中忍頭
既に十分に近づいた所で、ひけらかすようにその気配は発され始めたのだ。
検見川速刀
押し殺された表情には、緊張と不快が滲んでいる。
中忍頭
気配が揺らぐ、続いて漏れる音は、押し殺された笑い。
櫃挾一
軽快にリズムをとるように身を弾ませて、刀を構える。
中忍頭
「……哀れなものだな、そう作られたとはいえ」
検見川速刀
中忍頭の言葉一つ一つが、焦燥と緊張でうまく聞き取れない。
検見川速刀
いつあの口から、一を殺す命が飛び出るのか、それに抗えるのか。
櫃挾一
「おれは何もかもが掌の上で転がされてたって」
中忍頭
「そのような問いなど、とうの昔に通り過ぎたさ」
中忍頭
「今から為す事に対しても、今更覚悟なぞ必要ない」
[ 櫃挾一 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
[ 中忍頭 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
[ 検見川速刀 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
櫃挾一
戦いの火ぶたが切って落とされたその瞬間、消える。
櫃挾一
いや、全ての忍が高速機動を行っているだけのこと。
中忍頭
銃弾を見切る目を持っている者のみが、その世界を観測できる。
中忍頭
そうでないものに見えるのは、せいぜいが僅かな痕跡。
中忍頭
踏み散らされる落葉、木の側面につく足跡、そしてのたうつ旋風。
櫃挾一
中忍頭と並ぶ。いくつもの木立が刹那のうちに二人の間を横切る。
櫃挾一
里に流れる小川のような自然の滑らかさの極致に達したその太刀筋は、
櫃挾一
光の道理に従う影と化して、避けがたい一撃を相手に与える。
櫃挾一
指定特技:異形化 エフェクト:クリティカルヒット
櫃挾一
刹那のうちに横切った木立が、まったくの同時に両断され、
中忍頭
光は弾の速度よりも優るれば、その姿は瞳には捕らえうる。
中忍頭
故に、対応を図る。だがその異形の如き一撃を【言霊】で縛るにも……
[ 中忍頭 ] 生命力 : 12 → 8
櫃挾一
研ぎ澄まされた刃を阻むことはできない。影に厚みはなく、どこまでも鋭利。
中忍頭
むろん、赤く滲む血は口からのみ吐き出されたわけではない。
中忍頭
脇腹に手をやり、疵の深さを確認すると、そこに黒い粉末をまぶし
中忍頭
「貴様も分かっていよう。どちらも互いに鞍馬なら、対応も容易いとな!」
[ 中忍頭 ] 生命力 : 8 → 6
中忍頭
異形の如きその姿は、一度見た奥義に対応してみせた証。
言霊で足りぬ速度で動くのならば、こちらもより速く動けばいい。
中忍頭
「その奥義、2度通じるとは思わぬ事だ……!」
中忍頭
「ならば教えてやろう、貴様が宿命と信じたその全て!」
中忍頭
「なにもかも、まやかしだったのだとなァ!」
中忍頭
闇夜の中に更に暗く、幾多にも別れ、伸び、蠢く影の手。
中忍頭
「お前が生まれもったもの、お前を取り囲んだもの……お前が憧れたものですら」
中忍頭
「真実のものだとありはしなかったのだから!」
中忍頭
櫃挾一とかつて接触した、影絵座を名乗った男のそれそのもの。
中忍頭
「その点では礼を言うべきか?これ以上時間がかかれば、私は耐えられなかった」
中忍頭
「哀れで、愚かで、何も持たない、そんな貴様が”そこ”にいる事に!」
中忍頭
秘密:中忍頭
貴方は、PC2に焦がれていた。
相手からすれば貴方の顔も覚えていないだろうが、それでも心にへばりついた執着は、PC2が里に利用され、使役される血徒という形で再会する事になっても消えなかった。
PC2をかつて焦がれた姿に戻すために全てを捧げる決意をした貴方は、外部の忍を装ってPC1を唆し、この舞台を整えた。
貴方の本当の使命は、PC2に本来の姿を取り戻させる事だ。
中忍頭
「ハァハハハハハアハッハハ!!!ヒャハ、クヒャハハハハ!」
中忍頭
「この現世にっあるべき強さの微塵ッッも持たないカスがァ!」
中忍頭
「有り得ん!有ってはならん!耐え難い耐え難い耐え難いィ!」
中忍頭
「っ決してッ!そのような、そのようなァ…………っ!」
中忍頭
