導入

GM
お集まりいただきありがとうございます
GM
少々遅れましたが そろそろ始めましょうか
真田すばる
よろしくお願いしまーす
小崎弐樹
よろしくお願いします
GM
よろしくお願いします
GM
まずは軽く自己紹介からはじめてもらいましょうか。
GM
PC1からどうぞ。
小崎弐樹
は~い
小崎弐樹
小崎弐樹です。
小崎弐樹
日本の東京近郊〇市から来ました。
小崎弐樹
家はいわゆる魔術師の家系で……これ元の世界じゃそうそう吹聴しちゃいけないんだけど、堕落の国だとけっこういるよね。
小崎弐樹
お姫様とか、勇者とか、魔法使いとか……
小崎弐樹
俺は家がそうなだけで、魔法とか使えるわけじゃないから、それで逆に言うの気が引けちゃう感じになっちゃった。
小崎弐樹
堕落の国に落ちてきてからは、癒しの力とか、人を守ったりとか……
小崎弐樹
あと、なんてんだろ、癒しの力を利用して攻撃、みたいな?
小崎弐樹
そういうのをやれるので、そうやって戦ってます。ゲームだね。
小崎弐樹
心の疵は、愛情と無関心。
小崎弐樹
愛情、俺っていわゆるブラコンなんだよね。
小崎弐樹
家を継ぐ兄を助けたいと思っているので、できたら元の世界に帰りたいなって思ってます。
小崎弐樹
無関心。
小崎弐樹
兄以外はどうでもいいです。
小崎弐樹
末裔たちに救世主として崇められて、殺したり殺されたりして、滅びかけの世界で……
小崎弐樹
そういうのはどうでもいいから、さっさと帰りたい。
小崎弐樹
俺にとって大事なものは、兄さんだけなんだ。
小崎弐樹
帰れないなら、いっそ死んだほうがまし……
小崎弐樹
なんてね。
小崎弐樹
以上です。
GM
ありがとうございました。
GM
PC2の方どうぞ。
真田すばる
はいはい。
真田すばる
やぁやぁ、どうもどうも初めまして。
真田すばると申します。
真田すばる
私もね、ニキと同じく東京に住んでいたんですが、どうも違う東京みたいですね。
真田すばる
自分は軍警察に所属していた念能力兵……、ま、超能力で戦う憲兵さん、という感じの存在です。
真田すばる
真田家は軍人一家でしてね。 念能力兵はおなごでも割合なりやすいんですよ。腕力、体力、関係ありませんので。
真田すばる
堕落の国はまぁ酷いところですが、腐った軍上層部も、爆撃をしかけてくる敵国もいないので嫌いじゃあない。
真田すばる
ちょっと親切にしただけで、皆感謝してくれますしね。 粉骨砕身してお国のために働いてもいいかな、な~んて気持ちにもなります。
真田すばる
心の疵は、『友人』と『嘘』。
真田すばる
ニキはいい友人です。 やさしい男だ。
見目麗しく心も清い!
真田すばる
欠点があるとするならば、惚れる相手を見る目くらい。
真田すばる
元の世界の兄、大変だな~と思っています。
しかし、だからこそ応援していますよ。
彼にとって、大切な気持ちというのは伝わってきますからね。
真田すばる
こんな世界ですし、希望だけは持ち続けていて欲しいものです。
真田すばる
もうひとつ、『嘘』。
真田すばる
…………別に。
真田すばる
応援していると言ったとして、実現するでもなし。
真田すばる
言う分にはタダです。
真田すばる
ざっとそんな感じでしょうか!
がんばって、堕落の国で生きてゆくぞ!
GM
がんばってくださいね 応援しています
小崎弐樹
GMもこのように応援してくれている
真田すばる
がんばるぞ~!
GM
では自己紹介もすみましたところで、本番を始めていこうと思います
小崎弐樹
よろしくお願いしま~す
真田すばる
よろしくお願いします!
