お茶会 2ラウンド

2ラウンド 海獣

GM
お茶会2ラウンド
GM
PCの4手番目、スキュラの手番
海獣
*悪魔の『契約』を舐めにいきます。ここまでと同じく、癒えた状態の疵を増やすために抉られた『契約』ではなく、無傷の『傲慢』を舐めるかとも思われたが、このままだとセッション終了後に悪魔がエミリオに従わなければならなくなるため、『契約』を舐めることに。
GM
シーン表は使用しますか?
アロイムリムリール
でかしたげぼく
海獣
しますか
海獣
1d12 (1D12) > 7
海獣
また中庭か。
GM
7:『中庭』ガゼボと噴水がある。空は暗い。
アロイムリムリール
みんな傷ついたら中庭に来るのか?
海獣
ひとりになりやすい。
海獣
『裁判所』では仕事や呼び出し以外の時は奴隷たちも自由行動。
海獣
コイン5枚を受け取ってから翌日、男は悪魔の姿を探して建物の中を歩いていた。
アロイムリムリール
これまで良く部屋で惰眠を貪っていた悪魔は、ある日を境に一人でうろつくコトが増えたのだ。
海獣
堕落の国に堕ちてきてから。ナナギともそうだが、悪魔ともそう長い付き合いではない。
海獣
ナナギもそうだが、悪魔も悪魔でその在りようは分かりやすい。
海獣
なにせ、元の世界での自分がいかに偉大で強大な力を振るっていたかを、みずから喧伝してくれるので……
アロイムリムリール
それまでは海獣やナナギをからかって遊んでいた男が、突然そうしなくなったのだからわかりやすい。
海獣
何かあったのだろう。
海獣
ナナギや自分と同じように、悪魔も呼び出しを受けた。それからだ。
海獣
ナナギと違って悪魔が面倒なのは、彼の気性は見た通り傲慢で、プライドがそれはもう雲を衝き天よりも高いため、
海獣
格段に聞き出しづらいだろうということだ。
海獣
……ただ、悪魔の疵がどうなっているかも確認する必要があるだろう。
海獣
身に着け、隠した5枚の六ペンスコインの存在を感じる。
海獣
ハンスの30日ルールの期限、裁判が近いというのだから。
海獣
一通り屋敷の中を見て回り、中庭に通ずる廊下を通りがかる。
アロイムリムリール
悪魔が一匹。中庭の木陰に隠れるのが見える。
海獣
隠れるし。
海獣
ため息をついて、……気づかぬていでそちらへ近づいて行った。
海獣
「悪魔さん」
海獣
声をかけたのは、小声でも届くほどの距離になってからだ。
アロイムリムリール
「何だ」いつもどおり尊大な様子で、まるで今気づいたかのような顔で。
海獣
「お疲れ様です。何してらっしゃるんですか?」
アロイムリムリール
声を掛けてほしくないな~~~!!!!なんて思っていたのをおくびにも出さないように。
アロイムリムリール
「悪魔的散歩を……」
アロイムリムリール
屈辱に身悶えしていたなんて言いたくもない。
海獣
「それは大変けっこうなことです」
海獣
頷く。
海獣
さて、どうするか。
アロイムリムリール
「そういうお前は何をしている」
アロイムリムリール
何か用事があったのだろ~?だからどっかに行ってくれないか~?と思うが、顔には出さない。
海獣
「悪魔さんを探していました」
アロイムリムリール
出てるかもしれん……
アロイムリムリール
「何だ?我を讃えにきたか?」
海獣
このところのかれの言動。力を失ってからは特に、『頼まれたら』とか『望むなら』とか
海獣
そういう言い方が増えた。
海獣
力を喪って、あのハンスの命令に逆らえなくなって、怒り心頭であるわけなので……
海獣
自分に力がないことを認めたくなくて、相手に乞われている体を取っているのだろう。
海獣
「いえ、……『裁判』についてです」
アロイムリムリール
そのような考察をされているともつゆ知らず、フウ……このままでは我の力が讃えられ、白丸が着いてしまう心の疵を舐められると疵は癒えて○状態となる。達成値が上がったり、ダメージが上昇したりなどの恩恵が得られる。かもしれん……なんて顔をしている。
海獣
なので、ここで『何か困りごとはありませんか?』とか、『ハンスに呼ばれて何かあったのでは?』とか言ったら。
アロイムリムリール
「なんだつまらん まあ聞いてやるが」
海獣
それだけで傲慢に黒丸がつく心の疵を抉られると●状態となる。抉った相手からのダメージが上昇し、心の疵が両方●になったまま裁判に突入すると発狂・ひいては亡者化の危険もある。ほど疵つくかもしれない。
海獣
「ハンスは私たちに『お茶会』を仕掛けていますよね」
アロイムリムリール
悪魔との契約というものは得てして面倒なものである。
アロイムリムリール
「そうだな」
海獣
「悪趣味な戯れをしていると見せかけて」
海獣
「私たちの心の疵を探り、傷つけようとしている。…もちろん、悪趣味もあると思いますけど」
アロイムリムリール
「おう、そうだなあ」心の疵どころか心臓を探られた悪魔だ。
海獣
悪魔さんはもちろん、そんなにうかつに抉られたりはしないと思いますが……とかおためごかしを言おうと思いましたが、逆に傷つきそうなのでやめました。
アロイムリムリール
悪魔というものは得てして面倒なものである。
海獣
「裁判に勝つために、できることはしておきたいのです」
海獣
「そのために、何か私にできることがあったら、叡智をご教授いただけませんか」
アロイムリムリール
「ふむふむ、よい心がけではないか。ヒトのわりには……」
アロイムリムリール
「…………」
海獣
*舐めますか
アロイムリムリール
*そうですね
海獣
*ティーセットを使用。
海獣
2d6+3+2=>7 判定(+才覚) (2D6+3+2>=7) > 6[5,1]+3+2 > 11 > 成功
GM
成功です
[ 海獣 ] ティーセット : 2 → 1
アロイムリムリール
「………………………………」
[ アロイムリムリール ] 契約 : -1 → 0
アロイムリムリール
Now loading...
海獣
「……………」
ナナギ
くるくる…
アロイムリムリール
「ナナギのケアとか……」フワ……
アロイムリムリール
悪魔は嘘をつくことができぬ。悪魔が嘘をつくことができないという話があるが、例えばゴエティアの悪魔であるフラウロスは三角の魔法陣の中にいないと嘘しかつかず、かのメフィストフェレスの名の語源には『嘘つき』が含まれるという説もある。人間如きに嘘を弄することができないのはプライドが高い一部の悪魔の縛りプレー生態なのかもしれない。
海獣
うんうん、と肯く。次を促すしぐさ。
アロイムリムリール
しかし誤魔化すことはできる。
アロイムリムリール
「したらいいんじゃ、ナイカナ……?」
海獣
「ほかには、何かありませんか?」
アロイムリムリール
「……………………」
海獣
なので、誤魔化せなくなるまで追い詰めることが肝要になる。
アロイムリムリール
ないと、言えない!
海獣
答えたくない、と突っぱねることはできるだろうが……
海獣
それは……悪魔のプライドが許すかな……?!
アロイムリムリール
それは叡智を授けられなかった、として悪魔の決定的敗北となるのだ。
アロイムリムリール
古今東西負けた悪魔は周りに指を刺されて爆笑されるという風習その間抜けぶりをまとめブログに掲載されたりするらしい。悪魔に笑いものにされることを避けるために自らの身体を引き裂いて真っ二つになった小人もいる。がある。
海獣
そんな風習は男は知らないのだが。
アロイムリムリール
あのクソクソクソ金髪にされたコトをどうにかする方法が……なきにしもあらずなのだが……
アロイムリムリール
しかし、心臓をまた他人に晒すという恥辱を、非常sy……仲間相手にするのか?
アロイムリムリール
「……」
アロイムリムリール
わ、我が低級悪魔みたいなことを……
海獣
「……コインがあるとは言え、ハンスは戦い慣れた救世主でしょう」
海獣
「しかし、悪魔さんのお知恵があれば……勝てる」
海獣
「私はそう信じているのです」
アロイムリムリール
「…………無きにしも、あらず…………」
海獣
「と、言いますと……?」
アロイムリムリール
「…………ちょっと目を閉じよ!」
海獣
「え。」
海獣
閉じた。
アロイムリムリール
パカッ
アロイムリムリール
ぞりっ
アロイムリムリール
胸元しまいしまい
海獣
なんか金属の擦れるような音がするな……
アロイムリムリール
「開けてよし」
海獣
「はい、ありがとうございます」
アロイムリムリール
片手で腕を隠しながら手に赤い……やたらと長い鎖のざらざら着いた本を持っている。
海獣
「…………」
海獣
本が……鎖で……悪魔さんの身体につながっているように見えるな…………
アロイムリムリール
「この本はヤバいブックであり……この本のな……」自動的にペラペラめくれるページ。出される白紙。
海獣
「はい」
アロイムリムリール
「このページにだな……」視線から逃げる鎖。
海獣
「ふむ」
海獣
目で追わないように気を付けつつ、白いページに目を落としている。
海獣
さすがにこれが相手の心臓だとは想像できない。
アロイムリムリール
「おまえの名前と……『←のページの奴の命令に優先する。命令内容については、甲はそれを拒否してもよい。代償として肉体を支払う。』と書くのだ」
アロイムリムリール
鎖がおもっくそ胸元から出ているが、もともとそういう服だが……?みたいな顔をしている。
海獣
「承知しました」
アロイムリムリール
やったあ
海獣
差し出されたページに触れる。
アロイムリムリール
「これで全てうまくいくぞ。タッチペン方式なので指で書けるから」
アロイムリムリール
「うっ慎重に触れよ」
海獣
「は、はあ」
海獣
指で触れて、恐る恐る指先を走らせようとして、止まる。
海獣
名前…………………………………?
