GM
ワンダーランドへようこそ~!
野々村大翔
わ~!
GM
カイブツのみなさ~ん!
こんにちは~!
鈴村 舞姫
わ~!
野々村大翔
こんにちは~!
鈴村 舞姫
こんにちは~!
河上 マオ/レオ
こんにちは~!
GM
おっと!まちがえた!
GM
バケノカワのみなさ~ん!
GM
こ~んにちわ~!
野々村大翔
こんにちは~!!!
鈴村 舞姫
こんにちは~!!
河上 マオ/レオ
こんに~ちは~!
河上 マオ/レオ
間違えちゃうなんてうっかりさん!
GM
うっかりうっかり!まちがえちゃたいへんですね!
GM
だってみなさんは、誰かのために成り代わっているんですもの!
野々村大翔
はい!
GM
じゃあ、そんなバケノカワのみんな!
GM
今日は自己紹介をお願いしたいんだけど~!
GM
大丈夫かな~!
野々村大翔
大丈夫~!
鈴村 舞姫
大丈夫~!
河上 マオ/レオ
大丈夫~っ!
GM
わ~い!やったあ!
GM
それじゃあ……
GM
いちばん先輩のひとから!
GM
まずはカイブツの紹介をして、それからバケノカワの紹介をしてね~
鈴村 舞姫
一番先輩……となると、私だ!
GM
そのときにいっしょにキャラクターシートを「情報」タブに貼っておいてね!
GM
いちばん先輩!よろしくおねがいしま~す!
鈴村 舞姫
いいだろう! 自己紹介をしてやる!
鈴村 舞姫
まずはカイブツの紹介だな!
鈴村 舞姫
(胸が引き攣れ、徐々に盛り上がり、そこから小さなすずの人形が顔を出した)
踊り子を想うすずの兵隊
ごほん……
踊り子を想うすずの兵隊
私が責任者の踊り子を想うすずの兵隊である!!
長いのでスズと呼べ!
口でクソたれる前と後に"サー"と言え!!
わかったかカイブツども!!
モブカイブツ達
サーイエッサー!!
踊り子を想うすずの兵隊
いや、ここは軍隊ではない……。無理にとは言わない……。
今は令和の時代だと分かっている……。
ううっ、戦場で失った右足が痛む……。(戦争に行ったことなどない)
踊り子を想うすずの兵隊
ともかく、踊り子を想うすずの兵隊である。
戦争帰りで右足を失っているが、ショーに支障はない。
バケノカワを被っている間は普通に二本足があるしな。
踊り子を想うすずの兵隊
体は小さいが、一番先輩なのでそれなりに尊敬するように。
踊り子を想うすずの兵隊
バケノカワは私の妻である。妻なので、私は責任を持って幸せにするつもりだ。皆妻も私と思って尊敬するように。
踊り子を想うすずの兵隊
さて、その妻だ!
鈴村 舞姫
私だ!鈴村舞姫である!
鈴村 舞姫
あっ、いや……。鈴村舞姫です。こんにちは。
鈴村 舞姫
私はバレエ一家に生まれて、小さいころからずっとバレエをやっていました。
鈴村 舞姫
才能に限界を感じて自殺しちゃって、そこで"私"のバケノカワになりました。
鈴村 舞姫
とはいえ、自我はすずの兵隊なので……、ええと。
鈴村 舞姫
幸せにしてもらって嬉しい!はずだ!
鈴村 舞姫
今は才能も関係なく楽しく踊れているので、嬉しい!はずだ!
鈴村 舞姫
舞姫が好きだった男とも付き合いを続けているし、幸せのはずだ!
鈴村 舞姫
人間を幸福にできるすばらしい仕事だしな!皆幸せ!皆HAPPY!すばらしい!
鈴村 舞姫
以上!!
GM
ありがとう~!
さすがいちばん先輩なだけあって、人間ドラマがちょっとフクザツ!
