ブラッツ=ツェベライ
高貴な吸血鬼たるこの俺に幼稚園みたいな呼びかけをするな。
ブラッツ=ツェベライ
あのババアが死相が出てるとか言ってなかったらお前らなんぞと行動を共にしてないわ。
GM
それじゃあいい感じに話の腰が折れ始めたところで始めようねぇ
GM
みんなが野球拳の村でいっぱい野球拳を楽しんだあと……
GM
その村では三角木馬の亡者と死闘を繰り広げたよ~~大変だったね!!
才賀りゅう
防壁!あそれ防壁!と手を叩いて応援したのも今では輝かしい思い出だぜ。
才賀りゅう
もっともブラッツが防壁を嫌がってサメルの股が裂けたのだが……
GM
その先に行こうと思ったら街道が地崩れでえらいこっちゃだったので引き返すことになったよ! 残念だったね!!
GM
というわけで、みんなは戻りの馬車でドナドナされている最中です。
GM
もうそろそろ村に着くって感じだよ~~! 自己紹介もついでにしようねッ!
ブラッツ=ツェベライ
沈黙して馬車の隅に座っている。
ブラッツ=ツェベライ
カスどもとできる限りコミュニケーションを取りたくない。そういう気持ちです。
ブラッツ=ツェベライ
馬車の中で走り回るな! 頭身が低くなるな!
サメル
でもでも、みんな僕のこと救世主って呼ぶし~、ちやほやされるし~、案外悪くないカモ!?
サメル
とはいえ、法律も倫理も関係ないこの世界は結構合ってる気がしてまーす!
サメル
心の疵の話もした方がいいんですかぁ~?
お客さんも好きですね~
サメル
っぱ人間ってサイコーだよね!
という心の疵だよ!
だって人間に生まれた以上、人間ってことを肯定していきたいよね~!
サメル
人間はサイコーだけど、人間以外の生き物もいるよね?そう、かわいい動物さんたち!動物さんたちには優しくしてきたいよね~!
才賀りゅう
営業を止めてデイトレードで金を稼いで港区のマンションに住んでたら……ある日突然堕落の国にきちゃったの!
才賀りゅう
ええ~っこんなスタバのない国で僕が救世主~っ!?
才賀りゅう
これから(株価とか口座とか)ど~なっちゃうの~!?
才賀りゅう
疵の話しちゃうね、お家のお母さんはお子さんの目を隠してあげてくださいね~
才賀りゅう
異食症!この国の飯はおいしか無いけどまあ食える。口の中に入ればまぁ食えるよ。なんでも食っちゃうんだよな~。なんでも食いたくなっちゃう。
才賀りゅう
ストローとか飲み込まないのが大変なんだよな。
才賀りゅう
救世主~?!しらね~~~~!!僕向こうでやってることあったんですけど~?!
才賀りゅう
まあなんかみんな適当にがんばって、オー
ブラッツ=ツェベライ
八十代なので、吸血鬼の中では若年ということになる。
ブラッツ=ツェベライ
もとの世界では狩猟派の吸血鬼として活動していた。
ブラッツ=ツェベライ
狩猟派というのはつまり、狩りをする吸血鬼ということだ。そのままだな。
ブラッツ=ツェベライ
大地が不毛であろうが、食物が貧しかろうが、人間の血を吸う俺には関係のないことだ。
ブラッツ=ツェベライ
この世界では狩猟を咎めだてされることもない。
ブラッツ=ツェベライ
もとの世界よりよほど暮らしやすいな。30日ルールも俺には合っている。
ブラッツ=ツェベライ
……疵の力が攻撃向けでないことと、今カスに囲まれていること以外はだが。
ブラッツ=ツェベライ
もとの世界で多くの吸血鬼は自らが狩られることを恐れて狩りをやめた。
ブラッツ=ツェベライ
だが、俺たちは生まれながらの狩猟者だ。人間なんぞを恐れて狩りを辞めることなどあり得ん。
ブラッツ=ツェベライ
捕食者である俺たちが人間に敗北するなどあり得ない。
ブラッツ=ツェベライ
……とはいえ、人間にも例外があることは分かっている。
ブラッツ=ツェベライ
俺にとっての例外は、生涯ただ一人であろうがな。
ブラッツ=ツェベライ
ほかの人間はみな塵芥のようなものだ。そこの二人はなおカス。
ブラッツ=ツェベライ
何故俺はこいつと一緒に行動せねばならん? 何だあのババアは?
