導入

GM
すべては、既に始まっていた。
GM
出来ることは、ただ踊ることだけだった。
GM
━━3ヶ月前━━
ショチ
「だから、この道はイヤだったんだ~っ!」
GM
トンネルの中を猛スピードで飛ばす馬車に乗りながら、ショチは叫んだ。
GM
馬車の隣を、老婆が並走している。
すばやさの亡者
「キエエエエエエ!」
GM
その正体は、焼けた靴で死ぬまで踊らされたかつての白雪姫の女王である。
GM
今や彼女は、トンネル内の車に猛スピードで踊りながら並走する化け物『すばやさの亡者』へと成り果ててしまった。
GM
よくみるとムーンウォークのステップを踏んでいる。激しく腰を回しながらも顔の高さは一切ぶれる事もない。
すばやさの亡者
「キエエエエエエ!」
ディエス
「わわわわわわわわわ」
ロルドゥラ
「あああああ」
チトセ
「わあ~~~~」
すばやさの亡者
亡者はくるくると回転しながらディエスへと迫る。
ディエス
「はやい!!!!!はやすぎますよ!!!!!!」
ディエス
「ワ!!!!!緑色が!!!!!!」
ショチ
「ヴァアアア!? なんとかしろ~っ!」
ディエス
「こっちきましたよ!!!!!!」
ディエス
「なんとかします!!!!!!!!」
ディエス
そう……私は才覚型です!!!
すばやさの亡者
身体を回しながら手を振るう。
ロルドゥラ
「ああっ! 危ない!」
ショチ
怯えながらも、祈り、ディエスへと触れる。その身が少し軽くなった。
ディエス
揺れる馬車から身を乗り出し、やあっと旗を振る!老婆の手を牽制牽制!
チトセ
病人をこんな揺らしていいと思ってるんですか?
ロルドゥラ
きもちわるくなってきた……
ディエス
ババアの回転と馬車の振動が激しく打ち合う!
ショチ
「よし!そうだ!近づけるな!」
ロルドゥラ
「がっ、がんばって!」
すばやさの亡者
「キエエエエエエ!」
すばやさの亡者
しかし亡者はさらに加速する!
ディエス
「ワアアアアアア!!!!!」
ディエス
この馬車がババアに抜かれたら……どうなってしまうのか!?
すばやさの亡者
勢いを止めず、ディエスを避けて回り込む形で馬車へと飛び移る。ロルドゥラの目前へと迫った。
チトセ
「やばくないですか? 死んでしまうのでは?」
ロルドゥラ
こっち来た!
ショチ
「死なないために働け~!」
ディエス
「あっ!!!!!!危ない!!!!」馬車の揺れに負けない爆声量。
ロルドゥラ
「はっ、はい! 働きます!」
ロルドゥラ
うるっせ
すばやさの亡者
「キエエエエエエ!」
ディエス
ババアが速すぎて見えない!
チトセ
「あ~ 病室では考えられないような爆音が~」
ロルドゥラ
「あわわわわわわ」
ロルドゥラ
さすがに……速すぎる!
すばやさの亡者
馬車の中で倒れ込む。頭を重心に置き、逆立ちして足を武器のように振り回す!
ディエス
ブレイクババア!?
ロルドゥラ
なっ、なんだか分からないけどすごい勢いだ!
チトセ
「しょうがないにゃあ~」
チトセ
胸を突き出し……なんかぽよぽよすると勢いよく風が吹いてババアの回転を相殺します。
ディエス
「よし!」
ロルドゥラ
「よし!?」
チトセ
「いいんじゃないですか?」
ショチ
「ち……乳の力でババアの動きが止まったッ!」
チトセ
「病人にしては」
ロルドゥラ
でっ、でも今のうちに……!
ロルドゥラ
「わ、私が!」
ディエス
狭い中旗を振って応援しています。
ロルドゥラ
かぎづめが馬車の床をきしませ、亡者に向かう!
ロルドゥラ
大きく振りかぶって……動きが止まったババアに向かってキック!
すばやさの亡者
「キエエエエエエ!」
ディエス
「ピッチャーナイスー!」ピッチャーではない。
すばやさの亡者
亡者の動きが止まり。
すばやさの亡者
脚に触れた場所から血が噴き出し、倒れる。
ショチ
「……やったか!?」
ディエス
「!?」
すばやさの亡者
しかし。
チトセ
「これは輸血されたくない血ですね~」
ロルドゥラ
「えっ!?」
すばやさの亡者
最期の力を振り絞り、亡者は馬車を引く馬へと手を向ける。
すばやさの亡者
反応をする間もなく、亡者の掌が輝いた。
ディエス
「わああ~~~っ!?」
すばやさの亡者
「キエエエエエエ!」
ロルドゥラ
「あっ」
すばやさの亡者
掌から放たれた光線━━否、光線状に圧縮された高密度のすばやさが、馬車を引く馬へと直撃する!