GM
Dead or AliCe
GM
『宝島』
GM
あなたたちは走っている。
GM
月の光すらも、雲に遮られる堕落の国では
GM
夜の闇を駆けるには、頼りない灯りか、心の疵由来の超感覚が頼りとなるだろう。
GM
どうしてこのようなことになったのか?
GM
あなたたちは追われているから。
GM
敵対する救世主の一党と裁判となり、敗北し、遁走しているからだ。
小崎弐樹
「っ、いやあ、まいったね……!」
真田すばる
闇を照らすものは何もない。 しかしそれは追手も同じはず。
真田すばる
「まいりましたね」
小崎弐樹
喉元にせりあがる血をそこらに吐き出しながら、息を弾ませて走る。
GM
無数の矢が背後から迫り、そのうちのいくつかはあなたたちを掠める。
真田すばる
ニキの体を支えながら、駆ける。
矢が服を裂いた。
GM
敵救世主の配下たちが放ったものだろう。
小崎弐樹
あてずっぽうに放ったのか、こちらの位置を意外と捉えているのかも判別できない。
小崎弐樹
とにかく今は当たらないことを祈りながら逃げるしかない。支えられながら、足を動かす。
GM
あなた達は傷つきながらも昏倒や死はすんでのところで免れているが、
GM
このままではすぐにそうなる運命になるということは嫌でも理解できるだろう。
真田すばる
少しでも隠れる場所が多い方へ、少しでも気が付かれない方へ。
小崎弐樹
どうにかして撒くしかない。
小崎弐樹
しかし、うまく行くか?
真田すばる
わからなくても、やるしかない。
真田すばる
ここで死にたい訳ではない。
小崎弐樹
死ぬわけにはいかない。
小崎弐樹
だから、足をもつれさせながらも動かして、走って、逃げる。
真田すばる
腕に染みるニキの血の感触に眉をしかめながら、それでも足を止めない。
真田すばる
自分も満足に走れるわけではない。 腹からは今にも内臓がこぼれそうだ。
小崎弐樹
癒すためには足を止めて集中する必要があるが、その間もない。
真田すばる
これは比喩表現か? 事実か? わからない。
GM
これはただの悪あがき。
GM
均衡の崩れた裁判。
GM
もたついたそれが、まもなく結末へと至る。
GM
誰もがそう感じていた。
GM
そのはずだった。
GM
しかし
GM
気がつけば、射掛けられていた矢の雨が、いつの間にか止んでいる。
真田すばる
「……?」
真田すばる
「矢が止まったか?」
小崎弐樹
「……」
GM
救世主たちの雄叫びや罵声も聞こえない。
小崎弐樹
「っぽい、な……? あ痛た……」
GM
痛いほどの静寂だけがある。
真田すばる
それでもまだ足を止める気にはならなくて、少しだけそのままで。
GM
数メートル先も見渡せない暗闇の中、あなたたちだけが取り残されている。
真田すばる
振り返る。
GM
振り返った先にも、やはり暗闇しか映らない。ように見える。
真田すばる
闇だけが広がっている。
GM
あなたたちがひとつだけ理解できることがある。
GM
それは、戻ろうとしてはいけない、ということだ。
真田すばる
「……ニキ、まだ行けるか」
GM
救世主としての、第六感とでも言うべきものだろうか。
小崎弐樹
「っ、ああ、もうちょっとなら……」
小崎弐樹
諦めてくれた……わけではない。たぶん。
小崎弐樹
何かが起こっている。そんな気がする。
GM
あなたたちは、前に進むしかない。
真田すばる
運良く撒けた、とは思えない。
真田すばる
「……行こう、せめて、休める場所まで」
小崎弐樹
「うん……」
小崎弐樹
「悪いけど、もうちょっと頼むよ」
GM
足元の砂を踏みしめて歩く。
小崎弐樹
「ああ、いってえ……」
真田すばる
