マリア=ロドリーゴ
4d6 (4D6) > 9[1,2,3,3] > 9
月花 柘榴
4d6 (4D6) > 15[2,4,4,5] > 15
辰巳 悠希
4d6 (4D6) > 13[1,3,4,5] > 13
イザンナ
4d6 (4D6) > 16[2,3,5,6] > 16
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
三善清次郎
4D6 (4D6) > 8[1,1,2,4] > 8
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 4 に変更しました。
[ マリア=ロドリーゴ ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 4 に変更しました。
[ 月花 柘榴 ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
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[ 辰巳 悠希 ] がダイスシンボルを 4 に変更しました。
[ 辰巳 悠希 ] がダイスシンボルを 5 に変更しました。
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[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 4 に変更しました。
GM
──3月6日 23:10 魔女の指のごとき木々が見える場所──
GM
“聖ヴェロニカ”の暗号名を持つ騎士、フェアリー・ブルダン。
GM
かつてアラミタマとの戦いで父を喪った、ブルダン家の現当主。
フェアリー・ブルダン
「(……やっぱり、間違いない)」
フェアリー・ブルダン
「(この異常事態。霊脈が、この土地がこんな事になってる原因も……)」
GM
夜の帳が下された暗闇の中、淀んだ霧の景色に、うすぼんやりと枯れ木のシルエットが見える。
GM
星空も見えず、地面も見えず、外には灯りも灯らない。
フェアリー・ブルダン
「(だいたい分かってきた。ここで何が起こってるのか……)」
フェアリー・ブルダン
「(法則障害は、まだ消せない。だからここを出る事もできない。その前に、私がやるべき事は……)」
フェアリー・ブルダン
「(……わからなくなってきた。私は正しい事をしてるのかな)」
フェアリー・ブルダン
「(どうして、こんな事になっちゃったんだろう。私たちが出会ったことは、間違いだったのかな)」
フェアリー・ブルダン
「(アラミタマは倒さなきゃ)」
フェアリー・ブルダン
「(そう。アラミタマは敵なんだ。放置したら大勢の人が死ぬ。見逃すわけにはいかないんだ)」
フェアリー・ブルダン
「(もう……見ちゃったんだ)」
フェアリー・ブルダン
「(予言は避けられない。それなら私は……)」
フェアリー・ブルダン
「(ごめんね、マリア。あなたに何も言えなくて)」
フェアリー・ブルダン
「(ごめんね、マリア。あなたを置いて、ここまで来てしまって)」
フェアリー・ブルダン
「(……主よ。お赦し下さい。私は今、罪深い考えを浮かべました)」
フェアリー・ブルダン
「(“愛さえなければ、誰も死なずに済んだのに”……)」
GM
◆プロローグ:“聖モニカ”マリア=ロドリーゴ◆
GM
暗闇の中、リサ・ブルダンがベッドに寝かされている。
GM
いつぞやの光景と同じ。疲れたリサを、マリアが強引に寝かしつけている。
GM
半月以上も働き詰めであったにも関わらず、なかなか進展を見せていないらしい。
GM
ついには別の案件を担当していた騎士長“聖カタリナ”の手まで借りることとなってしまった。
GM
そんな不甲斐ない事実に、リサはすっかり疲弊している。
フェアリー・ブルダン
「……マリア。ごめんなさい」
GM
しかしここまで参った様子のリサを見ることは、滅多にないことだ。
マリア=ロドリーゴ
休むのに抵抗されるのはいつものこと。
マリア=ロドリーゴ
それを無理矢理寝かしつけるのもいつものこと。
マリア=ロドリーゴ
ただその押し合いへし合いにいつか軋みやほころびができるのでは。
マリア=ロドリーゴ
そういう予感はいつもあって。今回はそのバランスがたまたま崩れただけ。
マリア=ロドリーゴ
「片付かねえ案件抱えてたら、そりゃ寝にくいだろうけどよ」
マリア=ロドリーゴ
「動けないもんを無理に動かすのはやめろ」
フェアリー・ブルダン
「……私、役に立ててない……」
マリア=ロドリーゴ
「……上手くいかないことぐらいある」
マリア=ロドリーゴ
事態が進展していない、力を尽くしても上手くいかない。
マリア=ロドリーゴ
その事実が現前とある以上、慰めの言葉には限界がある。
マリア=ロドリーゴ
「弱気なことをぐだぐだ言ってるぐらいなら、寝ちまえよ」
フェアリー・ブルダン
「私の仕事が遅れることで、困る人や死ぬ人が出るって思うと」
マリア=ロドリーゴ
「今寝なきゃ、もっと死ぬかもしれない」
フェアリー・ブルダン
「…………。そう、これも早く仕事を解決させるために必要なこと」
フェアリー・ブルダン
「分かっては、いるんだけど……胸が痛い……」
GM
実際に、彼女は手遅れというものを経験したことがある。
マリア=ロドリーゴ
カミガカリとしての使命感、力なき者への同情心、当主としての責任感。
GM
一度や二度ではない。他のカミガカリたちと比べてもかなり多い方だろう。
マリア=ロドリーゴ
『手遅れ』を経験する理由は、リサの力不足故ではない。
マリア=ロドリーゴ
そしてその『力』も、マリアにはないものだった。
GM
その力で、聖堂騎士団の任務を何度も成功へと導いたことがある。
マリア=ロドリーゴ
それを、マリアも横で何度も見ていた。
GM
けれど、リサ本人は、その力で解決した任務のことを“成功”と思ったことはない。
マリア=ロドリーゴ
リサが未来を見る時、事態はすでに、手遅れだ。
マリア=ロドリーゴ
事件を解決しても、ことは起こってしまっている。
マリア=ロドリーゴ
ことが起こる前でも、起こる未来は避けられなかったりする。
マリア=ロドリーゴ
未然に防ぐということは、予知の力をもってしても不可能だ。
GM
任務を終えるたび、心を痛めながらも、今も聖堂騎士団でこうして働いている。
GM
……こういった仕事に、向いている性格ではないのかもしれない。
マリア=ロドリーゴ
リサ・ブルダンは優秀なカミガカリだ。
マリア=ロドリーゴ
今日に至るまで。当主を継いで、慣れない仕事をこなしてなお。変わることなく。
GM
昨年の事件解決が評価されたマリアとリサは、今や祓魔騎士へと昇格している。
GM
聖堂騎士団にとって、居なくてはならない人材。
GM
その事実がまた、リサを苦しめてもいるのだろう。
マリア=ロドリーゴ
リサも自分も、それに見合う働きをしてきた。マリアはそう思っている。
マリア=ロドリーゴ
どんなに功績を上げても、アラミタマを打ち倒して評価されても。
マリア=ロドリーゴ
守れるかもしれなかったもの、助けられるかもしれなかったものが見えていて。
マリア=ロドリーゴ
それが零れ落ちていくのに耐えなければいけない。
マリア=ロドリーゴ
自分の魔眼は、リサのように未来を見通すことはない。