「ヒン」

馬が加速する!
ショチ
「ううううう、おおおおおおおわわわわわわ!?」
GM
馬は御者を振り落とし、老化しながら目にもとまらぬ速さで走り出す。
GM
車両へと急激に負荷が掛かる。べきりと音を立てて馬車は前後に二分された。
ショチ
「馬車がーッ!」
ロルドゥラ
「ああああああ」
ディエス
「ワッ!!!!!!」声も置いていく速度!
GM
ロルドゥラとショチが馬車へと取り残される。
チトセ
「あっ」
ロルドゥラ
「あっ」
ディエス
「わああああ……ぁぁぁぁ……」ドップラー効果。
GM
暴走する馬車の中に二人。トンネルに置いていかれたディエスとチトセの姿はみるみるうちに小さくなっていく。
ショチ
「ろっ、ろるっ、ろろろっ」
ロルドゥラ
「しょっ、ショチ!」
ショチ
ガタガタと揺れる馬車の中、ショチが悲鳴を上げる。
GM
馬車はさらに加速する。すぐに降りなければ。
ロルドゥラ
ショチのほうを見て、手を伸ばす。
ロルドゥラ
「おっ、降りよう!」
ショチ
「お、おう……、ッ!?」
ショチ
何かに気付いて踏みとどまる。自分の足を見る。
ショチ
折れた馬車の床が、ショチの足を挟んでいた。
ロルドゥラ
「ショチ……っ、!?」
ロルドゥラ
一拍遅れてそれに気が付き、動きを止める。表情に迷いが浮かぶ。
GM
今も馬車は加速を続けている。
ロルドゥラ
このままだと、飛び降りるどころではなくなってしまう。
ロルドゥラ
だが今から床を壊して、ショチを助けだせるか?
GM
今すぐにショチに手を貸せば、助かる「のかもしれない」。
ロルドゥラ
その衝撃で、馬車がバラバラにでもなったら、それこそ……
GM
しかし地面は勢いを増しながら、前から後ろへと流れ続けていく。
GM
迷えば迷うだけ、無事に降りられる可能性が減っていく。
ロルドゥラ
この翼では、空は飛べない。
ショチ
「…………!」
ショチ
自分を置いていけ、とは言えず。助けてくれ、とも言えず。無言で口を開けたまま、ロルドゥラを見つめていた。
ロルドゥラ
飛び降りればただ地面に叩きつけられるだけ。
ロルドゥラ
「……ッ」
ロルドゥラ
息を吞む。さっきはためらわずに板を踏みこんでいた足が、前にも後ろにも行けずにその場で彷徨う。
ロルドゥラ
そして、その躊躇のさなか、
ロルドゥラ
「あ」
ロルドゥラ
わずかに後ろに下がりすぎた足が、割れた床を踏み損ねる。バランスが崩れる。
ロルドゥラ
背中から落ちながら、こちらを見るショチの姿がスローモーションで遠ざかっていく。
ロルドゥラ
違う、私は、見捨てようとしたわけじゃ!
ショチ
「ロルドゥラ……!」
ロルドゥラ
「ショッ……」
ロルドゥラ
言い訳が空しく頭の中で響く間に、ロルドゥラは地面へ転がりながら叩きつけられる。
GM
ガラガラと車輪が回る音が遠ざかっていく。
GM
身を起こした時には、既に馬車は遥か彼方。
GM
それが、最後に見たショチの姿だった。
ロルドゥラ
「ショチ……!」
ロルドゥラ
荒野の砂埃にまみれながら、身を起こす。
ロルドゥラ
──躊躇わずにショチを助けていたら、こんなことにはならなかったのでは?