胸の内に籠もった熱を、内側へ、内側へ、内側へ取り込み
中忍頭
かつて、曲がりなりにも憧れた”変装”の姿が
中忍頭
2D6+3>=5 (判定:変装術) (2D6+3>=5) > 6[3,3]+3 > 9 > 成功
櫃挾一
2D6>=8 (判定:骨法術) (2D6>=8) > 8[2,6] > 8 > 成功
櫃挾一
2D6>=8 (判定:骨法術) (2D6>=8) > 4[2,2] > 4 > 失敗
GM
それは、戦闘中にも行えるようないくつかの手順。
複数の印と、正しく配置された気の巡り。
GM
鍵穴に針金を添えるようなそれは、櫃挾一の身体の奥深くに存在したそれに確かに作用し、
櫃挾一
今まで見えていなかった音。風と風のすれちがう音、生命の内側に血が流れる音まで。
櫃挾一
――隣り合っては重ならぬ、呪いの術式を膜のように展開する。
櫃挾一
――それより内へ及ぼうとするものを遅くする呪術が刃を遅らせる。
GM
それは、所謂”まっすぐな太刀筋”とは程遠いもの。
GM
妨げ、くらまし、出し抜くことを狙った、謂わば人の心を狙った罠。
中忍頭
その技の冴えに最も影響を及ぼした、なによりの刃。
櫃挾一
指定特技:呪術 エフェクト:絶対防御・防御低下・くらまし
中忍頭
「貴様ァ!貴様ッ…………楽には殺さん!!!!」
櫃挾一
いかなる太刀筋であろうとも呪詛の前に鈍り、避けるに容易い。
中忍頭
「共に在っただと!?貴様の過ごした時間など、空虚なものだ!」
検見川速刀
飛魂を防いだあの術と似て非なる。奥義に昇華された技。それを見ている。
中忍頭
「作られ、与えられ、騙され、なにもかもが仮初に過ぎん!」
中忍頭
「斯様な操り人形が、何かを掴む事など……有り得ん!」
検見川速刀
脂汗が滲んで、刃先が震え揺らめいている。
検見川速刀
中忍頭のものとは別に、頭の中で声が響いている。
検見川速刀
──『あの子を……一を守り、愛してやってくれ』
検見川速刀
それはいかな強靭な意志を持っていようと関係ない。
検見川速刀
一と同じ、身の裡に打ち込まれた血核が、意志を縛る。
検見川速刀
呻くように言って、それでも強張った身体が動かない。
検見川速刀
それは一と中忍頭のふたりよりも、如実に動きが遅れていることにも表れている。
検見川速刀
印を結びかける。飛魂の技を、中忍頭へと向けて。
検見川速刀
2D6>=5 (判定:憑依術) (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功
中忍頭
2D6>=9 (判定:言霊術) 回避 (2D6>=9) > 8[3,5] > 8 > 失敗
検見川速刀
…血断を使用。忍術を潰して1点ダメージ増加。
[ 検見川速刀 ] 忍術 : 1 → 0
[ 中忍頭 ] 生命力 : 6 → 4
検見川速刀
止まりかけた指が動き、確かに印を結ぶ。
検見川速刀
圧縮された空気の刃が、中忍頭へと殺到する。
中忍頭
辛うじて急所を守りつつも、肉が削がれていく。
中忍頭
下忍頭が中忍頭に与えた傷としては、十分すぎる深手だ。
中忍頭
それはこの者にとっては、憤りを滾らせる理由にしかならない。
中忍頭
「殺意ならばいい。私への殺意ならば、それは良い」
中忍頭
「だがよもや。よもや、よもや、よもや……」
中忍頭
「そこの…………く、クゥ……クズをォ…………」
中忍頭
「そこの!何の価値もない、ゴミカスを!守るために刃を振るったとでもォ!?」
検見川速刀
呼吸するのも苦しげに、喘ぎながら中忍頭に相対する。
中忍頭
がり、ごり、と 歯を食いしばる音が離れた所まで聞こえる。
検見川速刀
「里の前に、お前から自由になりたいもんだ」
中忍頭
自由に。自由になるのはいい。それを求めている。
中忍頭
それが自由の結果ならば、自分への殺意すらも甘美に思う。
中忍頭
だが、その視線はなぜ、こちらに定まらない。
検見川速刀
動くのままならず、その身体をそれでも突き動かすものがあるとするならば。
検見川速刀
──そして、それこそが恐らく、この目の前の男には耐え難いのだろう。
中忍頭
「うぅぐぅぅぅうううあああああああ゛…………」
中忍頭
「クソがクソがクソがクソがクソがぁ………………!」
中忍頭