アロイムリムリール
心臓を持たれるのはやっぱりなんか落ち着かないので髪がうねうねしている。
海獣
硬直している。名前がないので。
アロイムリムリール
「あっなんじゃお前 え~と一番呼ばれてる名前でいいぞ」
海獣
「あっ、いいんですね」
海獣
海獣に間を空けることの、一五七七九と書きました。
アロイムリムリール
「悪魔との契約はわりとファジーでもいいからの」
海獣
そのあとに、最後の一文だけしれっと除いて記載する。
アロイムリムリール
もっともファジーにすればするほど反則がまかりとおるんだが……
海獣
「書けました」
アロイムリムリール
「よしよし、じゃあまた目を閉じよ」
海獣
「はい」
海獣
目を閉じた。
アロイムリムリール
ぎゅるん
アロイムリムリール
パクッ
アロイムリムリール
これでいざとなったらあの金髪を……
アロイムリムリール
「あっお前これ最後の部分!」
アロイムリムリール
「書いてないだろ!!!」
海獣
「問題ありますか」
アロイムリムリール
「我また無償契約させられてる!!!!」
アロイムリムリール
「またって言っちゃった!!!」
海獣
無償契約させられたんだなあ、と思っています。
アロイムリムリール
「今の言葉忘れよ!!!!」
海獣
「はい、忘れます」
アロイムリムリール
よい……みたいな顔をしています。
海獣
悪魔と違って、私は嘘をつけるんだなあ。
アロイムリムリール
悪魔は使いやすい時もある。
アロイムリムリール
その事を蒸し返すようなら脳を食えばいいのだ。
海獣
脳を……
海獣
「ほかには、何かありますか?」
アロイムリムリール
「そうだな、もっと我を褒め称えるとか……」
アロイムリムリール
白丸がつくぐらい我を……
海獣
もう手番終わっちゃいました。
アロイムリムリール
 
海獣
「悪魔さんのおかげで、裁判に勝てそうな気がしてきました」
海獣
「ナナギにも、悪魔さんをたくさん讃えるように言っておきます」
アロイムリムリール
「そうだそれでよい」
ナナギ
任せろ
アロイムリムリール
「ウムウム」
海獣
「お散歩中にありがとうございます」
アロイムリムリール
「よい、許す」
アロイムリムリール
保険の契約のおかげで……悪魔もどうやら平時の調子を取り戻せたようです。
海獣
よかったよかった。
アロイムリムリール
それこそ裁判が終わった後に連れていくと言われれば、ついていかざるを得ないわけだったので。
アロイムリムリール
あとはこの男がそれを打ち消すような指令を出せば自分は大手を振って逆らえるのだから!
海獣
悪魔の様子を見て、内心ホッと胸を撫で下ろす。
海獣
前のページは見ていないが、あのハンスに無償契約を結ばされたのだったら、
海獣
裁判はもうめちゃくちゃだったはずだ。
海獣
……さすがにその時は、悪魔さんも言うか?
アロイムリムリール
何をするな、何をさせろ、という部分で細かい内容を定めていないが……まあこの男は悪用しないだろう、と踏んだ。この本が何かも多分解っていないだろうし……
海獣
契約って思いっきり言っちゃってますが……
アロイムリムリール
ただのけいやくしょだし……
アロイムリムリール
まあ守らないと五体が裂けて死ぬが……
海獣
たいへんだ
海獣
そんなものに名前を記載したとは知らず、男は悪魔の調子が戻ったのを見て安心している。
海獣
「裁判では、どうぞよろしくお願いします。悪魔さんがいなければ、私たちは勝てませんから」
アロイムリムリール
「ウム、そうだろうそうだろう」
海獣
これは嘘ではない。ナナギも自分も、相手を打ち倒す能力には欠けている。
アロイムリムリール
この悪魔がこの国に堕ちて残ったのは、僅かな暴力だ。
海獣
ほとんどの力が失われたあなた、それを認めず元の力に固執するあなた。
海獣
しかし、そのわずか残った力に頼るものたちがいる。
海獣
「それじゃあ、私はこれで」
アロイムリムリール
「うむ」
海獣
「また、何かあったr……」
海獣
「いえ、何か私に叡智を授けてくださるおつもりがあれば、その時はお願いいたします」
アロイムリムリール
"礼儀"を持つその様は昔を呼び起こさせ、見ていて悪い気がしない。
海獣
ちょっとわざとらしかったかもな、とチラッと思ったけれど、悪魔さんは良いらしい。
アロイムリムリール
「よかろう」媚びれば媚びるほどよいのだ。
海獣
頭を下げて、男はあなたの前から立ち去った。
アロイムリムリール
男が去ったのを確認してから、胸を撫で下ろす。
アロイムリムリール
不快な名は刻まれているが……今は幾ばくかマシになった。
GM
誰しもが秘密を抱えている。
GM
知られたくないこと、知られてはいけないこと。
GM
そこに、踏み込む覚悟はあっただろうか。
GM
信頼はあっただろうか。
GM

2ラウンド PKその4

GM
PKの4手番目
ハンス
ナナギの疵を抉ります
ナナギ
あっっっっっ?!
アロイムリムリール
ナナギちゃん♡
ナナギ
たすけて♡
アロイムリムリール
でもティーセットあと1つだよ♡
ナナギ
あらやだ♡
アロイムリムリール
行けたら行くわ(1日ぶり2度目)
ナナギ
うぃっす!
GM
わくわくシーン表タイム
ハンス
1d12 (1D12) > 5
GM
5:『遊戯室』遊ぶものがそろっている。
ナナギ
わぁ〜〜〜
GM
しばらくして
GM
ナナギは遊戯室へと呼び出しを受ける。
GM
ガラスのテーブルの下には白い毛皮の敷物。
ナナギ
ーーー大丈夫、ナナギは今頑張るナナギ…
ナナギ
「・・・・・・・」
ナナギ
「・・・・・・・・・・・・・・」
ナナギ
やばい
ハンス
ハンスはソファに腰掛け、テーブルにカードを並べている。
イスカス
その後方にはイスカス。
ノワール
ハンスの隣に腰掛けるのはノワール
ナナギ
「あ、きました…ょ」小さい声
ハンス
「やぁ、来たね」
ハンス
「座って構わないよ」
ハンス
向かい側の椅子を勧める。
ナナギ
「は、はぃ…」
ナナギ
敷物には足を乗せぬよう、椅子によじ登ろうとする
ナナギ
気合いだ、気合いでよじ登れ
ハンス
「ゲームは好きかな?」
ナナギ
「す、好きです…」
ナナギ
ゲームは好きだ、でも…相手によるよ…
ナナギ
こわいぜ
ハンス
「じゃ、このカードの相手を頼もうかな」
ハンス
混ぜて並べたカード。
ナナギ
すぅ…、と息を吸う
ナナギ
「はい」
ハンス
「ここに並べたカードの中から、同じものをめくったらとれる」
ハンス
「違うカードなら戻す」
ハンス
「簡単だろう?」
ナナギ
こくこく、と頷く
ナナギ
このゲームは、知っている!
ナナギ
ナナギは記憶力に自信が…、別にないが
ハンス
「じゃ、ナナギからだ」
ナナギ
先ほどのように命の選択をさせられるわけじゃない、いける…!(何が?)