GM
アシストがんばってくださいね!
鈴村 舞姫
どーんと任せておけ!
GM
では、つぎは~。
まんなかの先輩!
河上 マオ/レオ
は~い!
河上 マオ/レオ
一番上のセンパイ、やっぱり頼もしい~!
河上 マオ/レオ
とりわけ目立つは、ちっちゃな体に大きなハート!
河上 マオ/レオ
カチカチ頭のクソ真面目には、誰だってしびれちゃうね!
鈴村 舞姫
なんだと~っ!プンプン!
妙ちきりんな双子
これは失礼! 最大限誉めたつもりだったけどねっ!
妙ちきりんな双子
それではそれでは……
妙ちきりんな双子
不肖、我々、妙ちきりんな双子!
みんなはそのまま、双子って呼んでるね!
妙ちきりんな双子
ふたりいるなら名前も違うんじゃないか?
妙ちきりんな双子
でもでもそれって、おしゃべりよりも大事なはなし?
答えはノーに、決まってる!
妙ちきりんな双子
第一今、どっちが話してるかなんてわからないでしょ!
妙ちきりんな双子
得意なことは、飛んだり跳ねたり、歌ったり!
自己中おしゃべり、なんでもござれ!
妙ちきりんな双子
こんなんだから、ほんのたま~に怒られるけど!
気にしなければモウマンタイ!
妙ちきりんな双子
自己紹介としてはこんな感じ?
妙ちきりんな双子
なにより、バケノカワのがずっとずっと魅力的だからね!
河上 マオ/レオ
これが私のバケノカワ!
姓は河上。名前はマオ!
河上 マオ/レオ
あるいはレオ。よろしくね~っ!
河上 マオ/レオ
いつも一緒でぴったんこなくらい仲良しだよ!
河上 マオ/レオ
ま。丁度ここの胸から下のとこ。ほんとにくっついてるんだけどね!
河上 マオ/レオ
お客さんは気づいてたり、気づいてなかったりしてるみたい?
河上 マオ/レオ
まあでも、ワンダーランドじゃそれも些細なことなのかも!
河上 マオ/レオ
このバケノカワの人間さんも、昔は色々苦労したみたいだけど……
河上 マオ/レオ
その辺あんまり“思い出せない”かなあ。
河上 マオ/レオ
とはいえきっと、憧れてた遊園地で働けて嬉しいはずっ!
河上 マオ/レオ
今日も今日とて、人間さんを楽しませちゃうよ~!
河上 マオ/レオ
あっでも、面倒なことは程々コウハイくんに任せちゃお……
河上 マオ/レオ
一年目になるとね、色々とね、面倒事が増えてきちゃうからね……
野々村大翔
がんばります!
河上 マオ/レオ
たのもし~!
河上 マオ/レオ
ということで、センパイからは以上だよっ
GM
ありがとうまんなかの先輩!
いちねんめって色々たいへんだよねえ~。
GM
じゃあさいごは~!
GM
われらが期待のルーキー!
野々村大翔
はいっ!よろしくお願いします!
野々村大翔
……じゃなかった、まずはカイブツの紹介から!
黒い森のオオカミ
あっしは……オレ様は……おいらは……ううん、違う違う。
黒い森のオオカミ
おれは黒い森のオオカミ。
森と言ったら黒くて暗く、そこにはオオカミがいるものなんだ。
黒い森のオオカミ
人間を食ったり、ニワトリを食ったり……
黒い森のオオカミ
でも、人間もニワトリも、地下の国では見たことがなかったな。
黒い森のオオカミ
だから人間とかニワトリとか見てみたくて、今の契約をしたんだ。
黒い森のオオカミ
そしたらどうも、人間は食べちゃいけないらしい…………
黒い森のオオカミ
食べちゃいけないらしいので、食べないです。
黒い森のオオカミ
もちろん、人間たちを喜ばせようという気持ちはあるよ!
