GM
お茶会を開始する前に、クエストを公開します。お茶会中の判定に合わせて挑戦を宣言することで、お茶会判定の成否と別に達成値を見て成否を判断し、各クエストに設定された効果を得る。
GM
クエストは2つ、1個目を成功すると2個目に挑戦できます。
クエスト1『エルヴンミオレの街』
概要 街に出てのお使いを頼まれる
目標値 8
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。成功したら消滅。
成功 ハンスの疵『無能』を抉れるようになる。
失敗 特になし。
クエスト2『エルヴンミオレの街2』
概要 街に出てのお使いを頼まれる2回目
目標値 8
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。成功したら消滅。
成功 価値5までの好きな小道具を獲得できる
失敗 特になし
GM
今回はMODが適用されているため、DoAにおける特殊なルール改変全般を指す。
今回使用されているのはお茶会MOD「PK追加行動」。PKは横槍しない代わりに行動を+ラウンド数する。
ちなみにクエストもMODと言える。PKの横槍はありません。
1ラウンド シュヴァルツ
シュヴァルツ
*クエスト1『エルヴンミオレの街』に挑戦するぞ
シーン表
1:『正面玄関』裁判所のエントランス。広く、扉は閉ざされている。
2:『廊下』部屋と部屋とを繋ぐ廊下。
3:『救世主たちの部屋』救世主たちがそれぞれ与えられた部屋。
4:『キッチン』広いキッチン。末裔たちが働いている。
5:『遊戯室』遊ぶものがそろっている。
6:『使用人室』うさぎのねどこ。
7:『中庭』ガゼボと噴水がある。空は暗い。
8:『洗濯室』流れる水路と洗濯板、桶。
9:『展示室』綺麗で広い部屋に檻が並んでいる。
10:『牢屋』救世主たちが最初に捕えられていた牢屋。
11:『ハンスの部屋』ハンスの部屋。無駄に広く、豪奢。
12:『裁判所』円形の闘技場。客席がある。
0:『街』中世ヨーロッパ風の街並みに、様々な人が行きかっている。
シュヴァルツ
10:『牢屋』救世主たちが最初に捕えられていた牢屋。
GM
そこに死体があったことも、血が飛び散っていたこともわからない。
シュヴァルツ
シュヴァ太郎は相変わらず牢屋の中でえらそうにしています。
ハンス
男は相変わらず豪奢な出で立ちで歩いてくる。
シュヴァルツ
奴隷というにはデカい態度でお迎えします。
ハンス
「だが、此処では他のものと等しく……私の使用人として振る舞ってもらうよ」
シュヴァルツ
普段であれば自分の異名や伝説をつらつらと3発言に分けて喧伝するところでしたが、コインのない雑魚である今それらを要求されては困るから黙っています。
シュヴァルツ
それよりはこの人間をいい気にさせ、油断した所で後ろから刺すオーソドックス悪魔スタイルをしたほうが早かろう、と考えています。
シュヴァルツ
思わずナナギを見ます。こいつ何が出来るのかな。
ハンス
「ここのところ、新しい救世主もなかなか捕まらなくてね……」
シュヴァルツ
まるで我々がとんでもないアホのようだな……
シュヴァルツ
コインがあれば目からビームを出しておまえを罰していたのだが。
海獣
コインがないとそよ風も吹かせられません追風はサプリ『救世主の箱庭』掲載の技能である。だれかの判定の前に割り込み、その達成値を1d6上昇させる。ねえ。
シュヴァルツ
「3人も捕まえるとはさぞかし機嫌もよかろうて」
ハンス
「そろそろストックが足りなくなるところだったからね」
シュヴァルツ
確かにストックはあればあるほどよい。財産はあればあるほどよいのだ。
ハンス
「その前に、色々と試させてはもらうが……」
シュヴァルツ
「我が楽しめるものであれば、だがな」
シュヴァルツ
「そうだな」腹のところとか食いでがない割に食感が悪そうだ。
シュヴァルツ
ふん、と鼻を鳴らす。最も逆らう様子はない。
シュヴァルツ
ガツゴツと足音を立てながらそれに続く──
シュヴァルツ
牢屋の出口に角が掛からないようにかがんでいる。
シュヴァルツ
この荒野の世界においてよくもまあ揃えたものだ。首も目も動かさず部屋の中を見てそのように思う。
GM
ビリヤード台、トランプ、サッカー台から、オセロまで
ハンス
中央のテーブル脇のソファに腰掛け、向かい側を勧める。
シュヴァルツ
電子げぇむの最新はぁどは流石にないな。などと思いながら勧められるままに座り足を組む。
シュヴァルツ
「ああ、我にゲームを挑む者も数多いた。ゲームの相手を求めているのか?女どもとは飽きたのか」
シュヴァルツ
もっとも悪魔のゲームはイカサマ上等。毎日大フィーバー毎日ファイブカードなわけだが……それは前の土地での話だ。さて、この環境でどれほど出来るだろうか……
シュヴァルツ
最も、真っ当なゲームとも限らないが。
ブラン
ブランがカードを持ってきてテーブルに並べる。
シュヴァルツ
当然読める。読めるけど英語のカルタはあまり見たことがないな、と思う。
GM
伸ばされた手に、細長く鋭い棒が飛んできて、突き刺さる。
シュヴァルツ
長年で積み上げたプライドが悲鳴を堪えさせた。
ノワール
その針のような棒が飛んできた方向にはノワール。
シュヴァルツ
もっともこのようなバーリトゥード、悪魔では日常茶飯事だが……
シュヴァルツ
*猟奇でえぐっちゃうぞ ティーセット使います クエストもやるね
シュヴァルツ
2d6+3+2 (2D6+3+2) > 6[5,1]+3+2 > 11
[ ハンス ] 快楽主義 : 0 → -1
シュヴァルツ
針を抜き、ノワールに投げ付けながら次の札にもう片手を伸ばし……ハンスの手ごと弾き飛ばす!
シュヴァルツ
「おっとすまない、手にゴミが着いたものでなぁ」
シュヴァルツ
乱れた場札を戻しながら並びをぐちゃぐちゃにする。
ノワール
ノワールは避けない。
その肩に剣が突き刺さり、壁に縫い留められる。
シュヴァルツ
避けろと命令されていないのかのお~?
シュヴァルツ
「ささ、次の札を読み給えよ。こういうのはテンポが大事だろう?」
[ シュヴァルツ ] ティーセット : 1 → 0
ブラン
ブランにはノワールのようなことは出来ない。
シュヴァルツ
歓待すべきかなぁ?そのような事を乞われてもいないのにできるはずもない!