マリア=ロドリーゴ
だから、リサのように心は痛んでこなかった。
マリア=ロドリーゴ
「潰れるのは、許さないからな」
フェアリー・ブルダン
「……ありがとう。ごめんなさい……」
フェアリー・ブルダン
「飲み物、入れてもらってもいいかな……?」
GM
けれど全て自分で背負い込むリサが、マリアへとものを頼むのは、滅多にない事。
マリア=ロドリーゴ
珍しい、と思った。珍しい、と指摘することはない。
マリア=ロドリーゴ
「何がいい。冷たいのと温かいの」
フェアリー・ブルダン
努力をしなければ、自分を甘やかすこともできない。
フェアリー・ブルダン
マリア相手にかろうじて。けれどこうしてぎこちなく。
マリア=ロドリーゴ
こちらも、別に甘やかすのが得意なわけではない。
マリア=ロドリーゴ
部屋を横切り、慣れた手つきで湯を沸かし、飲み物を入れにかかる。
マリア=ロドリーゴ
勝手知ったる、だ。もちろんリサのためにではなく、自分のためにいつもは淹れている。
マリア=ロドリーゴ
程なくして、湯気を立てるカップがリサの前に突き出された。
マリア=ロドリーゴ
ちゃっかり自分の分も入れている。
フェアリー・ブルダン
息を吐いて冷ましながら、少しずつ口をつけていく。
フェアリー・ブルダン
「任務のためには、体を休ませることが最優先」
フェアリー・ブルダン
「体を休ませるために頑張らなきゃ、休んだらすぐに、仕事に向かわなきゃ、って」
マリア=ロドリーゴ
休まるものも休まらない。体は休めても、心が。
マリア=ロドリーゴ
心を切り替えるスイッチでもついてりゃいいのだが。
マリア=ロドリーゴ
「ヘタクソなんだからな。お前のヘタクソな休息を見ててやる」
フェアリー・ブルダン
倣うように口を付けた。飲み干してサイドテーブルの上へ。
フェアリー・ブルダン
「マリア。本当にいつもありがとう」
フェアリー・ブルダン
これも口癖のように言っている。
フェアリー・ブルダン
『ごめん』『ありがとう』『しなきゃ』という言葉が、彼女の口から出ない日はない。
マリア=ロドリーゴ
その口癖を、雑に受け取ったり拒否したり。
マリア=ロドリーゴ
まじめにしては度が過ぎている。
マリア=ロドリーゴ
昔から、押し潰されそうな顔をしているわりにできる奴、だった。
マリア=ロドリーゴ
今はたまに、本当に、押し潰されそうにも見える。
フェアリー・ブルダン
“デュマ”の事件以来の提案。
フェアリー・ブルダン
「そっちの方が、私も寝付けるから」
マリア=ロドリーゴ
わざとらしくため息をついて、カップを置いてベッドに向かう。
フェアリー・ブルダン
大人に甘える機会などない娘だった。甘えることを覚え始めて、今更に子供のような一面を覗かせる時がある。
マリア=ロドリーゴ
戸惑いが大きい。だが、嫌というとまた違う。
マリア=ロドリーゴ
こいつが眠れるなら、バカみたいな無理をしないなら、休めるなら。
フェアリー・ブルダン
僅かに体温の残るベッド、少し離れて目を閉じるリサ。
マリア=ロドリーゴ
弱気なリサ、無理をして休めないリサ、隣でこうして、目を閉じてようやく眠るリサ。
マリア=ロドリーゴ
いつか、決定的に破綻するんじゃないか。そういう不安を。
フェアリー・ブルダン
先程の顔が嘘のように、穏やかな顔をしている。
マリア=ロドリーゴ
だから、向こうから何かを要求されるとホッとする。
マリア=ロドリーゴ
離れていくものをなんとか繋ぎ止められているような、そういう実感があるからだ。
マリア=ロドリーゴ
ばかみたいだと思っても、できることならそれをする。
マリア=ロドリーゴ
リサに予知の力があって、リサがブルダン家の当主で、カミガカリで、
マリア=ロドリーゴ
それをやめさせることはできないから。その不安が消えることはない。
マリア=ロドリーゴ
いつまで付きまとうか分からない不安を見ないようにするように、目を閉じた。
GM
着替えた形跡もある。自分の足で、どこかへと向かったのだろう。
マリア=ロドリーゴ
スマートフォンで時間を確かめる。用を足しに出たってわけでもないだろう。
GM
部屋にも、スマートフォンにも、書き置きなどは残されていない。
マリア=ロドリーゴ
苛立ちとともに、眠る前の不安が顔を出す。
マリア=ロドリーゴ
いつになく疲れていた。仕事は片付いていなかった。だからいずれ、破綻が来るのでは、と。
GM
仕事用の道具は持ち去られている。その中には彼女のスマートフォンもあったはずだ。
マリア=ロドリーゴ
リサがこの『休息』を勝手に切り上げてどこかに行くことは、今までなかった。
GM
コールもない。電波の届かない場所にいるのだろうか。
マリア=ロドリーゴ
髪を掻き回してベッドを降りる。
マリア=ロドリーゴ
仕事に向かったんだろう。片付かない案件……だが、休みは不十分だ。
GM
その彼女が、マリアに隠れてこの場を立ち去るというのは、不自然な動きだった。
マリア=ロドリーゴ
何があった? 急に休むことに耐えられなくなった? 嫌な夢でも見たか?
マリア=ロドリーゴ
出ないリサにコールするのをやめて、聖堂騎士団へ。
GM
こちらは繋がる。出たのは副長のテレサ・カラス。
テレサ・カラス
「“聖モニカ”ね。どうかしたの?」
マリア=ロドリーゴ
「“聖ヴェロニカ”から、報告が上がっていませんか」
マリア=ロドリーゴ
「休息中に姿を消しました。何か『見た』可能性があります」
テレサ・カラス
「……確認が取れたわ。連絡が来てる」
テレサ・カラス
「内容は……短いわね。行き先だけ」
テレサ・カラス
「ここに向かう、と。場所を送るわね」
マリア=ロドリーゴ
「私が向かって構いませんか。“聖ヴェロニカ”は消耗している」
テレサ・カラス
「それでは、緊急事態のため略式となりますが、任務を言い渡します」
テレサ・カラス
「任務内容は、現地の調査と、“聖ヴェロニカ”の捜索。彼女を発見できた場合は、救出が最優先で構いません」
マリア=ロドリーゴ
「承知しました。…お任せください」
テレサ・カラス
「すぐにこちらも状況確認と手続きに入るわ。くれぐれも気を付けて」
マリア=ロドリーゴ
「……良い報告を持ち帰ってまいります」
マリア=ロドリーゴ
不安。が、ある。振り払うように言い切る。
テレサ・カラス
「頼んだわよ。汝に神の祝福があらんことを……」
マリア=ロドリーゴ
通話を終えて、あらためて誰もいない部屋を見回す。
マリア=ロドリーゴ
何も言い残さずに出ていった。相当慌てていたのか。何かあったのか。
マリア=ロドリーゴ
顔見て文句言ってやらなきゃ気が済まねえ。絶対に連れ帰る。
マリア=ロドリーゴ
まとわりつく嫌な予感は無視する。
マリア=ロドリーゴ
怒りを押し殺して、大股にリサの部屋を出た。
GM
※入手[情報①:フェアリー・ブルダンの失踪について]
三善清次郎
「……………………」ほっと息を吐く。よかった。休み一日使った甲斐があった。
メフィスト・フェレス
「ダンナの手料理を食べる名誉をいただけるとは!」
三善清次郎
「いや……こっちこそ食べてもらえてうれしい……です……」
三善清次郎
語尾が小さくなっていく。もにゃもにゃ。
メフィスト・フェレス
「色んな場所に行きましたが、やはり手料理は違いますね。心が満たされるといいますか」
メフィスト・フェレス
言葉は薄い。そのような心をこの悪魔が持ち合わせているかは、どうにも怪しいところだが。