「随分と手ひどくやられたからな……」
GM
夜闇の中をどれだけ歩いただろうか。
小崎弐樹
砂を踏む動き、振動さえ激痛につながる。
小崎弐樹
「マジでボロ負け、全く……」
GM
さあさあと、ざわめくような音が、あたりから響く。
真田すばる
それでも、満身創痍のまま全力で逃げなければならなかった先程より、随分とマシだ。
真田すばる
「この音は……?」
小崎弐樹
「何だろうな、鳥か葉擦れか……」
GM
気がつけば……
GM
前方に、ぽつりと。
GM
導のように光が見える。
真田すばる
「……」
GM
それは格子状の窓枠の形に、切り取られ漏れ出た光だった。
小崎弐樹
「……」
真田すばる
「あやし~」
小崎弐樹
「映画かアニメにこういうのあったな……」
小崎弐樹
と言っても、あそこを逸れて暗闇の中へ行っても仕方ないように思われる。
真田すばる
「行くかぁ?」
小崎弐樹
「行く、かあ……」
真田すばる
「休める所そうな感じもするし……」
GM
近づくと、両開きの扉が見える。
小崎弐樹
「だといいな……」
真田すばる
扉のノブを見下ろす。
真田すばる
「……ま、今何を見ても全てが怪しく見えはするだろう」
小崎弐樹
「開けてくださいって言われてる感じだし……開けようか」
真田すばる
開ける。
GM
ギィ……
GM
扉は難なく開くだろう。
真田すばる
「ごめんくださ~い……」
小崎弐樹
暗闇に慣れた目を眇めて、扉の向こうを見る。
GM
その声に答えるように、ホールの奥から人が現れる。
女性の声
「こんばんは」
小崎弐樹
「…………」
真田すばる
「こんばんは……」
小崎弐樹
「こんばんは」
女性の声
「……お客様でしょうか?」
女性の声
人影が近づいてくる。
真田すばる
「お客様……、ということは、店か何かで?」
真田すばる
周囲を見回す。
女性
あなた達の前に姿を現したのは、
金色の髪の、慎み深そうな女性だった。
真田すばる
宿とかだったらいいな~という希望的観測。
小崎弐樹
末裔……じゃ、ないように見えるな。
女性
「いえ……打ち捨てられた教会を、私が勝手に借りているだけです」
女性
女性は、カルセラと名乗った。
真田すばる
教会だったのか。
女性
尼僧というわけでもないようだ。
女性
「……ここは、様々な方が、訪れるものですから」
小崎弐樹
目を瞬かせる。
カルセラ
「それより、怪我をなさっていますね」
小崎弐樹
「ああ……」
真田すばる
「あ、そうだ。 少し休ませて頂けるとありがたいのですが」
小崎弐樹
「そう、それ」
カルセラ
「はい、どうぞ、なんなりと」
真田すばる
「助かります」
小崎弐樹
「じゃあ、ちょっと失礼しま~す……」
真田すばる
適当なところにニキを座らせたりしています。
カルセラ
急に現れた救世主のけが人二人にさほど動じた様子もなく、応急手当を施す。
真田すばる
親切な女性だ。
小崎弐樹
「いや~……命拾いしたわ……」
真田すばる
「本当に……」
カルセラ
「裁判をなさっていたんですね」
小崎弐樹
「ええ、そう」
真田すばる
「格上の相手で、手も足も出ませんでした」
小崎弐樹
「ここで俺たちにとどめを刺せば、責務を果たせてラッキー……」
小崎弐樹
「って感じの人じゃなくて、助かりました」
真田すばる
「本当に……」
カルセラ
「ふふ」
カルセラ
「そうしても良かったんですけどね」
カルセラ
けろりと言う。
真田すばる
「今から実はそうでした、というのは無しですよ」
小崎弐樹
「そうそう……」
小崎弐樹
「まあ、何かお礼ができるわけでもないんですけどね」
真田すばる
「我々手負いの怯えきった草食動物なのでね、かわいそうに思ってあげてください」
