PC紹介・導入

GM
さて
GM
ではシノビガミ「殺戮教本」
GM
はじめていきます
GM
よろしくおねがいします!
櫃挾一
よろしくお願いします。
検見川速刀
よろしくお願いします。
GM
ではまず PC紹介をPC1から順番に
GM
現在の年齢と、趣味など、簡単な内容で構いません。
櫃挾一
櫃挾一。
櫃挾一
鞍馬神流はバヨネット。
櫃挾一
歳は16。
櫃挾一
趣味は……なんだ?
櫃挾一
修行は好きだ。
櫃挾一
それくらいだな。
櫃挾一
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY8NWH8wMM
GM
では続いてPC2 お願いします
検見川速刀
検見川速刀だ。
検見川速刀
鞍馬神流。16歳。
検見川速刀
趣味などというものはない。好きなものもない。
検見川速刀
忍びとして生まれ、忍びとして育てられてきた。
検見川速刀
ゆえに、忍びにとして生きるよりほかにはない、と思ってきたが。
検見川速刀
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYwpzj3gMM
GM
ではこの仲良し☆二人組でやってきましょう!
検見川速刀
…………
櫃挾一
おう
櫃挾一
よろしくな
検見川速刀
………………
GM
~導入フェイズ~
GM
・どっかの秘境
GM
人里からは遠く離れた深い密林。
GM
そこに文明の痕跡はなく、支配するのは野生の掟。
GM
一般人が踏み入れば、まず生きては帰れないような場所は……しかし、忍にとっては格好の修行の場となる。
GM
とはいえたとえ忍といえども、命を落としてもおかしくはない。
GM
もはや時代遅れであっても、そうした旧態依然とした修行をする者は存在した。
櫃挾一
速駆け、跳躍して樹から樹へ。小さな体躯は木立の隙間をすり抜ける。
検見川速刀
競うように小さな影が。少し離れて同じように樹から樹へ。
検見川速刀
枝葉の揺れる音を背に置いて、ましらよりもそれらしく俊敏に飛んで行く。
GM
その更に後方から、獣の吐息。
GM
それは妖気を纏っている。
検見川速刀
特に鞍馬。分けてこの二人を育てた里においては、命懸けの修行は日常だ。
櫃挾一
「! 速刀、この先は崖だ、迎え撃つ!」
検見川速刀
だが、妖魔に襲われるとなれば、それはまた別の話。
検見川速刀
「チッ! 分かった!」
検見川速刀
相手よりも気づくのが遅れたことを悔しがるような
検見川速刀
そんな声音が返った。苦無を構え、背後を振り返る。
櫃挾一
苦無を樹に掛け、転じる。そのまま上からの急襲を試みる。
GM
茂みから飛びだす、獣を模ったねじれたかたち。
検見川速刀
幹を蹴って樹木から地に滑り降り、舐めるように下から打ちあがる。
GM
ぶるり、妖魔の姿が震えた。
検見川速刀
なんだ、と表情にわずか、警戒と躊躇いが覗く。
GM
瞬時に妖気が膨れ上がる。
それは忍達からは『震々』と呼ばれる妖術──
櫃挾一
牽制として手にした苦無を投じる。逆手に取った小刀を振り下ろそうとし――
GM
荒れ狂う妖気が心を打ち付け、その身体の動きを絶望でもって縫い止める。
検見川速刀
わずかに遅れ、苦無を投げる動作に入ったところで、妖気に打ち据えられて動きが止まる。
GM
その隙を見逃さず、硬い毛皮に覆われた尾がひと振るい、ふた振るい。
検見川速刀
まずいと思った時には、身体は軽々と打ち上げられて宙を舞っている。
櫃挾一
太刀筋は滑らかであることが全て。勢いを削がれた刀は毛皮を穿つことはできない。
GM
未熟な下忍達を叩きのめし、崖の向こうへ弾き飛ばす。
櫃挾一
小さな体は容易に宙へ。
検見川速刀
わずかに足が空を掻き、重力に逆らえず墜ちていく。
GM
