GM
恋は盲目! ♡の5 はじまるよ~~!!
才賀りゅう
ワッ
GM
みんなそろってるかなぁ~?
ブラッツ=ツェベライ
何だこのノリは
ブラッツ=ツェベライ
高貴な吸血鬼たるこの俺に幼稚園みたいな呼びかけをするな。
才賀りゅう
ヤダ~私名前何色だったっけ~
サメル
ワ~~~!
才賀りゅう
ワァ~~
サメル
名前の色変えたよッ……!
GM
カラフルだね~~!
ブラッツ=ツェベライ
…………
サメル
きれ~~い
才賀りゅう
どうしたブラちゃん俺たち仲間だろ
ブラッツ=ツェベライ
あのババアが死相が出てるとか言ってなかったらお前らなんぞと行動を共にしてないわ。
サメル
具合悪いの?もしかして生理?
才賀りゅう
うそ……腰あっためて?
ブラッツ=ツェベライ
黙れ。
サメル
ブラちゃんこの間も生理なってたな……
GM
それじゃあいい感じに話の腰が折れ始めたところで始めようねぇ
サメル
心配……
才賀りゅう
不順なんダ……
才賀りゅう
は~い
サメル
は~~い!!
才賀りゅう
恋……しちゃうってコト!?
サメル
ワッ……!
GM
みんなが野球拳の村でいっぱい野球拳を楽しんだあと……
才賀りゅう
たのしかったネ!
サメル
ネ!
ブラッツ=ツェベライ
楽しんでいない。
GM
名前のない小さい村に少し滞在して……
GM
それから別の村に移動したよ。
才賀りゅう
わっしょいわっしょい
GM
その村では三角木馬の亡者と死闘を繰り広げたよ~~大変だったね!!
サメル
股が裂けるかと思った。
ブラッツ=ツェベライ
思い出したくない。
才賀りゅう
防壁!あそれ防壁!と手を叩いて応援したのも今では輝かしい思い出だぜ。
才賀りゅう
もっともブラッツが防壁を嫌がってサメルの股が裂けたのだが……
サメル
ちゃんと防壁を引け
GM
その先に行こうと思ったら街道が地崩れでえらいこっちゃだったので引き返すことになったよ! 残念だったね!!
ブラッツ=ツェベライ
愛毒タワーが立った
才賀りゅう
三角木馬に特殊な薬液を塗布しないで
サメル
死ぬかと思った
ブラッツ=ツェベライ
救済打ったからいいだろ。
才賀りゅう
救われない股もあるんだぞ
サメル
救われない股がこちら
ブラッツ=ツェベライ
(鼻で笑う)
GM
というわけで、みんなは戻りの馬車でドナドナされている最中です。
才賀りゅう
わ~こんなに裂けちゃった!
サメル
がたごと……
GM
もうそろそろ村に着くって感じだよ~~! 自己紹介もついでにしようねッ!
才賀りゅう
じゃあ……
ブラッツ=ツェベライ
沈黙して馬車の隅に座っている。
サメル
みんな隣同士……仲良しだネッ!
ブラッツ=ツェベライ
カスどもとできる限りコミュニケーションを取りたくない。そういう気持ちです。
サメル
すごい話しかけている
ブラッツ=ツェベライ
「…………」
サメル
よ~し!自己紹介しちゃうか~!
才賀りゅう
足の周りを走り回ってる
ブラッツ=ツェベライ
馬車の中で走り回るな! 頭身が低くなるな!
サメル
僕の名前は刃禰谷 覚(とねや さめる)!
元特殊風俗店店長!
ブラックな職場環境で頑張ってたら、知らない世界に着いちゃった!
サメル
でもでも、みんな僕のこと救世主って呼ぶし~、ちやほやされるし~、案外悪くないカモ!?
サメル
メシはカスです。
サメル
とはいえ、法律も倫理も関係ないこの世界は結構合ってる気がしてまーす!
サメル
心の疵の話もした方がいいんですかぁ~?
お客さんも好きですね~
サメル
心の疵『人間讃歌』
サメル
っぱ人間ってサイコーだよね!
という心の疵だよ!
だって人間に生まれた以上、人間ってことを肯定していきたいよね~!
サメル
心の疵『動物愛護』
サメル
人間はサイコーだけど、人間以外の生き物もいるよね?そう、かわいい動物さんたち!動物さんたちには優しくしてきたいよね~!
サメル
そんな感じで~す!
GM
ありがと~~!!
才賀りゅう
じゃあ俺行くか~
GM
わ~~~!!
才賀りゅう
わたしの名前はさいが りゅうこ!
才賀りゅう
……違ェな。
僕の名前は才賀りゅう!花の30代!
才賀りゅう
営業を止めてデイトレードで金を稼いで港区のマンションに住んでたら……ある日突然堕落の国にきちゃったの!
才賀りゅう
ええ~っこんなスタバのない国で僕が救世主~っ!?
才賀りゅう
これから(株価とか口座とか)ど~なっちゃうの~!?
才賀りゅう
マジでPCつけっぱなしなんですけど。
才賀りゅう
電気代とかどうなるんですか?
才賀りゅう
まあいいや
才賀りゅう
疵の話しちゃうね、お家のお母さんはお子さんの目を隠してあげてくださいね~
才賀りゅう
異食症!この国の飯はおいしか無いけどまあ食える。口の中に入ればまぁ食えるよ。なんでも食っちゃうんだよな~。なんでも食いたくなっちゃう。
才賀りゅう
ストローとか飲み込まないのが大変なんだよな。
才賀りゅう
やる気ゼロ!やる気ありませ~~~ん
才賀りゅう
救世主~?!しらね~~~~!!僕向こうでやってることあったんですけど~?!
才賀りゅう
めんどくせ~~!!!!
才賀りゅう
なので基本的に裁判でも動きません。
ブラッツ=ツェベライ
動け。
才賀りゅう
疵の力で椅子に座ります。
サメル
動け
才賀りゅう
働いてはいるからいいじゃ~ん
ブラッツ=ツェベライ
椅子を吹っ飛ばされろ。
才賀りゅう
妨害とかは喋ってなんかします。
サメル
じゃあいいか~
才賀りゅう
そうでしょ♡
才賀りゅう
まあなんかみんな適当にがんばって、オー
才賀りゅう
はいブラっちどうぞ
ブラッツ=ツェベライ
ブラっちではない。
ブラッツ=ツェベライ
ブラッツ=ツェベライ。吸血鬼だ。
サメル
ブラっちがんば~!
才賀りゅう
おうえんしてる♡
ブラッツ=ツェベライ
八十代なので、吸血鬼の中では若年ということになる。
サメル
わ~!青二才なんだ~!
ブラッツ=ツェベライ
貴様らよりは年上だがな。
ブラッツ=ツェベライ
もとの世界では狩猟派の吸血鬼として活動していた。
ブラッツ=ツェベライ
狩猟派というのはつまり、狩りをする吸血鬼ということだ。そのままだな。
サメル
つまり肉食系……ってコト!?
才賀りゅう
ワッ……!
ブラッツ=ツェベライ
大地が不毛であろうが、食物が貧しかろうが、人間の血を吸う俺には関係のないことだ。
ブラッツ=ツェベライ
この世界では狩猟を咎めだてされることもない。
ブラッツ=ツェベライ
もとの世界よりよほど暮らしやすいな。30日ルールも俺には合っている。
ブラッツ=ツェベライ
……疵の力が攻撃向けでないことと、今カスに囲まれていること以外はだが。
ブラッツ=ツェベライ
心の疵の説明をする。
ブラッツ=ツェベライ
狩りへの執着。
ブラッツ=ツェベライ
もとの世界で多くの吸血鬼は自らが狩られることを恐れて狩りをやめた。
ブラッツ=ツェベライ
だが、俺たちは生まれながらの狩猟者だ。人間なんぞを恐れて狩りを辞めることなどあり得ん。
ブラッツ=ツェベライ
捕食者である俺たちが人間に敗北するなどあり得ない。
ブラッツ=ツェベライ
亡き者への愛情。
ブラッツ=ツェベライ
……とはいえ、人間にも例外があることは分かっている。
ブラッツ=ツェベライ
俺にとっての例外は、生涯ただ一人であろうがな。
サメル
ワッ……!恋バナだあ……!
ブラッツ=ツェベライ
ほかの人間はみな塵芥のようなものだ。そこの二人はなおカス。
才賀りゅう
こんなに顔がいいのに!?
ブラッツ=ツェベライ
何故俺はこいつと一緒に行動せねばならん? 何だあのババアは?
ブラッツ=ツェベライ
知らん。
サメル
こんなに顔が……いいのに!?
才賀りゅう
僕ら3人顔良しメンズとしてデビューするって約束したじゃん!
ブラッツ=ツェベライ
老いる人間の美醜に興味などない。崩れる前に絵画でも描いてもらえ。
才賀りゅう
画家紹介して♡
サメル
武道館行こうって話はどうなったの!?
サメル
インスタやるか~
ブラッツ=ツェベライ
思い出を捏造するな。約束を捏造するな。
ブラッツ=ツェベライ
以上だ。
GM
ありがとうございます~~~!!
GM
もうしばらくしたら村に着くからちょっとお話でもしててね!
サメル
は~~~い!!