「耐え難い、有り得ん、在ってはならん、巫山戯ている!」
中忍頭
「壊す!壊す!壊す!跡形も無くぶち壊してるぅ!」
[ 検見川速刀 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
[ 中忍頭 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
[ 櫃挾一 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
検見川速刀
だが、刃を構える速刀は、一を背にして、中忍頭に相対している。
中忍頭
「守る……?守るというのか……?そのカスを……?」
中忍頭
「いぃぃぃぃや、そのカスであろうが、他の何であろうが……」
中忍頭
「あ、あぁあぁあぁ、貴方が…………守るぅ!?何かをォ!?」
中忍頭
「う、ぎぎっぎぎぃ…………ぎぃひひ…………ひひははは!」
検見川速刀
「大丈夫じゃないからこうなってるんだろう」
検見川速刀
「それに、おれは別に守ってるわけじゃない」
中忍頭
「そのような姿を晒し続けるくらいなら……せめて消えてくれ」
中忍頭
分裂し、蠢き、逃げ道を塞ぎながら検見川へと迫る。
中忍頭
それがどのような技なのか知らずとも、それがもたらす不吉な予感は避けられぬ。
中忍頭
■奥義
《殺戮教本》
指定特技 :詐術
エフェクト:範囲攻撃/くらまし/人数限定
効果・演出:
櫃挾一
奥義します。呪術、絶対防御/くらまし/防御低下。
中忍頭
2D6+2-2>=10 (判定:言霊術) (2D6+2-2>=10) > 6[2,4]+2-2 > 6 > 失敗
中忍頭
2D6+2-2>=10 (判定:言霊術) (2D6+2-2>=10) > 6[1,5]+2-2 > 6 > 失敗
中忍頭
「ああ、そこのカスだって殺戮によって学ぶだろう!」
櫃挾一
しかしこと忍に活路を作るならば瞬間で十分すぎる。
検見川速刀
地を蹴り、跳び上がる。迫る大地から逃れて、空中にて印を結ぶ。
検見川速刀
「一よりもお前の方が、忍びたるに相応しくない」
中忍頭
奥義を凌がれたと見れば、反撃を予測し身構える。だがあまりに激情に任せすぎた攻撃は、体勢を大きく崩していた。
櫃挾一
刀で何度切り払おうとも、時間という大きな流れを止めることはできない。
検見川速刀
2D6>=5 (判定:憑依術) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
検見川速刀
血断を使用。器術を潰して1点ダメージを上昇。
[ 検見川速刀 ] 器術 : 1 → 0
[ 中忍頭 ] 生命力 : 4 → 2
検見川速刀
空に血の糸を引きながら、刃が中忍頭を切り裂いてゆく。
中忍頭
迎撃に苦無を振り回す事すらできず、狙われたままに刻まれる。
検見川速刀
【背景固定:絆(愛情→PC1)】
貴方は人ではない。
PC1を育て上げるために用意された血徒(p192)だ。
身体に埋め込まれた「血核」がある限り、貴方は里の者の言葉に逆らう事ができない。
PC1が里の次代を担う忍として相応しければ、貴方の本当の使命はPC1に殺される事だ。
だが、ふさわしくないと判断されれば、貴方の本当の使命はPC1を殺す事になる。
検見川速刀
…心臓が脈打つたびに頭痛がする。いまだに頭の中に声が響いている。
検見川速刀
この胸の裡に愛情がある。それは里の手によって埋め込まれたもの。
中忍頭
その言葉は、己を切り刻む検見川に向けたものではない。
中忍頭
思い通りにならぬ世界。
焦がれたものが理不尽に陵辱され、冒涜され、それを今まで見ていることしか出来なかった自分。
検見川速刀
植え付けられたものを、おのれで選び取ったものとばかりに、中忍頭を見据えている。
検見川速刀
血を流し、身を切ってまで、一を背に立っている。
中忍頭
その検見川の姿こそが。
この者にとっては心を手折る刃となる。
[ 中忍頭 ] 生命力 : 2 → 1
検見川速刀
「今は、お前がいちばん、邪魔なんだよ」
中忍頭
弱々しく、息も絶え絶えで、そして、疲れ果てた声。
中忍頭
「跡形もなく、慈悲もなく、興味すら抱かず……」
中忍頭