幸いにして、崖下に生い茂った木々を上手く使えば死にはしない高度。
GM
だが、強かに身体を打ち付けた忍達には、崖を登る術などはあるはずもない。
崖の上から獣の雄叫びが響き……そしていずれ、その気配は何処かへと消えていった。
検見川速刀
時代錯誤な修行を幾度か経て、体に文字通り叩きこまれた技でもって何とか命を拾い。
検見川速刀
全身の激痛に苛まれながら、妖魔の気配が遠のいたのを感じ取って大きく息を吐く。
櫃挾一
「速刀! 生きてるか!」
検見川速刀
「平気だ。骨もたぶん折れてない」
櫃挾一
地面に大の字で横たわったまま、遠い空を見上げて。
櫃挾一
生い茂る新緑の若葉。
検見川速刀
「しくじったな」
櫃挾一
「だな」
検見川速刀
「最初から飛び降りておくべきだったかも」
検見川速刀
呼吸するたびに体のどこかが痛むが、生きてはいる。
櫃挾一
「そうかもな」
検見川速刀
生きているから重畳だということは、分かっている。
検見川速刀
「逃げなくてよかったよ」
検見川速刀
あなたの言葉にいささかへそを曲げるようにして言ってから、続ける。
検見川速刀
「お前が迎え撃つと言ったのはよかった」
櫃挾一
「あの妙な術がな」
櫃挾一
「あれをどうにかすればやれん相手じゃない」
検見川速刀
「避けるのは無理だな。耐える必要がある」
櫃挾一
「そうだな」
櫃挾一
「お前なら、地形がわかるだろ」
櫃挾一
「うまく凌ぐときはどういう地形を選ぶ」
検見川速刀
「そうだな……」
検見川速刀
「崖上に、回り込めばいくつか岩場があった」
検見川速刀
「あの辺りに誘い込めばあるいは防げるかもしれん」
櫃挾一
「なるほどな……」
検見川速刀
「恐らく、罠も張りやすい」
櫃挾一
「よし、じゃあ次はそうしよう」
検見川速刀
「ああ、次は仕留めてみせる」
櫃挾一
「次はやるぞ」
検見川速刀
「おうさ」
GM
その時、至近距離に静かな気配。
GM
身にまとう赤黒い装束、見覚えのあるその姿は、里の上忍だ。
上忍
「ふむ、生きていたか」
上忍
「上出来だ、里に戻るぞ」
検見川速刀
痛む身体を起こし、跪いてこうべを垂れる。
櫃挾一
「……おれは『刺草の道』から帰ります。今日は斃すつもりだったんで」
櫃挾一
跳ねるように起きて、修行のための険しい迂回路へ駆けていく。
上忍
鷹揚に頷き、それを見送る。
櫃挾一
「速刀、あとでな」
検見川速刀
「ああ」
上忍
それから、検見川へ。
上忍
「随分と、仲良くやっているようだな」
検見川速刀
「……はっ」
上忍
「そう警戒するな。他の者がどうかは知らないが、私はそれを喜ばしく思っている」
上忍
実際、その気配は最初現れた時よりは幾ばくか柔らかだ。
検見川速刀
「は。……そうでなければ──」
検見川速刀
「……それぐらいでなければ、意味がないかと」
上忍
「……ふ」
上忍
手甲を付けた腕が伸ばされ、検見川の頭の上へ。
上忍
壊れ物を扱うような、慎重な手付き。
上忍
「ま、色々あるが」
上忍
「あの子を……一を守り、愛してやってくれ」
上忍
「それが、里の者としての私の気持ちだ。できるな?」
検見川速刀
「……、……はい」
検見川速刀
「それが俺の使命ならば、必ず」
上忍
「ならよし」
上忍
一つ、安堵したように息をつき、手を離す。
上忍
「では、戻るぞ」
検見川速刀
「承知」
GM
手甲ごしでは温度なんてものは伝わらなくとも。
その向こうにあるのは間違いなく、人の温もり。
GM
それは今だから、感じる事ができるもの。
GM
それから月日は流れ……
GM
~導入シーン2~
GM
それから6年。
GM
同じ秘境にて。
GM
駆け、跳躍して樹から樹へ。獣の影は木立の隙間をすり抜ける。
GM
まさにましらの如く、俊敏に飛んでいく。