シュヴァルツ
読み上げた札が見当たらない事すらあった。
シュヴァルツ
テーブルを蹴って、自分には当たらぬように。
シュヴァルツ
キョロキョロと見回す。おや、誰に拾わせるのだろう?という素振りだ。
シュヴァルツ
しかしコインの無い身空では、どれだけ煽ろうとも肉体でハンスに適うはずもない。
シュヴァルツ
あっさりと髪を引かれ、今まで感じえなかった苦痛と人間に髪を掴まれる甚大な不快感を顔に出さないでいられたのは、その凝り固まった尊厳ゆえだ。
シュヴァルツ
嘲笑の笑いを浮かべたまま、あえて惨めったらしくポーズを作ってカードを拾いはじめる。
シュヴァルツ
この男の一挙一動が、思うままにならぬあなたを笑っている。
ハンス
己こそが力をもっていながら、見下されたような不快感。
シュヴァルツ
奴隷に遊戯を命じ、イカサマをされて逆上した哀れな主さま!
シュヴァルツ
言われればこの笑顔すら消して、泣きながらカード拾ってみせただろう。
シュヴァルツ
そうすることで惨めになるのは、ハンス自身であるからだ。
シュヴァルツ
「ああ~、楽しい楽しいカード拾わせ、終わってしまいましたよお~」
シュヴァルツ
物言わぬ肉塊に変えたところでも、あなたにこびりついた嘲笑は消えてはいないだろう。
シュヴァルツ
おおよしよし、とでも言いたげにカードを撫でて揃える。
ハンス
そう、悪魔と……倒れたノワールに言い残して。
シュヴァルツ
「ハァ~イ、命じられましたからにはぁ」
シュヴァルツ
手に開いた穴から出る血を、身を縛る服で押さえながら虚勢と嘲笑を保つ。
GM
ハンスはブランを引き連れ、部屋の扉を閉ざした。
シュヴァルツ
「おしごとたいへんですねっ☆わたしぃはじめてなのでぇ……」
シュヴァルツ
「と、おや。心配してくれるのかね?何か文句でも言うのなら煽り散らかそうと思ったのだが……」
シュヴァルツ
既に先走って煽っているような気もするが。
シュヴァルツ
「てっきりもっと忠誠☆ハンス様に逆らうやつは許さないんだから☆みたいな者かと思っておったよ」
シュヴァルツ
「よい心がけだ、食うのは最後にしてやるぞ」
シュヴァルツ
「避けられるなら避けられたほうが仕事効率がよくなるから、次は避けたほうが良いぞ」
ノワール
「じゃあ、シュバルツちゃんのは避けるようにするね」
ノワール
微笑むと、片付けのために手を動かし始める。
シュヴァルツ
純粋な娘は良いなあ。と思いながらこの男も片付けを始める。
ノワール
コインを持っているのだろう。受けた傷はそこまで大きなダメージになっていないようだ。
シュヴァルツ
なぜ純粋だと良いかって?そういう娘の魂は美味だからだ!
シュヴァルツ
コインを持っているのならコインを持たぬ我の投擲など避けなくてもよいということか。なるほどなあ。
シュヴァルツ
重いテーブルはノワールに半分任せたりしながらお片付けをする……命じられたからね!
GM
裁判所のルールを教え込むための、非情な行為。
マスターシーン:クエスト1『エルヴンミオレの街』
GM
3人はそれぞれ(なんと意地悪されることなく)部屋のベッドに寝かされ、目を覚ます。
海獣
シュヴァルツさんがめちゃくちゃ上機嫌に帰ってきたから不安だったんですが、何事もなく……
海獣
「おはようございます」起き上がってシャツを羽織っている。
ブラン
「本当は、もっともっと頑張ってからなのですけれど……」
ブラン
「逃げられないって、わかったほうがいい……と思って……」
シュヴァルツ
我は皮肉で言ったんだけどナナギはマジで楽しみにしてそうでうけるのう。
GM
そうして、3人は裁判所の裏手。大きなタイヤの4つついた荷車が置いてある、車庫へと案内されます。
ブラン
「ほらほら、もたもたしないでそこに並ぶのですわ!」
ブラン
指さすのは荷車の先頭、人間が引くタイプの荷車で引き手の部分には短めの手かせが付いている。
シュヴァルツ
「わー急に腕が折れた、徒歩でいこうぜ」
ブラン
「別に引けるなら二人でもかまいませんのよ」
ナナギ
「だがしゅゔぁるつは腕が折れてるって…!」
ブラン
手枷をガシャンガシャンと嵌めていきながら。
海獣
才覚ひとりに個人差はあるが、才覚型の救世主は比較的非力である。引かせないで。
海獣
「悪魔さん……一緒に引きましょうね……悪魔さんなら折れた腕でも余裕ですよね……」
シュヴァルツ
「最も頼み事とするならばやってやらんこともああ~~手枷がとうに嵌められている」
ナナギ
ナナギも頑張って引こうと手をあげるが…、ぶら下がってるだけ
シュヴァルツ
タイミングよくボタンを押してスキュラと歩調を合わせて荷車を引きます。突然ミニゲームが始まるタイプのRPG。
GM
荷車はさほど重くはなく動かせないものではない。
海獣
リズム感がゼロなのでシュヴァルツさんに全任せします。
シュヴァルツ
荷車を押しながら、低身長用に長い手枷付けて荷車押させたら?などと無駄口を叩きます。
ナナギ
「しゅば………あくま。この世にはどうにもならないこともある…」ぷらーん
ナナギ
もうしゅゔぁるつと呼ぶのがめんどうになった
海獣
「木が生えてる堕落の国は土地がカスなので、草が生えていることさえ珍しい。」
シュヴァルツ
「ヤギ、どんどん我への敬意がなくなっとらんか?」
シュヴァルツ
「この世界においてはクソ珍しいのではないか?木」
シュヴァルツ
「おいヤギもともとなかったが?みたいなツラをするでないぞ」
GM
城とよぶべき建造物のもとに、4人はやってきたのだった。
ブラン
ブランはそうして3人を残し城の中に入っていき
GM
暫くすると、顔を仮面で隠した男たちが重そうな袋をいくつか荷車にのせていきます。
ナナギ
「すごく疲れたけど、二人とも頑張ってるから頑張る」
シュヴァルツ
「なんでやってるぞみたいな雰囲気が出せるんだ」背景でどさどさ袋が載せられている。
シュヴァルツ
鼻もそれほど効かぬし分かりづらいが、多分人だろうの。
シュヴァルツ
「おっも コインないからなー! あー!コインないからおもいなー!」
GM
行き交う人々に注目すれば、ブランと同じように金の首輪をつけた人もちらほらといる。
シュヴァルツ
身分差がなかなかあるなあ~と見回しています。
GM