ナナギ
「で、では…」
一枚をめくり、そして…もう一枚。
ナナギ
このゲームは、めくられた絵柄を覚えていくものだ。だから最初は当たらなくてもしょうがない。
ハンス
こちらも、めくり、もう一枚。
ハンス
そうして、ゲームを続けていくうちに運と記憶力でカードが揃っていくものだ。
ハンス
「ところで……」
ハンス
「この敷物は気に入ったかな?」
ナナギ
「…え」めくろうとしていた手が止まる
ハンス
「敷物屋の仕事が早くて助かるよ」
ナナギ
「…えっと」視線が泳ぐ、思考がおかしくなる
ハンス
「ほら、先日選んでもらっただろう?」
ハンス
「気に入ったかな?」
ナナギ
わかっている。今足元にある敷物は、あの時の"狼男"のものだ。
ナナギ
踏まなかったからなんだと言うのだ。彼が敷物になってしまったことに変わりはない。
ナナギ
「…良さはわから、ない。ナナギは、別に…詳しくないから」ぽつりぽつりと、言葉をこぼす
ハンス
「ほう」
ハンス
イスカスを振り返り
ハンス
「どうやら気に入らないらしい」
イスカス
「…………」
ハンス
「いい出来だと思ったんだけどね……やっぱり」
ハンス
「全部敷物にしてから試すべきだったかな」
ナナギ
ごん、と机を軽く叩く。
ナナギ
「次、どうぞ」
ハンス
「ああ、そうしよう」
ハンス
ハンスの記憶力は良い方ではない。
ハンス
それでも、いくらかは当て、大体は外す。
ナナギ
だが、こうも思考を揺さぶられてしまうと…ナナギの方も当てるのが難しくなる。
ハンス
「せっかく選んでもらったが……仕方がないね」
ハンス
「気に入らないなら、仕方がない」
ナナギ
「………何が」
ナナギ
「でしょうか」
ハンス
靴で敷物を踏む。
ハンス
「これさ」
ナナギ
カードをめくる
ハンス
「新しいのを作らせるよ」
ハンス
「柔らかいのがいいと思ったけれど」
ハンス
「そうだな……あの、入れ墨。」
ハンス
「あれを敷くのもいいかもしれないね」
ハンス
「君と一緒に来た、ほら」
ハンス
*ナナギの疵『嘘偽り』を猟奇で抉ります
ナナギ
「………」カードをめくる、同じカードだ
海獣
*横槍するか
海獣
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
海獣
愛ィ?愛の横槍に嫌な思い出があるPL。
ナナギ
愛♡
アロイムリムリール
愛あります?
海獣
愛ないっすねえ
海獣
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 10[6,4]+3 > 13 > 成功
海獣
海獣
間違えた
海獣
でも成功です
アロイムリムリール
たけえんだわ
ナナギ
愛、あった
アロイムリムリール
成功だった
GM
10で成功ですので
GM
効果量を
海獣
1d6 (1D6) > 6
ナナギ
!?
海獣
ナナギ
実は愛型?
ハンス
ティーセットは次に回そうかな
ハンス
2d6+2-6>=7 猟奇 (2D6+2-6>=7) > 6[2,4]+2-6 > 2 > 失敗
ハンス
「ノワール」
ノワール
「はーい」
ハンス
「スキュラを呼んできてくれないか」
ノワール
「わかりましたー」
GM
そうして、男は呼び出される。
海獣
従わない選択肢はない。
海獣
男はなぜ呼び出されたのかも知らぬまま、遊戯室へとやってくる。
ハンス
「やぁ」
ハンス
「ちょっと上を脱いでみてくれないか?」
海獣
並んだトランプを挟むナナギの方へ一瞬目をやるけれど、すぐにハンスへ視線を戻す。
海獣
「……かしこまりました」
ナナギ
「………」
ちらりとスキュラの方を見る
ハンス
ナナギへ視線を移し
海獣
男は言われたとおりに服を脱ぐ。
ハンス
「どうかな」
海獣
……あなたの頭に。
海獣
男の言葉が蘇る。
ハンス
「なかなか珍しいものだと思うのだけど」
海獣
──ナナギが何を言って、何を選んだところで……
海獣
──ハンスはもしかしたら、その言葉を聞いたり、影響を受けた風に振る舞うかもしれないけど──
海獣
──ただ、ナナギが苦しむのを面白がってただけだよ。
ナナギ
すきゅらを見て、心を落ち着かせる
ナナギ
「そうかも、確かに珍しい」
海獣
ナナギの言葉を聞いて、わずかに男は身をこわばらせたけれど、その目に動揺はなかった。
ナナギ
「で、ナナギに選んでもらいたいの?」
ナナギ
「ナナギの答えを、聞きたいの?」
ハンス
「ああ」
ナナギ
カードに、手を伸ばす
ナナギ
「…あんまり」
ナナギ
「あんまり悩んだり、人に聞いてばかりだと…」
ナナギ
「負けるよ?」
カードをめくる、揃う
ナナギ
「さっきから」
カードをめくる
ナナギ
「あんまり考えてない」
めくる、揃う
ハンス
「ふふ……」
ナナギ
「カードも、敷物も…他のことも」
ナナギ
「自分で考えてない。なんで?」
ハンス
考えていない。
ハンス
否、考えられないのだ。
ハンス
「…………」
ハンス
何がよく、何が悪いのか。
何が好まれ、喜ばれ、尊ばれるのか。
ハンス
この男には判断がつかない。
ナナギ
「この前のナナギも考えてなかった。だから負けた…」
ナナギ
「でも、頼ってくれる人もいて…ナナギは必要とされている」
ナナギ
「なら」
カードに手を伸ばす
ナナギ
「ナナギは考える」
ナナギ
「たくさん考える」
めくる、揃う
ハンス
「…………」
ナナギ
そして、最後のカードが揃い…
ナナギ
ーーーあっ、勝ってしまった
ハンス
手近にあったノワールの頭を掴み、テーブルに叩きつける。
ナナギ
ーーーこういうのは媚を売った方がうんたらかんたら…
海獣
無理しなくていいよ。嘘嫌いだろ?
ナナギ
「!?」
ナナギ
わざと負けるのは情けから!嘘ではない!(多分
海獣
「……あの」
ハンス
舞い上がるカードは既になく、テーブルにノワールの血痕が広がる。
海獣
ノワールに追撃が加わる前に、男は声を上げた。
海獣
「私は、このままの方がいいですか?」
ノワール
顔を上げた少女は額から血を流しながら、ケロリとしている。
海獣
奇しくも、最初に呼ばれた悪魔がハンスをやり込めた時と、状況は似ている。
ハンス
「ん……?」
海獣
腹いせでナナギを傷つけたところで、男を敷物にしたところで。
ハンス
「ああ、そうだね……」
海獣
ハンスが負けた事実は消せはしない。
ハンス
不快感と苛立ち。
海獣
男は刺青に似た紋様を晒したまま、突っ立っている。
海獣
ただその顔に、恐怖心はなかった。
ハンス
隠そうともしない、いや、隠すことが出来ない。
海獣
ナナギがそこで負けずに、頑張っている。
ナナギ
ナナギは黙って、男を見つめる
ハンス
「イスカス」
イスカス
「はい」
ハンス
「部屋に」
イスカス
「かしこまりました」
ハンス
そう告げると、他に言葉を残さずに部屋を出る。
ハンス
そこに愉悦はなく、何かに怯えさえするように。
イスカス
「…………」
海獣
謝るかどうかを考えて、やめた。
イスカス
ノワールの額に手をあて、傷を癒やす。
ナナギ
「…やりすぎた」
イスカス
「ご自身を大事にしてください」
海獣
「ああ……何とかなるさ」
ナナギ
「ん」
と言ってノワールの頭を撫で
イスカス
「では、遅れると『荒れる』ので」
ナナギ
ぺこりとイスカスにお辞儀する
イスカス
頭を下げて、主人のあとに続く。
海獣
それを見送ってから、シャツを羽織った。
ナナギ
「・・・・・」
ナナギ
「・・・・・・・・・・」
海獣
「…………」
ナナギ
「・・・・・・・・・・・・・・・すん」
海獣
えっ。
ナナギ
ぽてん、と倒れる
ナナギ
緊張が解けて、へなへな
海獣
「ナナギ、お疲れ様」
ナナギ
「うむ…」ぐでーん
海獣
歩み寄って、ぽんぽんと肩を叩く。
ナナギ
「ナナギは、がんばります」
海獣
「うん、がんばろう」
海獣
遊戯場の床には、わずかに土で汚れた真っ白な敷物。
ナナギ
じっと、その敷物を見つめ
ナナギ
優しく、その上に足を下ろす
ナナギ
そのまま、手を伸ばして…敷物に触れる
GM
柔らかな白い毛が指先を包む。
海獣
狼男。死を望んだイスカスの恋人。
海獣
……どうも自分は、その代わりの敷物にされそうになっていたらしい。
ナナギ
「うん、大丈夫」
嘘ではない、大丈夫だ
海獣
「うん」
海獣
その横顔を覗き込んで、男は頷いた。
海獣
「ハンス様の用事はもう終わりだろう。部屋に戻ろう」
ナナギ
「うん」
海獣
手を差し伸べた。
ナナギ
その手を握る
GM
その手に力がなかったとしても。
GM
折れない心さえ持つことが出来たのなら
GM
言葉は矢となり、剣となり
GM
硬い鎧を貫かずとも、弱い心を貫けるのだろう
[ 海獣 ] HP : 15 → 14

2ラウンド ナナギ

GM
PC5手番目、ナナギの手番
GM
シーン表必要ならどうぞ
ナナギ
1d12 (1D12) > 8
GM
8:『洗濯室』流れる水路と洗濯板、桶。
ナナギ
ざばざば
GM
堕落の国にあって、この街は水に困ることがない
アロイムリムリール
じゃあそこに居ますか、アロ太郎。
GM
故に、使用されていないときにでも水路には水が流れ続けている。
アロイムリムリール
贅沢に掛け流しされている水の前に立ち、男が何かを洗っている。
ナナギ
わっちゃかわっちゃか、そこにナナギは洗濯物を抱えて走ってくる
アロイムリムリール
洗ったそれをぱっぱと振るい、脇の棚に置き……
ナナギ
「覚悟するんだな、汚れども」
カゴを置く
アロイムリムリール
振り返り、ナナギを見て、このような顔をした。
ナナギ
「!?」
ナナギ
突然の顔芸に、驚きのナナギ!!