才賀りゅう
恋バナしよっ
ブラッツ=ツェベライ
しない。
サメル
「土砂崩れとかチョ~テンサゲなんですけど~」
才賀りゅう
「最悪~」
サメル
馬車の椅子でだら~っと座っている。もう背もたれの半分くらい頭が下がっている。
才賀りゅう
馬車の余ったスペースで横になっている。
サメル
無駄に長い足を、無駄に長いアピールをしつつ組み直した。
ブラッツ=ツェベライ
二人から少し離れたところ……に座っているつもりだが、馬車は狭いのでそれほど離れていない。
才賀りゅう
対抗しよ
ブラッツ=ツェベライ
邪魔だな……
才賀りゅう
「おっとすまない脚が長くてついブラちゃんの視界に脚が」
サメル
「あっごめんごめん邪魔だった?脚が長くてごめんね~」
ブラッツ=ツェベライ
「やかましい」
才賀りゅう
「ごめんね壁にかけとくから」
才賀りゅう
「かかんね~」
才賀りゅう
ゴロゴロしている。
サメル
「長すぎるから無理だって~」
才賀りゅう
「馬車突き抜けちゃうね~」
ブラッツ=ツェベライ
能天気なカスども同士で盛り上がっててくれ。
才賀りゅう
「ブラっちの脚ならかかるかなあ」
サメル
「え~、でもブラちゃんも長いよね?よ~し、脚の長さ勝負でバトルだ!」
才賀りゅう
「そもそも脚を掛けるってどういう状態かわかんないけど」
ブラッツ=ツェベライ
「………」
才賀りゅう
「よ~し脚の長さで傷つけあうぜ~!」
ブラッツ=ツェベライ
「よくもそんなくだらん話が次から次へと出てくるものだ」
ブラッツ=ツェベライ
「感心する」
才賀りゅう
「照れる~」
サメル
ブラッツの足を抱える。
ブラッツ=ツェベライ
蹴った。
才賀りゅう
「下段判定強いね~」
サメル
「ワッ!」
サメル
「ひどいよォッ……!」
才賀りゅう
キャアッ……
サメル
「ウウッ」
ポロ……ポロ……と大粒の涙をこぼす。
才賀りゅう
「今小動物を蹴りましたよぉ~おまわりさぁ~ん!」
才賀りゅう
「ちょっと男子~サメっち泣いちゃったじゃ~ん!」
ブラッツ=ツェベライ
「先刻のは褒め言葉ではなく厭味だ」
ブラッツ=ツェベライ
こいつらの小芝居に惑わされてはいけない。自分のペースを保とう。
ブラッツ=ツェベライ
そう自分に言い聞かせています。
才賀りゅう
そうだそうだ
サメル
そうだぞ
ブラッツ=ツェベライ
心に直接話しかけてくるな。
才賀りゅう
(フェードアウト)
サメル
「ヒマだししりとりしませんか?はいゴリラ」
才賀りゅう
「ランボルギーニ」
サメル
ブラッツを見る。
ブラッツ=ツェベライ
顔を背けている。
才賀りゅう
「ブラちゃんニだよ」
サメル
「難しかった?」
ブラッツ=ツェベライ
聞こえなかったふりをしている。
才賀りゅう
「しりとり知らずか?おしえたげよっか?」
サメル
「あ~、おじいちゃんは知らない遊びかな……?」
ブラッツ=ツェベライ
「しりとりぐらい知っている!」
ブラッツ=ツェベライ
耐え切れなくなった。
才賀りゅう
「じゃあなんだ川も渡れなきゃしりとりもできねえのかオイ!」
ブラッツ=ツェベライ
「川を渡れんのは関係ないだろ!」
サメル
「ええ~?吸血鬼ってヨワ~い!」
才賀りゅう
てやんでえとばかりに馬車の床をぺちんと叩く
サメル
「しりとりもできないようじゃ、社会で生きていけないぞ~?」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様ら……」
才賀りゅう
「80歳にもなってしりとりができないとはな~」
ブラッツ=ツェベライ
「たとえ冗談であろうとも、人間如きが貴種たる吸血鬼を侮辱するとは許さんぞ!」
サメル
ハッとする。
ブラッツ=ツェベライ
立ち上がった。
才賀りゅう
「じゃあ出来るとこ見せてみてくださいよ~」
サメル
「痴呆……?」
才賀りゅう
「ハッ……!」
才賀りゅう
「あと次はニですよニ」
ブラッツ=ツェベライ
「侮辱は許さんと言ったはずだ!」
サメル
「じゃあニで何か言ってくださいよ」
才賀りゅう
「オラニ言うまで馬車着かねえからな」
ブラッツ=ツェベライ
「そんなわけあるか!」
サメル
「誰かのせいで到着が遅れるな~」
才賀りゅう
「俺は有言実行の男だが……?」
サメル
「有言実行スゴ~イ!」
才賀りゅう
この男が裁判中に言った言葉はなぜか起きる。心の疵の力だね。
ブラッツ=ツェベライ
有言実行とは違うだろうそれは!
ブラッツ=ツェベライ
「…………」
才賀りゅう
君の指なんか切れてない?とか。(指切り不調与え)
ブラッツ=ツェベライ
「ニュース」
ブラッツ=ツェベライ
座った。
才賀りゅう
「よ~し!」
サメル
「言った~~~~!!!」
才賀りゅう
「仲間意識が芽生えたところでオリエンテーション終了!」
サメル
「ブラっちが快楽堕ちしたぞ~~~!!」
才賀りゅう
「ほら次の村が見えてきたぞ」
才賀りゅう
「しりとりの快楽には抗えなかったようだな……」
サメル
「お、本当に有言実行」
ブラッツ=ツェベライ
「何の話だ!?」
才賀りゅう
「何の話だっけ?」
ブラッツ=ツェベライ
「本当に言ったとたんに着くな!」
サメル
「さぁ……」
ブラッツ=ツェベライ
「仲間意識など芽生えていない!」
才賀りゅう
「嘘……そんな……」
サメル
「相変わらず、恥ずかしがり屋さんだなぁ」
サメル
鼻先を、つーん
ブラッツ=ツェベライ
手を払いのけた。
才賀りゅう
飛んできた手を避けた
サメル
「ひどいッ」
ブラッツ=ツェベライ
「俺に近づくな!」
才賀りゅう
ウワアア……!
GM
というわけで村に着きました。
才賀りゅう
「ワァッ……」
サメル
ワ~イ!村だ村だ~!
GM
救世主たちがこの村に訪れるのは二回目です。以前訪れたときは、静かで長閑な様子でした。
才賀りゅう
「前通ったなここ」
GM
しかし、訪れた村の様子はなにやらおかしいものでした。
ブラッツ=ツェベライ
相変わらず小さい村だ。
サメル
「何もなかったとこだ」
才賀りゅう
「まあ特に何もない村だったな 何もないがあるよ」
サメル
「シケていた」
サメル
「シケがある」
才賀りゅう
村の様子を見回して眉を顰める。
ブラッツ=ツェベライ
「…………む?」
GM
村人たちはやたらとしばきあっていたり、一方的に緊縛したり、物陰で一人正座していたりと、こぞってみんな情緒がどうかしているようなのです。
サメル
「おやぁ」
才賀りゅう
「なんだこれ」
サメル
「盛り上がっている」
ブラッツ=ツェベライ
「こんな村だったか?」
才賀りゅう
「特殊性癖で売る村になったのか?」
サメル
「え~?もうちょっとちゃんとマネタイズ管理した方が……」
ブラッツ=ツェベライ
「数日のうちにずいぶん大転換したな」
GM
1人の青年があなたがたに話しかけます――3人の男女に鞭で打たれたりしながら。
才賀りゅう
「うそでしょ」
ブラッツ=ツェベライ
変態が話しかけてきた。
才賀りゅう
「太陽出てんだけど」
サメル
「わお」
GM
「酷い有様で――痛っ、やめっ」
才賀りゅう
「日の光の下でSMプレイマジかあ~」
才賀りゅう
「見たらわかる」
サメル
「わかるな~」
ブラッツ=ツェベライ
「なんだなんだ」
GM
なんとか足蹴にしながら話を続けます。
サメル
足蹴にされている末裔を見ている
サメル
嬉しそうに見える。やはりプレイだ。
GM
「これは全部、亡者『ラビング・ラビット』の毒のせいで――痛い、痛いから!」
ブラッツ=ツェベライ
「亡者」
才賀りゅう
「はぁ」
サメル
「ヤベー」
ブラッツ=ツェベライ
前回は三角木馬の亡者、今回はSMプレイの亡者か。
才賀りゅう
滅んだほうが良いんじゃねえかこの辺
ブラッツ=ツェベライ
野球拳の村もあるしな……
サメル
もしやこのへん風俗街か?
才賀りゅう
カブキチョウ地区か?