才賀りゅう
僕ら3人顔良しメンズとしてデビューするって約束したじゃん!
ブラッツ=ツェベライ
老いる人間の美醜に興味などない。崩れる前に絵画でも描いてもらえ。
ブラッツ=ツェベライ
思い出を捏造するな。約束を捏造するな。
GM
もうしばらくしたら村に着くからちょっとお話でもしててね!
サメル
「土砂崩れとかチョ~テンサゲなんですけど~」
サメル
馬車の椅子でだら~っと座っている。もう背もたれの半分くらい頭が下がっている。
才賀りゅう
馬車の余ったスペースで横になっている。
サメル
無駄に長い足を、無駄に長いアピールをしつつ組み直した。
ブラッツ=ツェベライ
二人から少し離れたところ……に座っているつもりだが、馬車は狭いのでそれほど離れていない。
才賀りゅう
「おっとすまない脚が長くてついブラちゃんの視界に脚が」
サメル
「あっごめんごめん邪魔だった?脚が長くてごめんね~」
ブラッツ=ツェベライ
能天気なカスども同士で盛り上がっててくれ。
サメル
「え~、でもブラちゃんも長いよね?よ~し、脚の長さ勝負でバトルだ!」
才賀りゅう
「そもそも脚を掛けるってどういう状態かわかんないけど」
ブラッツ=ツェベライ
「よくもそんなくだらん話が次から次へと出てくるものだ」
サメル
「ウウッ」
ポロ……ポロ……と大粒の涙をこぼす。
才賀りゅう
「今小動物を蹴りましたよぉ~おまわりさぁ~ん!」
才賀りゅう
「ちょっと男子~サメっち泣いちゃったじゃ~ん!」
ブラッツ=ツェベライ
「先刻のは褒め言葉ではなく厭味だ」
ブラッツ=ツェベライ
こいつらの小芝居に惑わされてはいけない。自分のペースを保とう。
ブラッツ=ツェベライ
そう自分に言い聞かせています。
サメル
「ヒマだししりとりしませんか?はいゴリラ」
ブラッツ=ツェベライ
聞こえなかったふりをしている。
才賀りゅう
「しりとり知らずか?おしえたげよっか?」
サメル
「あ~、おじいちゃんは知らない遊びかな……?」
ブラッツ=ツェベライ
「しりとりぐらい知っている!」
才賀りゅう
「じゃあなんだ川も渡れなきゃしりとりもできねえのかオイ!」
ブラッツ=ツェベライ
「川を渡れんのは関係ないだろ!」
才賀りゅう
てやんでえとばかりに馬車の床をぺちんと叩く
サメル
「しりとりもできないようじゃ、社会で生きていけないぞ~?」
才賀りゅう
「80歳にもなってしりとりができないとはな~」
ブラッツ=ツェベライ
「たとえ冗談であろうとも、人間如きが貴種たる吸血鬼を侮辱するとは許さんぞ!」
才賀りゅう
「じゃあ出来るとこ見せてみてくださいよ~」
ブラッツ=ツェベライ
「侮辱は許さんと言ったはずだ!」
才賀りゅう
この男が裁判中に言った言葉はなぜか起きる。心の疵の力だね。
ブラッツ=ツェベライ
有言実行とは違うだろうそれは!