ナナギ
「良い顔だった、60点」
アロイムリムリール
胸元に鎖のアクセが増えた男が、ギャアッて顔をしている。
アロイムリムリール
「600点であろうそこは」
ナナギ
「なんか胸から生えてる!!!!!」
アロイムリムリール
棚には本のような物体が……
アロイムリムリール
「おしゃれ要素だ!!!!!!」
アロイムリムリール
嘘ではない。(悪魔から言えば)おしゃれではあるからだ。
ナナギ
「たしかにかっこいい」
ナナギ
「見せて見せて」近寄る
アロイムリムリール
「やめい!動くのをやめい!」
ナナギ
「動くのを?!」
アロイムリムリール
鎖がジャリジャリ言わないように制限された動きでナナギを静止する!
アロイムリムリール
「それ以上近寄ると……」
ナナギ
「近寄ると…」
アロイムリムリール
「(我が)ひどい目にあう!!!」
ナナギ
「なん…だと!?」
アロイムリムリール
「(我が)おそろしいめにあう!!!」
ナナギ
「おそろしいめ!!!」
アロイムリムリール
悪魔は嘘をつけないが……誤魔化すことはできる!
ナナギ
「こう、あれか?具合的なあれ的には、こう、どんな?」お手手わちゃわちゃ
アロイムリムリール
「それはもう、このよの終わりのような……」抽象的にもほどがある。
ナナギ
「なんてことだ…!!!」
アロイムリムリール
物陰に隠れようと、開かれた本がじんわり動いている。
アロイムリムリール
「もう、全てがめちゃくちゃに……」
ナナギ
「と、止まれあくま!!!そこに何かがいる!!!」
動いてる本あたりを指差す
アロイムリムリール
「ア"~~~~ッ!!!!」
ナナギ
「この世の終わり的なあれかもしれない!!!」
アロイムリムリール
「ア"~~~~~~ッ!!」それです!
ナナギ
「あ、あくま!?」
ナナギ
「だ、大丈夫かあくまぁーーー!!!」
アロイムリムリール
「ウオオオオーーッそれ以上ッ我に!!近づくなァ~~~~ッ!!!」
ナナギ
思わず駆け出す、あくまに近づく!だって心配!!!
ナナギ
ずだだだだっ
アロイムリムリール
こんにちは
アロイムリムリール
びしょ濡れの本が見えます。
アロイムリムリール
歩こうとして中途半端に開かれた本が物陰にあります。
ナナギ
「こ、これは…もしや………!」
ナナギ
判定にいくか
アロイムリムリール
オウイエ
GM
宣言と判定をどうぞ
ナナギ
*悪魔太郎の疵、「契約」を「愛」で舐めます
GM
どうぞ
ナナギ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 9[3,6]+3 > 12 > 成功
[ アロイムリムリール ] 契約 : 0 → 1
ナナギ
がっつぽーず
アロイムリムリール
ギャアーーッ!!これで『契約』の疵には、ハンス、海獣、ナナギの名前が記載されることになった。
自分以外のすべてのキャラの名前が記載された疵を卒業アルバムと言うとか言わないとか。
ナナギ
「もしや、これは…!!!」
アロイムリムリール
本です!
ナナギ
「本!!!」
アロイムリムリール
しかも……触ったところに文字が書ける!
アロイムリムリール
ペンが無くてもかけるぞ、べんりだね!
ナナギ
「こうみえてナナギ…、文字を知っている」
アロイムリムリール
「えらい!」
ナナギ
「いいか、あくま」
ナナギ
「『ナナギ』というのは、こう書く」
つつー、と本に名前を書いていく
アロイムリムリール
「やめろよ!それに名前を書いたり……アアーーーッ!!!」
ナナギ
「あまりの驚きよう…、さすがのナナギも照れる」
アロイムリムリール
「クソッ!!!そこはまだいい……いいか!我にさせたいコトとかをそれに書いたりするんじゃないぞ!!!」
アロイムリムリール
「やっちゃうから!!!」
ナナギ
「え?」そわ…
ナナギ
「え???」そわっそわっ
アロイムリムリール
「ギャアーーーッ!!!!」
ナナギ
『あくま、踊る』書き書き
アロイムリムリール
「しかし私は現在コインが無く、力の大半を世界によって制限されているために効能には限界があり」真顔で説明しながらコサックダンスを踊る。
アロイムリムリール
「グワアーーーーッ!!!翻訳技能が~~~~ッ!!!」
アロイムリムリール
ノリノリで踊りながら苦しんでいる。
ナナギ
「すごいぞあくま!!!見事な踊りだ…」
ナナギ
「ナナギには到底できそうにない…!」くっ
アロイムリムリール
「そうであろう!?踊り止めていい!?」
ナナギ
「いいよ」
アロイムリムリール
鎖がじゃりんじゃりん鳴る。
アロイムリムリール
止まった。
ナナギ
「あくま、やはり只者ではないと思っていた…」
アロイムリムリール
「も、もう満足しただろう!さあ~その本を返しましょうね~!!」
ナナギ
「ちなみに…」
ナナギ
『あくま、洗濯をする』書き込む
ナナギ
「とかどうだ!」
アロイムリムリール
なんということでしょう!悪魔はゴキゲンで洗濯をはじめました!
アロイムリムリール
「オギャアーーーッ!!!!」
ナナギ
「こ、この汚れも落とせるのかあくま!!!」
ナナギ
「もしや、天才…?!」
アロイムリムリール
「我に落とせぬ汚れなどないが!!!!」
ナナギ
「やるな…」
アロイムリムリール
「グワアーーッなまじ魔法の粉があるばかりに我の叡智と結合して全ての汚れが落とせてしまうーーーっ!!!」
アロイムリムリール
スパァン!白さを取り戻したシーツが皺を伸ばされます!
ナナギ
「説明すらも完璧…」
ナナギ
「ありがとうあくま、ナナギの仕事おわった」
アロイムリムリール
「どういたしまして至極恐悦ーーーっ!!」
ナナギ
「じゃ、最後ね」
ナナギ
本に指を滑らせる
アロイムリムリール
(こやつの欲望……底なしなのかーーっ!?)