三善清次郎
その薄い言葉にも、一喜一憂する自分がいることは否めなかった。
三善清次郎
「大悪魔様の心が満たせたなら、何より」
メフィスト・フェレス
「あたしも料理は好きですよ。泥水を上等なワインに見せかけたりなどができます」
三善清次郎
もちろん、用意したのは泥水ではない。瓶を持ち上げて相手のグラスにも注ぐ。
三善清次郎
相変わらずの人を喰ったような顔を窺って。
三善清次郎
ままごと遊びに付き合わせているな、と思いながらも。
三善清次郎
「メッフィーちゃんはほんとに邪悪だな~」
メフィスト・フェレス
「こんな純粋な悪魔を捕まえて!」
三善清次郎
「いや?こういうの、なんていうか……付き合ってもらえるなんて思ってなかったから……」
メフィスト・フェレス
「しもべに目にかけていただいて嬉しい限りです」
メフィスト・フェレス
「しかしあまり悪魔へ入れ込むのは感心しませんよ」
三善清次郎
わかっている、という言葉をつまみのナッツと共に呑みこんで。
三善清次郎
「そういうこと言われるから、期待しちゃうんだけどな~」
三善清次郎
どうしようもなく上滑りする言葉。上滑りさせようとする言葉。
メフィスト・フェレス
「はあ、はあ、なるほど。期待ですか」
三善清次郎
「……少なくとも入れ込んでるのはわかってもらえてるってことで……」
三善清次郎
「いや。大悪魔様としては人間を勘違いさせることが本分なんでしょうけどね」
三善清次郎
言葉が行ったり来たりする。緊張のせいかアルコールの回りが早い。
メフィスト・フェレス
席を立つ。清次郎の後ろへと回り込む。
メフィスト・フェレス
「ですが、あたしも、一つだけ」
メフィスト・フェレス
両手を回し、肩に顎を乗せて。
メフィスト・フェレス
「ダンナの期待にお応えする用意がありますよ」
三善清次郎
小さな顎の乗る感触。首筋に微かに吐息。
メフィスト・フェレス
吐息が当たる。人間のように、呼吸をしている。
三善清次郎
どんなに焦がれても、存在のレイヤーが違う。
三善清次郎
それをわかっていて、重なることに期待をやめられない。
三善清次郎
僅かに頭を動かして、小さな頭に頬を寄せた。
メフィスト・フェレス
腕が前へと伸びる。子供のような小さい手が視界に。
メフィスト・フェレス
さ迷った腕の甲、そこに指を這わせたかと思えば。
メフィスト・フェレス
肩にあったはずの存在も、ふっと後ろへ。
メフィスト・フェレス
「それでは今回のアラミタマ情報~!」
三善清次郎
「なんでもないで~~~~~す!!!!」
メフィスト・フェレス
「はい。お招き頂き光栄ですけどね」
メフィスト・フェレス
「手ぶらじゃ参れません。今日もきちんと仕入れてきましたよ」
三善清次郎
「はい!そんなこったろうと思っておりました!お付き合い誠にありがとうございます!」
三善清次郎
椅子を動かして相手に向き直る。首筋に僅かに吐息の感触が残ったまま。
メフィスト・フェレス
「こちらこそ、ありがとうございます。食卓に水を差す形になってしまって申し訳ありませんね」
三善清次郎
「メッフィーちゃんも遊んでる暇ないもんね~!」
三善清次郎
アラミタマを、1000体。自分の手を下さずに。
目の前の大悪魔は、そういう契約で動いているという。
三善清次郎
そうして、人間への転生が果たされるのだとか。
メフィスト・フェレス
「いえいえ、お気遣いには及びません。気軽に呼び出して下さって構いませんよ」
メフィスト・フェレス
「時間は山ほどありますからね」
メフィスト・フェレス
「ではお言葉に甘えて、勿体つけずに行きましょうか」
三善清次郎
――出来れば、自分の生きている間にその願いが叶えばいい。
三善清次郎
無意識に耳に手をやる。硬い感触がある。もう会えないかもしれないひとの。
メフィスト・フェレス
果たしてこの悪魔が、今どれだけのアラミタマを倒しているのか。
メフィスト・フェレス
この制約が果たされるまで、あとどれくらいの時間がかかるのかは、定かではない。
メフィスト・フェレス
煉獄の夜以来、アラミタマの数は急増した。
メフィスト・フェレス
しかし依然として、アラミタマなどそうお目にかかれるものではない。そうあってはいけない。
メフィスト・フェレス
だから、清次郎が生きているうちにこの悪魔の願いを叶えることは、きっと難しいのだろう。
メフィスト・フェレス
「大事なのはやはり、正体と目的、それから居場所ですかね」
メフィスト・フェレス
悪魔はそんな彼の胸中を知ってか知らずか、淡々と情報を述べていく。
メフィスト・フェレス
いつものように。いつもと変わらずに。
メフィスト・フェレス
……その情報は、読み上げられた。
三善清次郎
『アラミタマなんて生まれてしまっても構わないんですよ!』
三善清次郎
『放置して誕生を待って、それから退治すれば、――』
メフィスト・フェレス
「生憎と、それらしい気持ちを感じたことはありません」
メフィスト・フェレス
「だからこそ、あたしは人間に憧れてます」
三善清次郎
願いが叶わなければいいと、そうも思っている。
三善清次郎
人間という愚かな生き物に与えられた、矛盾がある。
メフィスト・フェレス
「ダンナがお辛そうな顔をしていることは、さすがの悪魔にもわかります」
メフィスト・フェレス
「けどね。あたしじゃ、そこに寄り添う事はできません」
三善清次郎
進化の過程で得た不合理極まりないものだ。だから、この男もまた憧れる。
三善清次郎
自分が人間でなければよかったのに、と。
三善清次郎
「いや~、つらい顔っていうか、これはもともと!」
メフィスト・フェレス
心を見通すように、まっすぐと見つめる。
メフィスト・フェレス
「アラミタマが人間になることはとても難しい」
メフィスト・フェレス
「けれど、人間がアラミタマになることはとても簡単です」
メフィスト・フェレス
「あまり、そういったことをお考えにならないように」
メフィスト・フェレス
「ダンナがもし人の道を踏み外したなら、あたしはその情報を別のカミガカリに売りつけて、ダンナを討ち取ってもらうよう仕向けます」
メフィスト・フェレス
「そういう生き方ですよ、あたしのこれは」
三善清次郎
結局のところ三善が踏みとどまれているのは、
――やはりどこかで、通じ合えるかも、なんて期待しているからで。
メフィスト・フェレス
「ダンナにはカミガカリのままで居ていただいたほうが、あたしにとっては得ですから」
三善清次郎
それも、勘違いで、期待でしかないはずなのに。
メフィスト・フェレス
「ダンナ。ひとつあたしと、賭けをしちゃみませんか?」
メフィスト・フェレス
「ええ、余興のようなものです。ダンナが勝ったら、何でもひとつ言うことを聞きましょう」
メフィスト・フェレス
「そんなみみっちい事、しませんよ」
メフィスト・フェレス
「賭けと言いましたけど、厳密にはあたしとダンナの対等な賭けではありません」
メフィスト・フェレス
「ダンナに賭けるのはあたし。ダンナはいわば、馬の役割です」
三善清次郎
「そりゃあ……なんか、俺、向いてないやつだと思うんだけど……」
メフィスト・フェレス
「ダンナの勝ちは、あたしの勝ちじゃありません」
メフィスト・フェレス
「これは……そうですね、予言です」
メフィスト・フェレス
「あたしの言う通りにダンナが動いたらあたしの勝ち」
メフィスト・フェレス