「バラバラに解体し、見分し、そしてつまらなさそうにそれを見下せばいい!」
中忍頭
「貴方の技を受けて、その上で、生きている!?」
中忍頭
「その時点でなにもかも、間違っているんだ!!!」
検見川速刀
どうせ何を言っても、この男には届かないのだ。
櫃挾一
2D6>=5 (判定:罠術) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
中忍頭
「それを……寄越せ、そして……死ねェ!櫃挾一!」
検見川速刀
吼える中忍頭を見ても、一に警戒を促すことはもはやない。
検見川速刀
二人で導いた、その仕上げのなかに中忍頭はすでにいる。
中忍頭
視線が動く。左、右、上……それを捉える事ができる。
中忍頭
事実、途中までは全てが想定の通りに進んでいた。
中忍頭
全てを悟った男の瞳が、この袋小路を作り上げた人物へと注がれる。
中忍頭
だがそれも、”今は未だ”という枕詞がつく。
中忍頭
瞳は涙をたたえたまま、ただ櫃挾一を睨み続けている。
櫃挾一
「この技は、あんたに教えてもらったものだったな」
櫃挾一
一度捕らわれれば、追いつかれれば、逃れることは難しい。
中忍頭
変装に長けたこの男は、いくら内心に殺意を抱いていようが、おくびにも出さないでいただろう。
中忍頭
そして故にこそ、里の忍として必然行う事になった下忍への手ほどきについても、手は抜かなかった。
櫃挾一
「お前を斃すのは、お前が作り上げた16年だ」
櫃挾一
「お前の描いた生き方。お前の教えた技。お前の与えた奥義」
中忍頭
首を跳ねられた遺体は
何も言葉を遺さず
最期に足掻く事もできず
中忍頭
ただ斃れ、ただ動かなくなり、ただただ、何も為せない躯となった。
[ 中忍頭 ] 生命力 : 1 → 0
GM
死人を蘇らせる力を持ったものなど、それこそ神器の欠片くらいのもの。
櫃挾一
「やはり、おれたちに掛かれば斃せない相手じゃなかった」
GM
それは間違いなく、一つの事実であり、機である。
検見川速刀
「このままでは、お前に殺されねばならなくなる」
櫃挾一
「おれが一方的に勝つに決まってんだよな、んなの」
検見川速刀
「お前は奥義をふたつもふたつ、晒しているからな」
検見川速刀
刀を一に向けるのを堪えているが、それがいつまでもつかは分からない。
櫃挾一
「どうなるかわかんねーからこえーんだよな」
検見川速刀
血核を壊せばどうなるか。この男は口を噤み続けている。
GM
それは、櫃挾一の禍魂の欠片が壊れた時と似た手順であり、実際似たような感覚を齎すものだった。
***
押さえつけていたものが壊れ、締め付けられ続けていたものが解放される感覚。
GM
内側から縛り続けていた見えざる鎖が、ひとつ、ひとつ。
***
ぼこり、と音を立てて、検見川速刀の身体が不自然に膨れ上がった。
***
それは体の内側で、炸薬が爆発したのにも似たような変化。
***
肌は青白く、長い四肢は筋肉が膨れ上がり、巨躯が地を踏みしめる。
解体屋
そして、その顔の前にかけられた布には、その妖魔の名前が主張するように書かれていた。
解体屋
秘密:血核
血核は単なる血徒の証ではない。
それは妖魔を血徒という人の形に押し込め、支配し、死をもってその力を忍に吸収させるための拘束具だ。
この魔具によって拘束された妖魔は、拘束されている限り、術者が設定した人格としての振る舞いを強制される。
このプライズが破壊された時、PC2は生命力を全て回復した上で、以降、自分のデータをエネミーデータ「中級妖魔」のうちのいずれかとして扱う。(どのエネミーになるのか、及び奥義の種類などは、キャラクター作成時に決定しておくこと)
またこのプライズが破壊された時、PC2は全ての長所を失い、取得していた感情の内容を任意のものに変更できる。
また、本当の使命も失う。(HO表面の使命が本当の使命になる))
解体屋
大きく腕を広げる、刃の腕が大きく伸びをする。
解体屋
「長かった、耐え難かった、屈辱であった……」
解体屋
「ああ、ああ! よくやった! よく働いてくれたものだ!」
解体屋
屍が鮮やかに切り刻まれ、臓腑ならぬなにかが取り出される。
解体屋
「人間の身でよくもこれほどの情念を持ったものよな」
解体屋