ナナギ
「『あくまは、つよい、すごい、天才。ナナギは、大満足』…っと」
ナナギ
「よし」本を閉じる
アロイムリムリール
「!」
ナナギ
「ありがとうあくま、楽しかった」本をあくまに返す
アロイムリムリール
「……どういたしまして」
アロイムリムリール
するするぱっくん。本は胸元にすっとしまわれる。
ナナギ
「!?」
アロイムリムリール
「実はここは収納になっているのだ、ナイショであるぞ」
ナナギ
「あくまも、体が柱時計だったのか…なるほどな」
アロイムリムリール
文章を肋骨の内側で確かめながら……なるほどこれはこれは、なかなかよい命令である、とほくそ笑みました。
アロイムリムリール
「フッ、地元であればミリ秒まで精確な時を示せたのだが……」
ナナギ
「…ナナギも、体の中に本しまおうかな」
ナナギ
「かっこいいし」
アロイムリムリール
「歩くのが重くならん程度にするとよい」
ナナギ
「そうするー」
アロイムリムリール
あと本の表紙にこいつの本名が書かれているけど……ナナギはそれを覚えてもよいし覚えなくてもよい。
ナナギ
覚えても呼ばない、なぜなら長いから
アロイムリムリール
「さあ洗濯物も終わったのなら。こんな所に我もおまえも用はない、さっさと戻って惰眠を貪ってやろうではないか」
ナナギ
「ふっ…悪い子だな、あくま」
アロイムリムリール
「左様、悪魔であるのでな」
ナナギ
「たしかに!?」
ナナギ
「なら、ナナギも今日はあくまになろう。少しだけ」
アロイムリムリール
「それでこそナナギ様でございま~す」
ナナギ
「うむ、くるしいな」
アロイムリムリール
「くるしゅうございますな~」
ナナギ
「ではあれじゃ、あくまよ」
ナナギ
「なんか、こう、良きようにせよ」
アロイムリムリール
「ハハーッありがたき幸せ~」
ナナギ
そう言って洗濯カゴを持つ
アロイムリムリール
(認めたくはないが名前を書かれてしまった以上一時的にとはいえ)主をほめそやしながら、洗濯カゴを取り上げる。
アロイムリムリール
「洗濯は帰るまでが洗濯でございますので」
ナナギ
「お、持ってくれるのか?ありがと、あくま」
アロイムリムリール
「なぜなら悪魔のほうが腕が長く……強いからですね!」
ナナギ
「さすがあくま…、頼りにしているぞ」
ナナギ
エア髭をふさふさ
アロイムリムリール
「ハハーッ」
GM
人の欲望は果てがない。
GM
権力、富、名声。
GM
必要なだけは欲しいだけに
ちょっとだけは飽きるまでに
GM
無邪気な子供、無垢な子供
GM
ほんの少し、小さな願いは、
彼の救いとなるのだろうか

2ラウンド PKその5

GM
1d12 (1D12) > 3
ハンス
*スキュラの疵を抉ります
GM
3:『救世主たちの部屋』救世主たちがそれぞれ与えられた部屋。
GM
2人が洗濯室でやり取りをしているときのことだ。
GM
扉の前で、誰かの倒れる音が聞こえる。
海獣
「!」
海獣
立ち上がる。悪魔かナナギのどちらかではないか、と思ったのだ。
海獣
そっと扉を開け
海獣
廊下に誰がいるかを確認する。
イスカス
「…………っ」
イスカス
そこにいたのは、イスカス。
海獣
さっき部屋に呼び出されて……
イスカス
乱れた服に、赤い血の跡。
海獣
何が起こったか、考えるまでもない。
海獣
「大丈夫ですか」
イスカス
足は魚のような尾びれになっている。
イスカス
否、戻っている。
海獣
人魚のイスカス。
海獣
その歯が悪魔のように鋭かったことを思い出し、男は肩に手を置いた。
イスカス
「これは……申し訳ありません、お見苦しいところを」
海獣
「いえ、……何かお手伝いできることは?」
イスカス
口元を押さえて話すその発音は、どこか不自然だ。
イスカス
腕をついて、伸び上がるように
海獣
もう生え揃っているだろう?というハンスの声が耳に蘇る。
海獣
「とりあえず、部屋に」
海獣
助け起こし、部屋の中へ引っ張り込む。
イスカス
「あっ」
イスカス
つ、と滑るように引っ張り込まれる。
海獣
この男は確か、ナナギと同じ癒しの力を持っていたはずだが。
イスカス
「ご迷惑をおかけします」
海獣
「いえ、少しぐらいなら手当できます」
イスカス
「いえ……少し休めれば、自分でもなんとか」
海獣
「……はい」
イスカス
「…………」
海獣
自分のベッドに寝かせる。
イスカス
「汚れてしまいますよ」
海獣
「お構いなく」
海獣
その視線は尾鰭に向いている。
イスカス
助けてもらいながらベッドの上に腕の力であがり、瞬く。
イスカス
「驚かせてしまいましたか?」
海獣
「……いえ」
海獣
「あなたが『人魚』だという話は、伺っていましたので」
海獣
人間の脚から、魚の鱗に包まれた尾へと。
海獣
『戻った』という風には男は捉えない。
イスカス
イスカスの尾は、少しざらついている。
イスカス
サメ、との言葉通り。
海獣
「……」
イスカス
「…………」
海獣
五枚のコインを得て、印がわずかに疼くのを感じ、男は眉根を寄せる。
イスカス
じ、と。その顔をしばらく見て。
イスカス
「あの時は……」
イスカス
「すみませんでした」
海獣
「……」
海獣
今か、という言葉が頭をよぎって飲み込む。他人の目がある状況で、自分に謝罪することは躊躇ったのかもしれない。
海獣
「ハンスの命令でしょう」
海獣
迂遠に謝罪を拒否するような言葉が漏れる。
イスカス
「できるだけ、誰も傷つけたくはなかったのですが……」
イスカス
「私の力不足です」
海獣
「力がないのは、みんな同じです」
イスカス
「コインはあった」
海獣
「……そういうことじゃない」
イスカス
「この、言葉も」
イスカス
「もっていたはずだ」
海獣
「……」
海獣
「……あなたはハンスに使える『使用人』で、かれの『お気に入り』だ……」
海獣
そうなるまでに、どれだけの代償をこの目の前の男が支払ったのかわからない。
海獣
遊戯室の敷物。死を望んだかれの恋人。それに目の前のこのありさま。
海獣
「あなたが謝ることじゃない」
イスカス
「…………優しいんですね」
海獣
「…………」
海獣
「私もさっき、コインを持ってた」
イスカス
首を横に振る。
イスカス
「貴方はナナギさんを救った」
イスカス
「そして、悪魔の方も」
イスカス
「貴方は、優しいですよ」
海獣
「…………いや、それは」
海獣
違う、と言い訳する気持ちがある。
海獣
救世主でなければ、たぶんあの二人に言葉などかけはしなかった。
海獣
かれらは同行者で、共に戦う同じ救世主ではあるけど──同族ではないから。
イスカス
「こうして、私も救われています」
海獣
「……」
海獣
言葉に詰まる。
イスカス
微笑む。
海獣
優しいという言葉を、どうしても拒否したくなる。
イスカス
「私は長い間ここにいますが」
イスカス
「多くの『奴隷』が仲間割れをし、殺し合い、罪をでっち上げ、密告し、ハンスに気に入られようと媚をうるのを見てきました」
海獣
「……そうでしょうね」
イスカス
「貴方はそうじゃない」
海獣
「こんな追い詰められた状況では、みんなおかしくなる」
イスカス
「ここで私を殺すこともできるのに、そうしない」
イスカス
「あんなにひどいことをしたのに」
海獣
「……」
海獣
肩が痛む。
海獣
痛んでいるのは肉体の傷ではない、それはもう治っている。
イスカス
「実は……あのあと、不興を買ってしまいまして」
イスカス
「はは……」
海獣
「……」
イスカス
「…………」
イスカス
「貴方は生きてください」
海獣
「は」
イスカス
「言ったでしょう、『賭け』たんです」
イスカス
ここで死なれては困ると
海獣
「死ぬ、つもりは、ありません」
海獣
答えながら、相手の顔に視線を彷徨わせる。
イスカス
「…………」
イスカス
殺されかけたかいもあるイスカスの心の疵は『献身』と『人魚の涙』。才覚1、愛2の救世主である。というものだ
海獣
その言い方。
海獣
「あなたも、死なせるつもりは……」
海獣
「ないです」
海獣
「私は別に、あなたを恨んでない」
イスカス
「わかっています」
イスカス
「だから、もし……次に、呼び出され」
イスカス
「貴方か、私かを問われたのなら」
イスカス
「迷わず私を選んでください」
海獣
「……ッそ、れは……」
イスカス
「私も貴方を恨みません」
海獣
あり得ることだ。
海獣
ナナギがすでに、似たような問いかけをされている。
海獣
問われたときにどうするのか、考えようとして、思考が止まる。
海獣
「それは、」
海獣
ナナギの言葉を思い出そうとする。
海獣
生きたいと願う心が確かに自分の中にある。そのためにやるべきことをやってきたつもりだ。
海獣
だが。
海獣
「……私は……」
海獣
答えられない。
ハンス
*スキュラの疵『罪悪感』を猟奇で抉ります。
ナナギ
*横槍します
GM
チョイスからどうぞ
ナナギ
Choice[猟奇,才覚,愛]  (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
海獣
*ティーセットをお渡しします
GM
+2でどうぞ
[ 海獣 ] ティーセット : 1 → 0
ナナギ
2d6++2=>7 判定(+才覚) (2D6+2>=7) > 5[4,1]+2 > 7 > 成功
GM
効果量を
ナナギ
あっぶあっぶ
ナナギ
1d6 才覚のナナギ! (1D6) > 5
ハンス
ティーセットを使用します
[ ハンス ] ティーセット : 1 → 0
ハンス
2d6+2+2-5>=7 猟奇 (2D6+2+2-5>=7) > 6[2,4]+2+2-5 > 5 > 失敗
ナナギ
これが才覚!!!