ブラッツ=ツェベライ
知らぬ間に下卑た地域に足を踏み入れていたとはな。
GM
「あの、どうかこの村を助けていただけ――いい加減しろ!!」
才賀りゅう
「毒で何?SMプレイに目覚める村なの?」
GM
概ねそうです
サメル
コワ~
ブラッツ=ツェベライ
眩暈がしてきた。
GM
ふいに辺りが暗くなる。
才賀りゅう
まあ愛とか恋に目覚めるよりはいいかな……
GM
「出たっ、亡者だ……!」
サメル
「えっヤダ~」
GM
突然あなたがたに桃色の霧が降りかかります。
才賀りゅう
「マジ?逃げるか」
ブラッツ=ツェベライ
「む」
サメル
「割とマジでヤダ」
才賀りゅう
「ウギャー」
サメル
「なんだ、この香り……?」
才賀りゅう
「えっ何なんで嫌なのサメっち~」
GM
というわけで、ラビングラビットです。
才賀りゅう
「ゲホッゲホ」
ブラッツ=ツェベライ
「あの亡者が出す霧か」
サメル
「勝手に性癖変えられたくないし~」
GM
巨大なうさぎ型の亡者。ハートのまだらにむき出しの心臓。
才賀りゅう
まあプレイなら別にいいかなって……
ブラッツ=ツェベライ
「ならあの亡者をさっさと何とかしろ。猟奇型」
才賀りゅう
「ファンシーなデザインの亡者だなあ」
サメル
「あの亡者が……?」
GM
そのまま、亡者はあなたがたに襲いかかります。
ブラッツ=ツェベライ
「!」
サメル
身構える。
GM
「救世主様!!」
GM
話しかけてきた青年が身を挺して盾になります。
才賀りゅう
『亡者の攻撃は俺たちには当たらない』
才賀りゅう
「あっ他人に当たった」
才賀りゅう
「ラッキ~」
ブラッツ=ツェベライ
「マジでかこいつ」
サメル
「おわ」
GM
が、縄で至るところを緊縛されていたので、そのまま転がっていきます。
才賀りゅう
「俺たちにナチュラルにカウントしてなかったのがウケますね」
サメル
「うわ~」
ブラッツ=ツェベライ
「滑稽な情景だ」
才賀りゅう
「ああ~芋虫みたいに」
GM
「救世主様ーーーッ!」
GM
「好きだッ!!」
才賀りゅう
「……」
GM
転がりながらあなたへの恋を叫びます。
ブラッツ=ツェベライ
「…………」
サメル
「ええ……」
才賀りゅう
「いやいや違うだろ、SMプレイに目覚める流れだろ!」
ブラッツ=ツェベライ
「好きだ、と言ったが……」
GM
一方亡者はあなたがたを見て、不思議そうに首をかしげ。
GM
脚力を生かしてそのまますぐにその場を去ります。
ブラッツ=ツェベライ
「…………」
サメル
なんか亡者が立ち去った。
才賀りゅう
かっ、帰りたい
サメル
「いや、なんですかこの毒?」
ブラッツ=ツェベライ
なぜか逃げていった。
才賀りゅう
「何!?」
ブラッツ=ツェベライ
「変態に目覚める毒ではなかったのか?」
ブラッツ=ツェベライ
喰らいたくないが……
サメル
「勝手に性癖を上書きされる毒かと……」
才賀りゅう
「SかMのどっちかに目覚める毒かと思った!」
ブラッツ=ツェベライ
「喰らいたくないには違いないが……」
GM
青年は転がってます。
ブラッツ=ツェベライ
「どうする。こんな村にかかずらわらず、さっさと退散するか」
GM
転がったまましばかれてる。
ブラッツ=ツェベライ
血も涙もない相談を持ち掛ける。
サメル
「珍しく賛成です」
才賀りゅう
「そうしようか…………いやでも、俺らアレ吸っちゃったと思うんだけど」
GM
そうですね。
GM
確かにあなたがたは、目の前で末裔が繰り広げているような状態にまでは陥っていません。
才賀りゅう
「珍しく3人の心が一つになると思ったんだけどな」
サメル
「ある程度の不摂生は、健康的な生活を送ればなんとかなりますよ」
ブラッツ=ツェベライ
「……」
GM
しかし何か胸に高まるような感覚、あるいは心をきゅっと締め付けるような感覚、特に理由なくため息をついてしまうような感覚――そう、恋の予感がしてなりません。
GM
恋? 恋です。
ブラッツ=ツェベライ
「…………」
サメル
「………………」
才賀りゅう
「…………」
ブラッツ=ツェベライ
これが進むとあれになるということか?
GM
そういう予感もあります。
才賀りゅう
「……あ~!!!今すぐこの村を出たい!」
ブラッツ=ツェベライ
「…………面倒だな…………」
サメル
「出ましょう、村を」
才賀りゅう
ヤダヤダヤダと疵パワーで出したマットの上で駄々をこねている。
ブラッツ=ツェベライ
「離れても亡者の毒が消えない可能性もある」
GM
そうこうしているうちに青年が引きずられていきました。
ブラッツ=ツェベライ
「……何日か様子を見てもいいが、それで毒の進行が進んだら洒落にならん」
ブラッツ=ツェベライ
引きずられていったな……
才賀りゅう
「あっ起こそうと思う前に引きずられていった」
才賀りゅう
「まいっか」
ブラッツ=ツェベライ
「……」
サメル
「全ての不調を直す、ハイパー水パイプとか探しに行きましょう」
才賀りゅう
「そうだな」
ブラッツ=ツェベライ
「根本的な解決をするには、亡者を斃したほうが手っ取り早かろう」
ブラッツ=ツェベライ
「現実逃避するなカスども」
サメル
末裔は……、まぁいっか。
GM
村のことはともかく、あの毒は確かにあなたがたを冒しています。このままほっといていてはきっと大変なことになってしまうに違いありません。
才賀りゅう
「ヤダヤダヤダ~~~!嫌な予感がする~~!!」
ブラッツ=ツェベライ
「馬車の中であんないかがわしい行為が始まるのはごめんだからな俺は」
サメル
「たしかに~」
才賀りゅう
「旅する三角木馬隊!?」
ブラッツ=ツェベライ
「盛り上がるな」
サメル
別に馬車の中でSMプレイするのはどうでもいいが……、この変な感じは困る。
才賀りゅう
「じゃあ俺、亡者が死ぬまで寝てるから……」疵マットを持ち上げて帰社のポーズ
ブラッツ=ツェベライ
みょうにうわっついた気分になる。
GM
それに、恋の予感とは別の違和感があります。
才賀りゅう
この気分は良くない。本当によくない。
ブラッツ=ツェベライ
「お前も戦うんだ」
才賀りゅう
「ヤダヤダヤダ~~」
ブラッツ=ツェベライ
蹴……ろうとしてやめた。
ブラッツ=ツェベライ
逆に…………
サメル
やめてる……
才賀りゅう
キャー!Sの目覚めよ!
ブラッツ=ツェベライ
そういう感じがして……
GM
救世主ならばよくしっている、心の疵の取り扱い。
サメル
まぁ今蹴ったらそういう感じに見える。
ブラッツ=ツェベライ
囃されるのは避けたい。
ブラッツ=ツェベライ
そういう囃され方は考え得る限り最悪。
GM
そちらの毒は、もう発症しています。
GM
というわけで、心の疵が抉られることで◯になり、舐められることで●になる。
GM
という状態にあることが、あなたがたにはなんとなく、わかります。
GM
心の疵MOD『倒錯』です。
GM
この倒錯は……亡者を倒さないと恐らく直らない!
ブラッツ=ツェベライ
味方を抉るのはいいけど敵を舐めなきゃいけないのは困るな…
才賀りゅう
なんてこった!
サメル
やっぱりスーパー水パイプが必要だ。
GM
というわけで、♡の5卓のラビラビが撒く毒は、恋毒と倒錯毒のブレンドです。
GM
あなたがたは、あの亡者を倒すことにしました。しましたね?
ブラッツ=ツェベライ
いたしかたあるまい
サメル
したみたい
才賀りゅう
はあい
GM
そんなかんじで、お茶会に入りましょう。
[ 才賀りゅう ] HP : 0 → 4
ブラッツ=ツェベライ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
サメル
やる気があるな~
GM
45分再開で休憩でーす。
GM
GM
*お茶会 ラウンド1 ブラッツ=ツェベライ
ブラッツ=ツェベライ
1d12 (1D12) > 1
GM
1 村の入り口。粗末ながら見張り台が立っており、村の内外を見渡せる。
ブラッツ=ツェベライ
ブラッツの姿が蝙蝠に変じ、見張り台に沿って上空に向かって行く。
ブラッツ=ツェベライ
見張り台の上でもとの姿に戻って、村を見回した後、下まで戻ってくる。
サメル
「おー、便利」
才賀りゅう
「まるで吸血鬼だね~」
ブラッツ=ツェベライ
「亡者の姿が見えんな。一度外まで逃げたのかもしれん」
才賀りゅう
「えー」
ブラッツ=ツェベライ
「吸血鬼だ。──村を出入りしては徘徊しているとなると厄介だな」
サメル
「本当に吸血鬼とは思わなかったな~」
才賀りゅう
「意外~」
ブラッツ=ツェベライ
「この村に居座っているのは間違いない。ここを拠点に亡者を迎え撃つのが良かろう」
ブラッツ=ツェベライ
「意外とはなんだ」
才賀りゅう
「ただのおじいさんかなって」
サメル
「普通に見えるしな~」
ブラッツ=ツェベライ
「信じんなら老爺には見えんだろうが」
ブラッツ=ツェベライ
「で、それで問題ないな」
ブラッツ=ツェベライ
「早々と倒せるに越したことはないが、長引く可能性もある」
サメル
「まぁ、亡者がどこにいるか分かりませんしねぇ」
ブラッツ=ツェベライ
「この村に滞在してあのふざけた亡者がやってくるのを待つ」
ブラッツ=ツェベライ
「……長居はしたくないものだがな」
サメル
「……なんかちょっと滞在したいように聞こえますね」
ブラッツ=ツェベライ
口元に手をやって、牙の周りをなぞった。
ブラッツ=ツェベライ
「そんなわけがなかろう」
ブラッツ=ツェベライ
「この村の連中はどいつもこいつも正気ではない」
才賀りゅう
「そんなこと言って~実はMに目覚めたいとかあるんじゃないですか~」
ブラッツ=ツェベライ
「血液にもたっぷりあの毒が染み渡っているだろうからな」
ブラッツ=ツェベライ
「ない」
サメル
「実は元々Mだったり……?」
才賀りゅう
「こんな村にいられるか!俺は亡者が来るまでまあどっかで寝てていいよね?」
ブラッツ=ツェベライ
「働け」
才賀りゅう
「うそ~」
ブラッツ=ツェベライ
「吸血鬼は狩る側だ。打ちのめされることを好むなどあり得ない」
サメル
「でもまぁ~、一緒にいるより手分けした方がいいような気もしますよ~」
才賀りゅう
腕時計の場所を見る。リストバンドしかない。「ほら今日休日だよ」
ブラッツ=ツェベライ
「救世主に休日も祝日もあるか」
才賀りゅう
「転職しま~す」
ブラッツ=ツェベライ
「……手分けをした方がいいのはそうだな」
サメル
「毎日おやすみだぞ!!」
才賀りゅう
「やったあ!」
ブラッツ=ツェベライ
今日は出勤日だ!