以降、ハンスの疵『無能』を抉れるようになります。
GM
それでは、帰ってきた皆さんを迎えるのはこんがり焼けたトーストのいい香り。
GM
屋敷の奥側へ。廊下のつきあたりにあるダンスホール。
GM
木製の食器に乗ったスクランブルエッグ、トースト、ソーセージ。
GM
豪華とは言えないが、この国では十分すぎるほどの食事だ。
GM
食堂には先にきて食事をしている救世主たちがちらほら見えます。
GM
どうやら、奴隷としてここにいる人々は他にもいるようだ。
GM
中には、ブランとノワのようにメイドのような、あるいは執事のような揃いのデザインの服を着ている者もいるようです。
GM
彼ら彼女らは決まって首に金の首輪をしています。
ナナギ
「そ、そんなことがあっていいのですか…!」はわわ
シュヴァルツ
ここだけ見れば、子供なところがあるがよい為政者なのでは?という気分にさせられる。……もっとも、それは街での言葉を聞くまでの話だ。
ブラン
「『魔女』のちからの及ぶ範囲では『魔法』が適用されますわ」
ブラン
「この街を出れば消えてしまうらしいのですけれど」
ブラン
「あなた達もいい買い手がつけば、ここよりもっと……」
イスカス
「あんまり新入りを脅すものではありませんよ」
イスカス
「おや、貴方ですか。噂になっていたのは」
シュヴァルツ
「もっとも我を見たものはその姿を讃えずにはいられないだろうが……」
ナナギ
「あくまがご迷惑をおかけしたようで…」ぺこり
GM
そういうと男は軽く手を降って離れていきました。
ブラン
「人魚のイスカス、ハンス様のお気に入りですわ」
シュヴァルツ
「お気に入りとは、どういう意味でだ?」
海獣
「ほら、そうだ。早くしないと食事の時間が終わっちゃいますよ」
ナナギ
「がんばってると思うけどなぁ、ブラン」もぐもぐ
ブラン
「新入りには掃除とかしてもらいますわよ~」
GM
キッチンの方から末裔が出てきては、皿を片付けたり、食事を足したりしていく。
GM
時間が終わると全ては片付けられ、残飯は廃棄されていく。
GM
しかしながら、これを堕落と言わずしてなんと言おうか。
1ラウンド PKその1
ハンス
11:『ハンスの部屋』ハンスの部屋。無駄に広く、豪奢。
GM
ナナギは、ブランからの連絡でハンスの部屋へと呼び出された。
GM
ハンスの部屋は広く、ベッドも大きく、新鮮な果物や豪華な装飾品。
GM
毛皮のコートなど、様々なもので彩られている。
ナナギ
「ナナギです」ちらりと覗くように部屋へと入っていった
ハンス
ハンスは腰掛けていたソファから立ち上がり、小さなナナギを見下ろす。
ハンス
持ち上げたまま暫く眺めたかと思うと、逆さにしてみる。
ハンス
テーブルの上に横たえて、胸のあたりを叩く。
ハンス
そう呼ぶと、後方に控えていたらしい男が近づく。
ハンス
「コレは、奴隷として売るより……調度品にしたほうがいいと思わないか?」
イスカス
「…………腕がないほうがバランスが良い、と」
ナナギ
「は、働けるちょうどひん…?として、こう」わたわた
ハンス
「しかし、生かしておくと裁判が面倒だからな……」
GM
ハンスが手をのばすと、ベッドの方に控えていたらしい女が剣を持ってその手に握らせる。
ナナギ
「な、ナナギは…!ナナギは…!」この場を凌ぐための言い訳や何やらを必死で考える
ナナギ
しかし、嘘はつけない。心の疵『嘘偽り』
嘘によって兄姉が騙され、喰われてしまったトラウマから、ナナギは嘘を嫌う。つきたくない。
イスカス
「まだ、この者の能力をご存じないのでは?」
GM
頭を下げたイスカスは、すぐに三人を呼んでくる。
GM
茶色いクマのような大男、真っ白な毛皮の狼男、爬虫類のような鱗を持つリザードの女。
GM
呼び出しを受けた三人は、緊張でこわばっている。
GM
この中の誰かが死ぬ、と宣言されているようなものだ。
ナナギ
「い、いやっ…!」慌ててそれを否定しようとするが
ハンス
「うーん……やはり、時計のほうがいいかな?」
GM
チョイスからどうぞ横槍の判定に使用する能力はランダムで決定する。
シュヴァルツ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
シュヴァルツ
2d6 (2D6) > 6[1,5] > 6
[ シュヴァルツ ] HP : 18 → 17
ハンス
2d6+2>=7 猟奇 (2D6+2>=7) > 6[3,3]+2 > 8 > 成功
ハンス
「もう3ヶ月かな……なかなか買い手がつかなくてね。裁判は頑張っているようだけれど。今は確か……洗濯を担当してもらっているんだっけ」
ハンス
「君よりちょっと前にはいった新入りさ。力持ちで、荷運びの役に立ってもらっているよ」
ハンス
「彼はもう少ししたら『使用人』にしようと思っていたんだけど……まあ、『使用人』の代わりはいくらでもいる。この白い毛並みは遊戯室に映えると思わないか?」
GM
怯えたような目。諦めたような目。そして、覚悟を決めたような目。
ナナギ
あの時、おにいちゃんとおねえちゃんが狼の口の中に入っていったのを
ハンス
その視線は、ナナギにまっすぐ向けられている。
イスカス
「子供に選ばせて、良いものができますでしょうか」
イスカス
「先ほどハンス様がおっしゃいましたとおり、ローガであれば、間違いはございませんでしょう」
ナナギ
ナナギは目を閉じることができないまま、ぶれる視界で
イスカス
「此処で殺してはお部屋が汚れますので、私が」
ナナギ
首を横に振る。否定でも拒絶でもなくただ横に首を振る。
ナナギ
「ぁ"………」喉は乾き、声を出すことも一苦労だ
ナナギ
「がんばれ、ます…」それでも、その一言だけは絞り出す
ハンス
「魔法で出来たものと違って『本物』だからね」
ナナギ
痺れる両手足を持ち上げ、からっぽの胴体を起こす
[ ナナギ ] 無力 : 0 → -1
GM
そうでなければ、ただ生きることさえ出来ないのだから。
1ラウンド 海獣
海獣
3:『救世主たちの部屋』救世主たちがそれぞれ与えられた部屋。
海獣
*ナナギちゃんの『嘘偽り』を舐めつつ、クエストに挑戦しようと思います。
GM
奴隷にされた救世主たちにはそれぞれ部屋が用意されている。
