GM
Dead or AliCe シナリオ『人間の子供』、はじめてまいります。
GM
元気いっぱいのコウキくんからしてもらおうかな。
コウキ
「だからわるいやつとかいっぱいやっつけて、世界をすくっちゃうんだ!!!」
コウキ
「それでママとかせんせいに笑ってもらうんだ!!!!!」
スクエア
「“堕落の国が不思議の国へ戻るには、異世界人の協力が不可欠です。”」
スクエア
「救世主に協力するよう、幼い頃から言い聞かされてきた」
スクエア
「子ども扱いされたことの方が少なかったから、
特に変わりはないけれど」
スクエア
「……他の人と違って、陰気臭いと言われてはいたな」
スクエア
救世主に協力する。
たといどんな女子供であろうとも、それは等しく救世主だ。
スクエア
そしてどんな女子供であろうとも、救世主と末裔は交わらない存在だ。
GM
それでは、まずはPC①、コウキくんのOPから。
GM
堕落の国に落ちてくる前、あなたは一体どんな風に暮らしていましたか?
コウキ
ママは大体仕事に出ているか、寝ているかしていて、今日は寝ている日。
コウキ
だからそうっとランドセルを置いて、また外に出る。
コウキ
そうして少し行けば、大きな冷蔵庫が目印の、じぶんだけの秘密基地がある。
コウキ
山積みになった誰かの家具の陰から、いつものように鍋蓋とマントをとりだして。
コウキ
「おれはヒーロー! わるいやつをやっつけちゃうぞ!」
コウキ
図工の授業ではせんせいにいつも絵をほめられるから、たぶんいい出来。
コウキ
「うわーっビームだ! こんなときは~……」
コウキ
それとも誰かが間違って置いたりとかしたのかな。
コウキ
自分のものじゃなかったら、開けたことあやまらないとな……
GM
あなたは、気づけば、何もない荒野に立っている。
GM
あなたは普段、村でどのようにして暮らしていますか?
GM
岩山を背にしており、亡者などの襲来に対しての防衛に向いた立地となっています。
GM
少し前まで救世主が逗留して村を防衛していたのですが、
GM
そのひとは亡者と相打つ形で死んでしまい、今は救世主がいません。
GM
その最後はむごいもので、世話になってきた末裔たちもなかなか口に上らせることがしづらくなっています。
GM
救世主本人も死んだあとは亡者になり、いずこかへ去ったとか──
GM
とはいえ村には櫓があって、荒野を見回る必要もあります。
スクエア
普段の暮らしぶりとしては、
そう数も多くもない、繰り返し開いた書物を読んでいることが多いです。
スクエア
あまり活発に行動することは好んでいません。
スクエア
ですが成人した村の一員として、
きっかり決まった時刻、村から出ることもあります。
スクエア
行動を共にするような、特別親しいような村人はいない。
GM
たまにあいさつ程度に声をかけてくるものもいるが、それぐらいだ。
GM
砂を多く含んだ乾いた風が吹き、亡者の姿もなく、なべて世はこともなし──
スクエア
変わりないはずの風景に在る違和感は、見紛う方が難しい。
スクエア
くすんだ血痕とも違う、人の形をした赤い一点。
スクエア
辺りを今一度見回してから、そちらへと歩む。
GM
近づくごとに、砂埃の向こうのその姿が明らかになっていく。
GM
亡者ではない。ほかの集落からやってきた末裔か──とはいえ、ずいぶん背が小さい。
スクエア
どうして、こんなところに子供が居るのだろう。
スクエア
荒野に限るものではないが、ここは危険な場所だ。
スクエア
こと一人で往くことは自殺行為にも等しい。
GM
よく見ると、少年の手には封筒があることが分かります。
スクエア
この辺りの村に、どうにか心当たりはないかと考えあぐねていたところ。
スクエア
見下ろしていた少年の、それが目に留まる。
コウキ
一度手元を見て、それからまた視線を上に向ける。
スクエア
この末裔は、それが救世主の招待状だと間もなく気づいた。
スクエア
けれど荒野は広く、過去に朽ちた“彼ら”の落とし物も少なくないだろう。
スクエア
だから『この地で拾ったのではないか』と、そのように問うた。
スクエア
あなたもまた、“彼ら”であるなんて思わなかったから。
コウキ
手のひらの中には、6ペンスコインが10枚。
スクエア
救世主とともに現れる、堕落の国の6ペンスコイン。
スクエア
こんな子供、ではない。これは、救世主だ。
スクエア
「この世界を救う『救世主』として、あなたは選ばれました」
コウキ
「おれがほんもののほんとに、ヒーローってこと!?」
コウキ
「それでつよいパンチとかしちゃったりして!?」
スクエア
「振る舞いや戦い方は、救世主様にもよりますが」
スクエア
「あなたも、そういった力は得ているでしょう」
コウキ
「わるいやつをやっつけるヒーローパンチして~」
コウキ
「それでヒーローシールドでみんなをまもるんだ~!」
スクエア
まるで絵空事のように語られる、年端のいかぬ者の言葉。
コウキ
「耳のお兄さんのことも守ってあげる!!!!!」
GM
あなたたちはそうして、荒野から村へと戻ってきます。
GM
救世主であるコウキは村の人々におおむね歓迎されるでしょう。
*
「どうぞこの村でゆっくりしていってくださいね」
*
「救世主さま、あとでうちに来てくださいよ!果実のジュースがあるんでさ!」
*
「スクエア、救世主さまに村を案内して差し上げてくださいね」
GM
流れでスクエアさんがコウキくんを案内することになります。