カルセラ
「お察しの通り、私も救世主の端くれですが……」
カルセラ
「いつだってやれ裁判だ、やれ責務だと言いたくはありませんから」
真田すばる
それはそうだろうが。
救世主である以上、誰かを殺してはいるはずだ。
小崎弐樹
「『今日はそういう気分じゃなかった』……みたいな?」
真田すばる
しかし、殺すのなら手当をする意味はない。
カルセラ
「それが理解しやすいと仰るのなら、そう捉えていただいて結構です」
小崎弐樹
相手の真意を探そうと、その髪に隠れた顔を見つめるが、どうも疲れすぎている。
真田すばる
さっきえいってナイフでも刺せば、多分二人とも殺せたし。
小崎弐樹
「じゃあ、ひとまずはそんなふうな理解で……」
真田すばる
「どちらにしても、休まなければな」
小崎弐樹
「ああ、その通り」
カルセラ
「ひとまず今晩はここで、休んでいかれるとよろしいでしょう」
カルセラ
簡素な手当が終わると、カルセラは二人を空いている部屋へと案内する。
真田すばる
ありがたい。
GM
そう広い部屋ではないが、ベッドが二つ。
GM
休むのに支障はないだろう。
小崎弐樹
ベッドがあるだけで、堕落の国では恵まれた環境だ。
小崎弐樹
遠慮なく休ませてもらうことにして、すぐに寝台に沈み込む。
GM
窓の外から例のざわめくような音が聞こえてくる。
真田すばる
「至れり尽くせり、と言っても過言ではないな」
GM
闇の中にいるときはわからなかったが、それはどうやら梢のこすれる音と……
GM
波が打ち付ける音のようだった。
小崎弐樹
そうだ、どこかで……聞き覚えがあるんだと思った。
真田すばる
「波の音……。 海が近くにあるのか」
真田すばる
「そういえば、砂の上を歩いて来た」
小崎弐樹
「ああ、あれ、浜だったのかな……」
小崎弐樹
言いながら、脱いだ靴をひっくり返してみる。
GM
細かい砂が混じっています。
小崎弐樹
「懐かしいな、堕落の国に来てからは、はじめてかも……」
真田すばる
「そういえば、そうだ……。 ここに海があったんだな」
真田すばる
「海の側の教会か」
小崎弐樹
「絵になるな」
真田すばる
「絵になるなぁ!」
小崎弐樹
笑いながら、ベッドにあおむけになる。
真田すばる
「傷の具合はどうだ」
小崎弐樹
「多少まし、でもまあ……だいぶ消耗したから、治るまでけっこうかかるかも」
真田すばる
「そうか、良くないな……。 いや、でも生きているだけで十分だ」
小崎弐樹
「寝たらそこそこ回復するだろうさ」
小崎弐樹
「悪いけど、自分のほうを優先させてもらう」
真田すばる
「そうだな、寝よう」
小崎弐樹
「ああ」
真田すばる
「いいよ、痛みには慣れてる」
真田すばる
「面倒くさい色々は、起きてからにしよう」
小崎弐樹
「そうしよう」
小崎弐樹
「……」
小崎弐樹
「……しっかし、海か……」
小崎弐樹
「ずいぶん懐かしい気がするな」
小崎弐樹
「俺、海の近くに住んでてさ」
小崎弐樹
「小さい頃は、兄貴とよく……」
小崎弐樹
「……」
小崎弐樹
言葉が途中で途絶える。
真田すばる
「……ニキ?」
小崎弐樹
替わりに、規則的な寝息が聞こえてくる。
真田すばる
ため息。
真田すばる
「起きたら、話の続きをしろよ」
真田すばる
自分も寝台へ。
真田すばる
明かりを消して、命がまだ続いてることに感謝しながら瞼を閉じた。
GM
そうして夜が更けていきました。
GM
……
GM
朝になりました。
GM
適当に目覚めてください
小崎弐樹
「…………」
真田すばる
窓から差し込む日差しに、目を薄く開ける。
小崎弐樹
瞼を開き、天井を見上げて、何だっけ……と眠る前のことを思い出そうとする。