ナナギ
ふらふらとした足取りで、部屋へと戻ってくる
生気は戻ってはいるが、どこか思いつめたような顔だ…
海獣
大きな屋敷に潤沢な食糧、街は整備されていて木すら生えている。
海獣
自分たちがいずれ売り飛ばされて買い値のつく奴隷、という身分ということを考えなければ、素晴らしい場所だと言えるかもしれない。
シュヴァルツ
悪魔は自分のベッドでスヤスヤプープー寝ています。
海獣
……まあその、『奴隷であること』が致命的にデカいんだよな。
海獣
気持ちよさそうに寝ている悪魔の方をちらりと見て、ナナギに声をかける。
ナナギ
ちら、とそちらを見るが…一言も発さずにこくりと頷く
海獣
屈み込んで、視線を合わせる。「嘘はよくない」
海獣
堕落の国に落ちてきて、たまたま同行するようになって。
海獣
短い間だが、目の前のこの子供が嘘を嫌うことは知っている。
ナナギ
悪いことをしたかのように、そっぽを向くが…それにはしっかりと頷く
海獣
言って、横に腰かけた。──さて、と内心で独り言つ。
海獣
…こういう状態の救世主は、心の疵が抉られて露出した状態と言うらしい。
海獣
明らかに様子の変わったナナギの顔を、じっと見つめる。
海獣
「……辛いなら、無理に話さなくてもいいけど」
ナナギ
しかし、足りないのは敷物の方だと…連れてこられた三人がいたこと
ナナギ
その中から、一人選べと…敷物にする者を選べと言われたこと
ナナギ
いや…、『狼男』のことを選ぼうとしていたことも伝えた
ナナギ
「ナナギの、おにいちゃんと…おねえちゃんは……」
海獣
食べられた、という言葉を聞いた瞬間だけ、びくりと眉が動いた。
海獣
心の疵を抉られた救世主は、トラウマや異常性に囚われて一時的に正気を失う場合がある。
海獣
……そうでなくとも、目に見えぬダメージとなって救世主の中に残り、それは裁判の際には命取りになる。
海獣
「今の私たちにはコインがない。……『無力』なのはナナギだけじゃないさ」
海獣
同行する仲間であれば、露出した疵をケアして、力を健全に発揮できる状態にしてやる必要がある。
ナナギ
「でも、でもナナギは…」自分の手を、見つめる
海獣
……正直な話、苦手だった。誰かを励ましたり慰めたり、堕落の国に落ちてくる前はそんな経験はない。
ナナギ
守る力、癒す力、そういったものが…確かにあった
海獣
「その狼男の彼が死んだのは、ナナギのせいじゃない」
海獣
「私たちにコインがないから、好きにおもちゃにしているのさ」
海獣
男の言葉はごく静かだ。淡々としているとも、冷酷とも思える程度の。
海獣
「ナナギが何を言って、何を選んだところで……」
海獣
「ハンスはもしかしたら、その言葉を聞いたり」
海獣
「影響を受けた風に振る舞うかもしれないけど──」
海獣
「ただ、ナナギが苦しむのを面白がってただけだよ」
ナナギ
それは悔しさからか、怒りからか、苦しみからかはわからない
海獣
ナナギが見下ろす手に、手を重ねるように伸ばす。
海獣
「彼の言葉には真実はない。彼はその場限りの嘘をいくらでも話す男だよ」
海獣
「気分で言葉を翻し、残酷な真似をして、こちらのせいにしてくるだろう」
海獣
2d6+3+2=>7 判定(+才覚+ティーセット) (2D6+3+2>=7) > 12[6,6]+3+2 > 17 > 成功
GM
スペシャルお茶会中にスペシャルすると、〔自身の所有する六ペンス/2〕までの価値の小道具を1つ入手。!
海獣
*クエストと合わせて一通り終わったら選択します。
ナナギ
完璧な抉りをされたあとに、完璧な舐めをされた…
海獣
「今は、……確かに何もできないかもしれない」
海獣
「でも、このままではいない。力を取り戻そう」
海獣
「ああ、もちろん。私も、悪魔さんも、ナナギのことは必要だよ」
海獣
まあ、悪魔さんにとっては非常食としてかもしれないけど……
ナナギ
この言葉に嘘偽りはない、力がなくとも…魔法がなくともそのくらいはわかる
シュヴァルツ
「おっよい心がけではないか」起きた。
シュヴァルツ
「高貴な我がそんなアホ面するわけがあるまい」
シュヴァルツ
何かいい雰囲気になっている2人を見て囃し立てたい気持ちになるが……コインがないと煽る力も足りないのだ。
シュヴァルツ
「そう頼まれてはしょうがないな」借金ポイント勝手に加算!
海獣
……元気を取り戻した様子のナナギを見て、ベッドへと戻っていく。
[ ナナギ ] 嘘偽り : 0 → 1
海獣
……こんなところだろう。嘘はついていないし、本心だ。
海獣
ただ、もし自分とナナギが救世主でなかったら。
海獣
心の疵というものがなかったら、ナナギをここまで慰めたか?と言われたら、それは分からなかった。
海獣
裁判のため、戦うため、そのために仲間の心を慰撫する。
マスターシーン:クエスト2『エルヴンミオレの街2』
GM
ブランと荷車を引いて街の雑貨屋にやってきていた。
ナナギ
やはり手押し部分に手が届かない。ぶらーん。
ブラン
「みんな、わたくしが戻るまで此処でまっているのですわ。」
ブラン
雑貨屋の店先でうなずくと、店の中へと入っていく。
海獣
さっき敷物屋に寄ったの、気づいてないっぽいな。
グレーテ
ハンスと同じくすんだ金髪に、オレンジがかった瞳。
グレーテ
「お仕事ご苦労さま。兄さん……ヨハネスは元気かしら」
グレーテ
長そでのカーディガンにスカート、上品な服。
グレーテ
ヒールは低めで、ほんの少し、燃えさしの臭いがする。
海獣
「私たちは新参者なのですが、お元気そうだと思いますよ」
ナナギ
「………げ、元気といえば、元気かもしれない」ぷるぷる
グレーテ
「あ、はじめましてなのに名乗ってもいなかったわね。私、ヨハネス兄さんの妹のグレーテと言います。」
グレーテ
「今はお城で魔女様にお仕えしているの。」
グレーテ
「ええ。……でも、詳しくは知らないのね。」
グレーテ
「魔女様はね、大きな碾臼を持っていて……その臼から生み出される魔法の粉は、何でも作り出せるの。」
グレーテ
そう言うとグレーテは、胸元から小袋を取り出し。
グレーテ
ほんのわずかな量の粉から、それぞれお菓子を作り出してみせる。
グレーテ
「この魔法の粉を使いこなすには、想像力が必要なの」
グレーテ
