GM
貴方達救世主は、なんらかの形で招待状を受け取ってしまいました。
GM
それがどのような経路であれ、その後に待ち受ける運命は一つ。
GM
というわけで、貴方達3人は気づけば荒野にいます!
GM
見渡す限りの茶色の大地、空を覆う曇天、砂埃まじりの空気……
GM
見渡してみても、近くにはこの3人しか居ない様子。
GM
この状況は何なのか、調べてみても有効な情報は無く
GM
3人はひとまず、お互いが何者であるか自己紹介をしあう流れになりました。
《死神》デス・サーティーン
周囲を見回す。見覚えのない世界。
《死神》デス・サーティーン
自分はなぜ、こんな所にいるのか。
《死神》デス・サーティーン
思い出す。俺の世界は──
《死神》デス・サーティーン
20XX年、世界はカードゲーム『スートモンスターズ』に熱狂していた。
《死神》デス・サーティーン
最先端のテクノロジーによってカードに宿るモンスターが具現化する『スートモンスターズ』。
《死神》デス・サーティーン
ショービジネスとしてはもちろん、救助活動や医療、宇宙開発に至るまで
《死神》デス・サーティーン
モンスター達は人類の生活になくてはならないものになっていた。
《死神》デス・サーティーン
そして、これはプロスートバトラーを志す少年達の物語──
虎符衛主
今はスートバトラーのキングを決める世界大会決勝。ここ一番の大勝負。
虎符衛主
「今日こそ決着を付けるぜ……サーティーン!」
《死神》デス・サーティーン
「フッ……、そうだな」
《死神》デス・サーティーン
「俺とお前の因縁も、今日ここで……決着を付ける!」
謎の影
「ハハハハ……! 新たなキングなど誕生させはしない!」
謎の影
「お前たちは異世界を永遠に彷徨うがよい!」
《死神》デス・サーティーン
「なっ、う、うわあああああっ!」
《死神》デス・サーティーン
──そうして、気が付いたらここにいた。
《死神》デス・サーティーン
ここがどこだか分からないが、おそらくは衛主もどこかにいるだろう。
《死神》デス・サーティーン
世界がどうなろうと、俺には知ったことじゃない。だが、衛主との決着だけは──
《死神》デス・サーティーン
俺には、それ以外何もないのだから。
《死神》デス・サーティーン
ひとまずは、情報収集を行わなければいけない。近くにいる人物に視線を向けた。
《死神》デス・サーティーン
「おい、あんた。 ここについて何か知っているか?」
クリストファー・アリス
──クリス・アリス大尉はその日、新型の受領を終え、小隊を率いた最初の訓練飛行を終えたところだった。
クリストファー・アリス
パイロットにとって、新しい乗機を受け取り、それに乗り込む瞬間というのは、何とも言い難い感覚を伴うものである。
クリストファー・アリス
“豊かの海”戦役を戦い抜き、その後の戦争を生き延びたエースパイロットが、戦時下で新しく配備された機体を嫌がってそれらを新兵に譲り、旧型にこだわった、という話は少なくない。
クリストファー・アリス
いかにベテランであっても、新しい機体をにあらためて習熟し、乗りこなすまでにはそれなりの時間が必要だ。
クリストファー・アリス
こと戦時下ともなれば、訓練の時間を十分に取れないまま出撃させられる場合もある。
クリストファー・アリス
新しい機体に乗り換える際のわずかな感覚の差、それが生死を分けるかも知れない。
クリストファー・アリス
そう思えば、パイロットが乗機を替えるのを厭うのは自然なことであった。
クリストファー・アリス
もっとも、アリス大尉はそういった抵抗とはほとんど無関係に生きてきた、と言っていい。
クリストファー・アリス
新たな機体を乗りこなし、挑み続けなければならない相手が、かつていた。
クリストファー・アリス
先の戦争で個人的な決着はつかぬまま、戦争は終結し、互いが生き延びた。
クリストファー・アリス
自分は目的を達し──エメリ・イカルガは、英雄として伝説になったが、連邦はかれの存在を持て余し、適当な地位に置いて軟禁しているという。
クリストファー・アリス
(あれほどの能力がありながら、なぜそのような状況に甘んじているのか?)