才賀りゅう
かわいそう
サメル
かわいそう
ブラッツ=ツェベライ
貴様らもだよ。
才賀りゅう
そんなあ
サメル
知らない話だな……
才賀りゅう
ネ……
ブラッツ=ツェベライ
「まずは拠点にできそうな場所でも探せ」
才賀りゅう
「うわ~」
ブラッツ=ツェベライ
「宿屋があったはずだ」
サメル
「一緒にいて、変にSMプレイに発展しても嫌ですしね~」
才賀りゅう
「委員長かよ~」
サメル
「じゃ、テキトーにやっていきま~す」
才賀りゅう
メチャクチャめんどくさそうに家屋に向かって歩き出した。
サメル
特に待ち合わせ時間や場所も決めず、手を振って適当な方向に歩き始めた。
ブラッツ=ツェベライ
「おい、黒髪」
才賀りゅう
「もっとお母さんみたいに呼んでくれ」
ブラッツ=ツェベライ
「……」
ブラッツ=ツェベライ
「先刻は、何をあんなに動揺していた?」
才賀りゅう
「あ~、嫌な予感がしたんだよ」
ブラッツ=ツェベライ
「例のお前の『有言実行』のなんとやらか」
才賀りゅう
「喋ったら全部叶っちゃうなー!黙っとこ!」
才賀りゅう
ずかずか歩いていく。
ブラッツ=ツェベライ
後ろをついていく。
ブラッツ=ツェベライ
「言霊とかいう奴か」
才賀りゅう
「何?俺に興味が出てきた?」
ブラッツ=ツェベライ
「その嫌な予感とやらが気になる」
才賀りゅう
その予感とはつまり、末裔が倒れた時に見せた愛や恋やの予感。
ブラッツ=ツェベライ
それに、このふたりのカス……
才賀りゅう
「大したことじゃな~い。個人的な理由さ」
ブラッツ=ツェベライ
どちらかの弱みを握っておけば、今後やりやすいのだ。
才賀りゅう
「誰にだって過去の1つや2つあるだろ」
才賀りゅう
「ブラっちにはないんですか~?」
ブラッツ=ツェベライ
「まあ、そうだな」
ブラッツ=ツェベライ
「俺の過去を貴様らなんぞに話そうとは思わん」
才賀りゅう
適当な酒場に入っていく。家を探す気がない。
才賀りゅう
「そんな~僕ら♡仲間♡じゃないですか~」
ブラッツ=ツェベライ
ちらりと酒場の看板を見上げて、続いて入った。
才賀りゅう
この男が心にもない言葉を言うのは今に始まったコトではない。
ブラッツ=ツェベライ
始末に負えない。関係のない雑談にばかり時間を費やすお喋りな男だ。
才賀りゅう
「あ~もうメチャクチャ」酒場の光景を見回す。
ブラッツ=ツェベライ
「ふん。ならば腹を割って話でもするか?」
ブラッツ=ツェベライ
同じように店内を一瞥し、眉を顰めた。
才賀りゅう
「えっブラ様とお話できるんですかぁ!?」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様が話すならな」
才賀りゅう
緊縛された末裔を倉庫番よろしく転がしてどける。
ブラッツ=ツェベライ
てきとうに末裔を避けて、椅子に座った。
才賀りゅう
「僕はいつでも真面目に話してるんだけどな~」
才賀りゅう
大嘘。
ブラッツ=ツェベライ
「個人的な理由とはなんだ」
才賀りゅう
「個人的な理由だからな~」適当に棚を漁る。
ブラッツ=ツェベライ
「……俺の知り合いに、日本人がいたという話は以前したな」
才賀りゅう
戸棚から口に入りそうな物を適当に取り出しながら、背で言葉を聞いている。
ブラッツ=ツェベライ
「そいつは、日本からやってきた狩人でな」
才賀りゅう
「あら~物騒~足立区にお住まいになってる方~?」
ブラッツ=ツェベライ
「と言っても、神父などとは違う」
ブラッツ=ツェベライ
「いわゆる霊能の家系だった。だから、俺はその、日本人の神がかりや霊感というものは信じている」
才賀りゅう
「オカルトだね~」笑って、酒瓶のコルクを歯で抜く。
ブラッツ=ツェベライ
「俺自身が吸血鬼だ」
才賀りゅう
「いるとこには居るもんですね~」
ブラッツ=ツェベライ
「そもそも、オカルトを信じていなければ、貴様らとともに行動などするか」
ブラッツ=ツェベライ
「だから、貴様が、個人的な理由でいやな予感とやらを感じたにしても──」
才賀りゅう
「ああ、でもあのおばあさんの言うコトも一理あったんじゃないかな~、霊感もクソもなくね」
ブラッツ=ツェベライ
「俺たち全員に関わってくるかもしれん」
ブラッツ=ツェベライ
「…」
才賀りゅう
「救世主1人、こちらは2人……何も起きないはずもなく……」
ブラッツ=ツェベライ
「フン」
ブラッツ=ツェベライ
鼻で笑う。
才賀りゅう
笑いながらコルクを齧っている。
ブラッツ=ツェベライ
「貴様ら如きに狩られる俺ではない」
才賀りゅう
「どうかな~」
ブラッツ=ツェベライ
立ち上がった。
ブラッツ=ツェベライ
コルクをかじる男の背後に近づく。
才賀りゅう
半分無くなったコルクをテーブルに置いて。
ブラッツ=ツェベライ
手を伸ばし、肩を掴む。
ブラッツ=ツェベライ
「特に貴様は、あちらの赤毛とは違って──」
ブラッツ=ツェベライ
「俺にも相手をしやすい。そのみょうな術さえ使われなければ」
才賀りゅう
『何に話しかけてるんだ?』
才賀りゅう
ブラッツが掴んだ才賀の肩は……布の掛けられた棚に変化していた。
才賀りゅう
才賀はブラッツの後ろで、バーカウンターに腰掛けている。
ブラッツ=ツェベライ
布を掴んで床に落とす。
才賀りゅう
黒い布とテカテカした布が床に落ちる。
才賀りゅう
「っていうかあの人僕を掴もうとした?ヤダ~痴漢よ~!」
ブラッツ=ツェベライ
「個人的な理由とはなんだ」
才賀りゅう
「まだ聞く?話は流れたんじゃな~い?」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様は何を恐れていた?」
才賀りゅう
「教えると思うんですか~!?」
ブラッツ=ツェベライ
「あの連中のようになるのが嫌にしても──」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様の反応はいささか過剰だったな」
才賀りゅう
ゴミみたいな酒を飲みつつ。
才賀りゅう
「びっくりしちゃったんだも~ん」
ブラッツ=ツェベライ
「あの末裔に『好きだ』などと言われたことに?」
才賀りゅう
「っていうかブラっち……僕を……案外見てるってコト!?」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様らもよく言う戯言だろうがな」
才賀りゅう
「おや~探りますね~強引な男は嫌われますよ!?」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様らは俺にとって獲物だ」
才賀りゅう
「ヤッダ~大人しく末裔相手にしててくれませ~ん?」
ブラッツ=ツェベライ
「多少の観察はする。それに、さっきも言っただろう」
才賀りゅう
戸棚から適当なモノをくすねつつ。
ブラッツ=ツェベライ
「この村の連中は、どいつもこいつもあの異常な毒に冒されている」
ブラッツ=ツェベライ
「血など飲めたものではない」
才賀りゅう
「いやあなりたくないですねえあんなふうに」
才賀りゅう
「おいおいまさか~?」
ブラッツ=ツェベライ
「あの亡者を斃すには、多少腹ごなしをせねばならんだろう」
才賀りゅう
「お腹すきましたか~?もうちょっと後にしてくださいね~」赤子に対する声色で指をぴらぴら振っている。
ブラッツ=ツェベライ
*才賀りゅうの『やる気ゼロ』を愛で抉ります。
ラビングラビット
*横槍します。
ラビングラビット
Choice[猟奇,才覚,愛]  (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ラビングラビット
2d6+3>=7 (2D6+3>=7) > 2[1,1]+3 > 5 > 失敗
ラビングラビット
失敗です。
ブラッツ=ツェベライ
*ティーセット使用
ブラッツ=ツェベライ
2d6+3+2=>7 判定(+愛) (2D6+3+2>=7) > 9[5,4]+3+2 > 14 > 成功
才賀りゅう
「…………」亡者を呼ぼうとして、口が動かなかった。
ラビングラビット
では成功です。
才賀りゅう
「あーあー」
ブラッツ=ツェベライ
再び手を伸ばす。
ブラッツ=ツェベライ
「働きたくないのだろう?」
才賀りゅう
「…………」
ブラッツ=ツェベライ
「あの亡者と相対するのも嫌なのだろう」
才賀りゅう
「さあどうでしょうね~」
ブラッツ=ツェベライ
「ならば、少しは役に立ってもらおう」
才賀りゅう
「案外そん時にゃやる気が出るかも」
才賀りゅう
才賀りゅう
突き飛ばそうと腕を伸ばす。
ブラッツ=ツェベライ
構わずに腕を伸ばし、首元のジッパーに手をかける。
才賀りゅう
「ちょちょちょっと!?」
才賀りゅう
「キャー痴漢よー!」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様の『嫌な予感』とやら──」
才賀りゅう
「俺が言ったことで痴漢確定だぞ!」
才賀りゅう
暴れる。
才賀りゅう
「高いんだぞこの服!離せ離せ!」
ブラッツ=ツェベライ
肩に手をかけて押さえ込み、ジッパーを下ろしていく。
ブラッツ=ツェベライ
淡々と、相手の首元を露出させる。
才賀りゅう
腕を伸ばし、相手の頭を押さえる。
ブラッツ=ツェベライ
「この俺が払拭してやろう」
才賀りゅう
「うるせえ!」
才賀りゅう
「マジで洒落にならないって!」
ブラッツ=ツェベライ
「洒落を言っているつもりなどない」
才賀りゅう
「痛いの嫌だ~俺注射で泣いちゃうタイプなの!」
才賀りゅう
泣かない。
ブラッツ=ツェベライ
口の端を歪める。人のものと比べて異様に鋭く尖った牙が覗く。
ブラッツ=ツェベライ
「安心しろ。俺が血を吸ったところで、貴様が我が同族となることはない」
才賀りゅう
相手の頭を押さえる腕に力が入る。
才賀りゅう
「そういう心配はしてませぇえ~~~ん!」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様にその価値はない」
才賀りゅう
「カス!」
才賀りゅう
