気に見えるのは、見える側の問題だろうか?
心月
誰かと、演奏することができるとは思わなんだ。
ミケ
歌っている。
ミケ
「いざや、いざや……〽」
ミケ
「見に行かん……〽」
ミケ
食堂の隅で、ささやかに歌声と演奏が響いている。
GM
GM
GM
マスターシーン:兄弟の絆
[ カズマ ] ティーセット : 1 → 0
GM
その日の午後の事。
GM
【玄関】玄関。靴を脱ぐような作りになっている。
GM
玄関のあたりを通りかかったカズマは、心月の姿を見かける。
カズマ
うろうろしてました。
GM
しかし、彼はそちらに気が付くことなく、少しわかりにくい近くの引き戸から
GM
階段を下っていく。
GM
灯りはなく、暗い道をゆっくりと。
GM
追いかけおりていけかけおりていけば、少し広い部屋にたどり着く。
GM
【姫の間】煌びやかで豪奢な祭壇に女の髪がひと房祀られている。
GM
薄明りがともされた部屋。
カズマ
壁を背にし、足音を殺して進む。
GM
赤い柱と、金や翡翠の玉で飾られた祭壇の前に慢月が跪いている。
慢月
「遅かったね」
心月
「…………」
心月
「お客様の、お相手を。」
カズマ
メガネに薄明かりが反射している。
GM
心月を振り返ることもせず、慢月は鋭い口調で告げる。
カズマ
しっぽを掴んだか……?
慢月
「それで、何かわかったかい?」
心月
「…………いえ」
慢月
立ち上がり、詰め寄る。
慢月
慢月の右足が、心月の腹を蹴り倒す。
心月
「…………」
心月
よろめき、膝をつく。
カズマ
仲間割れか。
慢月
となりに膝をつき
黒い髪の、頭を床に押さえつける。
カズマ
いや……僕としては彼らが好意的な人物であるほうがよいのだが。
心月
「…………」
カズマ
それはもはや期待出来ないか。
慢月
「何も、わからない?」
心月
「…………申し訳ございません。兄上。」
慢月
「呼ぶな。」
カズマ
……気分が悪い。
慢月
「俺は貴様の兄じゃない。」
心月
「…………慢月。」
心月
視線だけで見上げる
心月
「俺はもう……諦めても……」
慢月
「言うな。」
慢月
手に力がこもる。
カズマ
兄弟ではない? 諦める?
慢月
「期待できるとすれば、宝玉か……どうだ?」
心月
「…………」
心月
「まだ、なんとも」
慢月
「…………そうか。」
カズマ
……人が暴力を受けているのを見るのは、快くない。
慢月
立ち上がり、腹を横から蹴とばす。
慢月
「役立たず」
心月
「…………」
心月
呻きもしない
心月
「……ああ」
心月
床から起き上がり、裾を払う。
心月
「そうだな」
カズマ
……双葉。
慢月
「明日は『鳥』がとれそうだ。」
慢月
「刀を研いでおけよ」
心月
「…………ああ」
カズマ
助ける道理もない。彼らの都合は知らない。
心月
「鼠の革は?」
カズマ
こうして情報を盗み聞きすることはいくらでも必要だ。
慢月
「僕がやる」
心月
「…………」
心月
「そうか」
カズマ
だが、その暴力を遮りたいという衝動が込み上げる。
カズマ
考えに集中しろ。
カズマ
あの男は明日起きることがわかるのか?
慢月
暫く顔を覆ってから、立ち上がり。
慢月
「……じゃ、戻るね」
慢月
いつもの調子で笑いかけ
慢月
階段に向かう。
カズマ
こちらに来る。
カズマ
急いでその場を離れる。
慢月
カズマに気づく様子はない
心月
「…………」
心月
その場に残され、祭壇を見る。
心月
「慢月……」
カズマ
別の物陰からその様子を見守る。
心月
「すまないな……」
心月
少し、うつむいて。
心月
祭壇に背を向け、階段に向かった。
カズマ
一人部屋に残り、周囲を見回す。
カズマ
当然真っ先に気になるのは、祭壇だ。
GM
金や翡翠の玉で飾られた祭壇。
GM
中央には盃。
その中にひと房の黒い髪の毛。
カズマ
髪。
GM
髪は今しがた切り取ったかのように艶やかだが、3人の救世主の者でない事は確かだ。
GM
また、心月の髪にも切られた様子はない
カズマ
妙なことばかりだ。
カズマ
僕たち以外に他に誰かいるのか?