「だから、料理人が作る食べ物は美味しいし……お菓子が大好きなら、こうやって美味しいお菓子も作れるのよ」
グレーテ
グレーテは小袋の残りを見て、まだ少し粉の入ったそれをスキュラに差し出す。
海獣
言葉を選んで、ごく当たり障りのない返答を返す。
グレーテ
「内緒ね。ちょっとしかないけど、必要な時にお使いなさい。」
海獣
「……ありがとうございます。大事に使わせていただきます」
海獣
受け取ってから、まじまじとグレーテを見つめる。
海獣
その奥に何か、思慮や意図が浮かんでいないかを読み解こうとして。
シュヴァルツ
「妹と言うが、兄とは暮らしてらっしゃらないのだな」
粉を見ながら、世間話のように言う。
グレーテ
「ええ。兄さんには兄さんの仕事、私には私の仕事があるもの」
海獣
「……ハンス様が今、何をされているかはご存じで?」
グレーテ
「裁判所の管理を任されているはずだけれど……」
海獣
彼女にここで、ハンスの行状をぶちまけたらどうなるだろう、と思ったが……
シュヴァルツ
「フフフ、我はハンス"様"に申し付けられてカードゲームの相手をしたぞ」
海獣
街の中に自然に存在する奴隷たちの様子をちらりと見て、やめた。
シュヴァルツ
微笑ましいことのように聞こえるだろう。
シュヴァルツ
「ええ、申し付けられたことはなんでもしてみせましょう~」
ナナギ
「お菓子ありがとう、グレーテ!」手ぶんぶん
GM
そう、彼女もこの街の住人であることに変わりはない。
グレーテ
雑貨屋から出てくるブランの姿を見て、軽く手を振り
GM
ブランが戻ってくると、荷車に荷物が積み上げられていく。
ナナギ
「見て見てブラン!お菓子もらった!ブランもいる?」
シュヴァルツ
「もーフランちゃんおそーい☆」荷車にセクシーにもたれかかりながら。
ブラン
キャンディをひとつもらいながらシュヴァルツを見て
ブラン
「そうしていると、不真面目に見えますわよ……?」
シュヴァルツ
「軍隊風にすればよろしいかな?」シュバッと直立する。不真面目。
シュヴァルツ
「悪魔は原則真面目に不真面目な生き物だから難しいなあ でもよろしいって言われたからもらおっと」
シュヴァルツ
「ワ~イ飴チャンだ~」直立姿勢のままぴょんぴょん。
海獣
まず帰る方向へ馬車を向けるのが一苦労なんだよな。
海獣
*スペシャルの効果でティーセット、クエストの成功報酬として水パイプを手に入れます。
海獣
こっそり、ナナギの柱時計の扉の中へ、グレーテからもらった魔法の粉を隠しておいた。
GM
ヨハネスの妹にして魔女様のお気に入り。
女はこう呼ばれていた。
GM
"お菓子の家の魔女"グレーテつまり、PCたちにコインを棄てさせたのはハンスではなくグレーテである。
彼女の心の疵の力によって、PCたちは空腹感に苛まれ、眠気に襲われた。ハンスは妹のおかげで捕まえられた救世主たちを管理しているに過ぎない。
[ ナナギ ] 水パイプ : 0 → 1
1ラウンド PKその2
ハンス
11:『ハンスの部屋』ハンスの部屋。無駄に広く、豪奢。
GM
しばらくして。スキュラはハンスの部屋へと呼び出しを受ける。
海獣
断ることはもちろんできないので、大人しく向かいます。
GM
部屋に入ろうとすると、入れ替わりにシーツを巻いた全裸の女が走って出ていく。
GM
その白いシーツには、ところどころ血が滲んでいるように見えた。
海獣
ハンスに対する印象をぼんやりと確認しながら、開いたままの扉をノックする。
イスカス
扉から顔をのぞかせた男が、招き入れるように扉を大きく開いて下がる。
ハンス
「話でもしようと思って呼んだんだが……変わりの役目が出来たよ」
GM
広いテーブルに、新しい血のあとが残っている。
海獣
鉄臭さと生臭さが混じりいるそれを嗅ぎ取って、わずかに顔をしかめる。
海獣
できるだけ動揺のないように応えて、シャツを脱ぐ。
海獣
逡巡する。血で汚れるのと、自分で脱ぐのと、どちらがマシか考えたのだった。
海獣
少し沈黙した後、ズボンは脱がずにテーブルにうつ伏せになる。
海獣
自分がこれから何をされるのか、いやな想像が頭を巡る。
海獣
この世界に堕ちて、自分と同じ獣の印を持つ者にはまだ会ったことがなかった。
海獣
悪魔やナナギのように、体の一部が人ではないものはいるが。
海獣
この世界で同種に会ったことはない。つまり、自分は元の世界にも増して、この堕落の国では物珍しいということだ。
GM
やがて、末裔たちがワゴンを押して入ってくる。
海獣
うつ伏せになったまま、ちらりとワゴンに目を向ける。
GM
前菜、スープは既に終え、メインディッシュの肉料理。
GM
熱い焼きたての肉が、焼けた鉄板からスキュラの背へと移される。
海獣
鉄板の上で沸騰したソースが肌を伝い、しびれるような痛みを走らせる。
海獣
拳を握り、耐える。悲鳴ばかりではなく、背を丸めて料理を落とし、ハンスの不興を買わないように。
海獣
研究所では、仲間たちは人間としては扱われなかった。殴られたり蹴られたりはあった。
海獣
だが、こんな悪趣味でばかげたことに付き合わされたことはさすがにない。
ハンス
その背の上の料理にフォークをつきたて、ナイフで肉を切る。
海獣
あれはカトラリーなど使わなかった。歯を突き立て、獣のように貪った。
海獣
だがその、肉を切るためのぎざぎざの刃は、歯を想像させる。
GM
滲み出す血がソースに赤を添え、すぐに変色する。
ハンス
ちらりと、スキュラの顔を見て笑みをうかべ。
ハンス
味よりも、何よりも。その姿を楽しんでいるかのように。
海獣
苦痛と恐怖だけではないものにひきつっている。
海獣
血が散った。食われていく仲間の、食いちぎられた体の、その断面から出る血だ。
海獣
程度と方向性の違いがあれ、自分はこのようにもののように扱われることに慣れている。
GM
ではチョイスから。
チャットパレットに入っているので使ってね
ナナギ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ナナギ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[2,5]+3 > 10 > 成功