刃の先で刺し、弄ぶように持ち上げて検分する。
解体屋
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYwNeg7AMM
解体屋
「まさか植え付けられたものだとは思わなかった」
解体屋
「やれ口惜しや、まさかなくなってしまうとは」
解体屋
「言ったろう、どちらが強いかやり合いたいと!」
櫃挾一
「確かに、今なら一方的に勝つってことはなさそうだ」
解体屋
「この腕で、本当の腕で切り裂いてみたらば、どんな感触かと思っていた」
櫃挾一
「おれが破りたいと思ってたのとは色々ちげーんだよな……」
解体屋
「吾は解体屋。すべてを刻んで並べるものよ」
解体屋
「最後にお前を刻んで、受けた屈辱の慰みとしてやろう」
解体屋
「いつまでその人形の名を呼べるか、見ものだな!」
[ 解体屋 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
[ 櫃挾一 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
解体屋
何気ない言葉の途中に、風切る音とともに刃が迫る。
解体屋
急所を狙うのですらなく、好きに切り刻もうとする一撃。
櫃挾一
指定特技:呪術 エフェクト:絶対防御・防御低下・くらまし
解体屋
2D6-2>=6 (判定:憑依術) (2D6-2>=6) > 12[6,6]-2 > 10 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
櫃挾一
当然、相手が攻め込んでくるところまでは読めていた。
櫃挾一
講じる手段はただ一つ――呪術を高めた奥義・停滞呪詛。
解体屋
そうして、織り成された呪を解体屋の腕はあっさりと切り裂いた。
解体屋
検見川速刀は、紛うことなく鞍馬神流の忍びであった。
解体屋
その術はおのれの肉体を傷つけながらも、敵の骨身を断つようなものが多かった。
櫃挾一
解体屋の一撃。初めて見る技。初めて受ける太刀筋。
解体屋
一方的に蹂躙するような、強い意志の籠らぬ無作為な刃があっさりと通り抜ける。
[ 櫃挾一 ] 忍術 : 1 → 0
[ 櫃挾一 ] 戦術 : 1 → 0
解体屋
鼻で笑うように言って、血の尾を引く刃を蠢かせた。
解体屋
「人の身に押し込められ、人形のように喋らされる」
解体屋
「そうよ、あれこそはお前の相手をするための人形よ」
解体屋
「であるなら、お前の四肢を切り裂き、意識を抉り抜き、」
櫃挾一
2D6-1>=5 (判定:罠術) (2D6-1>=5) > 9[4,5]-1 > 8 > 成功
解体屋
2D6>=7 (判定:詐術) (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗
櫃挾一
wt 変調表(2) > マヒ:修得済み特技がランダムに1つ使用不能になる。1サイクルの終了時に、《身体操術》で成功するとこの効果は無効化される。
解体屋
choice[仕込み,壊器術,盗聴術,詐術,憑依術] (choice[仕込み,壊器術,盗聴術,詐術,憑依術]) > 憑依術
[ 解体屋 ] 生命点 : 10 → 9
櫃挾一
2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
櫃挾一
2D6>=5 (判定:罠術) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
櫃挾一
wt 変調表(1) > 故障:すべての忍具が使用不能。1サイクルの終了時に、《絡繰術》で判定を行い、成功するとこの効果は無効化される。
[ 解体屋 ] 生命点 : 9 → 8
櫃挾一
嵐のように鉛球が降り注ぐ――それを支えるは罠術。
櫃挾一
一撃を受けるその間に引いた罠の企みが速刀を襲う。
解体屋
だがその基礎になる術を、修行の日々を、解体屋は検見川速刀を通して『識って』いる。
解体屋
であるから、解体屋がそれを避けられず、音の速度から墜ちたのは
解体屋
解体屋が検見川速刀の肉体から解放されて、妖魔の巨体に戻ったからに他ならない。
櫃挾一