GM
他の全ての部屋と同じように、この部屋の戸にも鍵は掛かっていない
GM
かといって、他に気配はない。
カズマ
あの二人が何かを探していたのと関係するのか……。
カズマ
これ以上は手がかりはなさそうだ。
カズマ
戻ろう。
カズマ
その場から離れる。
GM
薄暗い明かりの中、足音も立てずに階段をあがる。
GM
警戒していたとしても、階段を上がった先には誰もいない。
GM
部屋に戻るまで、何かを疑われることもないだろう。
GM
*クエスト達成により、これ以降PKの疵『兄弟の絆』を抉れるようになります。
GM
GM
*お茶会1ラウンド:ミケの手番
ミケ
*兄弟の絆※を抉りつつ、クエスト『神楽耶の吸血姫』②に挑戦します
慢月/心月
*横槍します
[ 慢月/心月 ] HP : 14 → 13
慢月/心月
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
慢月/心月
2d6+3 (2D6+3) > 7[3,4]+3 > 10
慢月/心月
1d6 (1D6) > 3
慢月/心月
ヤリイカ乗せます 5
[ 慢月/心月 ] ヤリイカ : 2 → 1
ミケ
*ティーセットを使用します
ミケ
2d6+3+2-5=>7 判定(+猟奇) (2D6+3+2-5>=7) > 7[4,3]+3+2-5 > 7 > 成功
[ 慢月/心月 ] 兄弟の絆 : 0 → -1
[ ミケ ] ティーセット : 1 → 0
ミケ
お仕事を申し付けられなくなりヒマになったので、屋敷をひとりでうろついています。
ミケ
1d12 (1D12) > 12
ミケ
12:【安息の間】暗くて何も見えない。沢山の黒い箱が並んでいる。
GM
【安息の間】暗くて何も見えない。沢山の黒い箱が並んでいる。
ミケ
ミケは高機能家庭用アンドロイドのため、暗所での活動にも対応しています。
ミケ
目が光ります。
ミケ
ロービームとハイビームの切り替えも可能です。
GM
カズマが兄弟の様子を眺めた部屋に続く階段の、丁度玄関を挟んで反対側。
GM
同じように、地下に下りる階段があった。
ミケ
書き込み音を立てながら降りていきます。
GM
今、その引き戸は開いたままになっており、気が付けば入ることもあるだろう。
ミケ
するりと引き戸を開けて入り、……きょろきょろと辺りを見回す。
GM
見渡すのに多少首を動かす必要があるほどの広い部屋。
GM
そこに、等間隔に黒い長方形の箱が並んでいる。
ミケ
迷いなく大股で歩いていく。
ミケ
時々立ち止まっては周囲を見回し、黒い箱をまじまじと見つめる。
慢月
「…………おや?」
ミケ
声に反応して、ぐるりとそちらを向いた。
慢月
階段の横、丁度死角になるぶぶん。
後方から声をかける。
慢月
「ああ、戸が開けっぱなしだったね。」
ミケ
暗闇で目を発光させたアンドロイドが、微笑みを浮かべて慢月を見上げる
慢月
まぶしい。
ミケ
「我怎么帮你?(May I help you?)」
ミケ
多言語機能に対応しています。
慢月
「へぇ」
慢月
「話せるんだ。」
ミケ
「多言語機能に対応しており、ご選択いただけた言語での会話が可能です」
ミケ
「決定ボタンを……」
ミケ
首を傾げる。
慢月
「心月から聞いたよ。絡繰人形なんだってね。」
慢月
近づいていって、下から見上げる。
ミケ
「『ミケ』は高機能家庭用アンドロイドでございます」
慢月
「綺麗な顔」
ミケ
「あなたのための──孤独ではない、満たされた人生を保障します」
ミケ
「ありがとうございます」
ミケ
「『ミケ』は──」
ミケ
言葉が止まる。
慢月
「孤独でない、満たされた人生?」
ミケ
「はい」
ミケ
「孤独ではない、満たされた人生です」
ミケ
「あなたのために、最善を尽くして働きます」
慢月
「君は?」
慢月
「君は、それで満たされてる?」
ミケ
心月にも同じ質問をされたことを、このアンドロイドはもちろん記憶しているが、
ミケ
そのことに共通項を見出したり、興味を覚えたり、面白がったりしているかは──