海獣
やったぜ
イスカス
「…………」
アロイムリムリール
ナナギちゃんの才覚2兆才覚が2兆あってもHPは増えないし、才覚が2兆あっても妨害が引けないと妨害できないし、才覚が2兆あっても横槍は1ゾロで失敗し、成功しても効果量は1d6である。ままならない。
イスカス
「はは」
ナナギ
ふふん
イスカス
「嫌なやつじゃなくて、すみません」
海獣
「…………そういうんじゃないですよ」
海獣
「……私は、自分を死ぬべきだと思ってるんです」
海獣
「そういう自分がいつもいる」
海獣
「だから、そう言われたときに、もしかしたら」
海獣
「自分を選んでしまうかもしれない」
イスカス
「…………」
イスカス
指先で頬に触れる
イスカス
「いいんですよ」
海獣
「……」
イスカス
「死ぬべき人なんて、いないんですから」
イスカス
「私も、貴方も。あの、ハンスも」
イスカス
「死ぬべき人なんて、いないんです」
海獣
「…………」
海獣
「そう、ですね……」
イスカス
衣服こそなけれ、少し落ち着いたのか。
イスカス
足はまだ色を残しながら、人のそれへとかわりつつある。
ナナギ
「ナナギの帰還だ」
そこに、ナナギが扉を開け放つ
海獣
それを、戻ってゆく、と頭は捉える。
海獣
「……ナナギ」
ナナギ
中にいた、二人の様子を見て…少しまゆをひそめる下半身が裸の男がベッドに寝かされており、もうひとりの男の頬に手を伸ばしている。一体何があったのかを想像してみよう。
ナナギ
「何か、あったのか…?」
イスカス
「おかえりなさい」
海獣
「…………」
海獣
ナナギの顔をじっと見つめて、息を吐いた。
海獣
「ハンスの仕業だよ」
ナナギ
「………そうか」
海獣
言ってから、男はイスカスへ向き直った。
海獣
「死ぬべき人間なんていない」
海獣
「……どちらかを選べと言われても、その時は」
海獣
「何とか、してみます」
ナナギ
「………」
イスカス
「…………」
ナナギ
「ナナギも一緒になんとかする」
イスカス
「ええ。ありがとうございます」
ナナギ
話の内容は、正直全然わかっていない
海獣
もちろん、それが叶わない、ということもあるだろう。
ナナギ
けれど、一緒になんとかする
海獣
イスカスがその手にコインがありながら、大人しく男の肩を噛み千切ったように。
海獣
ナナギが三人のうちから一人を選べず、狼男が敷物になったように。
海獣
ただ、だからやらないということにはならない。
海獣
やれることをやるしかない。いくら失敗をして、死にたくなるような気持ちになっても。
海獣
「……替えの服、あったかな」
イスカス
「あ、このまま帰りますイスカスは人魚であるために下半身を露出させることにあまり抵抗がない。よ?」
海獣
「えっ」
イスカス
「えっ」
海獣
「せめてシーツ巻いてってください」
ナナギ
ーーー大人の会話だ…(全然違う
海獣
僕シーツなしでも寝れるんで……
イスカス
「では、戻ったら新しいのをお持ちしますね」
海獣
「あ。ありがとうございます」
イスカス
自分が汚してしまったシーツをす、と引いて巻き。
イスカス
「ありがとうございます、スキュラさん」
海獣
「いえ」
海獣
「お礼を言うのはこちらの方です」
イスカス
「あまり優しくされると、恋をしてしまいそうですよ」
イスカス
ふふ、と冗談めかして
ナナギ
よっこらよっこら、扉を開け…え?
海獣
「えっ」
イスカス
部屋をあとにする。
海獣
…………
海獣
そう言えばあの人の恋人、狼男だったな……
ナナギ
「すきゅら、恋されちゃったのか?!」
海獣
「そんなことはないと思うよ」
海獣
でも、本当に礼を言うのはこちらの方だ。
ナナギ
「そうか」
海獣
イスカスが自分たちに『賭けて』くれたおかげで、生き残る光明がこうして見えている。
海獣
「そういえば悪魔さんは? ナナギ見た?」
ナナギ
「あくまは………」きょろきょろ
ナナギ
「あれいない?!」
海獣
「一緒にいたのかい?」
ナナギ
「うん、洗濯を手伝ってくれた。というか全部やってくれた」
海獣
「えっすごい」
海獣
どういう風の吹き回しだろう……?
海獣
また何かされたのか……?
ナナギ
「あくまはすごい、踊りも天才的だった…」
アロイムリムリール
←何かされた悪魔。 ↑こいつはなにかしたヤギ
海獣
話が見えないな……
ナナギ
「ナナギもあくまを見習って、体の中に本を入れておこうと思う」うんうん
海獣
…………
海獣
何か察しました。
海獣
「歩きづらくならないぐらいの重さの奴にしようね」
ナナギ
「あくまにも言われた、そうする!」
GM
誰もが虐げられ、不自由な選択を迫られる日々
GM
それも、きっと終わる時が来る
GM
皆が自由にできる日がくれば
GM
死んだものも、死を糧に生きた者も
GM
きっと

ラウンド2 悪魔

GM
PC6手番目、悪魔の手番
アロイムリムリール
こんにちは~悪魔で~す
GM
シーン表は選んでもいいですよ
アロイムリムリール
は~い
アロイムリムリール
*海獣の『被食願望』を舐めよう 先に判定していいかな?
GM
どうぞ
GM
猟奇ですね
アロイムリムリール
*猟奇で判定
アロイムリムリール
2d6+3=>7 (2D6+3>=7) > 8[3,5]+3 > 11 > 成功
GM
性癖に正直な出目だ
海獣
高いんだわ
ナナギ
ナナギは寝てるか
アロイムリムリール
じゃあなんかまた中庭にでも居ようかな。中庭にいます。
海獣
中庭にいるんだなあ。
海獣
通りがかればいいですか?
アロイムリムリール
いっちょ頼んますわ
海獣
はい。
海獣
一日経つごとにハンスとの裁判が近づいてくるわけですが、奴隷としての仕事がなにか変わるわけではなく。
海獣
掃除や洗濯、力仕事を任せられては館の中を行ったり来たりする日々だ。
海獣
休憩時間に、中庭を通りがかる。
アロイムリムリール
悪魔が過日のように木陰にそそくさと移動するのを海獣は見かける。
海獣
日が差さぬ中庭に魔法の木々と噴水。手入れをする必要がないわけだから、働く奴隷はここにはあまり来ない。
海獣
青空があるわけでもない庭はどこかどんよりとして、休憩場所としてはそれほど人気がないのか。
海獣
その日も悪魔の姿を見かけて、目を瞬かせる。
アロイムリムリール
このような薄闇は悪魔のようなものにとって心地のよいものなのか?
木陰に溶け込むように立つ悪魔は、その派手な角の色さえもわからなくなる。
海獣
それとも、また何かあったのか?
海獣
その日は男は、そちらへ足を向ける。
アロイムリムリール
「おや」
アロイムリムリール
どうやら今日は海獣を見て隠れたわけではないらしい。平時通りの調子の声が帰ってくるではないか。
海獣
「お疲れ様です」
アロイムリムリール
「働いているのかね、いや~感心感心」
アロイムリムリール
木陰を覗き込める距離であるはずなのに、その姿はようとして見えず。
海獣
「ええ、まあ」
海獣
「悪魔さんはサボっても反抗的で済まされるかもですが」
海獣
「私はそういうキャラではないので……」
アロイムリムリール
「お前はなんか呼び出されるもんなあ~」
海獣
目を凝らす。よく見えない。
海獣
「これのせいですね」
海獣
腹から胸にかけての刺青に似た紋様を、男は隠していない。
アロイムリムリール
どう考えても、真夜中であろうと見える距離まで顔を近づけたとしても、そこには不自然な影があるばかり。
海獣
今日もシャツ一枚を羽織って、どんよりとした空の下、中庭に立っている。
アロイムリムリール
「あ~それな、お前のそれなんなんだ?」
海獣
「これですか。これは……よく分かりませんね」
海獣
「獣の印、と呼ばれてますよ」
アロイムリムリール
「獣。ふ~ん、身分のようなものか?ヒト以下であるとか?」
海獣
「まあ、そうです」
海獣
「これが生まれつき身体にある人間は、人間扱いされないわけです」
アロイムリムリール
人形生物をあまねく見下す男からすれば、ヒト同士で付け合う身分などおままごとのようなものであるのだが……
アロイムリムリール
「なるほど!どうりでどうりで」
アロイムリムリール
「少し違う匂いがすると思っていたんだ」
海獣
その姿は相変わらず捉えられない。一歩、そちらへ近づく。
海獣
「におい、ですか」
海獣
「違うものですかね」
アロイムリムリール
ふさり、木の葉でもない。あの悪魔からはしそうにない感触がある。
海獣
「……?」
アロイムリムリール
「我も昔はな~、メチャクチャ食ったりしておったわけよ、実体を」
海獣
「……食う、ですか?」
アロイムリムリール
届く声は、海獣の頭の上。
アロイムリムリール
ヒールを履いた悪魔とは言え、随分と高すぎる位置。
海獣
恐る恐るに、視線を上に向ける。
アロイムリムリール
闇の中に、得体のしれぬ何かがいる。
海獣
「え」
アロイムリムリール
足元には、見慣れた悪魔の姿がある。
海獣
「え?」
アロイムリムリール
「いや~、人の形を取るのは体が凝るでなあ」
アロイムリムリール
「天日干しっていうか」
海獣
絶句して、その『何か』を見上げる。
アロイムリムリール
下に転がる悪魔の皮にはとても入り切らぬほどの何かが、しゅるしゅると舌を垂らして流暢にあなたに語りかけている。
海獣
「悪魔さん?」
アロイムリムリール
蛇のように長く、しかし闇の中でかがやく毛皮をたたえ、数本の角が威容を誇るように生えた、わけのわからない──ばけものである。
アロイムリムリール
「そうだが?」
アロイムリムリール
返る声の調子はいつものあの悪魔だ。
海獣
「…………」
海獣
「す、すいません、ちょっと驚いて」
アロイムリムリール
「そういえばこの姿を見せていなかったなあハハハ」
海獣
そうだ。この堕落の国は、自分が元いた世界とは違うのだ。
アロイムリムリール
首をもたげ、笑うような素振りをみせる。
海獣
だから、自分の常識とは違うことがいくらでも起こる。
アロイムリムリール
肉を裂くと言うには生ぬるい、凶器のような牙がずらりと並ぶ。
海獣
ごくり、と喉が鳴った。
アロイムリムリール
口は大きく裂け、顔の縦にも線が入り……そちらも開く事を示している。
アロイムリムリール
四本の舌がべるりと垂れて、光る。
海獣
その口から、並ぶ牙から、目が離せなくなる。
アロイムリムリール
……あなたの横には、ずっとこのような驚異がいたのだ。
アロイムリムリール
嘘を嫌うナナギと共にこの男と居られるのはなぜか?