黒い森のオオカミ
それはそれとして、おれはオオカミだから……わかるかなあ、これ。
黒い森のオオカミ
契約してくれたバケノカワの紹介するね。
野々村大翔
そういうわけで、バケノカワの野々村大翔です!
野々村大翔
ええ~と……おれはどうも、警察官ってのをやっていて……人間を守る仕事をしてたらしい。
野々村大翔
どっちかって言うと、オオカミを撃ち殺す仕事だな。
野々村大翔
でも、川でおぼれそうになってた犬を助けて死んじゃったんだって。
野々村大翔
食べようとしたのかな?
野々村大翔
獲物を追っかけて溺れ死ぬ、オオカミにもよくあることなので共感が持てます!
野々村大翔
そういうわけでバケノカワとして戻ってきて……警察官を続けてほしかったみたいだけど、それは無理だから、こうしてワンダーランドで働いています。
野々村大翔
人間を守るほうじゃなくて、人間を喜ばせるほうで頑張っていきます!
野々村大翔
まだまだ分からないことだらけだけど、頑張るぞ~っ!
GM
うんうん!
みんなを笑顔にするってことなら、警察官もワンダーランドのキャストもにてるとこがあるもんね!
GM
わからないことだらけだろうけど、がんばってね!
GM
あっ、そうだ!ルーキーくん!
君にひとつプレゼントがあるよ。
なんだろうね?
野々村大翔
えっ、何かもらえるんですか?
野々村大翔
いいものだといいなあ~!
GM
じゃじゃ~ん!
思い出のかけらをプレゼント!
GM
「ワンダーランドで誰かと待ち合わせた」
野々村大翔
わあ~!
GM
この思い出を、遊園地の思い出につけくわえるか。
GM
今の思い出と交換で書き換えてね!
野々村大翔
はーい!……書き換えておきます!
GM
バケノカワはこうして、いきなり思い出のかけらを渡されることがあるんだ!
GM
生前の人間さんの大事な思い出だから、だいじにしてあげてね!
野々村大翔
はあい!
野々村大翔
今まで思い出せなかったけど、なんだかワンダーランドで誰かと待ち合わせていた気がする!
野々村大翔
…いつ? だれと?
GM
どうやらこの季節になって急に思い出したみたいだね。
GM
つい最近!
GM
思い出しちゃった!
野々村大翔
思い出しました!
GM
おもいだせて よかった!
野々村大翔
よかった~!
GM
じゃあ、次はみんなのお仕事を紹介してもらおうかな~。
GM
お仕事の紹介のあとに、今回のアシストPCたちの紹介もいっしょにするよ!
GM
またまたいちばん先輩から!
鈴村 舞姫
私だ!
鈴村 舞姫
舞姫は踊ることが好きだったからな、踊る仕事をしている。
ショーキャストだ!
鈴村 舞姫
バレエとはちょっと違うダンスだが……まぁ踊りは踊りだ!
鈴村 舞姫
大体あれだな。水上ショーの観客席側で踊ってることが多いな。
鈴村 舞姫
なので連携するスタッフも多く大変だが……、私はベテランだからな!
鈴村 舞姫
何も問題はない!
泊 海斗
あ、いたいた。
おーい舞姫。
鈴村 舞姫
あ、海斗!
泊 海斗
さっきのショーよかったってお客さんが言ってた。
やったな。
鈴村 舞姫
ほんとう? よかった~っ
鈴村 舞姫
お客さんに喜んでもらえると、やっぱり嬉しいな!
泊 海斗
水の上から見てたよ。
ナイスダンス。
GM
ワンダートークンをひとつプレゼント!
鈴村 舞姫
ありがとう!海斗もかっこよかったよ!
鈴村 舞姫
やった~!
泊 海斗
おれは泊 海斗。
こいつの彼氏、でいいんだよな?
鈴村 舞姫
もっちろん!