「そこは口説いてみせろよ男だろ~!」
ブラッツ=ツェベライ
押さえられても構わずに、無理矢理に牙を相手の首に近づける。
才賀りゅう
「嘘です別に口説かれたくありま……ヤバいヤバい!」
ブラッツ=ツェベライ
もはや吸血鬼はあなたの言葉に答えなかった。
才賀りゅう
何かが触れそうな感覚を首の皮膚が覚える。
才賀りゅう
無理矢理に組み伏せられて、呻く。
ブラッツ=ツェベライ
口を大きく開き。牙を剥き出しにして。
ブラッツ=ツェベライ
あなたの首に突き立てる。
才賀りゅう
苦悶の呻きが漏れる。
才賀りゅう
もっともその声は酒場中に転がった末裔たちの呻きに混じって、誰も気にはしない。
ブラッツ=ツェベライ
つけられた傷から血が溢れ出すばかりか。
ブラッツ=ツェベライ
男はその傷口に唇をつけて、その下に流れる血を吸い出していく。
ブラッツ=ツェベライ
血だけではなく、あなたの中の何かが、喪われていくような感覚が襲う。
才賀りゅう
床に落ちた手がびくりと震える。
才賀りゅう
もがく。
才賀りゅう
もともとインドア仕事の男の筋力など、たかが知れている。
ブラッツ=ツェベライ
力の差は歴然としている。
才賀りゅう
普段のように口八丁でこの場を解決しようにも、口を開こうとすれば苦悶の呻きだけが溢れ出す。
ブラッツ=ツェベライ
あなたがもがいていることなど気にも留めないかのように、吸血鬼はその名の通りにあなたの血を吸い続ける。
才賀りゅう
温度が。
才賀りゅう
指先からぐんと冷えていく。
ブラッツ=ツェベライ
吸血鬼の冷たいからだに、その熱が移っていくように。
才賀りゅう
体が重くなって、瞳が認識する光量が減っていく。
才賀りゅう
この感覚を得たのは、久しぶりだった。
ブラッツ=ツェベライ
膚を伝うのが汗なのか、血なのか、あなたからは見えない。
才賀りゅう
ただ、濡れて気持ち悪いことだけは確か。
[ 才賀りゅう ] やる気ゼロ : 0 → 1
[ 才賀りゅう ] やる気ゼロ : 1 → -1
[ 才賀りゅう ] やる気ゼロ : -1 → 1
ブラッツ=ツェベライ
指先でその気持ち悪さを払うことすら、今のあなたにはできないだろう。
才賀りゅう
指先が重く、動かない。
才賀りゅう
何の仕事も手につかない。
才賀りゅう
何の言葉も出てこない。
才賀りゅう
本当に何もかもが面倒で、どうでもよくなる。
GM
*才賀りゅうは「ブラッツへの恋心」が付与されました。
[ ラビングラビット ] HP : 63 → 62
ブラッツ=ツェベライ
……そうしてどれほど時間が経ったのか。
ブラッツ=ツェベライ
実際、それほど長い時間ではなかったはずだ。
ブラッツ=ツェベライ
ゆっくりと、男の顔があなたから離れていった。
ブラッツ=ツェベライ
「……酒場に足を踏み入れたのは、貴様にしては良い選択だ」
才賀りゅう
ぐったりと床に伸び、村に入った時の騒がしさなぞどこにもない。
ブラッツ=ツェベライ
口元から血を滴らせ、立ち上がって吸血鬼はあなたを見下ろす。
才賀りゅう
その代わりに、失った血の代わりにぐるぐると渦巻くものがある。
才賀りゅう
『こんなことをして……』
ブラッツ=ツェベライ
「俺たちにとって、貴様らの血は糧でありながら、酩酊を招く酒のようなもの」
才賀りゅう
『タダじゃ済まない』
ブラッツ=ツェベライ
せせら笑うように言って、吸血鬼は口元を拭い、指先についた血を舐めとる。
才賀りゅう
『そこから動くな』
ブラッツ=ツェベライ
その言葉のトーンに、わずか男は身構え。
ブラッツ=ツェベライ
「む……」
ブラッツ=ツェベライ
そのまま、動きを止める。
才賀りゅう
「人のプライベートに立ち入るやつは……」
才賀りゅう
肩に掛かった上着が肘置きのようになって才賀を起こす。
才賀りゅう
「自分も立ち入られる覚悟がないとな~」
才賀りゅう
上着に助けられながら起き上がる。
ブラッツ=ツェベライ
「フン」
才賀りゅう
気づけば才賀だけ、何処からともなく出てきた上質な椅子に座っている。
ブラッツ=ツェベライ
「あんなものは、血を吸うための方便だ」
GM
*お茶会 ラウンド1 才賀りゅう
才賀りゅう
「いやいやぁ、知りませんよぉ」
才賀りゅう
『話してもらおうかな』
才賀りゅう
『ブラっちのプライベートの事……』
ブラッツ=ツェベライ
「…」
才賀りゅう
『例えば昔の人の話とか』
ブラッツ=ツェベライ
手で口を塞ぐ。
ブラッツ=ツェベライ
「あの男のことを……」
才賀りゅう
『塞げると思った?』
ブラッツ=ツェベライ
「他人に、話す、ことなどない……」
ブラッツ=ツェベライ
腕が下ろされる。
才賀りゅう
『な~んでもいいんだ、どんな人で、何時出会って、どんな話をしたか……』
ブラッツ=ツェベライ
空中に縫い留められたかのように体が動かなくなる。
ブラッツ=ツェベライ
「ぐ……」
ブラッツ=ツェベライ
「あの男、は」
ブラッツ=ツェベライ
苦悶の表情を浮かべ、吸血鬼は唇が動くのを抑えようとする。
ブラッツ=ツェベライ
だが、無駄な抵抗だった。
才賀りゅう
なんでもこうやって言葉で解決してきた。
才賀りゅう
自分が聞けば女はなんでも話し出す。家のこと、仕事の事、金銭的余裕の事……
ブラッツ=ツェベライ
「……生門は、鬼を狩るために育てられた狩人だった」
才賀りゅう
「へえ生門さんって言うんだあ~」
ブラッツ=ツェベライ
「……日本であのような狩人は、ほとんど不要の存在だ」
才賀りゅう
『いいねいいね、どんどん話して』
才賀りゅう
もっと聞きたい、という気持ちが沸いてくる。腹が立つ。
ブラッツ=ツェベライ
「居場所がなくなり、己の力を使うためにこちらに来たと言っていた」
才賀りゅう
思い出が、自分の恋の思い出が、こんなワケのわからない男に上書きされるのが腹立たしい。
ブラッツ=ツェベライ
「もっともはじめは、隠されていたことだったがな」
ブラッツ=ツェベライ
「……学生のふりなどして」
才賀りゅう
この国に来て、その恋も愛もかなわない事を知っている。
ブラッツ=ツェベライ
「なぜあんな男を愛したのか、今でも分からない」
才賀りゅう
イライラする。思い出話をする男が、思い出話をする男に感情を起こす自分が。
ブラッツ=ツェベライ
男はあなたに殺意を向けている。
才賀りゅう
「愛!やだ乙女~!」
ブラッツ=ツェベライ
視線で殺せるならばそうしたい、というような目があなたに注がれている。
ブラッツ=ツェベライ
「……」
才賀りゅう
その視線を受け、意味を知ってなお笑う。
才賀りゅう
手さえ振ってみせる。
才賀りゅう
『そんな目で見ないでよ~、生門クンの事はどういう目で見てたの~?』
ブラッツ=ツェベライ
「な……」
ブラッツ=ツェベライ
視線が緩む。
才賀りゅう
「愛してたんだね~相手は狩人なのに?」
ブラッツ=ツェベライ
苛立ちの中に愛おしさを含むような。去るものを見送るような、縋るような目だ。
ブラッツ=ツェベライ
「俺、とて、はじめは、殺すつもりだっ、た」
ブラッツ=ツェベライ
「いや、違う、俺が殺される、はずだった」
才賀りゅう
小さくため息を吐く。その視線は自分に向けられるものではないと知っているから。
ブラッツ=ツェベライ
視線がぶれる。屈辱と、愛情の眼差しが瞬きのたびに入れ替わる。
ブラッツ=ツェベライ
「だがあの男は、俺を、殺さなかった」
才賀りゅう
「へ~」
ブラッツ=ツェベライ
「何という、侮辱。何という恥辱」
ブラッツ=ツェベライ
「人間などに敗北することなどあってはならない。
 ただの餌如きに」
ブラッツ=ツェベライ
目を伏せる。
ブラッツ=ツェベライ
「それが、その餌を愛するなど」
才賀りゅう
「わあ!」
ブラッツ=ツェベライ
「あんなすぐ死ぬ生き物。その中でもなおさら早く死ぬものに」
ブラッツ=ツェベライ
「……愛情を注ぐなど」
才賀りゅう
「そんな熱い眼差しを!愛情を注いじゃってるんだねえ!」
才賀りゅう
「きゃ~ブラちゃん乙女!」
ブラッツ=ツェベライ
「…………」
ブラッツ=ツェベライ
視線に怒りが滲んでも、すぐに消えていく。
才賀りゅう
ニコニコと笑っている。
才賀りゅう
愛情の混ざる眼差し。見送る者の眼差し。
それを受けていると、思い出が擽られる。
才賀りゅう
『あっち向いてていいよ』ふいと横を指差す。
ブラッツ=ツェベライ
指先の示す方へ顔が向けられる。
才賀りゅう
この男に見つめられる事を耐えられなくなった。苛立たしい。
ブラッツ=ツェベライ
身体は相変わらず強張って、動ける気配もない。
[ ブラッツ=ツェベライ ] ティーセット : 2 → 1
才賀りゅう
*ブラッツの亡き者への愛情を抉ります 才覚で
才賀りゅう
*ティーセット使用
GM
*横槍しません
才賀りゅう
*談合完了
才賀りゅう
2d6+3+2>=7 (2D6+3+2>=7) > 10[4,6]+3+2 > 15 > 成功
[ ブラッツ=ツェベライ ] 亡き者への愛情 : 0 → 1
GM
*何も付与はされません
才賀りゅう
「ハハハ、面白い話だった」
才賀りゅう
「いやあ楽しかった、またガールズトークしようね♡」
ブラッツ=ツェベライ
「…………」
才賀りゅう
『それじゃあ、また後で』
才賀りゅう
才賀の姿が消える。
ブラッツ=ツェベライ
その場にたたらを踏んだ。
ブラッツ=ツェベライ
「くっ、あの男……!」
ブラッツ=ツェベライ
頭を押さえる。周囲を見回してもどこにも姿はない。
ブラッツ=ツェベライ
魅了や催眠は、吸血鬼の異能の中では一般的なものだ。
ブラッツ=ツェベライ
それに対する耐性も、吸血鬼にはあるはずである。が。
ブラッツ=ツェベライ
あの男の言葉はそれとは一線を画する何かがあった。
ブラッツ=ツェベライ
あるいは、単純に、心の疵の力でもって為されることには、そんな耐性など無意味なのかもしれないが。
ブラッツ=ツェベライ
いずれにしろ、あんな人間のちんけな術に抵抗できなかった。
ブラッツ=ツェベライ
見られた。覗かれた。土足で踏み荒らされた。
ブラッツ=ツェベライ
それは一方的に、吸血鬼がやらねばならないことなのに!