真田すばる
体を起こしてみる。 まだ本調子ではないが、動く分にはまぁまぁ。
小崎弐樹
「……あ~、そうだ」
小崎弐樹
べこべこに負けて逃げたんだった……
GM
はい。
GM
特に寝ている間になにかされたりとか、誰かが部屋に入ったりとかはしていません。
小崎弐樹
ふう。
真田すばる
体にも荷物にも異常がないのを確認して、扉の方を見る。
小崎弐樹
「おはよう」
真田すばる
「おはよう」
真田すばる
「体はどうだ?」
小崎弐樹
体を起こして、伸びをする。
小崎弐樹
「そこそこってところだな。
 今からすぐに裁判しろって言われたら泣いちゃうけど、活動する分には問題ない」
真田すばる
「はは、私も全く同じ」
GM
全治お茶会にして2ラウンドぐらいって感じです。
真田すばる
「茶でも啜ってゆっくりしたいところだ」
小崎弐樹
なるほどね~
GM
改めて窓から外を見たりすると、ここがどういう場所なのかがなんとなく明らかになります。
真田すばる
「海だな」
小崎弐樹
「海だなあ」
GM
もうお察しでしょうが、どうやら海の近くの丘に建てられた教会のようですね。
真田すばる
「すごく普通の海だ」
GM
お察しじゃない情報もあります。
小崎弐樹
ほう。
真田すばる
なんだなんだ
GM
堕落の国の海は基本的になんか淀んでいるのですが
GM
ここから見える海は背景画像のようにきれいですね。
小崎弐樹
「……すごくふつうの海だな」
真田すばる
「泳げそうなくらい普通の海だ」
GM
あと、教会の周囲もなんか変ですね。
真田すばる
周囲も……!?
小崎弐樹
そういえば、昨日梢の擦れる音がしてたな…?
GM
砂浜はともかく、浜辺以外の場所は、地面が草で覆われています。
GM
とんでもない話ですね。
真田すばる
「なんだここ……?」
小崎弐樹
いつのまにか救世されたか?
真田すばる
「草がこんなに……」
真田すばる
この草、食えたりしないよな……?
GM
ちょっと遠くを見ると、緑豊かな森もあります。
真田すばる
「あっ! ニキ! 見ろ! 森だ!!」
小崎弐樹
「あるな、森……」
真田すばる
「緑豊かな森だ!!」
小崎弐樹
「あれ、『森』か? 違うよな……」
真田すばる
「緑が豊かだぞ!!」
小崎弐樹
「うーん」
小崎弐樹
「ひとつ、幻覚」
真田すばる
「ふつうの海があって、草が生えてて、緑豊かな森が!!」
真田すばる
「げんかく」
小崎弐樹
「もうひとつ、あのカルセラって彼女の能力」
真田すばる
「のうりょく」
小崎弐樹
「心の疵で食べ物を出すやつもいる」
真田すばる
「いるなぁ」
真田すばる
「にしても……強すぎないか」
小崎弐樹
「……だなあ」
GM
はしゃいでいると、部屋の扉をノックする音が響きます。
GM
カルセラですね。
小崎弐樹
「何にせよ、彼女が何か知ってるだろ」
真田すばる
はっ!
小崎弐樹
出よう。
カルセラ
「おはようございます。朝ごはん、食べていかれますか?」
小崎弐樹
「そんなにしてくれるのか」
真田すばる
「朝ごはん……!?」
小崎弐樹
「そりゃもちろん、いただけるならいただきたいな。なあ?」
真田すばる
「それはそうだが……」
真田すばる
こんな……ふつうの海と、生い茂る草と、緑豊かな土地の、朝ごはん!?
真田すばる
期待……してしまっていいのか!?
GM
是なら、食堂まで案内されます。
小崎弐樹
案内されます。
GM
温かい料理が出てきますね。
真田すばる
温かい!!!!!!!!!!
小崎弐樹
すげえ~。
GM
鸚鵡の卵のオムレツ。
GM
海ぶどうのスパゲッティ。
真田すばる
オムレツ!?!?!?