クリストファー・アリス
アリス大尉にとって、エメリ・イカルガのいまの状態は忸怩たるものであった。
クリストファー・アリス
彼のことを忘れたことはない。その力は宇宙のために役立てられるべきだ──
クリストファー・アリス
もっとも、今や一介のパイロットである自分にはできることは少ない。
クリストファー・アリス
新型を嫌な顔ひとつせずに受け取って、宇宙移民たちのために戦い続けること。
クリストファー・アリス
そういった意味では、新しい機体『ロッソ・ディアマンテ』との熟練飛行は悪くないものだった。
クリストファー・アリス
小惑星群の中での訓練を終え、機体を降りるところまではいつも通りだ。
クリストファー・アリス
格納庫の床を蹴り、ゆるやかにこちらへ向かって跳びながら、若い女性士官(ウエーブ)が封筒を差し出す。
クリストファー・アリス
紙の封筒というものはこの時代においても消えていない。傍受の可能性が低く、開封されたかどうかもすぐに分かる。
クリストファー・アリス
だがその封筒は奇妙であった。
クリストファー・アリス
黒く、検印もなく、そして、
クリストファー・アリス
だが、そのことに気づく前に、ウエーブの手から封筒が離れて、開いた。封をされていなかったのだ。
クリストファー・アリス
手紙が目の前で広げられ──
クリストファー・アリス
視界が荒野で埋まる。その前に。
クリストファー・アリス
『この感覚は──レラ・シオラ? いや、エメリ・イカルガ?……』
クリストファー・アリス
覚えのある感触に囚われたクリス・アリスは、その次には目の前にいるふたりの姿を認めていた。
クリストファー・アリス
「私の認識している状況も、君のものと似たり寄ったりだよ。
そちらの彼女はどうだろう?」
早乙女アリス
いつものリボン、いつもの制服!
いつもの朝ごはんに、いつもの通学路。
早乙女アリス
雨上がりの朝は、きのうよりずっとフレッシュでなんかドキドキしちゃう。
早乙女アリス
今日は、いつもとちがうなにかがはじまっちゃうのかなって……ヨカン?
早乙女アリス
ワンツー、スリーのステップで今日も、憧れのお兄さんの家の前を通りすぎる。
通りすぎるだけの、毎日なんだ。
早乙女アリス
どうして、窓から見えるお兄さんに「おはよう!」ってそれだけのコトが言えないんだろう?
早乙女アリス
でも今日は、なんか……ちがうの。
ちがうわたしなの!
早乙女アリス
大きく手を振ってみたら、お兄さんが窓から手を振り返してくれた。
早乙女アリス
汗かいちゃうし、足元に水たまりもあるけど。
止まらない。胸のドキドキのまま。
早乙女アリス
うん、今日は。
なんか……違うかもっ!
早乙女アリス
そうして、そのまま。
水たまりのなかの世界へまっさかさま!
早乙女アリス
「……いったい、ここはどこなんでしょう……?」
GM
……そうして、3人はそれぞれが全く違う世界から来た、という認識を共有しました。
GM
その時、大尉の感覚が、或いは死神のホルダーに収められたカードが人の気配を感知します。
三月兎のカップル
「わっ!こんな所に人が……!?」
三月兎のカップル
岩陰から姿を現すのは、頭部に兎の耳を生やした二人のカップル。
《死神》デス・サーティーン
「モンスター……という訳ではなさそうだな」
クリストファー・アリス
何もない荒野に男女の二人組、しかもコスチュームめいた耳を備えている。
クリストファー・アリス
戸惑いの表情を浮かべ、そのあとでこの近辺に街があるか、もしくはかれらが車を持っているという可能性に思い至る。
クリストファー・アリス
「君たち、もしやここがどこかを知っているかね」
《死神》デス・サーティーン
「救世主、とも言っていたな。 なんだそれは?」
早乙女アリス
っていうか……わたしの名前を知ってるの?