[ シュヴァルツ ] ヤリイカ : 1 → 0
[ ナナギ ] HP : 21 → 20
[ ハンス ] ティーセット : 3 → 2
ハンス
2d6+2+2-5>=7 猟奇 (2D6+2+2-5>=7) > 11[5,6]+2+2-5 > 10 > 成功
海獣
研究所から逃げ出した実験体は、仲間を次々と食べていった。
海獣
あれは、人間たちが自分たちを殺すために作り上げたものだった。
海獣
成績を認められ、研究員として職を与えられ、人間のように扱われ、
海獣
殴られたり、蹴られたり、嘲られたりすることはなくなっていった。
海獣
だがそれは、人間たちが自分を同種だと認めてくれたわけではなかった。
海獣
自分たちの本質は変わっていなかった。仲間たちの無残な姿を見て、それに思い至った。
イスカス
スキュラの前に膝をついて、その顔を見る。
海獣
その鋭い歯、肉を食いちぎるためにあるかのように生えそろった牙を、
イスカス
それが、スキュラの左肩の肉を一口分食い破った。
[ 海獣 ] 被食願望 : 0 → -1
GM
ただ満足感を満たすためにおこなわれた、異質な血の晩餐。
1ラウンド ナナギ
ナナギ
*海獣(スキュラ)の疵、「罪悪感」を舐めます
ナナギ
呼び出されハンスの元へ行ったスキュラが、なかなか戻ってこないからだ。
海獣
空は暗い。雲が重く垂れこめて、堕落の国にはめったに陽の光が注ぐことはない。
海獣
曇り空の下、中庭はしかし、魔法の力で木や芝生が生えそろう。
海獣
ガゼボもまた、陽の光を遮るように屋根がある。
ナナギ
だだだっ、と足音を立ててスキュラの元へと駆けていく
ナナギ
だが、それでも…今スキュラを一人にしてはいけないと思った
ナナギ
「すきゅら!」ガゼボの手前でぴたりと止まる
海獣
顔を上げた男の顔には、力ない笑みが浮かんでいた。
ナナギ
ううん、と首を振り。ゆっくりとスキュラに近づく。
ナナギ
「隣いいか?」先ほどスキュラがしてくれたみたいに
海獣
ほかに座るもののことなど考えもせず、ベンチの真ん中を占有してぐったりしていた男は、
ナナギ
「ん」
ぽてん、とスキュラの隣に座る。ごん、と木材の音が響く。
海獣
柱時計のぶつかる音。食べられないためにナナギが隠れていた、空洞に響く音。
ナナギ
ナナギには、慰めるとかそういうのはできない
海獣
そう思いながら、男はため息をついて、口を開く。
海獣
背中の傷は医務室で手当てを受けて治ったが、食いちぎられた肩だけがまだ痛む。
海獣
包帯が見えないように巻かれていて、血が滲むことはない。
ナナギ
じっとスキュラを見つめる、それしかできないから
海獣
歯が食い破った瞬間の、悪夢のように甘美な痛みは失せて、じくじくと痛んだ。
海獣
「私たちはひとところに集められて、同じところで暮らしていたから」
海獣
「だから、私の順番も、いずれ回ってくるはずだった」
ナナギ
「すきゅらは、後悔してるのか…?一人で、その…」
自分の境遇と重ねる
ナナギ
「生きてること…」
ナナギの兄姉は、どうなってしまったのだろうか
海獣
一人生き残って、無力感に打ちひしがれているこの子供に。
海獣
それを分かっていて、口にせざるを得なかった。
ナナギ
この柱時計から出て、食われるべきだった。と思うことはあった。
確かにあった。
ナナギ
「でも、すきゅらは生きてるぞ」
そして、ナナギも生きている
海獣
その言葉を辛うじて飲み込んで、男はナナギの言葉を聞く。
ナナギ
「たくさん、いろんなことあって…考えて、わからなくなってるかもしれないけど…」
ナナギ
「"死にたい"も、あるのかもしれないけど…」
[ ナナギ ] ティーセット : 2 → 1
ナナギ
*海獣(スキュラ)の疵、「罪悪感」を「愛」で舐めます
ナナギ
2d6+3+2=>7 判定(+愛) (2D6+3+2>=7) > 6[4,2]+3+2 > 11 > 成功
ナナギ
その言葉をしっかりと受け止め…、考え………
ナナギ
「生きたいって考えることに、許可とか必要ない!」
ナナギ
「すきゅらには、生きていてほしいと思ってる」
ナナギ
「すきゅらは言った、ナナギが必要だと。頼りにしてると」
ナナギ
「それはナナギも一緒だ、すきゅらが必要だし、頼りにしている!」
ナナギ
「でも、それでも生きたいって思っていい、って言葉が欲しいなら」
海獣
救世主が救世主である以上、消えることはない。
海獣
「生きるのが少し大変で、投げ出したくなるのさ」
海獣
それはそれだけのことで、ただし時にほんとうに命取りになる。
ナナギ
「わかる、ナナギも重いもの持ってる時ぽいしたくなる」うんうん
ナナギ
「でも、落としたら大変だから。ナナギは頑張るのだ」
海獣
「私には重いけど、ナナギには私の分はあんまり重くないみたいだ」
海獣
そこにはさっき渡した魔法の粉が入っているだけだ。
海獣
「ありがとう。……大変だったろう。こんな場所にいて」
ナナギ
「すきゅらを探すのに…、大変とか、あまり考えてなかった…」
海獣
「自由行動とはいえ、あんまり帰らないとブランに怒られるかも知れないからね」
海獣
差し出された手を緩く握り返し、男もまた立ち上がった。
GM
もし、誰かと一緒に抱えることが出来たなら……。
[ 海獣 ] 罪悪感 : 0 → 1
1ラウンド PKその3
ハンス
9:『展示室』綺麗で広い部屋に檻が並んでいる。
GM
『展示室』と呼ばれるそこは、奴隷の購入者が商品を選ぶ場所。
GM
呼び出しを受けたシュバルツが到着したとき、そこには既に3人ほどの『客』が待機していた。
シュヴァルツ
おやおや、と思った。ひょっとして自分は売られるのだろうか?
シュヴァルツ
客を一人ひとり、吟味するように見下す。
GM
客のうちのひとりが、前に出てじっとその顔を見る。
エミリオ
軽く腰を曲げてサングラスの上から視線を向ける。
シュヴァルツ
あまねく全てのヒト型を見下している悪魔は、その視線にいちいち気を悪くしたりはしない。
GM
ハンスは少し離れた場所からその様子を見ている。
シュヴァルツ
売られれば先日見たように地を這うような事もあるだろう。
シュヴァルツ
ハンスが自分を扱いかねて手放した、その事実で3日は笑っていられそうだからだ!