ブラッツ=ツェベライ
怒りのままに、吸血鬼は酒場を見回した。状況は変わらない。
ブラッツ=ツェベライ
何が行われていても構うことなく、末裔たちは異常な行為に耽っている。
ブラッツ=ツェベライ
血を啜った以上、この場にとどまる意味はもうないだろう。
ブラッツ=ツェベライ
吸血鬼は苛立たし気に、大股に出ていった。
サメル
プラ……と街を歩く。
サメル
あちらこちらで盛り上がっている。
GM
盛り上がっています。
サメル
前職を思い出すな~
GM
倒錯毒は舐めと抉りが反転する毒。
サメル
そういうパーティーもあったりした。
GM
この村では専用の道具というのものがないので、創意工夫で盛り上がっています。
サメル
皆心の赴くままに、思い思いのハッスルをしている。
GM
舐めと抉りの反転は、片方だけでは成り立たない。
GM
抉る側も、抉られる側も逆転している。
サメル
抉られる側も、ということは。
あそこで鞭を振るわれて泣いている末裔も。あそこで吊り上げられている末裔も。
サメル
皆、普段とは異なる受け取り方をしている、ということになる。
サメル
もしやそのへんの末裔をビンタしたら、喜ばれたりするのか?
サメル
ビンタしてみた。
GM
不意にビンタされた末裔。
GM
悲鳴を上げて、頬を抑えたまま、あなたを潤んだ目で見ている。
サメル
「うわ~」
サメル
性欲が含まれる視線は、分かる。
サメル
この村はもうだめだな……。
サメル
末裔から離れて、また歩き出す。
GM
末裔は離れてもじっとあなたを見ている。
サメル
その視線には興味を向けない。
サメル
じり、と心の奥が焼け付くような感覚。
サメル
村人の悲鳴、嬌声、吐息。
サメル
罵倒、そして愛の囁き。
GM
毒が回りきり、誰もが脳内物質の中毒に陥っている。
GM
この村におおよそ、外に期待されるまともさはない。
GM
誰も彼もは、まともでないということだけが一貫している。
GM
したがって、その異常を誰も咎めたりしない。
GM
まともな村人は、毒にかからないよう閉じこもっているだろう。
サメル
狂乱の中、正気でいることは難しい。
サメル
自分ほど「人間のできた」者でなければなおさらだ。
サメル
それ以上にここは、末裔の村。
サメル
人間は救世主しかいない。
サメル
獣の耳や体を持つ、「動物」ばかりなのだ。
GM
さきほど叩いたのは公爵夫人の末裔。またの名を子豚の末裔。
GM
豚の耳としっぽを持つ。
サメル
豚の耳としっぽを生やした公爵夫人。
サメル
豚の分際で公爵などと。
サメル
かわいいものだ。
GM
倒錯も暴力も、困窮も破滅も、この村で行われるものは全て些事。
GM
憐れなものたちの困りごとでしかない。
サメル
サメルは愚かな動物を愛する。
己を高尚な存在だと勘違いするものたちを許容する。
サメル
なぜなら、事実は異なるから。
GM
あなたの背中に何かがぶつかる。
GM
先ほどの末裔だ。
GM
後ろから縋るように抱きしめられる。
サメル
軽く微笑んで。
サメル
先程よりも、強く顔を張り飛ばす。
GM
地面に倒れ込み、泥に汚れる。
サメル
倒れ込んだ末裔の腹部に座り込む。
GM
そうした屈辱にさえ悦びを見いだして、ため息が漏れる。
サメル
前に立ち寄った村で手に入った紙煙草を取り出し、火を付ける。
サメル
尻の下の動物の顔に、煙を吹きかける。
GM
むせる。
GM
目に涙がにじむのは、しかしはたして苦しさによる生理的な反射か。
GM
「救世主様」
GM
そう呟く。
サメル
薄く笑う。
サメル
豚の耳を摘み、指に力を込める。
そのまま持ち上げる。
サメル
薄い耳朶は、人間よりも千切りやすそうに思える。
GM
初めはそれに合わせて顔を持ち上げ、それ以上上がらないとなれば耳朶は帆のように張る。
GM
無理した姿勢を保っている、それによって末裔の筋肉が震えているのを感じるだろう。
GM
もう少し強く引っ張れば、あとは簡単に裂けるだろう。
GM
あなたは救世主で、娘はただの末裔。
サメル
末裔の震える体を見ている。
サメル
帆のように張った耳朶を見ている。
サメル
しばし煙を燻らせ、腕がしびれてくるまでその様子を眺める。
サメル
堕落の国で初めて訪れた村は、貧しいが普通の村だった。
サメル
それなりに「良くない事」を行えば、末裔達は怯えたし、逃げ、隠れた。
サメル
それでも「救世主様」と呼ばれ、亡者を倒せば、それなりの歓迎を受けた。
サメル
しかし、この村ではどうだ。
全てが反転している。
サメル
腕が疲れてきた。
サメル
サメルは、紙煙草を末裔の耳に押し当てた。
GM
悲鳴。驚いて身じろぎし、裂ける。
GM
そのまま荒い呼吸で、泥の中に横たわっている。
サメル
哀れだ。
サメル
愚かで弱い生き物だ。
才賀りゅう
1d12 (1D12) > 2
才賀りゅう
2 大通り。村人たちが公然プレイしていて居心地が悪い。
才賀りゅう
愛情の混ざる眼差し。見送る者の眼差し。
才賀りゅう
苛々する。
才賀りゅう
愛情の眼差しを自分に向ける者が、もうひとりいた。
才賀りゅう
『椅子が欲しい』
才賀りゅう
つぶやけば末裔の一人が椅子になる。
才賀りゅう
ひとりの女の事を思い出す。
才賀りゅう
病院のベッドに横たわる女。
才賀りゅう
窓際のベッドで、僕をあんな風に見ていた。
才賀りゅう
出会ったのは最初に入った会社で、普通の女の子だった。
才賀りゅう
まあ体がよかった。
才賀りゅう
性格もよかった。
才賀りゅう
自分の異常性を抜きにしても、付き合いを続けたくなる女だった。
才賀りゅう
1年もしないうちに会社に来なくなった。
才賀りゅう
そうしてまあ、見る気も失せるような恋愛邦画みたいに不治の病が出てきて。
才賀りゅう
金があれば、海外で臓器移植をすれば助かるかもしれなかった。
才賀りゅう
金の稼ぎ方は知っていた。
才賀りゅう
できるから、稼いだ。
才賀りゅう
そしてもっと金を積めば、
才賀りゅう
彼女の臓器を自分が買えるはずだった。
才賀りゅう
そのために色んな女から金を引き出して、集めた。
才賀りゅう
もうすぐ、もうすぐ叶うはずだった。
才賀りゅう
それなのに、こんな国に来た。
才賀りゅう
帰れないと知った。
才賀りゅう
何もかもどうでもよくなった。
才賀りゅう
望みの適わない国で、何もがんばりたくはない。
才賀りゅう
けれどあの血吸いコウモリが!!