三月兎のカップル
「あ、えっと……」 「この救世主様達、きっとここに来たばかりなのよ」
三月兎のカップル
「そ、そうですね、実はこの世界は……」
GM
そして說明される堕落の国の現況と、その世界において期待される救世主という存在の役割。
早乙女アリス
「そんなあ……!今日は見たい番組があったのに……」
GM
その破滅的な状況、有る種荒唐無稽とも言える力の說明は、ここにいる3人がいたどの世界とも異なる。
《死神》デス・サーティーン
「堕落の国を救う救世主様、か」
クリストファー・アリス
たちの悪い冗談としか思われない、しかしそれにしては真に迫って手が込み過ぎているふたりの説明を聞く。
《死神》デス・サーティーン
「フン、俺には関係ないな。 勝手にやっていろ」
《死神》デス・サーティーン
そう言って、踵を返し1人歩き出す。
クリストファー・アリス
艦長が仕掛けたドッキリか何かにしては、宇宙ではあり得ない荒野の土埃と、地球圏特有の生っぽい空気が鼻につく。
早乙女アリス
思わず男の子のマントをつかんでしまう。
クリストファー・アリス
「ああ、そうだ。こんな場所ではひとりで行動しない方がいい」
早乙女アリス
「そうだよ、ひとりじゃ危ないよ……」
《死神》デス・サーティーン
掴まれたマントを見て、舌打ち。
クリストファー・アリス
少年のことは彼女に任せ、二人組の方を見る。
クリストファー・アリス
「君たちが住んでいる町などがあれば、案内してもらいたい」
三月兎のカップル
目の前で起きたPT分裂に、男性は戸惑っている様子だ。
三月兎のカップル
その問いに対しては女性が口火を切る。
クリストファー・アリス
「疑うわけではないが、こちらとしてももう少し情報を得たいのでね」
三月兎のカップル
「はい。私達の村がこちらの方向にありますので、よければそちらに……」
クリストファー・アリス
言ってから、あらためて少年たちの方を振り返る。
《死神》デス・サーティーン
マントを離さない女を見、男女の方を見る。
クリストファー・アリス
「君たちもそこへ向かった方がいいだろう。こんな荒野では行き倒れになる可能性もある」
《死神》デス・サーティーン
マントを翻して、男女が示す方に歩き出す。
クリストファー・アリス
このような純粋な善意からの発言をすることなど、ずいぶん懐かしい行いだな、とふと思う。
早乙女アリス
あ~あ……これからどうなっちゃうんだろう……?
クリストファー・アリス
そう──、例えば、エメリ・イカルガと、互いに仇敵とは知らずにはじめて出会った時などに。
クリストファー・アリス
「では、案内してくれたまえ」
《死神》デス・サーティーン
苛立ちを隠すことなく歩く。
《死神》デス・サーティーン
この世界のどこかに衛主がいるはずだというのに、他人に従うしかない自分が歯痒かった。
GM
と、なんとかして話が纏まり。この先はともかく、救世主たちはまずは末裔たちの村を目指す流れとなりました。
サメの亡者
そこにサメの亡者が!!!!!!!!!!!
《死神》デス・サーティーン
「くそっ、なんだこいつは!」
《死神》デス・サーティーン
バトルディスクを構え、デッキを展開する。
三月兎のカップル
サメが通過すると同時に頭部を食いちぎられるカップル!!!
サメの亡者
気づけば首が無くなっていた、としか言いようがない。噛み砕く過程など存在しなかったかのように、まるで一瞬!
クリストファー・アリス
視線を逸らさないようにしながら、クリス・アリスはサメと距離をとるように身構える。
サメの亡者
警戒態勢を取る二人をよそに、サメは砂中に再び潜行!
サメの亡者
背びれも見えないほど深く、地中に潜っていってしまった!!!
GM
姿は見えなくなった、しかしまだ近辺に潜んでいる事は間違いない!
GM
サメの亡者を退けぬ限り、救世主たちはどこにも行くことはできないだろう!
《死神》デス・サーティーン
ちらりと倒れ込んだ女を見、男に声をかける。
クリストファー・アリス
思わず答えに窮する。それから、周囲を見回した。
クリストファー・アリス
「…………いや、その必要はない」
クリストファー・アリス
「気配が消えている。あれはもう、この近くにはいないようだ。今のところは、だが」
クリストファー・アリス
言って、倒れた少女の方へ歩いていくと、その傍にかがみ込んで横抱きにした。
クリストファー・アリス
それから、無残な死体になったカップルを一瞥する。
《死神》デス・サーティーン
注意深く周囲を見回すが、男の言う通りサメの姿は見えない。
クリストファー・アリス
「彼らのことは残念だが、我々もここから離れた方がいい」
早乙女アリス
うなされてはいるが、目を覚ますようなことはない。
《死神》デス・サーティーン
「……それには賛成だ」
クリストファー・アリス
「道案内はなくなったが、町なりなんなりが近くにあるはずだ。ひとまずはそこを目指そう」
《死神》デス・サーティーン
ディスクを待機状態にし、頷く。
クリストファー・アリス
「……では、そのマントを彼女にかけてもらってもいいかい?」
《死神》デス・サーティーン
「必要あるとは思えんな」
クリストファー・アリス
「気絶している。これ以上体調が悪くなってはいけないからね」
《死神》デス・サーティーン
マントを乱暴に男の顔に投げる。
クリストファー・アリス
肩を動かし、なんとか少女にマントをかける。
GM
今すぐに戦いに突入することは無いだろう。
だが、サメは常に獲物を狙っている。
クリストファー・アリス
「行こう。状況はあまりよくはない」
GM
拠点を見つけ隠れるか、体勢を立て直すか、或いはあの三月兎達が言っていた”心の疵の力”なるものを引き出すか。