「もしそうならなかったら、あたしは何でも一つ、ダンナの言う事を聞きましょう」
三善清次郎
その胸に符を押しつけられた時の感触が蘇る。
三善清次郎
出来ないだろうと思った、そう言われたことを。
三善清次郎
前かがみになって頭をばりばりと両手で掻く。
メフィスト・フェレス
「で、これはね。近い未来……そうですね。『明くる日が去りゆく時』とでも申しましょうか」
GM
明日の深夜、日付の変わる刻という意味だろうか。
メフィスト・フェレス
「その刹那へと向かって、ダンナが呟く言葉です」
メフィスト・フェレス
仰々しい身振り手振りと共に、両手を開く。
メフィスト・フェレス
「『Verweile doch! Du bist so schön』!」
メフィスト・フェレス
「ええと、日本語では『止まれ、汝はいかにも美しい』とかですかね。まあ、英語でもフランス語でも構いません。細かい言い回しが違うくらいはいいでしょう」
メフィスト・フェレス
「ダンナが『その言葉』を呟けば、あたしの勝ち。というのはどうです?」
三善清次郎
「……止まれ、汝はいかにも美しい」復唱。
三善清次郎
緊張していたのか、僅かに気の抜けたような。
メフィスト・フェレス
「どうでしょうね?あたしにも分からないからこそ、賭けが成立しますから」
三善清次郎
時が止まればいいなんて、あの日から思ったことはない。
三善清次郎
一分でも一秒でも早く流れて、押し流されて、――また。
三善清次郎
”いつか”くるかもしれないその日を、三善清次郎は願っている。
メフィスト・フェレス
「こう見えて、賭けには自信があるんです。それではダンナ、またお会いしましょう!」
メフィスト・フェレス
そう言って、悪魔は仰向けに倒れこむようにして、影の中へと吸い込まれてゆく。
GM
けれど、胡桃はあの時のように幸せそうな笑顔はしていない。
月花胡桃
一方の胡桃は、姉の心境の変化がわからない。
月花胡桃
去年の冬。二人の関係が、わずかにぎこちなくなった。
月花胡桃
原因は、変な夢を見たからだった気がする。一年前の夢の内容など、もうあまり覚えていないが。
月花胡桃
再び会った時には、姉は胡桃を避けるような仕草をするようになった。
月花 柘榴
あのモノノケが腐り落ちて溶けていったように、
月花胡桃
わからないから、苛立ちが混じる。ゲームを置いて、もう片方の手で触れる。
月花 柘榴
じぶんの手に霊肉と毒液がずっと残っているような感覚がする。
月花胡桃
わずかに潤んだ瞳。その意味もわからない。
月花胡桃
触れるのも、触れられるのも嫌がっている。胡桃にはそう映る。
月花胡桃
手を伸ばして涙を……体液を、拭おうとする。
月花胡桃
ずっと、このように拒まれている。拒まれ続けている。
月花 柘榴
その表情が、あのとき見た幻覚と重なる。
月花 柘榴
もっと触れたいと、思わなかったことがなかった。
月花 柘榴
けれどどれだけ謝っても、その理由を話すことはない。
月花 柘榴
全て話せたら楽だと、そう思うことすら、たぶん、間違ってて。
月花 柘榴
どうやっても、胡桃を傷付けることしかできない。
月花胡桃
何度も同じ問答。意味も分からず拒まれ続けて半年。
月花胡桃
ごめん、と謝られるたびに浮かぶ苛立ちと悲しみ。
月花胡桃
「私はやだよ!今のざくろちゃんといても、楽しくないよ!」
月花 柘榴
今、胸がぎゅっと苦しくなったのだろう。
月花胡桃
「なんでこうなっちゃったの……昔は、二人で居るだけで楽しかったのに!」
月花胡桃
「なんで離れていくの。理由も説明なしじゃ、どうすればいいかわかんないよ」
月花胡桃
「一緒に居るのが嫌なら、なんで私の家に来るの!」
月花 柘榴
胡桃が私の触手を見たときの表情が頭から離れない。
月花 柘榴
ただ何も言えずに、瞳から無色透明の毒を流す。
月花胡桃
「いなくても、ざくろちゃんのことを考えて辛い」
月花胡桃
そこからは、もう何も言わない。無言で泣きながら、携帯電話を取り、充電器を取り、ケープを羽織り。
月花胡桃
最後にぽつりと一言呟いて、自室に柘榴を置いていく。
月花 柘榴
ちょっとの浮遊感がして、ぐちゃり、と音がして、地面に落ちる。それで我に返る。
月花 柘榴
立ち上がると、霊肉と血が混じったものが溢れて、足を伝って落ちる。
月花 柘榴
手がかりを見つけては、そこに行って、モノノケと戦う。
月花 柘榴
……倒れる一歩手前で殴るのをやめて、強引に押し倒して。
月花 柘榴
そうしてモノノケが息絶えるまで、続ける。
月花 柘榴
別に楽しいわけではないし、よくなるわけでもなかった。
月花 柘榴
あるいは、行き場のない気持ちをぶつけるため。
月花 柘榴
モノノケのほうが都合がいい。どれほど傷付けてもいいから。
月花 柘榴
触手が身体から出てくるのを我慢する必要がないから。
月花 柘榴
私には力があって、人間に頼る必要がなくなってきたから。
月花 柘榴
……そうして、黒い液体になったモノノケを見下ろして。
月花 柘榴
とくに遊具があるわけではない、ベンチと時計があるだけの小さな公園だ。
GM
親族も捜索のために手を広げている。警察も動いている。
GM
けれど、彼らが胡桃を見つけたとして、柘榴へそれを伝えることはないだろう。
GM
失踪に超常存在が関わっていないのならば、それでいい。彼らが胡桃を見つけるならば、それでもいい。
GM
柘榴にしか出来ない事──それは、彼女の失踪が、超常存在の仕業であると仮定した上での捜査だ。
月花 柘榴
もう二度と起こらないでほしい、と思った。
GM
虱潰しにモノノケを追っていたからこそ、気付けた違和感があった。
GM
胡桃が居なくなってから、少しずつ、少しずつ。
GM
時に動物の形を取り、時に植物の形を取り、時には物体、時には屍、時には混沌の者。
GM
それらはどこか、近くのどこかから流れ着いてきたものたちかもしれない。
GM
何体も、何体ものモノノケを相手にしてようやく。
GM
モノノケたちが、どこから流れてきているか、その予想ができる。
GM
胡桃は、14歳の少女だ。行動範囲は、それほど広くはないはず。
GM
モノノケたちが流れてきたであろう場所は、胡桃の家からもさほど遠くない。そしてそれは、胡桃の家から交通機関への通り道にある。
GM
付近は既に捜索をしたことある、そこでは胡桃の姿も手がかりも、何も見つかることはなかった。
GM
だが、今にして思えば、それがおかしかったのだ。
GM
胡桃が姿を消した場所。地図によると、その付近には、個人が所有するコテージの存在が示唆されている。
GM
だが、彼女の失踪以来、誰一人として、その建物を目撃していないのだ。
月花 柘榴
だから、見落としていたのかと思っていた。
月花 柘榴
それがわかるまで、きっと普通の人よりたくさん、何度も、何度も。
月花 柘榴
公園に垂れた霊肉を足で砂と混ぜて隠して、
月花 柘榴
身なりを整えて、そのまま、公園を去る。
GM
『それだけじゃなくて、隣の部署でも、でっかい毛むくじゃらの獣みたいなのを見た奴が居るんだって』
GM
一般人によるモノノケの目撃情報が挙がっている。
GM
しかし、確かに人に目視できるモノノケが人里へと降り立っているようだ。
イザンナ
それは、カミガカリとしてモノノケを探し回っていた時だった。
GM
『自分でも何かと見間違えたんじゃないかとは思うけどね』
イザンナ
街中で声をかけられて、たまたまとった『客』の言葉。