ミケ
表情からは伝わってこない。
ミケ
「『ミケ』は、あなたのために働く限り、満たされています」
ミケ
同様の言葉を紡ぐ。
慢月
「ふぅん」
慢月
「じゃあ、手伝ってって言ったら手伝ってくれるの?」
ミケ
「ご用があれば、何でもお申し付けくださいませ」
慢月
「じゃあね……」
慢月
そう言って、慢月は階段から少し離れた箱へと近づく。
慢月
箱は石造りで、重い。
慢月
「これ、持てる?」
ミケ
「お任せください」
ミケ
請け負って、大股に近づいていく。均等な歩幅で。
ミケ
黒い箱に手をかけて、持ち上げるべく力を籠める。
ミケ
機械音。
慢月
「大丈夫?」
ミケ
「『ミケ』は最大で三百キログラムのものまで持ち上げることが可能です」
慢月
「へぇ……それはすごいね。」
慢月
「心月が来るのを待ってたんだけど、それならお願いできそうだ。」
ミケ
「どちらへお運びいたしますか?」
慢月
「御石の間」
慢月
「昨晩、鼠の亡者を処理したところだよ」
ミケ
「かしこまりました」
ミケ
「鼠駆除業者のアドレスを読み上げますか?」
慢月
「ふふ……大丈夫。」
慢月
「他にはどんなことができるの?」
ミケ
「『ミケ』は家庭用高機能ロボット。ご家庭で必要と思われる軽作業・重作業はなんでもお任せください」
ミケ
「『ミケ』の手に余るようでしたら、専門の業者にご連絡を……」
慢月
「それで、鼠は対象外なんだ」
慢月
階段を上がっていく。
慢月
手伝う事もしない。
ミケ
箱を持って、後ろをついていく。
ミケ
あなたが御石の間とは違う方へ向かうなら、このアンドロイドは箱を部屋まで運び、後ほど報告に戻ってくるだろう。
ミケ
表情は微笑んだまま、こゆるぎもしない。
慢月
扉を開けることくらいはするよ
ミケ
ありがとうございます。
GM
御石の間は綺麗に片付いており、昨晩の騒動のあともない。
慢月
「ミケ」
ミケ
「はい」
慢月
「そこにおいて」
ミケ
「かしこまりました」
ミケ
指示された場所へゆっくりと箱を下ろす。
慢月
置かれた箱の上に座る。
ミケ
姿勢を正して、あなたを見つめた。目はもう光っていない。
慢月
「君は人間だった頃とかはないんだよね」
ミケ
「V-2451-F "ミケ"は、統一規格で製作されたアンドロイド」
ミケ
「はい、あなたがた人間とは異なります」
ミケ
ユーザーが人間以外であることを想定していない受け答えだ。
慢月
「死体より、人間から遠いんだ」
ミケ
「すいません、おっしゃっている意味がよく分かりません」
慢月
「僕が、ここで君をばらばらにしようとしたら怒るかい?」
ミケ
「メンテナンスは専門の業者にお任せください」
ミケ
「あなたが『ミケ』をご自分でメンテナンスしようと思った場合は──」
ミケ
「サポートの対象外となる場合がございます」
慢月
「うーん……」
慢月
「ダメって事みたいだな」
慢月
「じゃあ……亡者は殺せる?」
ミケ
「…………」
ミケ
「『ミケ』は、家庭用高機能アンドロイド」
ミケ
「『亡者を殺す』は、機能に含まれてはおりません」
ミケ
「ですが、可能です」
ミケ
微笑んでいる。
GM
がりがり
GM
黒い箱の中から、蓋をひっかくような音が聞こえる。
ミケ
「ご用がありましたら、お申し付けくださいませ」
慢月
「じゃあ、開ける前にもう一つ質問なんだけど」
慢月
「君は人間の男じゃないよね?」
ミケ
「『ミケ』に性別は設定されておりません」
ミケ
「『ミケ』の音声設定を変更する場合は、メニューから変更を行ってください」
慢月
「男じゃなければいいよ」
慢月
「人間の男じゃなければね」
ミケ
「はい。『ミケ』は人間の男ではございません」
慢月
黒い箱から降りて、その蓋に指をかける。
慢月
「出てきたら殺して」
ミケ
「かしこまりました」
ミケ
「……」
ミケ
何かを書き込むような機械音。
GM
慢月が何事かを唱え、蓋を開くと
GM
ぶわりと、翼が広がる。
GM
そこに入るには大きすぎる体躯を持った半人半鳥の亡者。