GM
椰子の実のジュース。
真田すばる
海ぶどう!?!?!?
小崎弐樹
ヤシの実だ。
真田すばる
スパゲッティって、ええと、小麦?
真田すばる
ヤシの実ははじめて。 木の実らしい。
小崎弐樹
「すごいな」
真田すばる
「すごい」
小崎弐樹
「すごすぎて食べるのを躊躇うレベルだ」
カルセラ
「心の疵の力ですね」
カルセラ
先回りしたように答えます。
小崎弐樹
「あんたの?」
真田すばる
「強すぎる」
カルセラ
「いえ、違います」
小崎弐樹
「食べながら聞いてもいいかな」
真田すばる
金持ちに拾われて食事を出された乞食のようにがっついてしまうぞ。
カルセラ
頷きます。
小崎弐樹
いただきま~す。
小崎弐樹
すごい。めちゃくちゃ食いもんの味する。
真田すばる
「味だ」
GM
栄養満点です。
真田すばる
「栄養価の味がする!!」
真田すばる
「逆に今までの食事がいかにスカスカなのかを痛感している」
小崎弐樹
「俺たちそれでよく生きて戦ってたよなって思う」
GM
堕落の国の食事、土とかでかさ増しされてますからね
小崎弐樹
「ええと、それで……あんたのじゃないなら、誰の心の疵なんだ?」
カルセラ
「……」
真田すばる
食事に土が入っていないだと……?
カルセラ
「それについては、話すよりも実際に見ていただけたほうが
 手っ取り早いと思います」
カルセラ
少しためらった後にそう答える。
真田すばる
「見る?」
真田すばる
「って、何を」
小崎弐樹
スパゲッティうまい。
カルセラ
食べ終わってひとごこち付いたところで、あなたたちを教会の外に連れ出します。
小崎弐樹
ごちそうさまでした。ついていきます。
真田すばる
めちゃめちゃひとごこち付いた………。
カルセラ
視線の先には砂浜と海岸線が広がっています。
真田すばる
幸福な気持ちのままベッドに倒れ込んで寝たいところですが、付いていきます。
小崎弐樹
堕落の国じゃないみたいな風景だ。
真田すばる
「きれいな海だな……」
カルセラ
「……そろそろ、来る頃ですね」
GM
カルセラがそう言うと、羽ばたく音とともに陽を遮る大きな影が現れます。
真田すばる
見上げる。
小崎弐樹
「ん……」

大きなそれが地響きを立てて、砂浜に降り立った。
小崎弐樹
ヒレだ。
真田すばる
ヒレだ。

ヒレではないです。大きな爪と翼と牙を持っています。
小崎弐樹
翼!?
真田すばる
これは、もしかして……。

端的に言うとドラゴンですね。
真田すばる
ドラゴンだった。
小崎弐樹
ドラゴンだ…!?
真田すばる
「……亡者……か?」

おそらくは亡者です。
真田すばる
今裁判は……結構困る!