ロルドゥラ
今でも、ずっとそう考えている。
GM
* * *
GM
━━そして3ヶ月後 現在━━
GM
長い長い山岳地帯を抜けて、ようやく目的地が目に入る。
GM
あれからショチを探し、チトセが掴んできた情報によって居場所に当たりをつけて向かい。
GM
なだらかな坂道の下に目に入ったのは、小さな集落だった。
チトセ
セックスネットワークで頑張って探しました。
ディエス
「見えましたよ!!!」集落に届かんばかりの大声。
ロルドゥラ
「ほっ、ほんとだね……」急な大声にびくついている。
チトセ
男とセックスした他の女を探して、その女が寝た男を探してそいつと寝たりした。
チトセ
そうやってどんどん広げていきました。セックスの輪を。
ディエス
性交ネットワークだあ
ロルドゥラ
「あ、あそこにほんとに、ショチがいるのかな……」
チトセ
「あそこで巨乳の超可愛い派手な女とセックスしたって情報がありまして」
チトセ
「たぶんショチかと?」
ディエス
「なるほど!」
ロルドゥラ
「な、なるほど……?」
ディエス
セックスはよくわかりませんが、ショチっぽい見た目と言うならきっとショチなんでしょう!
GM
時期も身体的特徴もショチと一致する。そしてこの集落は、あの馬車が向かった方角だ。
チトセ
ほくろの位置が完全にショチでしたからね。
チトセ
間違いありませんよ。
ロルドゥラ
「……」
ディエス
「セックスってすごいですね!じゃあさっそく行きましょう!!」
ロルドゥラ
組んだ手に力を込める。
GM
柵を修繕している2人の末裔が見える。
ディエス
「すいませーーん!!」末裔に向かって遠くから大声!
ロルドゥラ
ひえっ
のっぽのマカ
その声に振り向く。
ちびのモリー
目を丸くして駆け寄ってきた。
のっぽのマカ
「お客さま! お客さま!」
ちびのモリー
「まさか救世主さま?」
ディエス
遠くでちょうどよかったぐらいなのでまあまあ駆け寄る距離がある。けどディエスも駆け寄ってるからなんてことはないぜ。
チトセ
病人を走らせないでくださいよ~。
ロルドゥラ
あわわわ……
ディエス
「はい!!!!!僕はトランプ兵の末裔ですけどあちらの2人は!!!」
チトセ
結構余裕で走れます。
ディエス
やや遠くから小走りにやってくる二人を指差し。
チトセ
「どうも~かわい子ちゃんたち 救世主ですよ~」
ロルドゥラ
「こ、こんにちは……」
のっぽのマカ
「まあ、まあ、たいへん!」
ちびのモリー
「つたえなきゃ、つたえなきゃ、ショチさまに!」
ディエス
「ショチ!!!!!」
ロルドゥラ
びくっ
チトセ
「当たりですね」
ディエス
「みなさーん!ショチ様がいるって!」大ジャンプ。クソデカボイス。
ちびのモリー
「よんでくるわ!」 走り去っていく。
ロルドゥラ
「うっ、うん、聞こえてる……」
のっぽのマカ
「おねがい、モリー!」
のっぽのマカ
「……救世主さま、ショチさまのお知り合いなの?」
ディエス
やったあ~と大ジャンプその2。
ロルドゥラ
「…………」
ディエス
「そうです!仲間です!」救世主ではないけど答えます。
チトセ
「そうですよ~、ずっと探してたんですよお」
ロルドゥラ
「ショチ……ショチは……」
のっぽのマカ
「まあ! まあまあ!」
のっぽのマカ
「じゃあ、ようやく会えるのね! それってとっても幸せなことだわ!」
のっぽのマカ
「少し待っててね。ショチさまは旅の救世主さまをおもてなしするのが大好きなの!」
ちびのモリー
「マカー! 救世主さまー!」
ちびのモリー
先ほど去った少女が戻る。その隣に、見知った人物を連れて。
ショチ
「き……救世主って、オメーらかよ!?」
ロルドゥラ
「あっ……」
ディエス
「そうです!!!!!」
ロルドゥラ
ひえっ
チトセ
「わあ~~~」
ショチ
「うわ……うわっ……うわ~……マジか……」
ロルドゥラ
身の置き所をなくしておろおろしている。
チトセ
「再会を喜んだりしないんですかあ~? 生きてたんですよ? この私が」
ディエス
「マジマジのマジです!」ぴょんぴょん
ショチ
「……」
ショチ
「そうだなあ、よく生きてやがったもんだ」
ロルドゥラ
「……」
チトセ
「そうでしょうとも!」
ショチ
「……ついてこいよ。せっかく来たんだ。手伝ってけ」
ディエス
「ショチ様もいきててよかった!!!」
ディエス
「はい!!」
チトセ
「いいですねえ」
ショチ
「おう、当たり前だろ! このショチさまが簡単に死んでたまるかっての!」
ディエス
何を?とか聞く前に同意する。
チトセ
何を? とか聞かなかったなそういえば。
チトセ
まあなんでもいいですよ。
チトセ
なんでもやりまーす。
ショチ
集落の中を、ショチに案内されて進む。
GM
花壇にはマリーゴールドの造花が並び、建物にはパペルピカドが吊るされている。小さな集落ながら、彩鮮やかで華やかな雰囲気だ。
ディエス
スゴーイ!