奇しくも散弾は、的の大きい相手により大きな負傷を与える。
解体屋
容赦をしていたならば、恐らく検見川速刀は怒(いか)ったであろう。
解体屋
いくら切り裂かれ、砕かれ、穿たれたところでその動きに支障なし。
解体屋
巨体を震わせ、攻勢に転じるはずであったが、その動きがわずか鈍る。
解体屋
「相変わらず、ちまちまとした技を使いよる」
解体屋
二人で忍務として、下級妖魔をいくらか狩った。
解体屋
実力のないうちから、知恵を絞り策を巡らせ、時には逃げて機を改めた。
解体屋
その技が己に向けられる想像を、解体屋は巡らせていなかった。
解体屋
この妖魔の頭にあったのは、どう屈辱を晴らし、どう愉しむか。それだけだ。
櫃挾一
「お前に連携を繋げるよう鍛えたつもりだったんだがな」
[ 解体屋 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ 櫃挾一 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
櫃挾一
指定特技:異形化 エフェクト:クリティカルヒット
解体屋
2D6>=13 (判定:詐術) (2D6>=13) > 6[1,5] > 6 > 失敗
[ 解体屋 ] 生命点 : 8 → 4
解体屋
いくら血が流れようと、肉を裂かれ骨が断たれようと、
解体屋
唸り声を上げる。表情を隠す面布の下から、感情の滴る声音。
解体屋
それでもなお性情のように、人を侮る心は消せぬ。
解体屋
解体屋にとって人間は、時折煌めき、取っておこうと思えるような石の収められた肉の器でしかない。
解体屋
それが、その人間に、こうして一対一で追い詰められるなど、あってはならないことだった。
櫃挾一
「おれにとって、お前は兄弟だ。家族だ。友だ。師で、好敵手だ」
解体屋
解体屋にとって、目の前の人間は獲物でしかない。
解体屋
兄弟。家族。友。師。好敵手。くだらぬものだ。
解体屋
それは人形であった検見川速刀に対するもの。解体屋は違う。その記憶を持っていようとも。
櫃挾一
「お前が屈辱を覚えていたなら……お前と過ごした16年」
解体屋
だが、まったく断絶しているとは言い切れない。
解体屋
16年、解体屋は確かに検見川速刀であった。
解体屋
腹立たしいとすれば、屈辱であるとすれば、今なお切り離せず、ひとの部分がまだ己の中にあるというその事実。
解体屋
指定特技:憑依術/効果:クリティカルヒット
櫃挾一
指定特技:呪術 エフェクト:絶対防御・防御低下・くらまし
解体屋
2D6>=15 (判定:壊器術) (2D6>=15) > 8[3,5] > 8 > 失敗
解体屋
RTT ランダム指定特技表(4,10) > 『謀術』傀儡の術
[ 櫃挾一 ] 謀術 : 1 → 0
櫃挾一
それは募る想いがあればあるほど意味を持つ。
解体屋
切り裂けるはずであった、すでに見切った奥義。
櫃挾一
呪詛に作用する想いは、櫃挾一の分と、検見川速刀の分。
櫃挾一
凌ぎきれなかった勢いが櫃挾一の体を弾き飛ばし、浅く肉を断つ。
解体屋
それだけしか刃は通らなかった。厚く呪が織り込まれている。
解体屋
あれはただの人形であった、空疎な傀儡であった、何の実もなかったはず。
解体屋
解体し、並べ晒したところで、そこには何も見るべきものは残らないような、くだらぬものであったはず。
櫃挾一
高速機動での戦いの中、流れ出た血がそこに留め置かれたように舞い、残る。
[ 櫃挾一 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
[ 解体屋 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
櫃挾一
「おれはお前を殺すなんてありえないと思った」
解体屋
上から圧し潰すような、妖魔の巨躯と力に恃んだ刃は、忍びの奥義に相当する。
解体屋
だが、それは人間の忍び・検見川速刀として・ではない!
櫃挾一
「里で生きてきたこと、積み上げてきたこと。おれを鍛えてきたもの、見守ってきたもの。生きてきた場所、意味、託されてきたもの――」
解体屋
そんなものを命を懸けて選ぶことの、なんと愚かしいことか!