泊 海斗
(なんか最近はもうダチって感じだけど)
泊 海斗
(まあ、いいや)
泊 海斗
(いろいろたいへんだろうけどがんばれよ)
鈴村 舞姫
(何も知らずに、褒められたことを喜んでいる)
泊 海斗
普段は水上ショーで水上バイクやってる。
凧つけて、空飛ばせんの。
鈴村 舞姫
なかなかできない、すごいことだ!
泊 海斗
ワンダーランドの職員じゃなくて、外部だけど。
まあ色々長い方だから困ったらなんか聞いて。
鈴村 舞姫
そう!海斗も先輩だ!尊敬しろ!
GM
ありがとうふたりとも!
そうだ、どこのパビリオンに行ったらふたりに会えるのかなあ?
鈴村 舞姫
アンデルセンタウンだぞ!
GM
ありがとう~!
あとでワンダーチェキしにいくね!
鈴村 舞姫
今ならあまり並んでいないからおすすめだ!
GM
じゃあつぎは、まんなかの先輩!
河上 マオ/レオ
はいはあい!
河上 マオ/レオ
ボクらはちょ~っぴりホラーなコースターで、
人間さんを案内してるよ!
河上 マオ/レオ
いつでも一緒の双子が案内するなんて、雰囲気ぴったりじゃない?
河上 マオ/レオ
このバケノカワなら~って勧められたからなんだけどね~
河上 マオ/レオ
でもでも、お喋りな私たちには丁度いいよね!
河上 マオ/レオ
好きに話して人間さんを楽しませられるとか、やばいでしょ!
瀬野瀬 良
マオ先輩、レオ先輩。
ちょっと見てみてください。
瀬野瀬 良
ふふ、泣きつかれて眠ってしまったんですね。
今はぐっすり夢の中。
瀬野瀬 良
ああっ、申し遅れました。
僕は瀬野瀬 良 せのせなおし と申します。
瀬野瀬 良
ちょっと怖いアトラクションなので。
泣きだしてしまったお子さんをお預かりするお手伝いをしてるんですよ。
河上 マオ/レオ
……おやおや! 今日も大量ですね~コウハイ!
瀬野瀬 良
たいりょうです~。
河上 マオ/レオ
ほんとによく眠ってますねえ。
河上 マオ/レオ
これで何人目?
コウハイと一緒だと安心しちゃうのかな~?
瀬野瀬 良
園長先生の経験が活きましたかな?
瀬野瀬 良
こうして憧れのワンダーランドで働けるなんて未だに夢みたいだ。
瀬野瀬 良
これも先輩のおかげです。
河上 マオ/レオ
いや~それほどでも!
河上 マオ/レオ
……。
河上 マオ/レオ
(コウハイを見てると、なんだか、きゅうっとするのはなんでだろう)
河上 マオ/レオ
(多分、イヤな感じではない。と思うけど)
河上 マオ/レオ
(わかんない……)
河上 マオ/レオ
ボクらこそ、コウハイのお陰で助かってるよっ!
瀬野瀬 良
これからもがんばりましょうね。
瀬野瀬 良
さきほどお子さんをお預かりしたご家族の方から「上の子も下の子も安心してこわいアトラクションを楽しめた!」との感謝が届いておりますよ。
GM
ワンダートークンをプレゼント!
河上 マオ/レオ
やった~!
GM
3人はどこのパビリオンに行ったら会えるのかな?
河上 マオ/レオ
不思議いっぱいのアリスランドです!
みんなのこと、待ってるよ~!
GM
ありがとう~!
ワンダーチェキしにいくね!
GM
じゃあさいご!
ルーキーくん!
野々村大翔
はい!
野々村大翔
ええと、おれはワンダーランド内の水路を移動する船の操船スタッフ……
野々村大翔
見習いです!