小崎弐樹
身構える。

あなたたちには目もくれず、砂浜に生えている元気のないヤシの樹に近づきます。
小崎弐樹
もしかして、こいつへの生贄的なやつで生かされてたのか、と思……ヤシの樹にいったな。
真田すばる
「……?」

それに大きな口を開いて、翠色のブレスを吐きかけると……

ヤシの樹がみるみる活力を取り戻して、新しい実をつけます。
真田すばる
「なっ……!?」
真田すばる
「は?」
小崎弐樹
「ええと……」
真田すばる
「亡者が、植物を復活させた……?」
カルセラ
「このとおりです」
小崎弐樹
「この通り、みたいだけど……」
真田すばる
「あり得ない」
カルセラ
「私はあの亡者のことを“ワンダーバッフェ”と呼んでいます」
真田すばる
「ワンダーバッフェ……」
ワンダーバッフェ
ワンダーバッフェと呼ばれた亡者は、再び何処かへと飛び去り、姿をくらます。
ワンダーバッフェ
あなたたちにはまるで興味がないように見えて……
ワンダーバッフェ
じっと、どこかから見られているような漠然とした気配を感じる。
真田すばる
「……?」
小崎弐樹
「……」
カルセラ
「もちろん、ただ恵みを与えてくれるわけではありません……」
真田すばる
自分に興味を持たないことに、少しばかり面白くなさを感じたが。
どうもそうとも言い切れず。
小崎弐樹
その言葉に、どこかほっとした顔になってカルセラへ目を向ける。
真田すばる
「対価があるのか」
小崎弐樹
納得のできない都合のいいものというのが一番恐ろしい。
カルセラ
「ワンダーバッフェは、この海岸に近づいたものと、離れていくものを襲うのです」
小崎弐樹
「……」
真田すばる
「近づいたもの……」
真田すばる
近づきましたが……
小崎弐樹
「昨日の……俺たちを追ってた救世主たち」
真田すばる
「……あ」
小崎弐樹
「急に気配が途絶えたと思ったけど……」
カルセラ
「はい」
小崎弐樹
「じゃあ、俺たちはどうして?」
真田すばる
断末魔すら聞いた覚えがない。
カルセラ
首を振ります。
カルセラ
「私にもわかりませんが……一度境界線を踏み越えてしまったものを追うことはしないのかもしれません」
真田すばる
「何なんだ……。 死にかけていたから見逃されたのか?」
小崎弐樹
「ほかのやつらが襲われてる隙に、俺たちがその境界線を越えた、とかかも」
GM
多分そういうことなんじゃないかなとカルセラは言っています。
GM
海岸線を見渡すと、不自然な場所に石柱が立っています。
GM
どうやらあれが境界石のようです。
真田すばる
知らなかったらうっかり超えていたかもな……
真田すばる
「いや、いやいや。 待て、そうなると、我々はここから離れられないのか?」
カルセラ
「ご理解が早くて助かります」
小崎弐樹
「……」
真田すばる
「きみもそういう理由で、ここに?」
カルセラ
カルセラいわく、あの境界石から外側に踏み越えると襲われるそうです。
カルセラ
「…………ええ、まあ」
真田すばる
「困ったな……」
小崎弐樹
「困った」
カルセラ
「困りますか?」
小崎弐樹
「……」
真田すばる
「救世主の責務もある。 困るだろう」
小崎弐樹
「責務、どうやって果たしてるんだ?」
カルセラ
「この海岸には、ちょっとした伝説があるんですよ」
カルセラ
まるで関係のなさそうなことを言って、水平線を見る。
真田すばる
責務……
小崎弐樹
急に話が飛んだな、と思いながら視線を水平線へ向ける。
真田すばる
つられて水平線を見る。
GM
水平線はどこか霞がかかっていて、はっきりと見えない。
小崎弐樹
妙にぼやけた、暑い日の逃げ水みたいな海だ。
カルセラ
「この海岸で待ち続けていると……」
真田すばる
植物を元気にするドラゴン、というだけで十分伝説級な気はするが。
カルセラ
「いつの日か、霞の向こうから船が現れて」
カルセラ
「戦いに疲れた救世主を、元の世界に送り届けてくれるのだと……」
小崎弐樹
「……」
真田すばる
「……は?」
真田すばる
「元の世界に……」
GM
もちろん、水平線には船影らしきものは何も見えない。
GM
堕落の国には無数にあるおとぎ話だ。
小崎弐樹
「……その話につられて、救世主がやってくる、ってこと?」
カルセラ
「ええ……」
小崎弐樹
無数にあるおとぎ話だ。
カルセラ
「ひと月に一回ぐらいは」
小崎弐樹
自分にそう言い聞かせながら、カルセラを見つめる。
真田すばる
「結構多いな」
小崎弐樹
「こんな世界だ。藁にも縋りたいってやつらはいくらでも出るだろうさ」
小崎弐樹
他人事のように言う。
真田すばる
他人事のように言っているな、と思う。
GM
棚井戸を最上階まで登れば、とか
嵐の日にさる山の頂上に行けば、とか
王立裁判所にそういう秘宝がある、とか。
GM
そういった噂よりはこの海岸に訪れるのはハードルが低いのかもしれない。
真田すばる
普通に来れたしな……
小崎弐樹
あのドラゴンに襲われることを除けばな。
真田すばる
ドラゴンとどっちが先に救世主を殺すか勝負にならないか?