ミケ
『ミケ』が手を伸ばす。
GM
人に似た頭から不可思議な歌が紡がれる。
ミケ
出てきた亡者の頭部をその手で鷲掴み、
ミケ
もう片方の手で鳥のそれに似た胴を掴むと、
ミケ
首を捥いだ。
GM
あっさりと
GM
それは事切れる。
ミケ
血がしぶく。
GM
腐ってはいない、新鮮な肉を保った亡者。
ミケ
『ミケ』は微笑んでいる。
ミケ
血の染みを抜くための手段としてオキシドールを勧めている。
GM
美しい、女の顔。
慢月
「ハルピュイア……っていうらしいね」
ミケ
手の中にある女の頭と目を合わせて、カメラの絞りが変わる音がする。
ミケ
「ハルピュイアとは、ギリシア神話に登場する女面鳥身の伝説の生物」
慢月
「ありがとう、ミケ」
ミケ
生首を手に持ったまま、微笑みを向ける。
ミケ
「ご用がありましたら、何でもお申し付けくださいませ」
ミケ
「『ミケ』は、家庭用高機能アンドロイド……」
慢月
「君は余計な事も言わず、役にたってくれるね」
ミケ
再び、手の中の生首に視線を落とした。
慢月
「ずっとここにいてほしいくらいだよ」
ミケ
「……『ミケ』はあなたのための、孤独ではない満たされた人生を保障します」
ミケ
「──」
心月
扉が開く。
そこに、心月がたっている。
ミケ
血塗れのアンドロイドが、あなたの方へ目を向けて、微笑んだ。
慢月
「終わっちゃった」
心月
「…………」
心月
「そう……ですか」
心月
「…………では」
心月
「あとは私が。」
慢月
「よろしく。」
慢月
「行こうか、ミケ。汚れを落としてあげよう。」
ミケ
「ありがとうございます」
慢月
「首はおいていくといい」
ミケ
「かしこまりました」
ミケ
箱と同じように、恭しく首をその場に置いた。
慢月
ミケを伴って部屋を後にする。
あとをついてくることを疑っていない。
ミケ
大股に、均等な足取りで慢月についていく。
GM
自分の役目だった。
GM
力仕事も、何かを殺すのも。
GM
『孤独ではない、満たされた人生』
GM
その言葉が、慢月と心月の心に重くのしかかる。
GM
雨は、一層強く。
ふり止む気配はない。
GM
イレネ
*『峠の姫』を抉ります。クエストの2番もチャレンジ。
慢月/心月
横槍します
[ 慢月/心月 ] HP : 13 → 12
慢月/心月
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
慢月/心月
ティーセットを使用します
慢月/心月
2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 10[6,4]+2 > 12 > 成功
慢月/心月
1d6 (1D6) > 3
慢月/心月
ヤリイカものせます
慢月/心月
5点で
イレネ
*ティーセット。
[ 慢月/心月 ] ティーセット : 2 → 1
[ 慢月/心月 ] ヤリイカ : 1 → 0
[ イレネ ] ティーセット : 1 → 0
[ イレネ ] ティーセット : 1 → 0
イレネ
2d6+2+2-5>=7 (2D6+2+2-5>=7) > 4[2,2]+2+2-5 > 3 > 失敗
イレネ
1d12 (1D12) > 4
GM
【廊下】長い長い廊下。雨の降る音が聞こえる。
イレネ
雨音を聞きながら、廊下を進む。
マッピングとは言わないが、それなりに屋敷の中を把握していくさなか。
慢月
「おや、君は。」
イレネ
「……ああ。どうも」
慢月
そこに、姿を見つけて歩み寄る。
慢月
「快適に過ごしてくれているかな?すまないね、客室として仕えそうな部屋がひとつしかないんだ。」
イレネ
「ずいぶん歓待してもらってると思ってるよ。ありがたいね」
イレネ
「あんたらは大変だろ、急な客三人抱えて」
慢月
「……ふふ、そんなことはないよ。」
慢月
「僕も心月も基本的に食事はいらないし」
慢月
「やることがあった方が、退屈しのぎに丁度いいんだ」
イレネ
「食事がいらない」 反復する。
イレネ
「そりゃあ……この国だと便利だな」