櫃挾一
秘密:PC1
貴方は裏切り者だ。
ある時たまたま外部の忍に接触した時、その自由な生き方に貴方は惹かれた。
里に秘蔵された「秘伝書」を盗み出した貴方は、それを持ってその外部の忍の所属する血盟に加えて貰う手筈になっている。
櫃挾一
兄弟だ、家族だ、友だ、師で、好敵手だと思いながら――相手に殺意を向けることが。
櫃挾一
2D6+3-1>=6 (判定:呪術) (2D6+3-1>=6) > 3[1,2]+3-1 > 5 > 失敗
櫃挾一
2D6+3-1>=6 (判定:呪術) (2D6+3-1>=6) > 12[6,6]+3-1 > 14 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
[ 櫃挾一 ] 謀術 : 0 → 1
櫃挾一
確かに、お前のその姿、その技は知らなかった。
GM
知らなかった経緯があり、知った経緯があった。
櫃挾一
解体屋の振り下ろさんとする太刀筋を先んじて”見る”。奥義にも及ぶその技を破る。
解体屋
ひとのかたちに押し込められ、矯められてもなお塗り潰せぬ色。
解体屋
それが隙になると、16年を過ごした検見川速刀であれば解したやもしれぬ。
解体屋
だが、解体屋の気配にあるのはただ、驚愕と動揺のみ。
[ 櫃挾一 ] 忍具 : 3 → 2
解体屋
なぜ切り裂けないのか、なぜ打ち砕けないのか、なぜ抉り抜けないのか。
櫃挾一
指定特技:異形化 エフェクト:クリティカルヒット
解体屋
2D6>=13 (判定:詐術) (2D6>=13) > 11[5,6] > 11 > 失敗
GM
そして、現在持つ全てを今、ぶつけあっている。
解体屋
異形の域まで達した一撃を見切らんと、妖魔の刃が再び振るわれる。
櫃挾一
刃と刃がはじかれるように離れ、再び引き合うように交わされる。
解体屋
その一撃を一度受けてなお、解体屋の刃は鈍ることはない。
櫃挾一
里に流れる清流のごとき滑らかで自然な太刀筋は影そのものとなり、
解体屋
教えられるまでもなくそのすべを知る、妖魔の殺戮の刃。それを鈍らせたとするならば。
解体屋
山野を駆け、ふたりの忍びがともに戦うために磨き張り巡らせた罠。
櫃挾一
「解体屋。もう一度だけ呼ばせてもらう――速刀」
櫃挾一
影は滑らかに解体屋を横切る。薄く、一切の厚みを持たない太刀筋。
解体屋
しぶいてようやく、切り裂かれたことを知る。
解体屋
憎きは鞍馬の忍びども。取り囲み、小癪な技でもって封じ、それだけでは飽き足らずに人形として使役した。
解体屋
本当の姿を取り戻し、好きに解剖し、殺し、そうして。
解体屋
くだらぬ人としての暮らし。人形としての視界。その中できらめいたもの。
解体屋
それがよもや同じように、作られて埋め込まれていたものであったとは。
解体屋
それを認めることもまた、妖魔にとっては屈辱であった。
櫃挾一
この、己の命の使い方は、今もなお。純心が失われようとも。
解体屋
検見川速刀であったものには、その意味が分かる。
解体屋
揺れたからだが支えを失い、みずから作った血の海に倒れ伏す。
[ 解体屋 ] 生命点 : 4 → 0
櫃挾一
殺意を選ぶこともできる。感情を強いることもできる。
解体屋
それが妖魔ではなく、鞍馬の忍びらしい言葉であったことに気が付いたのだった。
解体屋
「そんなものは……吾にとってはわずかな時間でしかない」
解体屋
「……だが、人の身に押し込められた時としては」
解体屋
「そんなものは、あっという間に行き過ぎ、つま先ほどのものになる」
櫃挾一
「次また会ったときは……そんときは殺すぜ!」
解体屋
そんなものはどこにもいなかった。とは、言えぬ。
解体屋
それを過ごした櫃挾一の練り上げた技が、妖魔を確かに破ったのだ。
解体屋
血の海から身を起こし、妖魔は地を踏みしめる。
解体屋
その姿に人の面影はなく、今はまた、おのれのいるべき場所へ去っていく。