野々村大翔
実はおれ、水がけっこう苦手なんですけど、それ以上に船に来るお客さんのために頑張りたいと思って……
野々村大翔
克服すべく頑張ってます。
野々村大翔
もちろん、まだ色々勉強中です。
野々村大翔
はやく先輩たちと同じぐらい船を操縦できるようになりたいです!
野々村大翔
海斗さんにはお世話になってます!
泊 海斗
おー、熱心でおれらも助かってる。
泊 海斗
そのうち水上バイクも習いに来いよ。
野々村大翔
すっ……水上バイク!!
鈴村 舞姫
あの難しいやつを!
野々村大翔
あ、あれは……まだ……ちょっと……怖いかも……!
野々村大翔
でも頑張ります!
泊 海斗
さっきの遊覧船、お客さんから感謝の声が来てるぜ
野々村大翔
ほんとですか!? やった!
泊 海斗
「船酔いする方なんですけど、このお船は大丈夫でした!」ってさ
野々村大翔
わあっ……!
GM
ワンダートークンをプレゼント!
野々村大翔
嬉しいです!
野々村大翔
こうやって、みんなをどんどん笑顔にしていきたいな!
GM
野々村くんにはどこのパビリオンに行ったら会えるのかな?
野々村大翔
ええっと……そうだ、グリムアドベンチャー!です!
野々村大翔
いろんな冒険ができるパビリオンなんですよ!
GM
そっか!ありがとう!
あとでワンダーチェキしにいくね!
GM
それから、あの人にも伝えてあげよっと。
野々村大翔
あのひと?
GM
なんか野々村君のことをずっと待ってる人がいるみたいなんだよ。
GM
今日はいるかなあ?
野々村大翔
おれのことを? いったい誰のことだろう。
野々村大翔
もしかして、……『おれ』の大切なひとなのかな?
GM
なんかここ最近、ずっと来てるみたいなんだけどさ。
GM
こんなに暑いのにずっとスーツで、ビジネスバッグで、眉間にしわ寄せてて……。
GM
ずうっとエントランスにいたんだけど。
野々村大翔
ワンダーランドにいるのに、ちっとも楽しそうじゃない?
GM
そうなの!不思議だよね?
GM
だからつい今日、聞いてみちゃったんだ!
GM
そしたら野々村君を探してるって言うから!
野々村大翔
おれを!
GM
うん!会いに行ってあげてよ!
GM
「友人」だって言ってたよ!
野々村大翔
はい!それは、おれが会いに行かないと!
野々村大翔
友人? あの人かな、それともあっちのあの人かな。
野々村大翔
資料で読んだので、友達のことはばっちりです!
野々村大翔
ちゃんと笑顔にして見せます。みんなを悲しませないことは、『おれ』の望みでもありますから!
GM
よかったあ!あの人のこと、よろしくね~。
野々村大翔
はい! 任せてください!
GM
Hello Yesterday.
Good Bye Destiny.
GM
君のいない夏が来る。
GM
誰かのために成り代わる
   バケノカワ

   『My Dear.』

GM
開園&開演です!