ロルドゥラ
ショチに謝らなくては、と思うのだが、言い出せないまま、三人から少し遅れて後ろをついていく。
GM
さらに進んで、小さな家の中。
ショチ
「ま、座れ座れ」
ショチ
椅子もない床の上へと腰を下ろす。
ディエス
倣って床に座る。
チトセ
手術のとき乗せられる金属のアレよりは冷たくなくてよかったな。
ロルドゥラ
のろのろ座る。
ショチ
「ちょうどこれから食材の補充をするとこだったんだよ」
ショチ
「ま、例のアレだ。亡者だ。準備だけは出来てても、オレ一人じゃどうにもならん」
ディエス
「へー!」
ショチ
「だから救世主待ちをしてたわけだ。まさかお前らが来るとは思わなかったけどな」
ロルドゥラ
「う、うん……」
ディエス
「はい!探してましたから!会えてよかったな~!」
チトセ
「あ、今巷で流行りのゴーストペッパーですか? あのすごい美味しい亡者」
ショチ
「お、知ってんの?」
チトセ
「このあたりで色々……してるときに伺いました」
チトセ
色々……
ロルドゥラ
色々してた……
ディエス
ロルドゥラを『なんかいつもより控えめになってるな~感動の再会なのにな~』って顔をして覗き込みまくっている。
ロルドゥラ
あ、あわわわ……
チトセ
夜とかにスッといなくなって……色々……
ディエス
「チトセさまがセックス?を頑張ったらしいです!」すごいですね!
ロルドゥラ
ス……と目を背けている。
ショチ
「あっはっはっはっは!」
ショチ
「なるほどな~、なるほどな~、その情報のネットワークでなあ」
チトセ
「頑張りました~」
チトセ
男ってのは寝ると口が軽くなるんだよ。
ショチ
「んじゃ、話は早いな。そう、お相手は唐辛子の亡者ゴーストペッパーだ」
ディエス
「とうがらし」
ロルドゥラ
「とうがらし……」
チトセ
「クソ辛いらしいですよ」
ショチ
「見るだけで目は染みるし汗はダラダラ垂れてくる。肌にも来るから気を付けろ」
ディエス
「へえーっ!?でも辛いとたべられないんじゃないですか!?」
ショチ
「なんせ、末裔なんて近づくだけで爆散するからな」
ディエス
「ええーっ!!」
ディエス
「えええーっ」
ロルドゥラ
「えっ」
ショチ
「お前は特別よ!コインの力があるだろうが~!」
ディエス
「よかったあ~~~!!!」
チトセ
「そうですそうです」
ショチ
「だがお前の言う通り、相手はクソ辛い唐辛子だ。もちろんそのままじゃ、辛すぎて食えたもんじゃねえ」
ショチ
「しかしこいつはな。死ぬと辛味がスッと抜けるんだ」
ディエス
「すごい!」
ロルドゥラ
「そっ、そうなんだ……」
ディエス
「でもスッとぬけたものっておいしいんですか?」
チトセ
「ジューシーなパプリカみたいになるらしいです」
ショチ
「いい例えだな!」
チトセ
そのパプリカよりお前の桃のほうが美味いよ……ってベッドで言われた気がするけどあいつ何だったんだろうな。
ディエス
「すごいですね!」
ショチ
「量も採れるし味もいいし、なんか健康にも良さそう、ってワケ!」
ディエス
「それはすばらしい!」この世界はおいしいものに飢えているからね。
ロルドゥラ
「な、なるほど……」
ショチ
「お前らもどうせロクなもん食ってねえんだろ~? そうだと言えッ」
ロルドゥラ
「えっ」
ディエス
「最近は……なに食べました!?」2人の方を向く。
ロルドゥラ
「えっと……」
チトセ
「えっ……?」
チトセ
男を……
ロルドゥラ
その食うじゃなくて……
ロルドゥラ
「まあ、いつもの……三月兎の亡者ジャーキーとか……」
チトセ
「三月兎のワインとか」
ディエス
「わたしは……はっぱをたべました!」
ディエス
末裔が葉っぱと呼ぶ枯れ草の事。砂がついてスパイシーだ。
ロルドゥラ
「亡者化しててめちゃくちゃ苦い麦のスープとか……」
チトセ
「ビールとか……」
ディエス
「あと……みず!」
ディエス