シュヴァルツ
エミリオに視線を返したまま口を開かない。喋れ、もてなせ、などの命令がないからだ。
エミリオ
エミリオが後方の二人に声をかけると、大柄の男たちはシュヴァルツの後ろへと回る。
エミリオ
顎で指示を出すと、一人の男が後方からシュヴァルツの膝の裏を蹴り、もう片方の男が頭を上から押さえつける。
シュヴァルツ
使われる男たちに視線を向けることもなく、エミリオを見下すーー
シュヴァルツ
暴力に反応するすべもなく、細い体はあっさりと地に這わされる。
シュヴァルツ
組み伏せられたまま目線だけエミリオに向けた。脆弱な体には確かに痛みがある。わずかに眉を顰めたまま、それでも目はまだ笑っている。
シュヴァルツ
「ハンス様より、"うまくできる"かと」
シュヴァルツ
ぎち、とヒトを模した頭皮の引き攣れる感覚が、発生する痛みが不快だ。
エミリオ
片手で髪を掴んだまま、口の中に親指を突っ込んで肉を横に引っ張る。
シュヴァルツ
頬がぎちりと伸ばされて、かみそりのような牙がむき出しになる。
シュヴァルツ
「は、は、は」口を横に引かれたままでも出来る発音で笑う。
エミリオ
男二人に左右から拘束させ、自分は離れる。
シュヴァルツ
悪魔の体を見るのは初めてかな?とでも言ってやりたかったが、無様な発音になるのを嫌い、笑うのみとした。
シュヴァルツ
たやすく拘束され、暴れない。……そうすることで、自分の不可能から目を逸らす。
シュヴァルツ
この世界に来る前ならば触れさせもしなかったであろうに。
エミリオ
ゴツゴツとしたスニーカーのような靴底で、顔を踏みつけにする。
シュヴァルツ
ぎ、ぎ、と口の端が吊り上がる。痛みと……ヒトなんぞに踏まれるという屈辱が、抑えきれぬ熱さとなって笑顔を作らせる。
シュヴァルツ
これほどまでに痛むのは、かれこれ何年ぶりの痛みだろう?
シュヴァルツ
頬の肉が自らの歯で切れて、裂け、一瞬でぬるい血の味に変わる。
エミリオ
隣の男たちはシュヴァルツが倒れないように支えている。
シュヴァルツ
切れた頬の内の肉よりも、下賤な人の足が、……と思考する間も無く顔を蹴り込まれる。
エミリオ
「悪いねぇ、これじゃ売れなくなっちまうな」
シュヴァルツ
コインのない体はたやすく歪み、鼻の骨は折れ、蹴り込んだところから色を変える。
エミリオ
靴の底に挟まっていた砂粒や土がパラパラと落ちる。
シュヴァルツ
笑っていた目は次第に驚きに変わり、堪えるように細められ、そして射殺さんばかりに睨むようになった。
エミリオ
ごり、と強い一撃で頭を床に打ち付けるように蹴り飛ばす。
シュヴァルツ
苦悶の声を漏らすのを舌を噛んで耐えた。
シュヴァルツ
開放された軽い体はあっさりと吹き飛んで、床に新しい汚れを点々と作る。
シュヴァルツ
脳を焼く痛みと屈辱を、笑いにして誤魔化す。
シュヴァルツ
ひどく歪んだ顔には、先程の余裕を貼り付けようとしても貼りつかない。
シュヴァルツ
げぁ、と潰れたカエルのような音が鳴る。
エミリオ
「あーあ、コレじゃ値段もろくにつかないよなぁ」
エミリオ
「あ、中に物入れられるだけ袋のがマシか」
シュヴァルツ
「ぎ、ひひ……値切られておるぞ、ハンス様ァ」
シュヴァルツ
「カードに負けた、憂さ晴らしにィ、外注とはなぁ」
シュヴァルツ
「悪魔は、おしゃべりでなぁ……みみざわり、だったかな」
エミリオ
「悪魔……悪魔ねぇ……そういや、随分大事に」
シュヴァルツ
痛みに顔を歪ませながら、潰されて歪んだ声を出しながら、それでもまだハンスを笑っている。
シュヴァルツ
幾ら殴られ甚振られようとも、なんなら殺されて恥ずかしめられようとも、この男には構わなかった。
シュヴァルツ
ただ、もし体を開かれて、心臓を抉りだされてしまえば?
ナナギ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
[ ナナギ ] ティーセット : 1 → 0
ナナギ
2d6+0+2=>7 判定(+猟奇) (2D6+0+2>=7) > 9[5,4]+0+2 > 11 > 成功
ハンス
2d6+2+2-3>=7 猟奇 (2D6+2+2-3>=7) > 12[6,6]+2+2-3 > 13 > 成功スペシャル。PKはPCと違い、スペシャルしても小道具は得られないが、判定は絶対成功となる。(絶対成功でなくても値だけで成功はしている)
エミリオ
悪魔の下腹に馬乗りになって、両手を男たちに踏みつけにさせたまま
シュヴァルツ
この世界に堕ちた時に、久方ぶりに自分の心臓の存在に気づかされた。
シュヴァルツ
慌てて人間の姿を取り、その肉と服で戒めとしたが。
エミリオ
両手の爪を肋骨にそって這わせ、指を肉に埋め込んだ。
シュヴァルツ
……ベルトが勝手に戻ろうとする。しかし、それも弱々しく、エミリオの力で引き裂けるものだ。
シュヴァルツ
「お前のようなどこの何とも知れぬヒトなんぞに!我は扱えるようなものでもない!」
シュヴァルツ
開かれたからだの内から、鎖の繋がった"本"がまろび出た。
シュヴァルツ
本の表紙には、『アロイムリムリール』と刻まれている。
シュヴァルツ
「やめろ!やめろやめろ!」
ついに恥も外聞も無く暴れはじめる。
アロイムリムリール
人間に!人間なんぞに名を呼ばれた!!!!
アロイムリムリール
屈辱が何よりも身を焦がし、骨を焼いた。
アロイムリムリール
指先から脳髄まで怖気が体中を走り回り、のたうち回るような苦痛を与える。
アロイムリムリール
「貴様!貴様、ぎ、ぎさま……」
アロイムリムリール
「本から、手を、はな、ぜ……」
アロイムリムリール
心臓に伝わる感触に、足の指がびくんと震えて伸びた。
アロイムリムリール
「やめろって言ってるのがわかんねえのかァ!!!!!!」
アロイムリムリール
「あああああ!!!クソクソクソ!!!!触れるな!やめろ!」
アロイムリムリール
心臓には過去の契約履歴が書き込まれていた。
アロイムリムリール
条件と内容が記載された数々のページをめくっていけば──空白のページがもちろん、ある。
アロイムリムリール
暴れようとしても抑えつけられ、何もかなわない。
アロイムリムリール
「きさま、きさま、きさまァーーーーーーッッッ!!!!」
アロイムリムリール
我が!全てのヒトが平伏し、我に媚びて、礼を尽くしてようやく契約を求めたというのに!