アロイムリムリール
悪魔の言葉を冗談だと思っていたからか?
アロイムリムリール
いいや、違う。嘘ではないからだ。
海獣
悪魔は嘘をつけない。少なくともこの悪魔は。
アロイムリムリール
食える時があれば食う。この男はそのように思っていたのだ。
海獣
男は自分の口を手で覆い、何事か呟いた。
海獣
だが、不明瞭で、自分でさえ何を言っているかわからない。
アロイムリムリール
この悪魔の口はあなたの全身を飲み込む事も、上半身と下半身を泣き別れさせる事も容易い。
海獣
ぞわぞわと肌が粟立つ。
アロイムリムリール
長大なその体はあなたひとりを詰め込んで融かすにはあまりある。
海獣
恐怖にではない。もっと何か別のもの。
アロイムリムリール
戯れに歯で触れるだけで、全身を切り刻める威容があり
アロイムリムリール
そしてその悪魔が、あなたの前にいるわけだ。
海獣
乱れる息を、男は何とか抑えようとする。
アロイムリムリール
「そうそう、さっきの話だがね」
アロイムリムリール
「おまえからは肉の匂いがするよ」
海獣
「は」
アロイムリムリール
「ヒトってやつは自分が食われるとわかっちゃいないが」
アロイムリムリール
「なんだかおまえは、食うためにあるようなものの匂いがするんだなあ」
海獣
息の仕方が分からなくなる。
海獣
そんなことはない、と言おうとする。
海獣
悪い冗談だ、と笑おうとする──できない。
アロイムリムリール
とぐろを巻いて、てらてらと毛を光らせる悪魔の様子は……笑っているようにも見える。
海獣
頭がうまく回らない。
海獣
熱があるような気もするし、ひどく寒いような気もする。
アロイムリムリール
きち、と刃物の触れ合う音。
アロイムリムリール
悪魔の口が……うすく開いている。
海獣
しゃがれて引き攣った、できの悪い笛の音のような声が喉から漏れる。
アロイムリムリール
「我が偉大であったから良いものの、おまえ多分我の地元じゃ即ペロだぞ即ペロ」
アロイムリムリール
コインのない今は?
海獣
コインがない救世主は、コインを持つ救世主に歯が立たない。
海獣
コインがない救世主同士はどうだ?
海獣
一歩、
海獣
あとじさろうとした足がもつれる。
アロイムリムリール
もう少し下がろうとするならば、あなたは毛の感触にふれる。
何のものかは言うまでもない。
海獣
どさ、と軽い音が中庭に一つ。
海獣
足に力が入らず、踏ん張ることもできず、男はその場に尻もちをついている。
アロイムリムリール
「なんだ、我に恐れを為したか!?」
その明るい声は、まるでいつもの悪魔の調子乗りだ。
海獣
息が荒い。
海獣
恐れならまだよかった。
海獣
恐れだと思ってくれるなら良い。
アロイムリムリール
「ああ、もう少しコインがあればなあ」
海獣
口を塞いだまま、男は喋れずにいる。
アロイムリムリール
「もう少しコインがあれば」
アロイムリムリール
「おまえが今何を考えているかわかるのに」
アロイムリムリール
きしゃきしゃきしゃ、と歯の鳴る音。
海獣
その言葉に、それ以上の意味はないと分かっている。
海獣
恐れていると思っているのだから、その恐れを味わおうというのだ。悪魔らしく。
海獣
そうでないことが知られたらどうなるのかと想像すると、背筋が戦慄いた。
アロイムリムリール
あなたの持つ命令権も、こいつに拒否されてしまえばおしまいなのだ。
アロイムリムリール
豊かな毛並みの奥底に、本の心臓の輝きがわずかに光り、闇の中にちらついた。
アロイムリムリール
「なあなあ、参考までに聞くんだがおまえは咀嚼は念入りにされたい派?それともまるっと飲み込み派?先に頚椎折っておいてほしい派?」
アロイムリムリール
きゃっきゃと嬉しそうに毛並みが揺れている。
海獣
言葉が脳の上を上滑りして意味が取れない。
海獣
だのに、男の頭の中にははっきりと、喰われていく仲間たちの姿が像を結んでいる。
アロイムリムリール
「なあ~?」答えないあなたに焦れたのか、それとも脅しか。異形の鼻先が近づく。
アロイムリムリール
濡れたように鋭い刃が立ち並んだ口が近づく。
海獣
うあ、と上ずった声が上がる。
海獣
悪魔に何を求められているか分からない、まだ先程の言葉を噛み砕けないのに、
海獣
その牙から目が離せなくなり、身体がこわばる。
アロイムリムリール
ただの脅しか?それとも。
アロイムリムリール
いつかあなたを食うために、希望を聞いてやっているという悪魔の優しさなのか?
海獣
その想像は甘やかに身体を痺れさせ、頭をどろりと溶かす。
海獣
口を覆っていた手は自分の肩に無意識に触れ、すでに消えてなくなったはずの疵、食い破られたときの痛みを反芻する。
アロイムリムリール
ぎらぎらと光る金色の目が、あなたの肉を見ている。
海獣
その痛みさえ上書きして行くほどの、甘美な妄想だ。
海獣
それも完全な妄想ではない。
アロイムリムリール
歯を立てやすい場所と、硬い場所と、柔らかい場所、美味しい場所。それらを見定めるような遠慮のない獣の目。
アロイムリムリール
来る時が来て、その時、この悪魔にもう少しのコインがあったなら。
きっとその願望は。
アロイムリムリール
ずるんと音がする。
アロイムリムリール
風圧を伴って何かが動き、数瞬の後には
アロイムリムリール
すっかり元通りになった悪魔の体がある。
海獣
「…………」
海獣
顔を覆う。
アロイムリムリール
「?そんなビビらんでもいいじゃろ」
アロイムリムリール
「ウケるな~」
海獣
「………………そうですね……」
海獣
大きく大きく、震えたため息。
アロイムリムリール
「ヒャヒャヒャ~」両手で指差しながらぴょんぴょん跳ねて煽り散らかす。
海獣
「…………」
海獣
煽られても愛想笑いもできず、顔を覆ったままでいる。
海獣
「いや、刺激が……強くて……」
アロイムリムリール
「そうじゃろそうじゃろ~ あっどうしようこの姿見てナナギ泣いたりしないかな~」
海獣
「ああ、どうだろう」
海獣
「あんまり怖がらせない方がいいかも……」
アロイムリムリール
「まあ泣いたら海獣おまえが頼むぞ ハハハ」
アロイムリムリール
「フー天日干しは終わりであるぞ。おまえもとっとと持ち場に帰らんか~」理不尽。
海獣
「…………………」
海獣
「えーと」
海獣
「私はですね、もう少し休憩時間が残っているので」
海獣
「お疲れ様です……」
アロイムリムリール
「えっむしろ我にどっかいけって言ってる?マジ不遜なんですけど!」
海獣
「えーと、腰が抜けて立ち上がれなくて」
アロイムリムリール
そう言いながらルンルンと去ろうとして……立ち止まる。
アロイムリムリール
「な~んじゃそれならそうと 見たらわかるか~ワハハ!」
アロイムリムリール
「持ってやろう」両手でぐいっと持ち上げて、俵担ぎにしようと。
海獣
「あっ」
海獣
「いや、ちょっと待」
アロイムリムリール
「栄誉じゃが?」
アロイムリムリール
「えっ」
海獣
「………」
アロイムリムリール
おまえ……何かを察した。
海獣
「…………」
アロイムリムリール
「おまえ…… 我おまえがそういう事思ってるかもしれないけど、真相は闇の中だ……みたいなオチにしようとおもっとったのに……」
アロイムリムリール
「物証……」
海獣
「ナナギにはこのことは……」
アロイムリムリール
指差す
アロイムリムリール
「ナナギの教育におまえはわるい」
海獣
「悪魔さんも人のこと言えなくないですか?」
アロイムリムリール
「我はプリ○ュアレベルまで安全にすることが可能なんじゃい」ス……と地面に置きなおしつつ。
海獣
大人しく置かれて体育座りになりました。
アロイムリムリール
「じゃあ我、いいかんじに去るから、おまえもなんか自然とか宇宙のことかんがえるといいぞ」
海獣
「そうします」
アロイムリムリール
実は見抜いていました……みたいな我すごい悪魔なんだが余韻を残していこうと思ったのに、ついうっかり物証を見つけてしまったがために……
アロイムリムリール
食っていいやつじゃん!!という思いを新たにすることになったのでした。
海獣
いや、喰っちゃだめですが…………
アロイムリムリール
海獣
なんでもないです…………
アロイムリムリール
とりあえず悪魔は去り、中庭には哀れな海獣がひとり、残りました。
海獣
非常に惨めな気持ちになっている。
海獣
立ち上がれたのは悪魔が去ってまたしばらく経ってからだ。
海獣
………………肩の痛みはなくなっていた。
[ 海獣 ] 被食願望 : -1 → 0
GM
コインの力が左右する弱肉強食の世界
GM
誰かの命を糧とする世界で
GM
相反する疵を抱えたまま生きること
GM
ひとりでは出来なくとも
GM
唯一、視線の向く先が定まったのなら

一方そのころ

ナナギ
二人はなんだか、どこかへ行ってしまったようだ
ナナギ
今、ナナギは一人
ナナギ
つまり!