イザンナ
『そんなん見て無事だったの?ラッキーですねぇ。』
GM
『もう一目散にアクセルよ。車に乗っててよかった』
イザンナ
一糸まとわぬ姿で隣に横になる男の話を聞いていた。
見知らぬホテルとなじみ深いにおい。
GM
『気をつけなよ。君、まだ若いんだから。将来あるから。死んだらね、もうおしまいだからね』
イザンナ
『警察とか、動いてるんですかねぇ?どの辺でみたんです?』
GM
『何つったかなあ。ほら、そこの川沿いに行ってさ、ふもとに釣り堀あるとこ』
GM
『近くにおいしい居酒屋さんがあるのよ。私はあのあたりの店に詳しいからね』
イザンナ
『えっ、あの辺ってそんな場所あるんですか?』
GM
『そうよ。店主とはもう20年ぐらいの馴染みでね』
GM
『あそこは酒と魚にこだわってるの。あそこと比べると他の店はもう全然ダメ、まずいから』
イザンナ
『え~、今度僕も連れてってくれません?……あっ、でも初めてあった人にそんな厚かましいかな……うーん……』
GM
『ああ、いいよいいよもう全然!驕るよ驕る!若いうちに本物は食べておいた方がいいから、絶対』
イザンナ
『わぁ~楽しみだなぁ。……あ、それじゃ連絡先……えっと……あ、そうだ。あの……』
イザンナ
『誘ってくれません?お兄さん……上手いから。』
GM
『おに……やあ、おにいさんって歳じゃねえんだけどなあ!』
GM
『いいよいいよ。そんじゃあ連絡先ね。また送るよ』折りたたみ式の携帯電話を取り出して。
イザンナ
身体を起こして、腕から首筋までをなぞる。
イザンナ
そうして髭の残る顎を撫でながら、耳元へ唇を寄せ。
GM
客が目撃したモノノケが居たのは、この付近だろうか。
GM
植物のモノノケだ。大きさも熊ほど。客の証言は正しかった。
GM
※【命中】判定:目標値9または【発動】判定:目標値12
イザンナ
2d6+9 発動 (2D6+9) > 9[3,6]+9 > 18
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
イザンナ
この程度のモノノケなら杖を精製する必要はない。
イザンナ
合わさった指輪から矢のように魔力が放たれる。
ミク
しかし歳を重ねて、あの時よりもわずかに大人びて見える。
イザンナ
その姿には覚えがある。
名前も、声も、姿も。
記憶を消されたという事も。
ミク
鞄も持たない軽装で、しかし買い出しの帰りだったのか、両手に食料の入ったレジ袋を持っていた。
ミク
しかし、その顔は喜びの表情へと変わり、そして彼女は、意外な言葉を吐き出した。
ミク
この世界に於いて、超常存在を知る者は一握りだけ。
ミク
なのに彼女ははっきりと“カミガカリ”と言った。
イザンナ
「お嬢ちゃん、この辺危ないから近づいちゃだめよ?」
イザンナ
「それにねぇ、『カミガカリ』なーんて言うと怖いおじさんにつかまって口に出せないようなことされちゃうんだから。」
ミク
「でもあたしは超会いたかったんですよ、カミガカリの人に」
ミク
「よかったら一緒に来てくれないかな。倒して欲しいアラミタマが居るんだ」
イザンナ
鞄からスマートフォンを3台取り出し、2つを放ると宙に浮く。
イザンナ
それぞれに入ってる予定を確認したりキャンセルしたりして。
イザンナ
「倒してほしいアラミタマって……君また狙われてるの?」
ミク
「また……? ううん、あたしが狙われてるわけじゃないんだ」
ミク
「あんまりちゃんとは説明できないんだ。ま、ついてくればわかるさ!」
イザンナ
記憶が残っているわけじゃなさそうだな。
つまり、もともと知っている……?
イザンナ
「おっけー、いいよ。でもその前に名前くらいは聞かせてくれる?あっ、僕はね。銃巳乃 尊(つつみの みこと)。ミコト君です。」
イザンナ
「よろしく、ミクちゃん。それじゃ……行こっか。」
GM
記憶を消した理由は、彼女に超常存在を知らせないためだったはずだ。
GM
何故、彼女がこのような状態になっているか、今はまだわからない。
GM
アラミタマが居るという場所を目指して、イザンナを連れて。
月花 柘榴
2d6 ドロップ (2D6) > 2[1,1] > 2
イザンナ
2d6 (2D6) > 8[4,4] > 8
GM
2~8:狒々の上唇/知性+1:500G(効果値:1)
GM
6~9:堅い樹皮/装甲+1:500G(効果値:1)
GM
夕刻は空を赤くは染めず、青色が重みを増して若草たちを包み込む。
GM
ふわりと頬を撫でる風にまだ残る冷たさ。ふわりと漂う草と土の匂い。
GM
階段を一段ずつ踏みしめるたび、ゆっくりと川のせせらぎが遠ざかってゆく。
GM
少しずつ広がっていく青空。下を見れば石階段の灰色。まばらに残る雪の白と、雪解け水が石を染める黒。
辰巳 悠希
のんびりと、てくてくと、いかにも呑気そうな足取りで。
辰巳 悠希
不意に、溶け残りの雪を踏んづけて、足を滑らせかける。
辰巳 悠希
バランスを取る。
なんとか転ばずに済んだ。
辰巳 悠希
「雪は美しいが、災厄しか持ち込まない毒婦だ」
辰巳 悠希
「人や車の足を止め、降り積もってはひとところに閉じ込める」
辰巳 悠希
「人々に踏まれ汚い塊になった後、知らん顔でどこかへと溶けてゆく」
辰巳 悠希
適当に言葉を並べる。
ポエムを読める自分は……かっこいい。
辰巳 悠希
「そのくせ、またその姿を見たいと思わせる」
辰巳 悠希
「ああ、君の姿が美しいばかりに、僕はこんなにも判断を間違える」
辰巳 悠希
なんちゃって、と笑って、階段を下りてゆく。
GM
蟻を避けて、鳥の糞を避けて、ラバーの靴底が砂利を弾いて音を鳴らす。
GM
そんな薄灰色の景色は、落とされた影によって濃灰色へと表情を変える。
木下果子
灰色に落とした影を見上げれば、そこに居たのは一人の少女であった。
木下果子
ばったりと目が合えば、ふたりの距離はすぐ近く。
木下果子
しばらく目が合う。薄い茶色の瞳が、悠希の顔を見つめた。
辰巳 悠希
「あ」
目が合ってしまった。見つめ合ってしまった。
木下果子
視線が交わってしまったからか、それともポエムが聴こえたからか。すこし気恥ずかしそうに少女が声をかけてくる。
辰巳 悠希
「あんまり見たことない気がするけど……このへんの子……?」
辰巳 悠希
いや、この質問はキモかったかもしれない。
辰巳 悠希
そもそもあんまり見たことないってなんだ?
そりゃ田舎だから、ある程度顔見知りばっかりだけど……。
木下果子
「おう」そう返事して、悠希の制服を見て。
木下果子
「なれたらいいなあ。学校のこと、いろいろ教えてくれよ」
辰巳 悠希
「そ、そりゃもう!まかせてよ!遅刻しそうな時の抜け道とか、パンが売り切れる時間とか、いろいろ教えるよ!」
辰巳 悠希
いきなり下の名前で呼ばれた……。
もしかして、木下さん、僕のこと好きなんじゃ……?(童貞特有の誇大妄想)
木下果子
「よっしゃ」交換を終えたスマートフォンをポケットに仕舞って。
辰巳 悠希
……もしかして、僕も下の名前で呼んでもいいのかな?いやでも、そうしたらクラスで噂されちゃうかな……。でも、他の男子に牽制できるかもな……。果子は僕の彼女だぞ!(妄想)って……。
辰巳 悠希
「あ、あの、僕もか……果子……ちゃんって呼んでいい……?」
辰巳 悠希
「ありがと!果子……ちゃん……」
(イイイイェエェッェェエエアアアアアアア!!!!!)