GM
♦レジリエンス
GM
雨の中。
あたりは暗くなって人の帰り始めるエントランス。
ベンチに座る人影。
誰か
「……」
野々村大翔
腕を振って大股に、そちらへ向かって近づいていく。
野々村大翔の、生前からの歩き方。
誰か
右手の腕時計で時間を見るような動き。
銀色の高級なもの。
誰か
「……!」
野々村大翔
夜の雨のけぶる中、その姿はまだよく見えない。
誰か
思わず、といったふうに立ち上がる姿だけ。
野々村大翔
だが、相手がこちらに気づいたことが分かって、笑顔になった。
野々村大翔
「こんばんは! 何かお手伝いできることはございますか?」
野々村大翔
スタッフの言葉遣いで話しかけながら、さらに数歩近づいて。
野々村大翔
あれ?という顔をした。
誰か
「……、」
誰か
「野々村……」
野々村大翔
「あ、ええと……その……おれを探している、って話を聞いて……」
野々村大翔
「はい! 野々村です!」
野々村大翔
マオ・レオ先輩風に言うなら、「やばい」だ。
GM
知らない人だ。
資料にもない。
どういうわけか、記憶にもない。
野々村大翔
向こうはおれを知ってるのに、
野々村大翔
どうしよう。覚えてない。
GM
何も知らない。
何も覚えていない。

GM
ただ、どういうわけか。
GM
胸の奥底だけが熱い。
GM
レジリエンス判定に使用するのは【情熱】です。
野々村大翔
その熱さの意味が、分からない。
野々村大翔
例えばそれは『おいしそう』な人間を見たときに似ている。
野々村大翔
でもこの人間は、食いでがなさそうで、不健康そうで、そんなにおいしそうじゃない。
GM
やせぎすの、陰気な男だ。
GM
ちっともおいしそうにはみえない。
野々村大翔
混乱するなか、何かを言わなければいけないが、何も思い浮かばない。
野々村大翔
『友人』らしい喋り方をすればいいのだろうか? 間違ったらどうしよう?
GM
野々村くんは【情熱】を持っているので十面体を2個振れます。
GM
静かに、腹の底が思い出していく。
「待ち合わせ」の約束の感覚だけ。
GM
判定はダイスを2個振って4以上の出目がひとつでも出れば成功です。
野々村大翔
2d10 (2D10) > 10[2,8] > 10
GM
成功!
GM
彼の「名前」を思い出せます。
相模 邦晃
「……」
野々村大翔
「相模……さん」
相模 邦晃
混乱する野々村を気にしているのかいないのか。
雨に打たれながら、呆然としている。
野々村大翔
名前、そうだ。この人はそうだ。でも、それ以上のことは。
相模 邦晃
「大翔……」
野々村大翔
「おっ……おれに、なにか……ご用でしょうか……?」
相模 邦晃
「お前、なんだな……?」
相模 邦晃
歩み出でる。
野々村大翔
「はっ……はい!」
野々村大翔
背筋を正す。
GM
それは再び会えた喜びと、深い感傷から出た言葉。
GM
カイブツからすれば見知らぬ人からの言葉。
そのうえに正体を探られるような言葉。
野々村大翔
野々村大翔らしい振る舞い。体に残っている記憶。
野々村大翔
そういうものでかろうじて取り繕う。
野々村大翔
いや、取り繕えているだろうか? 疑われてやしないだろうか?
野々村大翔
疑ってるから今の言葉? どうしよう。
相模 邦晃
「……いいんだ、約束を破ったのはこっちの方なんだ」
相模 邦晃
「……お前は待ってると言ったのに」
野々村大翔
あっ。
GM
待ち合わせの約束をしたのは。
この人。
GM
遊園地の思い出。
GM
遊園地にすらはいっていなかった、思い出。
野々村大翔
この人と、遊園地で、待ち合わせしたんだ。
野々村大翔
相手は、落ち込んでいるように見える。
野々村大翔
何か、相手を喜ばせて、笑ってもらうような言葉を投げかけたいと思う。
相模 邦晃
「まさか、働いてるとは」
野々村大翔
でもそれが……なぜか、難しかった。
野々村大翔
胸の熱さが、邪魔をしているのかもしれなかった。
相模 邦晃
「……」
野々村大翔
「……はっ、はい」
相模 邦晃
「……すまない」
野々村大翔
「えっ」
相模 邦晃
「もう閉園時間だな」
相模 邦晃
「……帰る」
野々村大翔
「あっ」
野々村大翔
「あっ、あっ! あの」
相模 邦晃
「……?」
野々村大翔
「……えと」
野々村大翔
「ま、また来てください」
相模 邦晃
「……」
野々村大翔
「その、相模さんが笑顔になれるように」
野々村大翔
「おれ、頑張りますから!」
相模 邦晃
「……」
相模 邦晃
一枚、財布から名刺を取り出して渡す。
野々村大翔
めっ…名刺だ!