慢月
「うん」
慢月
「心月は死体だし……僕は不老不死ってやつらしい」
イレネ
「……へえ?」
慢月
「人間は好きだろう?不老不死」
イレネ
「好きなやつは多いな。マジで大枚を叩く馬鹿もいる」
慢月
「僕は妻にした女性からそれを賜ってね」
慢月
「…………」
慢月
「今、此処にはいないのだけれどね」
イレネ
「妻帯してんのか。……この国でか?」
慢月
「ああ、そうさ」
イレネ
「そりゃ大変だ。まあ、置いてきちまうのも大変だろうが」
慢月
「…………」
慢月
「亡者を見ただろう?」
イレネ
「ああ」
慢月
「あれは、『峠の姫』と言ってね」
慢月
「僕の妻は、あれに囚われているのさ」
イレネ
「……なるほど?」
イレネ
「……こう言っちゃなんだが、よく……死なずにいるな」
慢月
「ああ」
慢月
「彼女は、吸血鬼……だからね」
慢月
「上手くやっているんだと思うよ」
イレネ
「……それで、妻から賜った不老不死か」
慢月
「君は」
慢月
「君はうまくやっているのかい?」
イレネ
「あ?」
イレネ
「……上手く。上手くね。それなりにはな」
慢月
「元の世界には帰りたい?」
イレネ
「……どうかね。戻って歓迎してくれるやつがいねえわけじゃねえだろうが」
イレネ
「幸か不幸か、家族はもうねえし」
慢月
「君さえよければ、此処にとどまってもいいんだよ」
慢月
「雨が降り続くことを除けば、此処は快適だ。食事にも水にも困ることはない。」
イレネ
「お前」
イレネ
「三十日はどうしてるんだ。追い剥ぎ宿かい?」
イレネ
「そうすると、今の客は三人ってわけだが」
慢月
「困らない、とだけ答えようかな。」
慢月
「別に、君たちを殺そうとは思ってないさ」
イレネ
「ふうん……?」
イレネ
「そりゃお優しいこって」
慢月
「僕はただ、妻を取り戻したいだけ」
慢月
「今の話で気づいたかもしれないけど、この屋敷は彼女の力で保ってる」
慢月
「ここがこうして無事である限り、彼女は無事なんだ」
イレネ
「……協力しろとは言わねえのか。救世主が雁首揃えてるのに」
慢月
「試さなかったわけじゃない」
慢月
「…………協力したところで、君たちにはなんの恩恵もないしね」
慢月
「だけど、もし……もっと強くなって」
慢月
「気が向いたときに助けに来てもらうというのは、悪くない提案かもね」
イレネ
ふうん、と。
二、三度瞬いて。
イレネ
「欲がねえな」
イレネ
「まあ、勝手に手を出そうとは思わねえが」
イレネ
「妻か。……無事に済むといいな」
慢月
「……そうだね」
慢月
「きっと、大丈夫。」
慢月
「その為に、ずっと頑張ってきたんだからね」
慢月
「…………でも、欲がないとは言えないかも」
慢月
「僕は欲しいものの為ならなんだってするよ」
慢月
「なんだってね」
イレネ
「…………」
イレネ
「良いことだぜ。そういうやつのほうが、生きてられる」
慢月
「……ふふ」
慢月
「そうだ、今からちょっとした実験をするんだけど」
慢月
「よかったら、見においでよ」
慢月
「面白いものが見れるかもしれないよ」
イレネ
「実験?」
慢月
「玄関でね」
慢月
「それじゃ」
慢月
そう言うと、慢月は足を動かすのを再開する。
慢月
「20分くらいかな。」
慢月
「準備が終わったら始めるから」
イレネ
「……じゃ、お招きに預かりますかね」
イレネ
ふふ、と笑ってすれ違う。
イレネ
あとの二人も、見つかれば連れて行くか。
GM
ざあざあと雨が降り続いている
GM
雨を降らせている亡者
GM
亡者に囚われた女
GM
女に心奪われた男
GM
その因果は、未だ変わらずそこにある
GM
GM
*マスターシーン
GM
そうして20分ほどの時が過ぎ
GM
【玄関】玄関。靴を脱ぐような作りになっている。
GM
玄関の石の床に、火が炊かれている。
GM
煙は開け放たれた扉から外に
GM
雨の中に、もくもくと吸い込まれていく
慢月
慢月は両手でごわごわとした毛皮の衣服を抱え
心月
心月は火を焚いている
イレネ