辰巳 悠希
女子とアドレス交換して、下の名前で呼び合ってしまった……。これはもう実質付き合っていると言っても過言ではない!(過言)
辰巳 悠希
母さん……僕……彼女ができました……。(できていない)
木下果子
「あ、もしかしてあれか? ちょっと距離感近いか?あたし」
辰巳 悠希
「むしろ遠いくらい!?!?遠距離走って感じ!?!?」
木下果子
「良かった。地元の方がそういうノリだったからさー。母ちゃんに気を付けろって言われてて」
辰巳 悠希
「地元……かぁ」
ちょっとだけがっかり。
辰巳 悠希
「うん、まぁ、誰にでもはやめた方がいいかも……」
辰巳 悠希
「でもとりあえず、僕には大丈夫なんで!!そこのところよろしくね!」
木下果子
「そうすると、なんか悠希だけ特別扱いみたいになっちゃうな。まあいいか。いいか?」
辰巳 悠希
これは……実質告白だ!!!!
(告白ではない)
木下果子
「何か変だったら教えてくれよ。私、喧嘩っ早いし思った事すぐ言っちゃうし」
辰巳 悠希
「う、うん……。それはもちろん……」
喧嘩っ早い?女子なのに元気だな……。
木下果子
「悠希は落ち着いててしっかりしてるなあ。都会っ子って感じ」
辰巳 悠希
「そ、そう?そんなことないと思うけど……」
てれてれ
辰巳 悠希
「まぁ、その、わかんないことあったら何でも聞いてよ。そうだ、このへんちょっと案内しようか?」
辰巳 悠希
「迷ってたの!?大変だ!家の住所とかわかる?」
木下果子
「おー、わかるわかる。えっ、マジでそんな世話になっちゃっていいの?」
辰巳 悠希
「どうせ今から帰るだけだし、全然大丈夫!そのへん案内しながら行こっか」
辰巳 悠希
待てよ、これ住所特定したみたいでキモいかもな?
GM
彼女は嬉しそうに手を振り、また会おうと言って笑った。
辰巳 悠希
振り返り、振り返り手を振り返して別れた。
GM
女性的なふわりとしたショートヘア、それとは対照的にボーイッシュな服装をした、木下果子という名前の転校生。
GM
少しだけドラマチックな、けれど何処にでもあるような、ありふれた出会い。
GM
それが後に、人の人生を変えるような事もある。
GM
悠希は帰って、夜になって、ベッドに横たわった。
辰巳 悠希
「彼女ができてしまった……!!!」
(できていない)
辰巳 悠希
「どうしよう、明日からの僕は彼女持ちの勝ち組男子だ……。朝は果子ちゃんと登校して(約束していない)昼は一緒にご飯食べて(約束していない)放課後はデートするんだ……(約束していない)」
辰巳 悠希
それらが妄想だとしても、一人の女の子と仲良くなれたのは間違いのない事実で。
辰巳 悠希
それは普通の中学2年生男子にとっては、ものすごく大きな出来事だった。
GM
まどろみの中、少女との出会いが印象に残ってか。
GM
あの後、同じクラスに編入してきて、友達同士になって。
GM
今では大人になった彼女と、同じベッドの中にいる。
木下果子
「……もうすぐ10年だ。私達が会ってから」
木下果子
「長く続いてるよな。よく友達からも羨ましがられる。素敵な旦那さんなんだろうな、って言われたよ」
木下果子
「色々あったけど、私はちゃんと幸せだよ」
木下果子
「なんとなく『私、この人と結婚するんだろうな』って思ったんだ」
辰巳 悠希
「あの?え?10年って???」
話が見えない。
木下果子
その言葉に対する反応はない。まるで聴こえていないかのように。
木下果子
「こういう話、あんまりしてこなかったよな」
木下果子
「いいだろ。誰も見てないんだ。少しぐらい甘えさせやがれ」
辰巳 悠希
「ちょっと?」
どうやら、話が聞こえていないようだ。
辰巳 悠希
困惑している内に、自分の体が勝手に動く。
大きな大人の手が、目の前の女性の髪を撫でる。
辰巳 悠希
「あぇえ???」
体が自分の意思に従わない。
GM
やわらかな日差しが差し込み、ゆっくりと夢から覚めてゆく。
GM
大きな窓から差し込む光。木で造られた広い部屋。
GM
全身を包み込む、暖かく柔らかい大きなベッド。
GM
綺麗に整えられた調度品と、人が暮らしていた形跡。
辰巳 悠希
昨日会ったばっかりの女子と……結婚して?
辰巳 悠希
『私、この人と結婚するんだろうな』とか言われて?
辰巳 悠希
「アアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
辰巳 悠希
「ウゥゥウウウウウアアアアアア!!!!!!!!!」
辰巳 悠希
なんかすごい元気になってしまっている!!!!
辰巳 悠希
「うう……、これは学校行く前に一発抜かないと……」
辰巳 悠希
ティッシュを探して、辺りを見回す、が。
GM
どこかぬくもりの残る優しい部屋とは対照的に、窓の外の景色は悲惨なほどに枯れ果てている。
辰巳 悠希
「あわぁあああああああーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
GM
武装伝記RPG『神我狩』──モノプレイシナリオ『在りし日のリバース、明くる日のリバース』
辰巳 悠希
そんなことを言いつつ、下半身を布団で隠す。
辰巳 悠希
「あの、さっき起きたらここにいて……」
木下果子
一瞬、布団で隠した先を目で追ったようにも見えたが、それには特に言及はせず。
辰巳 悠希
何か、落ち着くことを考えよう。
例えば……おばあちゃんのこととか……。
辰巳 悠希
「そうだとしても、僕と果子ちゃんを揃って連れてくるのは、ちょっとよくわかんないよ」
木下果子
「だよなあ。どうやって帰ればいいんだろ」
木下果子
無遠慮に部屋を漁り始める。引き出し、クローゼット、ベッド下。
辰巳 悠希
「うーん……」
辺りを見回す。誘拐されたにしては、居心地のいい部屋に思える。
木下果子
中には衣類や生活用品。家の主は、若い男女二人だろうか。
辰巳 悠希
下半身も落ち着きを見せ始めたので、自分もベッドから下りる。
GM
枯れ果てた木々、泥のような地面だけが見える。
辰巳 悠希
「別荘っぽいと思ったけど、立地めちゃめちゃ悪いな~」
木下果子
「ベッドルームみたいだけど……部屋の外にも出てみようぜ」
GM
するとそれは、反対側から誰かの手によって開けられた。
月花胡桃
隣の部屋から起きてきたのか、苛立ちの混じった声で。
月花胡桃
はあ、と溜息を吐いて、じろりと睨みつける。
辰巳 悠希
歳は自分たちと同じくらいだろうか。
何か機嫌が悪そうだけど……。
月花胡桃
「外との連絡は取れないけど、ここは安全だから変にドタバタ歩き回らないで。一日大人しくしててくれればいいから」
月花胡桃
疲れ果てた顔で、うんざりした様子で、早口でまくしたてる。
月花胡桃
「あなた達をここへ連れてきたのは私じゃない。他に聞くことは?ないよね」
月花胡桃
その一言にすら僅かに苛立ったように眉を上げて。
月花胡桃
そのまま、返事も待たずに強く扉を閉めて去る。
辰巳 悠希
「えと、自己紹介……してもいいですか……?