カルセラ
ごっつぁんキルというものがあって……
真田すばる
なるほどな………
真田すばる
便利だな……
小崎弐樹
裁判に居合わせればいいだけだからな。
カルセラ
「私も」
カルセラ
「その船が来る所を見たいので……」
カルセラ
「ここから離れられないことで、困ることはないんですよね」
小崎弐樹
「……なるほど」
真田すばる
「事情はわかった」
真田すばる
「きみに余裕がある理由も、まぁまぁ腑に落ちた」
小崎弐樹
「いずれにせよ……」
小崎弐樹
「俺たちもちょっと、様子を見たほうがよさそうだな」
真田すばる
「いずれにせよな」
真田すばる
「何をするにも、万全ではない」
小崎弐樹
「あの亡者をすり抜けて外に出るにしても、まだ本調子じゃないし」
カルセラ
滞在することをカルセラは拒みません。
小崎弐樹
話しながらも、視線はずっとぼやけた水平線を見つめている。
真田すばる
ここで、暮らすというのも。
真田すばる
悪くはないのだが。
真田すばる
その船が来たら、ニキは乗ってしまうだろう。
小崎弐樹
しばらくここにいるだろうカルセラも見ていない、迎えに来る船。
小崎弐樹
この堕落の国にいくつもあるおとぎ話。
小崎弐樹
信じる価値がどれだけあるかは分からない。特に、探しに行くのではなく、待つしかないとなると殊更。
真田すばる
なぜこの場所は、こんなにも待つに適した形に整えられているのか。
小崎弐樹
どこかできすぎていて、何かおかしい気がする。
小崎弐樹
でも……もし本当だったら?
真田すばる
本当だったら。
小崎弐樹
元の世界に帰れるとしたら。
小崎弐樹
そう思うと、水平線から目を逸らすことがなかなかできなかった。
真田すばる
ニキはずっと水平線を見ている。
真田すばる
いつだってそうだ。 彼は私の方を見ることはない。
小崎弐樹
いつも、自分が生きるただひとつの理由に目を奪われている。
真田すばる
あの亡者をすり抜けて外に出るにしても、だって?
真田すばる
本当にそんなことを検討しているのか?
真田すばる
疑念は口にせず、砂を爪先で僅かに引っ掻いた。
GM
というところで、導入を終了します。
GM
というわけで、お茶会は怪我が癒えるまでの教会での日々をロール・プレイすることになります。
GM
実際にどうするかは、お茶会が終了するときに決めていただければと思います。
GM
お茶会ではこの海岸シーン表を使います。
小崎弐樹
海だ~
真田すばる
海だなぁ
GM
危うく忘れるところでしたが、クエストがあります。
小崎弐樹
あっそうだった
■クエスト:果実の収穫
条件:ワンダーバッフェの疵を抉る判定でのみ挑戦可能。
概要:ワンダーバッフェのブレスからは果実が生まれる。その出来たての果実にはことさらに滋養が詰まっている。手に入れることができれば裁判で有利となるだろう。
目標値:9
消滅条件:2回成功するか、お茶会終了と同時に消滅。
成功:挑戦したPCは果実を得る。「とうみつ」相当の効果を持つ。
失敗:同様に「とうみつ」を得られるが、ブレスを浴びてしまう。挑戦したPCは開廷時にランダムな不調(2ラウンド継続)を受ける。
放置:何も起こらない。
GM
以上です。
真田すばる
果実かぁ。
GM
ここまででわからないことはありますか?
小崎弐樹
大丈夫と思われます。
真田すばる
パーフェクト大丈夫です。
GM
OK