アロイムリムリール
この、ように、その辺の有象無象の悪魔、いや、それよりも悪く!
アロイムリムリール
本に繋がった鎖を通して、翻訳された契約内容が悪魔に通る。
アロイムリムリール
ぎ、と醜い悲鳴を漏らして身を硬直させ、心臓に刻まれた文面を──文字通り全身が理解させられる。
アロイムリムリール
指が何かを掴もうと暴れ、足が痛みにぴんと伸ばされて、しかしそれも、従属の命令が体に染み渡れば、かすかな音を立てて床に落ちるのみだった。
アロイムリムリール
エミリオの言葉のひとつひとつがわかる。その呼び名は自分を呼ぶものだ。
エミリオ
「そのぶっさいくな顔、引取に来るまでに治しとけよ~」
アロイムリムリール
言葉を発するだけで狂いそうになる。
ハンス
己がなんと思われていようか、わかっていれども
アロイムリムリール
悪魔は……あなたが一生掛かっても受けることのない絶大な屈辱に全身を灼かれ、縛られて、びくびくと弱々しく床の上に転がっている。
GM
紙切れ一枚で他者の生を蹂躙できることに変わりはない。
[ アロイムリムリール ] 契約 : 0 → -1
[ ナナギ ] HP : 20 → 19
[ ハンス ] ティーセット : 2 → 1
マスターシーン
アロイムリムリール
「頼み事があるのならばやってやらんこともない」
イスカス
「よければ、一緒に来ていただけますか?」
海獣
いずれにせよ、ハンスのお気に入りとやらのかれの誘いに断れるような身分ではないのだ。
アロイムリムリール
何も言わずに、ついてってやるんだが?って態度で後ろについていきます。
ナナギ
大丈夫、ナナギは今頑張るナナギ…。何かあったら、なんか、こう…。なんかしよう。
GM
この日、この時間。裁判所内はいつもより少し静かに見えて。
GM
客席ではなく、その下の僅かに隙間の空いた控室だ。
海獣
案内されるままに控え室に入って、あたりを見回す。
GM
隙間から覗ける闘技場には、2人の奴隷を引き連れた市民らしき救世主がひとりと
アロイムリムリール
「こんなんじゃ賭けが成立せんなあ!」楽しそうに裁判を見ている。
イスカス
「救世主は30日に一度、『裁判』で他の救世主を殺さなければならない。」
イスカス
「市民だって、そのルールは変わりません」
GM
途中から、裁判所で見かけた救世主たちの連携は乱れる。
アロイムリムリール
「いいぞ!醜いぞ!」キャッキャ
イスカス
「…………コインの枚数が違うんですよ。」
イスカス
「『裁判所』の救世主は、それぞれ5枚しか堕落の国に堕ちてきたばかりの脅威度1救世主は、コインを10枚所持している。持っていないんです。」
イスカス
「エルヴンミオレの『市民』は、基本的に15から30枚は持つことを許されています。」
アロイムリムリール
「1人差し出して、生き残らせてもらおうって魂胆だ」
イスカス
「ええ。『奴隷』が裁判を生き延びるのは困難ですから」
イスカス
「終われば気づかれます。場所を代えましょう……私の部屋へ。」
海獣
どうやら、あのハンスに言われて……というわけではなさそうだ。
アロイムリムリール
後ろ髪引かれる事もなくついていく。
ナナギ
「…お前は何を考えているのかわからん」それでもついていく
海獣
ナナギの話を聞く限り、彼はハンスを誘導するような言動をしていた。
海獣
ハンスに隠れて何か私たちに話を?……そう見せかけて、ということもあり得るけど……まあでも、どっちにしろ従うしかない。
GM
3人とは別の棟、末裔たちの部屋の一角にイスカスの部屋はある。
GM
広くはないが、街の通りからは隠れた使用人のための棟だ。
イスカス
「使用人には『粉』の支給があって、必要なものはある程度揃えられるんです。」
イスカス
「それから、許されているものがもうひとつ……ご存知かとは思いますが」
イスカス
「その中には、コインが15枚はいっていましてね。」
海獣
「裁判所に出るときは、一人十枚になるってことですか」
イスカス
「ヨハネス……ハンスの裁判があるんです。」
イスカス
「ええ、裁判に参加する『奴隷』には必ず5枚」
イスカス
「ハンスの所有しているコインが貸し与えられます。」
海獣
「……ハンスの所持している六ペンスコインは、あの感じからして30枚程度」
イスカス
「この5枚と合わせて10枚。ハンスは15枚。」
イスカス
「十分に勝ち目のある裁判だと思いませんか?」
海獣
「……あなたは、ハンス様のいちばんの『お気に入り』だと聞きましたが」
ナナギ
「…それはそうかもしれない」じっとイスカスを見ている
アロイムリムリール
「ギリギリを楽しみたいのかね?それとも……」
アロイムリムリール
目的があるのかね。目は言外にそう問う。
イスカス
「正確には、耐えられなくなったといいますか……」
イスカス
「しかし、気が付いてしまったんですよね。」
イスカス
「『粉』では彼の遺品は作れないという事に。」
イスカス
「遊戯室の床に敷かれたままではかわいそうですし」
海獣
いかにもそれらしい。納得できる理由に聞こえる。
イスカス
「ハンスの裁判の相手には、あなた方が選ばれるのではないかと考えています。」
海獣
そうやって奴隷に希望を持たせて、いざ裁判の際にコインは配布されない、絶望する様を眺める──
海獣
かれらがそういう趣向を好みそうなものたちであるのも確かだ。
ナナギ
「…これは、お前がしたいこと?」イスカスとコインを交互に見る
イスカス
「その点君たちはここに来る前からの知り合いで仲がよさそうだし」
イスカス
「私は君たちに『賭け』ることにしただけ」
海獣
……ハンスのご機嫌取りにあなたのことを密告しても、信じてもらえなさそうだしな。
アロイムリムリール
「ま、コインはどうにかせねばならんかったのだ……頂いておこう」
イスカス
「動きにくくなりますので、できれば内密にしてほしいところですが……」
ナナギ
「ありがとう、ごめんなさい」深々と、お辞儀をする
イスカス
スキュラに何か、声をかけることはしなかった。
海獣
裁判所の『使用人』、コインを何枚持っていようとも、
アロイムリムリール
3人の間に交わされる何かを揶揄することもない。
海獣
ハンスの所有物であり、彼に従わねばならないことに変わりはないからだ。
GM
そうして、3人の救世主たちはそれぞれコインを受け取り部屋へと案内される。