いらないですか……?あっ……」
話の途中で扉を閉められてしまった。
木下果子
「……めちゃくちゃ機嫌悪かったぞ。あの子も連れてこられたのかな」
辰巳 悠希
「みたいだね。まぁ、気がついたら知らない所にいるなら、不安にもなるか……」
木下果子
「そうは言われても、じっとしてられるわけもないしな。こっそり色々調べちゃおうぜ」
辰巳 悠希
「そうだね。本当に外との連絡取れないかどうかわかんないし……」
一応、スマホを取り出して見る。電波はどうかな?
GM
閉じられたばかりの扉から、コン、コンと小気味よいノックの音が響く。
辰巳 悠希
ネットも繋がらなさそうだ。普通の連絡手段は、たしかに無理っぽいな~。
GM
扉を開ければ、廊下には肌も髪も真っ白な少女が居た。
マシロ
「いい質問だ。ボクの事はマシロと呼んでくれ」
マシロ
マシロと名乗った少女は、わざとらしくお辞儀をする。
辰巳 悠希
「マシロさん……、あ、僕は辰巳悠希です。よろしく」
つられてお辞儀。
木下果子
「……あんたは何か説明してくれるんだろうな?」
マシロ
何かに気付いた様子で、マシロは窓の外を見る。
マシロ
「……その話は、お客様をお迎えしてからの方がいいだろう」
辰巳 悠希
「え、あ……」
果子の方を見る。部屋にいても仕方なさそうだけど。
辰巳 悠希
なんか、お客さんが多い所なんだな。
やっぱり誘拐じゃなさそう。
GM
柘榴は胡桃を追って、手がかりの場所へと向かう。
GM
やはりおかしい。いくら歩いても、目的地へと辿り着けない。
月花 柘榴
よく道に迷うから、というわけではないはずだ。
月花 柘榴
そもそもこのあたりでコテージを見かけたという話は聞かなかった。
月花 柘榴
それはアラミタマの影響なのだろうか、それとも、
月花 柘榴
わからない。考えたって、わかるはずがない。
GM
なのに、それはぐるぐると誤った道ばかり指し示す。
マリア=ロドリーゴ
辿り着いているのだろう。恐らく。
マリア=ロドリーゴ
リサに辿り着けて、自分に辿り着けない。
マリア=ロドリーゴ
一声かけて連れて行ってくれればよいものを。
マリア=ロドリーゴ
恨みがましい気持ちになる一方で、
マリア=ロドリーゴ
どこにも辿り着かない、恐らくは誤った道を歩きながら、
マリア=ロドリーゴ
リサがそうしなかった理由を考える。
マリア=ロドリーゴ
周囲の景色も状況も変わりがない。
マリア=ロドリーゴ
マリアはしかし、再び歩き出した。
マリア=ロドリーゴ
(あいつ、無事なんだろうな……)
マリア=ロドリーゴ
そうしてまた、マリアは誤った道を行く。
GM
そう言って微笑み、次の一歩を踏み出した、その瞬間。
GM
イザンナの目前で、ミクの姿は消えてしまった。
GM
ミクがいた場所。そこには注意を凝らして初めてわかるほどの、ほんのわずかな霊力の違和感がある。
イザンナ
2d6+5 (2D6+5) > 8[2,6]+5 > 13
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 2 に変更しました。
GM
法則障害:忘れられた場所
察知:11/13
強度:4
必要人数:全員
消去:【精神】14
対象:地域
特殊ダメージ:5d(装甲無効)
ペナルティー:【知性】-1(累積)
その他の影響
A:【生命力】が20[回復]する。
B:[装甲]と[結界]に+5。
特殊な結界を展開し、特定の地域や場所にたどり着かなくする、または移動できなくする[法則障害]。
この効果により、どのような手段を用いても[術者]が指定した特定の地域には移動できなくなり、内部にいるのであれば、そこから移動することもできなくなる。
イザンナ
「ここ……そうか。何か、見せたくないものがあるのだなぁ。」
イザンナ
3d6+3>=14 (3D6+3>=14) > 9[2,3,4]+3 > 12 > 失敗
[ イザンナ ] がダイスシンボルを 3 に変更しました。
[ イザンナ ] 霊紋 : 22 → 19
イザンナ
両手を合わせ、目を閉じて。
つま先から自らの魔力を流し込んでいく。
イザンナ
正しい流れに逆流させ、その在り様を破壊する。
イザンナ
ダン!と一気にその魔力、霊力を爆発させる。
GM
硝子が割れるように空間が裂け、正しい景色が目の前に現れた。
GM
アラミタマの居場所を目指し、そしてこの土地へ今しがた降り立ったばかりのカミガカリ。
イザンナ
「やぁ~、どうも。お兄さんもカミガカリ?」
イザンナ
立っているのは、身長が高くも低くもなく
どこにでもいそうな、これといった特徴のない男。
三善清次郎
カミガカリ、の一言と、この状況を合わせて事情を知っている様子にわずかに安心して。
イザンナ
「今ねぇ、僕法則障害をちょちょっとこわしたんだけど、なーんか……見えるようになったみたいだねぇ。」
三善清次郎
頭を掻きながらぺこりと会釈する。ちょっとばつの悪いような、そんな顔で。
三善清次郎
「俺からすりゃお兄さんのほうが急に見えるようになっちゃったけどね」
イザンナ
「そりゃお互いさまってことで。……あ、僕はね。ミコト君です。よろしく。」
三善清次郎
視線が泳ぐ。正直――あまり人に見られたくなかったのだ。
三善清次郎
何処かで聞いたような、とは思ったがそれも一瞬のことだ。
三善清次郎
2d6+8>=20 (2D6+8>=20) > 11[5,6]+8 > 19 > 失敗
[ 三善清次郎 ] がダイスシンボルを 6 に変更しました。
三善清次郎
なにか引っかかるような気もしたけれど、確かに知り合いではない。
イザンナ
「そのこ、カミガカリの力が必要みたいでね。」
三善清次郎
ミク。何処にでもありそうな名だが、しかし忘れられぬ少女の名でもある。
三善清次郎
まさかね、と思いながら。その後をついて行く……
イザンナ
「あ~、さっきの法則障害、結構広範囲だったんだなぁ。」
マリア=ロドリーゴ
「……三善、だったな。そっちの男は……」
三善清次郎
「教会の怖い方のおねーさん……に、柘榴ちゃん」
イザンナ
「教会のお姉さんに、柘榴ちゃん?あー……いや、そんなことある?」
マリア=ロドリーゴ
記憶になる名前を呼び、腰に手を当てる。
マリア=ロドリーゴ
聞きとがめ、見覚えのない男へ目を向ける。
マリア=ロドリーゴ
「もしかしてお前、あの魔王か?」
イザンナ
「流石よなぁ、教会の……マリアといったか。」
マリア=ロドリーゴ
「言われなきゃ分からなかった。……人間に馴染めてるようだな」
イザンナ
「ミコト君って呼んでくれてもいいんだよ。"聖モニカ"ちゃん?」
マリア=ロドリーゴ
「どうでもいい話はなしだ。こっちも仕事中でな」
月花 柘榴
「困ってる……」けど、それはマリアの顔が怖いからとかではない。
マリア=ロドリーゴ
「カミガカリが集まってきてるってことは、それぞれなんかあるんだろ」
マリア=ロドリーゴ
「ああ、説明しろオラ。全員情報を吐け」
イザンナ
「丁度いいや。ミクちゃん、覚えてる?鼠の女王様。」
イザンナ
「さっき、モノノケ倒してるところ見られてね。記憶を消されたはずなのに、カミガカリに助けて欲しいって。……あ、記憶はちゃんと消えてたんだけどね。」