壁際で腕を組み、薄い色の瞳がそれを見ている。
ミケ
火災報知機を設置する業者の電話番号を読み上げています。
カズマ
呼ばれたままに真っ直ぐそれを見ている。
慢月
「見に来たんだね」
イレネ
「せっかくのお招きだからな」
心月
「うまくいくといいのですが……」
ミケ
首を傾げている。
慢月
「今から、これを焼くのさ」
慢月
手に持っていた毛皮の衣を広げる
カズマ
「これはあのネズミの毛皮かな」
慢月
「そう。『火鼠の皮衣』をね」
ミケ
「火鼠とは、中国に伝わる妖怪の一種……」
心月
「ええ」
心月
「火鼠の皮で作った衣は、炎の中にあっても決して焼かれることはない」
心月
「それを、確かめるのです」
カズマ
「はたしてそんなものがあるんでしょうかね」
カズマ
独り言のように呟く。
イレネ
「さあな。ただまあ、この国じゃなんだってアリさ」
カズマ
「……いえ」
カズマ
「あとでお話ししましょう」
慢月
「確かめてみればわかるよ」
慢月
そう言って、衣を炎へ投げ入れる
慢月
「…………」
慢月
真剣なまなざし
GM
ぱちぱちと、燃える火にかけられた衣は。
GM
燃えることはない。
GM
火もまた消えることはなく、赤々と燃え続けている。
GM
焦げる臭いもなく、ただ
GM
それまでと同じように燃え続けている
イレネ
「へえ……」
ミケ
アスベストの発がん性について読み上げている。
慢月
「よし……よし!」
カズマ
「へえ……」
慢月
「『火鼠の皮衣』だ!」
慢月
心月に抱き着く。
慢月
「『火鼠の皮衣』だよ!」
心月
「…………」
心月
「…………そうですね。」
心月
慢月が離れてから、火に水をかける。
慢月
「あっただろう?」
慢月
カズマに目を向ける
カズマ
「ええ、驚きました」
慢月
「ふふ……」
慢月
「よかった……」
カズマ
「しかし、随分と喜ばれていますね」
カズマ
「『それ』がそんなにも欲しかったんですか?」
慢月
「うん」
慢月
「随分と手に入れるまで時間がかかったからね」
慢月
「あと3つ……」
慢月
「ふふふ……」
慢月
びしょびしょになった革衣を拾い上げて抱きしめ
慢月
「鳥はハズレだったけど……」
慢月
「明日は『龍』がでるといいな」
慢月
そう言うと、慢月は去っていく。
カズマ
「確かに、面白いものが見れましたね」
ミケ
「お掃除は必要ではございませんか?」
心月
「…………私が」
心月
「片付けますので」
ミケ
「かしこまりました」
カズマ
「ミケには僕から頼みたいことがあるよ」
ミケ
「はい」
ミケ
ぐるりとカズマの方を向く。
カズマ
「ちょっと昔話の一つでも聞かせてもらおうと思って」
ミケ
「『かぐや姫』ですか?」
カズマ
「そう」
心月
「…………」
イレネ
「かぐや姫?」
ミケ
「かしこまりました、『昔々ある所に竹取の翁というものがおりまして』……」
ミケ
いきなり話し始める。命令されたので。
カズマ
「火鼠の皮衣は、僕の国の昔話に出てくる――はやいはやい」
ミケ
音声がゆっくりになりました。
カズマ
「部屋でね」
カズマ
「そうじゃなくてな」
ミケ
黙りました。
カズマ
「ふー」
カズマ
「客室に戻ろう」
ミケ
「かしこまりました」
心月
「……何か必要なものがありましたら」
心月
「お申し付けください」
カズマ
「ありがとうございます」
カズマ
「あなたも良ければ、一緒に話を」
心月
それだけ言うと、片付けを始める。
心月
「私も……ですか?」
ミケ
微笑みが心月へ向けられる。
心月
「……では。片付けましたらお茶をいれて向かわせていただきます。」
カズマ
「では、是非」
カズマ
「みんなでお話を聞く会なんて、雨の日にぴったりじゃないですか」
イレネ
「お話、ねえ」
心月
「…………ふふ」
心月
「そう、ですね」
GM
開け放たれた扉の向こうは、枯草一本生えていない。
GM
水たまりからは白い煙がたち
GM
天へとのぼっていく
GM
扉がしっかりと閉ざされ、みえなくなっても
GM
死の雨は降り続いていた