GM
粗く、乱れた獣の吐息。
GM
その妖魔は、後方の気配を探る。
あの追跡者達は、今はどこに居るのか──
櫃挾一
後方へ意識をやる、それがまさに命取り。
櫃挾一
炸薬が乱れて爆ぜる音が前方から聞こえる。
櫃挾一
火薬と鉛球を使用した罠が獣の脚を撃ち抜く。
GM
獣は大きく身を震わせ、その音を避けるように軌道を変えようとして……
その罠を踏みぬいた。
検見川速刀
同時に、空を切るような音が迫る。
GM
鮮血が迸り、獣哮が轟く。
検見川速刀
風というには鋭く細く、空気の刃が喉元を狙う。
GM
半ば反射的な防衛本能が働き、獣はぶるりと身を震わせる。
GM
妖気が波打つ……
櫃挾一
とびかかる勢いをそのままにして、毛皮の内側に及ぶ痛打を浴びせる。
櫃挾一
出鼻をくじき、速刀の一撃に続ける。
櫃挾一
その連携にもはや呼応は必要としない。
検見川速刀
懐まで飛び込み、刀を振るう。
検見川速刀
躊躇いもなく、恐れもない。
GM
掠れた獣の悲鳴。妖術は不発に終わり──
GM
その喉元が、一刀にて切り裂かれる。
GM
一度、二度、その妖魔──狐狗狸──は、その身体をよろめかせ……
GM
そして、どうと地面に倒れ伏した。
櫃挾一
「いっちょ上がりだ」
検見川速刀
刀を振るい、軽く血を払う。
検見川速刀
「昔はこんなやつに苦戦していたとはな」
櫃挾一
「鍛錬の賜物だな」
検見川速刀
「鍛錬か……」
検見川速刀
言葉を口の中で転がして、軽く足元の土を蹴り飛ばす。
検見川速刀
飛んだ土は、妖魔の屍にかかった。
櫃挾一
地面に仕掛けた、使われた罠を取り外す。
GM
迎えの忍は来ない。忍務が終わったら、自分の足で里に戻るように言われている。
検見川速刀
「こんなやつにも苦戦するほど雑魚だったと思うと、我がことながら腹が立ってくる」
櫃挾一
「そうか」
櫃挾一
頭をかく。
検見川速刀
「そいつを片したらさっさと帰ろう。時間をかけたと思われてはたまらん」
櫃挾一
「だな」
櫃挾一
「いい止めだ」
検見川速刀
「当然だ」
櫃挾一
妖魔の傷口を見る。
検見川速刀
言って、音もなく刃を振るった。
検見川速刀
飛んでいた羽虫が両断されて、ぽとりと地に落ちる。
検見川速刀
「終わったか」
櫃挾一
「おう」
櫃挾一
なれた手つきで妖魔を処分する。
検見川速刀
ひとりで充分だろう、と、突っ立って待っている。
検見川速刀
「今いる下忍頭の中では、おれとお前が頭が抜けている」
検見川速刀
「そろそろ、お呼びがかかるかもしれんな」
櫃挾一
「昇格か」
検見川速刀
「ああ。中忍となれば奥義を得ることにもなる」
櫃挾一
「楽しみだ」
検見川速刀
「……」
検見川速刀
「ああ」
GM
日が暮れて行く。茜色から、瑠璃色へ。
GM
太陽が灯す灯りの色は、次第に遠く。
GM
やがて、夜が訪れる。
GM
 
GM
~導入シーン3~
GM
里の、最も大きな屋敷。
GM
そこにある板の間で、櫃挾と検見川の2人はな並んで座し。
GM
その対面に、里長が座っている。
里長
「確かに、忍務は滞りなく済んだようだ。よくやった」
里長
しわがれた老婆の声は、自然と背筋を伸ばさせるような威厳を帯びて発される。
里長
「……ずいぶんこ慣れたね」
検見川速刀
行儀よく座り、小さく顎を引く。
櫃挾一
同様に。
里長
「お前たちも予感はしていたろうが……そろそろ、中忍の許しをやってもいいんじゃないかとね、そういう話が出てる」
里長
「今日の仕事ぶりを”聴いて”……あたしも頃合いだと判断したよ」
里長
「ふたりとも、よう育った。術もいくつか身につけたね」
里長
「あと身に付けなきゃいけないのは、一つだけだ」
里長
「お前達2人、明日殺し合いをしな」
里長
「確実に、己の手で、相手の息の根を止めるんだ」