ナナギ
柱時計に隠していたお菓子をゆっくり食べることができるのだ!(すすす…
ナナギ
二人が出ていってからまだ時間もそう経っていない…、部屋にはまだ戻ってこないはず!
ナナギ
そう、ブランとかが急に尋ねてこない限りは!
ナナギ
こそこそ…
GM
ぱたぱたと誰かのかけてくる足音。
GM
歩きやすい靴に、ふわりとした赤のメイド服。
GM
真白い髪をなびかせて。
ナナギ
「お…?」お菓子を取り出した
GM
「あ」と驚いたように、ちいさく声を漏らしてブランは立ち止まる。
ナナギ
ここは正面玄関、エントランス。人通りもそこそこある。
ブラン
「ナナギちゃん」
ナナギ
そりゃ見つかるのである
ナナギ
「あ」
ナナギ
「ブラン」手のなかには、お菓子がひとつ
ブラン
「今日はひとりですのね」
ナナギ
「お、あ、うん。ひとり」すいーっとお菓子をしまおうとする
ブラン
ひょい、とその手元を覗き込んで
ブラン
首をかしげる
ナナギ
びくーん
ブラン
「それは?」
ナナギ
「・・・・・・・・・・・お菓子です」
ナナギ
「隠しておいた・・・」
ブラン
「まあ」
ブラン
「ここじゃ、なかなか手にはいりませんものね」
ナナギ
「………怒らないの?」
ブラン
「誰かにもらったんでしょう?」
ナナギ
こくり、と頷く
ブラン
「わたくしに怒る理由なんてありませんわ」
ナナギ
「あの男に、ハンスさまに言ったりしないのか?」
ブラン
「わたくしが告げ口をするように見えまして?」
ナナギ
「少し見えてた。ブランはちゃんと言うこと聞いてる子だったから」
ブラン
「…………」
ブラン
「そうですわね」
ナナギ
「・・・・・・」
ナナギ
「じゃあ」
ナナギ
「ブランもナナギと少しわるいことする?」そう言ってお菓子を差し出す
ブラン
「…………」
ブラン
「そうしますわ」
ブラン
差し出されたお菓子を手に取り、ナナギを見る。
ナナギ
にこーっと笑いをかえす
ブラン
「うふふ」
ブラン
「あっちで食べましょう」
ブラン
そうして、その手をとって
ブラン
階段横のソファへと引いていく。
ナナギ
「うん」導かれるまま、ついていく
ナナギ
「ブランは良いやつ」
ブラン
「…………」
ブラン
「わたくしは……そんなにいい子じゃありませんわ」
ナナギ
「…そうなのか?」
ブラン
ソファに座って足をブラブラし
ブラン
「だって、みんなが死んでいくのを見て安心しているんですもの」
ブラン
「ああ、わたくしじゃなくてよかったって」
ナナギ
「………それは」
ナナギ
うーーーん、と腕を組む
ナナギ
「当たり前なことの気が、ナナギはする」
ナナギ
「ナナギは、目の前でおにいちゃんとおねえちゃんが食われていった」
ブラン
瞬く
ナナギ
「思ったのは、何もできなくて悲しかったのと…」
ナナギ
「ナナギは食べられなくてよかった、だった」
ブラン
「ナナギちゃんは怖いところから来たんですのね」
ナナギ
「どうだろう…?」
ナナギ
「狼が来るまでは、たのしかったし」
ナナギ
「あ、狼はみんなを食べたやつね?」
ナナギ
「だから…うーん」
ナナギ
「今はこっちの方が怖い」
ブラン
「そう……」
ブラン
「じゃあ、今も……自分じゃなくてよかったと、思う?」
GM
麻袋にいれられ、殺された少年。
GM
毛皮にされた狼男。
GM
裁判でなぶられ殺された奴隷。
GM
街中で虐げられる人々。
ナナギ
はじめにそれらを見た時の感想は、「かわいそう」「ごめんなさい」だったような気はする
ナナギ
だけど確かに…
ナナギ
「ナナギじゃなくて、よかったって」
ナナギ
「思ったよ」
ナナギ
その声は、小さくなっていく
ブラン
「じゃあ、一緒にがんばろう」
ナナギ
「がんばる…?」
ブラン
「わたくし、もうすぐ裁判がありますの」
ブラン
「ハンス様はすごく、いろいろ、するけれど……」
ブラン
「ちょっとだけ我慢して、ちゃんと……いろいろ、したら……美味しいご飯も、『粉』ももらえるんですの」
ナナギ
「・・・・・・」
ブラン
ぎゅっと、自分を抱きしめるようにして
ブラン
それでも笑顔を作っている
ナナギ
「じゃあ、頑張ろう!ナナギもがんばる!」
その体を、抱きしめるようにブランに触れる
ブラン
びくりと身体が跳ねる
ナナギ
「ナナギも、すきゅらやあくまのためにがんばるって決めた」
ナナギ
「そこにブランも今はいった!」
ナナギ
「ナナギはブランのためにもがんばる!」
ブラン
「…………うん」
ナナギ
「そう、それとなブラン」
ナナギ
「自分じゃなくてよかった、って思うのは…なんか難しくなっちゃうけど」
ナナギ
「それは、"良いやつ"じゃない理由にはならないぞ」
ナナギ
「こうして、ナナギと一緒に頑張ってくれたりする。お話してくれたりする」
ナナギ
「そんなブランは、ナナギにとっては良いやつだ」
ブラン
「……ありがとうですわ」
ブラン
でもね、ナナギちゃん。
ブラン
あの人達を守って、わたくしをまもって
ブラン
それじゃあ、あなたは誰を殺すの?
GM
刻限は迫っている。
GM
30日、救世主の期限。
ブラン
ノワール?ハンス様?
ブラン
わたくしとあの子の違いはなあに?
ブラン
むぐ、と菓子を口に入れ。
ブラン
わたくしは、亡者になんてなりたくない。
GM
それでも、力なき少女に何かを選ぶ権利はない。
GM
その手にコインがあったとしても、この世界で
GM
武器を向けられるだけで動けなくなる少女の生きる術は……
GM
強者に隷属するしかない
ブラン
ナナギにより掛かるように、体を預ける。
ナナギ
「ん」
ブラン
「ありがとうナナギちゃん」
ブラン
「わたくしは、ナナギちゃんに死んでほしくありませんわ」
ナナギ
「ナナギも、ブランに死んでほしくない」
ブラン
「ええ」
ナナギ
でもナナギは知っている、この世界は残酷なのだと。狼が嘘偽りで扉をこじあけてくるよりも、残酷で無慈悲で理不尽なのだと。
ナナギ
それでもなお、ナナギは思う
ナナギ
目の前の少女に、死んでほしくはない…と