才賀りゅう
心にズカズカ踏み入りやがって。
才賀りゅう
自分はこの感覚を知っている。あまりにも恐ろしいこの感覚。
才賀りゅう
愛が上書きされるというこの気持ち、あの娘を忘れるという気持ち。
才賀りゅう
結局盗んだコルクをガジガジと噛み砕く。
才賀りゅう
僕が本当に食べたかったものがここにはないのに。
才賀りゅう
今、別の物を食いたくてたまらなくなっている。
才賀りゅう
椅子の末裔から立ち上がる。歓喜の声を上げながらその場に崩れ落ちた末裔を一瞥もくれることなく去っていく。
才賀りゅう
あの子は今頃死んだんだろうか。
ブラッツ=ツェベライ
日本では狼が絶滅したのだとあの男は言った。
ブラッツ=ツェベライ
日本に渡った吸血鬼たちは、それを見て狩りをやめたのかも知れない、と。
ブラッツ=ツェベライ
日本の同族たちは人間と共存し、血を狩りではなく別の手段で求めることを選んだ。根絶やしにされることを避けるために。
ブラッツ=ツェベライ
だから、あの男には価値がなくなった。
ブラッツ=ツェベライ
吸血鬼が人を狩らないのなら、吸血鬼を狩る者たちにも存在の理由はない。
ブラッツ=ツェベライ
吸血鬼たちがいつかまた人を襲うのに備えて待っている、というのは。
ブラッツ=ツェベライ
あの男には耐えがたかったのだろう。
ブラッツ=ツェベライ
殺すために育てられた男だ。殺せないのなら存在する理由はない。
ブラッツ=ツェベライ
海を渡ってまで吸血鬼を殺そうとする理由はほかにもあった。
ブラッツ=ツェベライ
あの男の血には銀が流し込まれていた。寿命が極端に短かった。
ブラッツ=ツェベライ
哀れなものだ、とはじめは切り捨てた。
ブラッツ=ツェベライ
その寿命の短さに、自分が苦しまされることになるとは思いもよらなかった。
ブラッツ=ツェベライ
死にそうにない顔をして、驚くほど呆気なく生門は死んだ。
ブラッツ=ツェベライ
もう戻ってこない。
ブラッツ=ツェベライ
何故あの男は自分を殺すのをやめたのか。
ブラッツ=ツェベライ
何故自分はあの男を愛してしまったのか。
ブラッツ=ツェベライ
それを今でも考えている。
GM
GM
*お茶会 ラウンド1 サメル
GM
「救世主様!」
GM
末裔の腹に座るサメルに、商人らしき男が話しかける。
GM
宿屋の屋根の上からですね。
サメル
見上げる。無事そうな末裔だ。
サメル
見られたかな。まぁいいか。
GM
「お話があります。こちらへ……」
GM
あなたの行動については咎めない。
サメル
「はいはい、無事な方がいて何よりです」
サメル
適当に、近くの窓枠などを伝って屋根の上まで上がる。
サメル
救世主は便利だなー
GM
「すみません。下に降りると、僕も追っかけ回されるので……」
サメル
「分かりますよ、懸命な判断です」
GM
末裔はグリフォンの末裔だ。その翼でここまで上がってきたのだろう。
GM
「……あの、救世主様、以前もこの村に来てましたよね」
サメル
「ええ、まぁ。少し前に」
GM
「救世主様は、『リサ』って娘を知ら……ないですよね」
サメル
「心当たりはないですね。人名は結構覚えている方なのですが」
GM
「ですよね。リサは白兎の末裔で、ちょうどこの宿屋で働いていたんですけれど」
サメル
宿屋を見る。たしか一泊しただけ。
GM
宿屋。この宿屋は酒場と一緒になっており、飲食も出来る。働く娘は酒場で接客もした。部屋は名もなき村にしては、まあ悪くない感じ。
GM
飲食、宿泊、それから『サービス』も売っている。
GM
「リサは、あなたが村を出て行ったあとに、あなたを追って僕の馬車に乗りました」
GM
「宿の仕事着そのままで」
サメル
言われてみれば、それらしい娘に心当たりはある。
GM
ありきたりのエプロンドレス。
サメル
名前も聞かなかったはずだ。
サメル
「その娘が何か?」
GM
「村の外は危ないって言って止めたんだけれど……」
GM
「その忠告通りに、例のみょうちきりんな亡者に襲われて」
GM
サンカクモクバとかそんな名前の。
サメル
みょうちきりんな亡者は、一度倒す前に入れ違いになっていた。
サメル
おそらくその時。
GM
「僕は飛んで逃げられましたが、リサは……」
GM
「ラビング・ラビットはリサです」
サメル
「…………」
サメル
「なるほど」
サメル
愚かな末裔の、愚かな話だ。
GM
「きっとあの子は、あなたがたの誰かに」
GM
「恋をしていたのでしょう」
サメル
心の奥底が、じり、と灼けるような感覚。
サメル
煙草を押し付けられた時のような。
サメル
これは毒の影響だろう。
平時であれば、この程度のことで動揺しない。
サメル
「動物」に好かれるのは、悪いことではないのだから。
GM
「さっきも僕はここから見ていましたが、あなたがたを見つけるやいなや跳んで駆けつけて」
GM
「あなたがたを狙っているとわかれば、逆にきっと、それを逆手にとれるはずです」
GM
「巻き込まれて災難だと思いますが、お役に立てたら幸いです」
サメル
「ええ、情報ありがとうございます。とても参考になりました」
サメル
「あの亡者は私達が何とかしますので、もうしばらく避難していてください」
GM
「ありがとうございます」
サメル
親切そうに言う。
この末裔は正気を失っていない。救世主らしくやっておくに越したことはない。
サメル
屋根の上から飛び降りる。
サメル
軽く着地して、先程亡者がいた方向を見る。見晴らしがいい場所に行けばいいだろうか。
サメル
10 塀。村をぐるりと囲む盛り土の壁で、上を歩くこともできる。しかしあの亡者の脚力なら、軽々と飛び越えられてしまうだろう。
サメル
塀の上に立ち、周囲を見回す。
サメル
末裔が惚れている相手が自分だとは限らない。
サメル
しかし、様子を見るのは悪いことではない。
ラビングラビット
あなたが見渡すと……目が合う。
サメル
「!」
ラビングラビット
遠く離れた岩場から、あなたをじっと見ている。
ラビングラビット
しばらく、そのまま。
ラビングラビット
やがてゆっくりと近づいてくる。
サメル
見つめられている。
サメル
近づいてくる。
サメル
ざわざわと指先が泡立つ感覚。
サメル
ひとつ目が、見ている。
ラビングラビット
巨体の上げる地響きが近くなる。
ラビングラビット
塀の近くまで。
ラビングラビット
巨体に対しても塀は高く、手を伸ばせば何とか届くかという高さだ。
サメル
塀の上から、亡者を見下ろす。
サメル
『きっとあの子は、あなたがたの誰かに』
サメル
『──恋をしていたのでしょう』
サメル
この亡者は、自分に恋をしている?
サメル
フラッシュバックする記憶。
サメル
ひとつ目の動物が、こちらを見ている。
サメル
腕は4本。足は2本。
頭は2つ。
サメル
『覚』
サメル
『覚』
サメル
異なる声が重なる。
サメル
男の声と、女の声。
サメル
『大きくなったわね』
サメル
『元気そうでよかった』
サメル
何も答えることができない。
サメル
『覚』
サメル
『私達は』
サメル
『あなたをずっと愛しているわ』
サメル
悲鳴を上げる。
サメル
それは、肘から先がなかった。
それは、膝から先がなかった。
それは、首輪を嵌められていた。
サメル
それは、両親だったはずの動物だった。
サメル
亡者を、見る。
サメル
己に愛を向ける、ひとつ目の獣を。
サメル
「───」
サメル
「気持ち悪い」
サメル
「化け物め!」
ラビングラビット
この亡者は倒錯している。
ラビングラビット
死に際に知った倒錯が、その恋心に忍び込んで。
ラビングラビット
今もその毒に酔っている。
ラビングラビット
手を伸ばす。
サメル
* 心の疵「淡い恋いの端っこ」を舐めます。判定は猟奇。
ラビングラビット
*横槍はなし
サメル
2D6+3 (2D6+3) > 5[4,1]+3 > 8
ラビングラビット
成功ですね。
[ ラビングラビット ] 淡い恋の端っこ : 0 → -1
ラビングラビット
脈打つハートを、塀に立つあなたに差し出している。
サメル
両手にナイフを広げる。
サメル
「お前の心臓を、欲しがる人間はいない!」
サメル
投げつける。悪意を持って。
ラビングラビット
脈打つ心臓にナイフが刺さる。
サメル
終わらない。心の疵の力によって、サメルのナイフは無限に生まれる。
サメル
その心を傷付けるように、その心臓を壊すように。
ラビングラビット
無数のナイフが突き刺さる。
サメル
心臓から咲いた美しい花を、刃物が割くのを見た。
ラビングラビット
そうしてナイフまみれになり、夥しい血をこぼす心臓を己の目の前に運ぶ。
ラビングラビット
それからそのナイフ一つ一つを、もう一方の手でつまんで抜き、
ラビングラビット
空いた肋の隙間がまるでポケットであるかのように、
ラビングラビット
大切にしまっていく。
ラビングラビット
しかしポケットは穴が空いている。
ラビングラビット
下の肋からこぼれていくナイフに、亡者は気付かない。
サメル
こぼれ落ちるナイフ。
サメル
向けた感情を丁寧に胸に運ばれて。
悪意や、殺意だけがこぼれ落ちる。
ラビングラビット
*ラビングラビットは『刃禰谷サメルへの恋心』を所持。
ラビングラビット
*お茶会 ラウンド1 ラビングラビット
ラビングラビット
亡者は怪物だ。
ラビングラビット
どうしてやることもそもそもできない。
ラビングラビット
あなたがその恋心に応えるつもりがあろうが、なかろうが。
ラビングラビット
見つめて、それが近づいてくることを、どうしてあなたはただ待ったのか。
ラビングラビット
当然、吹き付けられる毒を避けられるはずもない。
サメル
動けなかった。
ラビングラビット
あなたは毒の霧に包まれる。
サメル
毒を吸い込まなければいい話、ではない。
ラビングラビット
それはあなたの神経系を苛め、あなたに幻を見せる。
サメル
体を霧が包む。
ラビングラビット
白兎の末裔
「いらっしゃいませ」
白兎の末裔
「ご宿泊ですか? ご飲食ですか?」
白兎の末裔
宿屋だ。
白兎の末裔
気がつけば、あなたは宿屋にいる。
サメル
はた、と気が付く。
サメル
そうだ、宿泊の予定だった。
白兎の末裔