里長
「生き残ったほうにだけ、許しをやるよ」
櫃挾一
「殺し合い」
櫃挾一
「速刀とですか」
検見川速刀
無言でいる。
櫃挾一
直截に尋ねる。
里長
「ああ、そうだ」
里長
「できるか?とは聞かないよ」
里長
「やるんだ」
櫃挾一
沈黙。
櫃挾一
「わかりました」
里長
「いい子だ」
検見川速刀
小さく息をつき、こうべを垂れた。
里長
破顔。
里長
それは、牙を剥き出しにして見せるような笑みだった。
里長
「明日、場を用意するよ」
櫃挾一
「……」
里長
「身支度する時間くらいはあげようじゃないか。よく鋭気を養っておくといい。」
検見川速刀
「かたじけのうございます」
検見川速刀
深々と頭を下げて、立ち上がった。
櫃挾一
黙ったまま頭を下げ、去る。
里長
老婆はくつくつと笑うばかり。
里長
2人が席を立った後も、屋敷を出て、表へ出た後も。
里長
そのしわがれた声の残響は残り続けた。
GM
その日は、月の出ない夜。
GM
里は、暗く深い闇に沈んでいた。
GM
 
GM
~導入シーン4~
櫃挾一
川べり。
櫃挾一
月の出る夜はその流れの白きが美しい小川だ。
櫃挾一
今はただ、止めることのできない流れの音ばかりがある。
櫃挾一
「速刀」
検見川速刀
「何だ」
櫃挾一
「やっぱりここにいたか」
検見川速刀
「ああ」
検見川速刀
手の中で、変哲のない丸い石を弄んでいる。
櫃挾一
ある日は、飛沫一つもを受けずに川を渡る試練を与えられた川。
櫃挾一
またある日は、遠くから手裏剣で岩魚を狩る試練を与えられた。
検見川速刀
この見通しのよい小川のどこかへ、瞬時に隠れろと言われたこともある。
検見川速刀
今はだれも隠れてはおらず、どこにも気配はない。
検見川速刀
速刀と一が、ふたり立っているだけだ。
櫃挾一
その『かくれんぼ』の鬼をしたのがおれだ。
櫃挾一
速刀は最後まで見つけられなかった。そのときから地を読むのが上手かった。
検見川速刀
「ついに、だな」
櫃挾一
「ああ」
櫃挾一
『検見川速刀、もう出ていいぞ』
櫃挾一
上忍の呼びかけで初めてその名前を聞いたのを覚えている。
櫃挾一
初めて会った場所だ。
櫃挾一
「どちらが勝つと思う」
検見川速刀
「…ここまで来たんだ。おれは負けるつもりはない」
検見川速刀
「相手が貴様ならなおさらだ」
検見川速刀
言ってから、瞑目して首を振る。
検見川速刀
「…………実際のところは、五分だろうな」
櫃挾一
「負けるつもりじゃ、勝てるものも勝てない」
検見川速刀
「そうだ」
検見川速刀
「だが、客観的な見立てというのもある──」
検見川速刀
顔をしかめてみせて、一に目を向ける。
検見川速刀
「それで、何だ」
櫃挾一
「お前と本気で殺るのは、悪かない」
櫃挾一
「やってみてえと、思わなかったことはないだろ、お前も」
検見川速刀
「それはな」
櫃挾一
全力で、手加減なく、力を試す。
検見川速刀
どちらが上回るか、決めたい相手がいるとするならこの男だった。
櫃挾一
こいつに俺の技がどこまで通用するのか。
櫃挾一
こいつの技をどれだけ捌ききれるか。
櫃挾一
「だが」
検見川速刀
ぴくりと眉を跳ね上げる。
櫃挾一
「里を抜けないか」
検見川速刀
「……なんだと?」
櫃挾一
月はなく、川の流れだけが続いている。
検見川速刀
問い返しながらも、その表情に驚きはない。
櫃挾一
刀で何度切り払おうとも、大きな流れを止めることはできない。
櫃挾一
「おれとお前はここまで共に育った」
櫃挾一
「外に行こう」
検見川速刀
「…………」
GM
川の流れだけが音を立てる。
GM
夜が湛える沈黙が、何かを待っている。
GM
それは、今は未だここになく、しかし探せば見つかる筈の、何か。
GM
 
GM
~導入フェイズ終了~