マリア=ロドリーゴ
「……またそういうのに巻き込まれてるのか」
イザンナ
「倒して欲しいアラミタマが居るから、一緒に来てほしいって……で、此処に来て消えちゃった場所を調べたら……法則障害があったってわけ。」
マリア=ロドリーゴ
「つまり、合流できたのはお前のおかげか……」
三善清次郎
「じゃあ最初から言ってくれればよかったのになんで一回知らんふりしたの!?」
イザンナ
「だってミヨシ君気づかないんだもん」こそこそ
三善清次郎
「アラミタマ探し。な~んかちっちゃい悪いものが集まってくっついて大変なことになろうとしてるみたいでね」
三善清次郎
「お困りのひとがいるようなのでお手伝いってわけ」
マリア=ロドリーゴ
「……リサが追ってたのもその件か……?」
マリア=ロドリーゴ
「“聖ヴェロニカ”は休暇中に失踪した」
三善清次郎
「……お仕事やになっちゃったとかじゃなくて?」
イザンナ
「それにしても、"聖モニカ"に黙ってという事はなかろう。」
マリア=ロドリーゴ
「理由は不明。場所の報告だけが聖堂騎士団になされていた。
私は、それを連れ戻すために来た」
マリア=ロドリーゴ
「……そっちも巻き込まれ体質か」
マリア=ロドリーゴ
「任務を放棄したわけじゃない。何も言わずに出ていった理由は不明だが」
イザンナ
「年少の児童ならまあ、無断でいなくなることもあろうが……」
マリア=ロドリーゴ
「……何か感じ取って、出ていったはずだ」
イザンナ
「"聖モニカ"の方は、巻き込みたくなかったのではないのか?」
GM
情報①:フェアリー・ブルダンの失踪について
3月5日深夜、フェアリー・ブルダンが任務の合間の休暇中に失踪した。
アイルランド出身日本在住、ブロンドの髪とブルーの瞳を持つ長身の女性で、“聖ヴェロニカ”の暗号名とダークハンターの称号を持つ祓魔騎士である。
ブルダン家は妖精の血を引く一族であり、 当主となった者は“フェアリー”の名を名乗る。
戦闘では仲間の支援と妨害を得手とするが、彼女の最も特筆すべき能力は、その予言じみた直感だ。
彼女は時折全ての行程・理屈を無視して、犯人、真相、捜し物の場所などへと辿り着いてしまうことがある。
その予言が外れたことは一度もないが、彼女自身の意思で天啓を得ることはできない。
そして、彼女が直感を得た時は、必ず死者が出るのだという。
マリア=ロドリーゴ
「いずれにしろ、私の任務は奴を連れ戻すことだ」
イザンナ
「ミクは狙われているのは『自分ではない』と言っていた。」
三善清次郎
みんな。と口にしてから、あの時もうひとりいたことを思い出す。
イザンナ
「となれば……彼女のいる場所に、少なくとも一人は別の者がいるという事。」
イザンナ
「ザクロちゃんがここに来たって事は、クルミちゃんもここにいるのかな?」
マリア=ロドリーゴ
「“聖ヴェロニカ”が、その死者になる可能性はゼロじゃない」
イザンナ
「モニカちゃんをその可能性にしたくなかったんじゃないの?」
マリア=ロドリーゴ
「私に言っても言わなくても、変わんねえよ」
マリア=ロドリーゴ
「……あいつがいちばん、それは分かっているはずだ」
イザンナ
「クルミちゃんやミクちゃんになる可能性もあるってわけか。」
マリア=ロドリーゴ
「……“聖ヴェロニカ”に聞かないことには分からない話だ」
マリア=ロドリーゴ
「今のうちに不安がっても無意味だろう」
マリア=ロドリーゴ
「面白がってるのが分かりすぎんだよ」
マリア=ロドリーゴ
「律儀に反応してやるだけありがたいと思え」
三善清次郎
「……うわ~」あんなにいい子だったのに!
月花 柘榴
「最近、そこからきたモノノケがたくさん辺りをうろついてて」
マリア=ロドリーゴ
「そこに、胡桃がいるかもしれない」
月花 柘榴
「そのコテージのオーナーの名前は、辰巳悠希」
GM
情報③:月花胡桃とコテージについて
月花胡桃はひと月前に家出したきり、行方不明となった。
その足取りはとあるコテージ付近でぴたりと途絶えている。
コテージのオーナーの名前は辰巳悠希、24歳。
辰巳はフリーランスのカミガカリであり、ひと月ほど前から、妻の果子と共に行方不明となっていた。
また、コテージ付近には霊脈があり、その霊力はコテージへと吸い上げられるような不自然な動きが観測されている。
この霊力の乱れもまた、ひと月ほど前からの出来事のようだ。
イザンナ
「……今日とったお客さんが、見たって言ってたんだよね。」
マリア=ロドリーゴ
「……カミガカリがいたコテージの周辺に、モノノケが溢れて霊力が吸い上げられてる、か」
イザンナ
「僕はこの世界に詳しくないけど、そういうことあるの?モニカちゃん。」
マリア=ロドリーゴ
「あることもある。種類によってはな」
マリア=ロドリーゴ
「前に見たネズミどもなんかはいい例だ。ミクにも見えてたろ」
イザンナ
「一応それは僕の方で始末した。こういう、なんか……植物とかでっかい獣みたいな。」
イザンナ
「でも、そのおっさんの同僚も見たってさ。」
月花 柘榴
「結構いろんな種類のやつが出てきてるみたいで」
イザンナ
「霊脈が吸い上げられてるってのと、関係あるのかもねぇ。」
三善清次郎
「……下級悪魔、死霊、鬼火、……鼠。たぶん、そういう類でしょ」
GM
情報②:アラミタマの正体
アラミタマの正体は、とある大悪魔の従僕たち。下級悪魔、死霊、鬼火、そして鼠などの畜生の類である。
彼らはかつて、大魔術師ファウストの人生を見つめ、その霊魂に触れ、人へと憧れたモノノケたちだ。
何十、何百という小さな霊魂は、憧れという感情のもとに集い、個を捨て、融合し、神に匹敵するほどの影響力を得た。
彼らの目的は、人間になること。魂の契約によって人間の体を乗っ取ることで、その目的は達成されると盲信している。
人に恋い焦がれた彼らは皮肉にも、もはや決して人とは相容れぬ存在となってしまった。
彼らには知性も自我も残ってはいない。目的のためだけの意思そのものと化した、危険なアラミタマだ。
月花 柘榴
「……でも、会った中に鼠はいなかった」
三善清次郎
「ほら、あんまりほいほい話すと情報筋に迷惑かかるからさあ」
月花 柘榴
「この一ヶ月、色々倒してきたけど。鼠じゃなかったんだよ」
三善清次郎
聖モニカの視線から逃れるようにへらへら笑って。
マリア=ロドリーゴ
睨んでいましたが、三善から柘榴へ目を向ける。
イザンナ
「クルミちゃんはアラミタマについて知らないんだよ?ミクちゃんだって知らないかもしれない。」
三善清次郎
相変わらず一人で戦ってるんだなあ、と柘榴の姿を見て。
マリア=ロドリーゴ
「法則障害をお前が破ってくれたおかげで、コテージへの道は開いた」
マリア=ロドリーゴ
「どれぐらいのモノノケが控えてるか分からない。アラミタマもいる」
マリア=ロドリーゴ
「目的地が同じなら、協力をするのが自然だろう」
月花 柘榴
「……胡桃がいるかもしれないのに、ほっとけるわけないだろ」
マリア=ロドリーゴ
なぜか三善を睨んで言いました。
三善清次郎
「これ出る時身体がばらばらになったりしない?」
イザンナ
「ちょっと暗いけどあっという間だからさ。」