相模 邦晃
「もう、“あそこ”でやり取りする必要はない」
相模 邦晃
「直接かけてきて、構わない」
野々村大翔
受け取って、見る。
相模 邦晃
白地に黒字。
整っているがそっけない名刺。
野々村大翔
「わっ……わかりました!」
野々村大翔
いや、どうしよう。わかりましたでいいのかな。
野々村大翔
ぐるぐると考えたまま、突っ立っている。
相模 邦晃
「……じゃあ、」
相模 邦晃
踵を返して駅へ。
相模 邦晃
「また、見に来る」
野々村大翔
「あ……ありがとうございました!」
野々村大翔
スタッフらしく頭を下げる。
野々村大翔
夜の雨の中に溶け込みそうな、痩せた背を見送る。
GM
その姿はとても、
GM
とても……?なんだろう。
GM
カイブツのなかにはまだそれを例える言葉がない。
野々村大翔
ただ、胸が熱い。
GM
GM
レジリエンス終了です。
おつかれさま!
野々村大翔
いったいあの人は誰なんだろう?
野々村大翔
でも……きっと、おれはあの人を笑顔にしなきゃ!
野々村大翔
そのためには……パレードだ!
GM
そう!ワンダーランドのパレードは楽しくて、どきどきして、胸が熱くなって、とっても素敵な夢と魔法の舞台!
GM
きっと、あの人を笑顔にすることができるはず!
野々村大翔
相模さん、待ってて!
野々村大翔
相模さんのために、すごいパレードをやってみせます!
GM
その意気だ!
GM
がんばってね!
GM
そうだ、開演フェイズの前に……。
GM
パレードはひとりじゃできないっ!
誰か協力者を集めよう!
GM
さっそく明日から、動き出そうっ!
野々村大翔
がんばるぞ!
GM
おー!
GM
翌日
GM
ワンダーランド内の水路を走る船の中。
集まってくれた協力者のカイブツ、もといバケノカワは2人。
GM
暇だったから連れてこられたのか、招集がかかったのか、野々村君に直接声をかけられたのか。
そのへんは自由!
GM
船のつくりつけのちいさい机の上には、えらいひとからもらってきたパレードの企画書!
鈴村 舞姫
「なるほど、つまり、その男が喜ぶパレードを企画したらいいわけだな!」
野々村大翔
「はい! そのために、ぜひ先輩たちの力をお借りしたく!」
鈴村 舞姫
「元気のない人間を笑顔にするのが我々陸軍の……いや、ワンダーランドスタッフの仕事だ! もちろん協力しよう!」
野々村大翔
「ありがとうございます!!!」
河上 マオ/レオ
「いやはや流石、スズセンパイを見習いたいもの!」
河上 マオ/レオ
「迷えるコウハイ、我々も当然手伝いましょう!」
野々村大翔
「やった~!」
野々村大翔
「先輩たちが手伝ってくれるなら安心です!」
野々村大翔
「きっと、相模さんも笑顔になってくれると思います!」
河上 マオ/レオ
実際に協力者として携わるのは初めてだけど……!