村の状況は、以前来たとおりの長閑なムード。
サメル
才賀とブラッツは、身の回りの品を揃えに行っている。
白兎の末裔
そこかしこで倒錯したりはしていない。
サメル
「宿泊、3人でお願いします」
白兎の末裔
「はぁい」
白兎の末裔
トレイを小脇に抱えて、宿帳にその旨を書いている。
白兎の末裔
「それじゃあお部屋を案内しますので~」
サメル
小脇に抱えたトレイに視線を向ける。
白兎の末裔
鍵がかかるほど上等な宿ではない。
サメル
「忙しそうですね」
サメル
店が忙しいのはいいことだ。従業員の負担はさておき。
白兎の末裔
「隣の村に亡者が出ちゃいまして。いっぱい避難してきてるんですよ」
サメル
「なるほど、どうりで」
サメル
噂の三角木馬の亡者だろう。危険ではあるが、同時に稼ぎ時でもある。
サメル
「部屋の場所を教えてもらえれば、こちらで勝手にやっておきますよ」
白兎の末裔
「いえいえ、お仕事なので……」
白兎の末裔
階段を上る。
サメル
「真面目ですね。結構結構」
白兎の末裔
あなたの目の前でうさぎのしっぽが揺れている。
サメル
揺れるしっぽを見ながら、階段を上がる。
サメル
しっぽの下の尻や、スカートの下の太腿に思いを馳せる。
白兎の末裔
部屋へ。客室の大きさに対して、ベッドが大きい。
白兎の末裔
「こちらになります」
サメル
思ったよりもいい部屋だ。
サメル
ベッドが大きい。様々なことに使えそうだ。
白兎の末裔
「それでは、ごゆっくりお寛ぎください」
白兎の末裔
「あ」
白兎の末裔
部屋を案内して、そのまま去ろうとしたときに、思い出したように。
サメル
言われた通りくつろぎ倒そうとして、末裔を見る。
白兎の末裔
「追加料金でご奉仕するサービスもありますので、よかったら是非~」
白兎の末裔
ひらひらと手を振って部屋を出る。
サメル
「へぇ~」
サメル
どの宿でも必ず、という訳ではないが、堕落の国では、珍しい話ではない。
白兎の末裔
料金表のチラシがベッドに置いてある。
サメル
シワにならないよう、ジャケットを脱ぐ。
料金表を眺める。
白兎の末裔
救世主のあなたにとってたかがしれている額。
サメル
幸い、3人それぞれ別の部屋が取れた。
サメル
しばらく料金表に目を通す。
サメル
そうして、しばし。
どう遊ぶか悩む、楽しい時間を過ごした。
白兎の末裔
白兎、眠り鼠、三月兎、芋虫。
サメル
芋虫は除外。
サメル
三月兎は今の気分じゃない。
眠り鼠はマグロの娘が多いのでパス。
サメル
やはり、目の前で揺れる白いしっぽを可愛がりたい所だ。
サメル
サメルは、白兎の追加サービスを注文した。
白兎の末裔
白兎の末裔
*刃禰谷サメルの『動物愛護』を愛で舐めます。
ブラッツ=ツェベライ
*横槍します
ブラッツ=ツェベライ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
ブラッツ=ツェベライ
2d6=>7 (2D6>=7) > 9[5,4] > 9 > 成功
ブラッツ=ツェベライ
1d6 (1D6) > 5
[ 才賀りゅう ] 茶 : 2 → 1
ブラッツ=ツェベライ
*ヤリイカ載せ
白兎の末裔
2d6+3-5-2>=7 (2D6+3-5-2>=7) > 12[6,6]+3-5-2 > 8 > 成功
[ ブラッツ=ツェベライ ] ヤリイカ : 1 → 0
[ ブラッツ=ツェベライ ] HP : 21 → 20
[ サメル ] 動物愛護 : 0 → -1
白兎の末裔
白兎の末裔
白兎の末裔
白兎の末裔
サービスしました。
サメル
サービスしてもらいました。
白兎の末裔
「どうですか? よかったですか?」
サメル
「ああ、こんな場末の村にしちゃあ、行き渡ったサービスだった」
白兎の末裔
「よかったぁ」
サメル
もしこれが研修ならダメ出しもするのだが、客としては満足だ。
サメル
こんな所まで来て仕事をしても意味がない。
白兎の末裔
「初めてだったから緊張しました」
白兎の末裔
「よかったならよかったです」
サメル
「はっは、それなら上等上等」
サメル
「そうか、初めてか。
なら追加でチップもあげよう」
白兎の末裔
「やったぁ、わーい」
サメル
希少価値のあるものには、対価を支払うべきだ。
白兎の末裔
遠慮なく喜ぶ。作法などまるでない田舎の娘。
白兎の末裔
「うれしいな~」
サメル
洗練されていない接客。礼儀もなにもなっていない。
サメル
だが、この土地でこの値段、そして処女なら悪くはない。
サメル
何より、素人感は狙って出せるものではない。
白兎の末裔
「しかもお客さんとったら早く上がっていいんですって」
サメル
「へぇ~、やったじゃん」
サメル
イェーイ、と手を出す。
白兎の末裔
いぇーい
サメル
ハイタッチ。
白兎の末裔
ハイターッチ。
白兎の末裔
「わたしも救世主様、よかったです」
白兎の末裔
「やさしくしてくれて」
白兎の末裔
チップもくれたし。
サメル
「おっ、そういうトークはいいですね」
サメル
「お客さんを褒めると、お客さんも喜ぶからいいですよ~」
白兎の末裔
「そうなんですかぁ」
サメル
「お客さんが喜ぶとぉ……チップがもらえるかもしれませんからね」
白兎の末裔
「へへへ」
サメル
そういう話をしてしまったので、追加でもう少し小銭を足してやる。
白兎の末裔
「救世主様かっこいいです!」
サメル
「いや~、そんな単純な褒め言葉じゃあダメだなぁ」
白兎の末裔
「え~」
白兎の末裔
なんだろ……。
白兎の末裔
じろじろとあなたの顔を見たり、全身を見たり。
白兎の末裔
パーソナルスペースに遠慮がない。
サメル
その遠慮のなさを、愉快そうに見ている。
白兎の末裔
よく懐いている動物のように。
サメル
サメルは高級娼婦ばかり見てきた。
その分田舎娘が面白い。
サメル
白兎の耳を、ふわふわと撫でる。
白兎の末裔
ゆるやかに目を細める。
サメル
「まぁ、よかった、初めては鉄板ですね。次からは、こんなによかったのは初めて、みたいに言うといいでしょう」
白兎の末裔
「覚えておきます」
白兎の末裔
「救世主様、好きだな~」
白兎の末裔
「またうちに来てくださいねぇ」
サメル
「そうですね~、近くに寄ることがあれば」
サメル
サービスもよかったし。
サメル
次は三月兎を試してみよう。
白兎の末裔
「あっ、そろそろ行かないと」
サメル
「はいはい、お仕事頑張ってくださいね~」
サメル
ゆるく手を振る。
白兎の末裔
「ありがとうございました~ゆっくりしてってくださいね」
白兎の末裔
手を振って出ていく。
サメル
娘の嬉しそうな顔。
色恋営業の才能もあるかもしれない。
そんなことを思いながら、煙草に火を付けた。
GM
あなたの思惑、考えに関わらず、娘は終始幸せそうだった。
GM
チップを与えれば一層に。
GM
あなたの心の在り方に不都合など、ここには一つもなかった。
GM
GM
夢が覚める。
サメル
夢が、覚める。
GM
毒を吸い、近くに味方どころか村人もいない。
GM
塀の上。
GM
あなたはそのまま横たわっていた。
サメル
一人だ。
GM
傷一つなく。
GM
あるのは心の疵と、塀の下に散らばったナイフだけ。
GM
ラビングラビットはもうそこにはいなかった。
サメル
悪意は全てこぼれ落ちた。
サメル
ただ、関わった事実だけが残った。
サメル
リサ。
名前も聞かなかった田舎娘。
サメル
兎の耳の処女。
サブGM
*何も付与はされません
GM
サメル
*
サメル
*お茶会 ラウンド1終了後
サメル
*
サメル
サメルの両親は「愛玩動物」だった。
サメル
飼われていた動物がつがいになり、子を産んだ。
サメル
飼い主は、その子供を人間として育てた。
サメル
人間らしい環境。人間らしい教育。
大人になったら、両親に会わせると約束した。
サメル
ありふれた、という程平凡な半生ではなかったが、それでもサメルは普通の人間として育った。
サメル
15歳の誕生日。
親代わりの後見人が、両親に会わせてくれた。
サメル
両親は愛し合っていた。
サメル
両親はずっと、自分のことを心配し、自分に会いたがっていたと聞いた。
サメル
どちらも人格のできた夫妻だと聞いていた。伴侶を愛し、子を愛し。
サメル
飼い主を愛していた。
サメル
飼育されていなければ、外見が人間のままなら、再会を喜べたかもしれない。
リサ
リサの両親は白兎の末裔だった。
リサ
村で気の合う若者同士が結婚し、子を産んだ。
リサ
白兎の末裔は、子を白兎の末裔として育てた。
リサ
白兎の系譜通りに。白兎としての教育。
あなたもいつか救世主様と出会って導きを与えるかも知れないねと話した。
リサ
ありふれた平凡な半生で、ありふれた通りにリサは白兎の末裔として育った。
リサ
そしてリサは救世主の客を取った。
リサ
村から出たことなど一度もない。男に抱かれたことも当然。あれだけ話した救世主も初めてだ。
リサ
リサはリサを作った価値観のなかで、十分幸せだった。
リサ
あるいは堕落の国に生まれておらず、白兎でもなかったなら、サメルに抱かれて素直に幸せを思ったりはしなかったかもしれない。
リサ
しかし、そうではなかった。
サメル
両親と再会した日。その瞬間。
サメルは自分が見定められていることに気が付いた。
サメル
「後見人」が「飼い主」になるか。
「愛玩動物」が「両親」になるか。

その分かれ目にいる、そう気が付いた。
サメル
両親に駆け寄って泣き出すようなことはしなかった。優しい眼差しを向ける動物を、ただ見下ろした。
サメル
「ずいぶん体を弄ったんですね」
サメル
「その割には健康状態が良さそうです。
管理はどなたが?」
サメル
「後見人」は笑った。
サメル
サメルは、愛を捨てた。
サメル
愛を捨てて、「飼い主」側の世界へ滑り込んだ。
サメル
それから、多くの愛玩動物の世話をした。
サメル
獣を商品に整える仕事をしてきた。
サメル
噛みつかれたこともある。
加減を間違えて死なせたこともある。
サメル
子供の時から育てた娘が失踪した時は、それなりに落ち込んだ。
サメル
サメルは動物を愛している。
しかし、それは、動物として。
サメル
人間と動物は、異なるものだ。