水分全般の事を指す。内容物は問わない。
ショチ
「よし!」
ショチ
「たまには新鮮な野菜(?)もいいぞ!」
ディエス
「新鮮な……やさい!?」
チトセ
「いいですねえ! 多少は長生きできそう!」
ロルドゥラ
「う、うん。その……」
ロルドゥラ
「ゴーストペッパー、っていう亡者を、倒せばいいんだよね」
ショチ
「そう! だがしかし」
ディエス
「だがしかし!」
ショチ
「会うための手順がある!」
ディエス
「へ~っ!?」
ロルドゥラ
「手順……?」
チトセ
「はい」
チトセ
「それはそれはもう地獄のような恐ろしい手順が」
ディエス
セックスはなんでもわかるんだなあ
ロルドゥラ
「じ、地獄みたいな……」
ショチ
「踊りだ」
ディエス
「踊り……?」
ロルドゥラ
「おっ……踊り……?」
ショチ
「踊るんだよ! 体を動かして舞うアレだ!」
チトセ
「大変ですよ」
チトセ
「元世界でやったら死んでしまいますからね」
チトセ
「堕落の国だからギリギリ助かるみたいなアレです」
ディエス
「それは……ヤバいですね!」
ディエス
体を動かす……?ととりあえずウニョウニョ動いてみている
ショチ
「そうそれ! いいぞディエス!」
ロルドゥラ
「お、踊り……」
ディエス
「やったあ!」グヨ…… グヨ……
チトセ
私はギリギリまで踊りませんよ。健康な人だと思われそうですからね。
チトセ
いつも男の腹の上で踊ってる? うるせえな。
ショチ
「全身使って場を沸かせるんだ。あのババア亡者がやってたみてーにな」
ディエス
愛型の体力ってすごいなあ
ロルドゥラ
びくっ
ディエス
「あのババアみたいに……!?」
ロルドゥラ
あー……うー……みたいになっている。
ディエス
あんな速度……出せるのか!?末裔のわたしに!?
ディエス
「?」ロルドゥラを見ている。
チトセ
病人の私も出したくないなあんな速度。
ロルドゥラ
ショチにあの時のことを言うタイミングをすっかり逃し続け、さりとて言い出せもせず、知らない振りもできずに縮こまっている。
ショチ
「なんだ、初心者の集まりかぁ~?」
ディエス
「はい!!!」
チトセ
「ド初心者ですよ」
ロルドゥラ
「お、踊ったことは、ないかな……」
チトセ
「やったらドクターストップかかったり死んだりしますからね」
ディエス
「やる気はあります!!!」面接
ショチ
「オメーは死なねーから安心しろ」
ショチ
「一番活躍したヤツには豪華景品をプレゼントしようと思ったんだがなあ」
チトセ
「豪華景品を?」
ディエス
「ごうかけいひん……?」
チトセ
セックスネットワークでも知らん情報ですね。
ロルドゥラ
「ご、豪華景品……」
ディエス
馬鹿な……あのセックスにもわからない事が!?
ロルドゥラ
このコマに記入されている貢献度は、もしかして……?
ディエス
何ィーっ
ショチ
「いいか。ゴーストペッパーは踊りが大好きだ。ヤツらは踊りに惹かれてやってくる」
ロルドゥラ
「う、うん……」
ディエス
「なるほどなるほど」
ショチ
「ハデに楽しく踊って亡者を集めてメシとして有活用しちゃおうってわけだ!」
ディエス
「なるほどわかりました!」
チトセ
「効率的ですね」
ショチ
先ほどからぎこちないロルドゥラの元へと近づく。
ショチ
「お前も……やってくれるよなあ?」
ロルドゥラ
「えっ」
ロルドゥラ
「あっ」
ディエス
楽しく踊る?っていうのはよくわかりませんが……踊ればいいんですね!
ロルドゥラ
「もっ……もちろん……」
ショチ
「よし」
ショチ
「いいか、オメーら! 踊りが終わりゃその次は亡者戦だ!」
ショチ
「オレのかわりにその手を汚せ! このショチさまの腹を満たすためになァ!」
ディエス
「はーい!」
ショチ
「今日一日はダンスパーティーだ! 再会を楽しんで行こうじゃねーか!」
チトセ
「いえーい」
ディエス
ワアッ……