鈴村 舞姫
「手伝いはするが、お前が中心になって頑張るんだぞ!野々村!」
鈴村 舞姫
「私達はその男のことを全く知らんからな!」
野々村大翔
「はっ! はい! そっ、それはもちろん……!」
野々村大翔
「で、でもあのお~…………」
野々村大翔
言いにくそうに目を泳がせている。
鈴村 舞姫
「なんだ、はっきり言え!」
野々村大翔
「実は俺も、相模さんのことについてよく知らないんです……」
野々村大翔
「ぜんぜん覚えてないし、資料にもなくって……」
鈴村 舞姫
「な、なにい~!?」
鈴村 舞姫
「じゃあ……どうやって企画するんだ?」
野々村大翔
「そこをなんとか……!」
河上 マオ/レオ
「おやおや、それは一大事」
河上 マオ/レオ
「でもでも、『友達』だったのでは?」
野々村大翔
「そうなんですよ」
鈴村 舞姫
「そ、そうだそうだ」
野々村大翔
「話してみたら、名前も思い出せました」
鈴村 舞姫
「ほっ」
野々村大翔
「あと……」
野々村大翔
胸の熱さのことを思い出して、言葉を詰まらせる。
野々村大翔
なんだか、人に言っちゃいけないことのような気がしたからだ。
河上 マオ/レオ
首を傾げる。
野々村大翔
「いや! そうだ、もっと話してみたら、もっと思い出せるかもしれないです!」
鈴村 舞姫
「そうだな! うっかり忘れてることは誰にでもある!」
鈴村 舞姫
「むか~しのことなのかもしれないしな!」
鈴村 舞姫
「むか~しのことは、思い出すのが難しくなる!」
野々村大翔
最近なんだけど……と言おうとしたけど、黙っています。
河上 マオ/レオ
「はてさてしかし、言い淀むなんて珍しいものだねえ……」
河上 マオ/レオ
あっ。口に出ちゃったな。
野々村大翔
あわわわ。
鈴村 舞姫
「むっ、言われてみれば」
河上 マオ/レオ
「まあまあ。我々も同意見!」
河上 マオ/レオ
「おしゃべりで思い出したのなら、もうっとおしゃべりすれば良い!」
野々村大翔
「はい!」
鈴村 舞姫
「そうだな!人間はおしゃべりができる!」
河上 マオ/レオ
おしゃべり至上主義です。
野々村大翔
「そうですよね。おれ、いいパレードにするために……」
野々村大翔
「相模さんに笑顔になってもらうために、もっと相模さんのことを知らなくちゃ!」
鈴村 舞姫
すずの兵隊は喋れないし、卵の意味不明な話は通じないし、おおかみは話を聞いてもらえない。でも人間は話ができる!
鈴村 舞姫
これはすごいことだぞ!
河上 マオ/レオ
すごいことだぞ!
野々村大翔
すごい!
GM
では、お話がまとまったら。
せっかくなのでえ。
GM
みんなに企画書にサインしてもらおう。
GM
企画者と、企画協力者 のとこに3人の名前を書いてね。
GM
野々村君から順番に、河上さん、鈴村さんの順番で。
野々村大翔
はーい!
野々村大翔
書きました!
鈴村 舞姫
人間社会では、書類を書くのは大事なこととされる!
GM
だいじ!
河上 マオ/レオ
書きました!!
鈴村 舞姫
書いたぞ!
GM
確認しました!
GM
承認!
GM
内容を埋めたら改めて、もう一度提出してくれたまえ!
GM
それでは開演!

◆◆パレード企画書◆◆

〇企画者:野々村大翔
〇企画ターゲット:相模 邦晃
〇企画者とターゲットの関係:友人
〇メッセージ意図:笑ってほしい!
〇企画協力者:河上マオ/レオ/企画者との関係:先輩
〇企画協力者:鈴村 舞姫/企画者との関係:尊敬する先輩!
〇承認:ワンダーランド企画部

ターゲット
〇好みA:
〇好みB:
〇承認:©ワンダーランド

泊 海斗
ああ、野々村がパレードするんだろ?
泊 海斗
じゃあちょうどいいや、って舞姫に声かけたんだよ
泊 海斗
おれの後輩でもあるわけだし
泊 海斗
手伝えるもんは手伝う
瀬野瀬 良
野々村くんはいい青年だよ
瀬野瀬 良
僕が同居してる親戚夫婦がねえ、飼ってるワンちゃん。
彼が助けたんだよ!
瀬野瀬 良
今じゃ大事な家族の一員さ