才賀りゅう
君の指なんか切れてない?とか。(指切り不調与え)
才賀りゅう
「仲間意識が芽生えたところでオリエンテーション終了!」
才賀りゅう
「しりとりの快楽には抗えなかったようだな……」
ブラッツ=ツェベライ
「本当に言ったとたんに着くな!」
ブラッツ=ツェベライ
「仲間意識など芽生えていない!」
GM
救世主たちがこの村に訪れるのは二回目です。以前訪れたときは、静かで長閑な様子でした。
GM
しかし、訪れた村の様子はなにやらおかしいものでした。
才賀りゅう
「まあ特に何もない村だったな 何もないがあるよ」
GM
村人たちはやたらとしばきあっていたり、一方的に緊縛したり、物陰で一人正座していたりと、こぞってみんな情緒がどうかしているようなのです。
サメル
「え~?もうちょっとちゃんとマネタイズ管理した方が……」
ブラッツ=ツェベライ
「数日のうちにずいぶん大転換したな」
GM
1人の青年があなたがたに話しかけます――3人の男女に鞭で打たれたりしながら。
GM
「これは全部、亡者『ラビング・ラビット』の毒のせいで――痛い、痛いから!」
ブラッツ=ツェベライ
前回は三角木馬の亡者、今回はSMプレイの亡者か。
ブラッツ=ツェベライ
知らぬ間に下卑た地域に足を踏み入れていたとはな。
GM
「あの、どうかこの村を助けていただけ――いい加減しろ!!」
才賀りゅう
「毒で何?SMプレイに目覚める村なの?」
才賀りゅう
まあ愛とか恋に目覚めるよりはいいかな……
GM
巨大なうさぎ型の亡者。ハートのまだらにむき出しの心臓。
ブラッツ=ツェベライ
「ならあの亡者をさっさと何とかしろ。猟奇型」
GM
そのまま、亡者はあなたがたに襲いかかります。
GM
話しかけてきた青年が身を挺して盾になります。
GM
が、縄で至るところを緊縛されていたので、そのまま転がっていきます。
才賀りゅう
「俺たちにナチュラルにカウントしてなかったのがウケますね」
才賀りゅう
「いやいや違うだろ、SMプレイに目覚める流れだろ!」
GM
一方亡者はあなたがたを見て、不思議そうに首をかしげ。
GM
脚力を生かしてそのまますぐにその場を去ります。
ブラッツ=ツェベライ
「変態に目覚める毒ではなかったのか?」
才賀りゅう
「SかMのどっちかに目覚める毒かと思った!」
ブラッツ=ツェベライ
「喰らいたくないには違いないが……」
ブラッツ=ツェベライ
「どうする。こんな村にかかずらわらず、さっさと退散するか」
ブラッツ=ツェベライ
血も涙もない相談を持ち掛ける。
才賀りゅう
「そうしようか…………いやでも、俺らアレ吸っちゃったと思うんだけど」
GM
確かにあなたがたは、目の前で末裔が繰り広げているような状態にまでは陥っていません。
才賀りゅう
「珍しく3人の心が一つになると思ったんだけどな」
サメル
「ある程度の不摂生は、健康的な生活を送ればなんとかなりますよ」
GM
しかし何か胸に高まるような感覚、あるいは心をきゅっと締め付けるような感覚、特に理由なくため息をついてしまうような感覚――そう、恋の予感がしてなりません。
ブラッツ=ツェベライ
これが進むとあれになるということか?
才賀りゅう
「……あ~!!!今すぐこの村を出たい!」
ブラッツ=ツェベライ
「…………面倒だな…………」
才賀りゅう
ヤダヤダヤダと疵パワーで出したマットの上で駄々をこねている。
ブラッツ=ツェベライ
「離れても亡者の毒が消えない可能性もある」
GM
そうこうしているうちに青年が引きずられていきました。
ブラッツ=ツェベライ
「……何日か様子を見てもいいが、それで毒の進行が進んだら洒落にならん」
才賀りゅう
「あっ起こそうと思う前に引きずられていった」
サメル
「全ての不調を直す、ハイパー水パイプとか探しに行きましょう」
ブラッツ=ツェベライ
「根本的な解決をするには、亡者を斃したほうが手っ取り早かろう」
GM
村のことはともかく、あの毒は確かにあなたがたを冒しています。このままほっといていてはきっと大変なことになってしまうに違いありません。
才賀りゅう
「ヤダヤダヤダ~~~!嫌な予感がする~~!!」
ブラッツ=ツェベライ
「馬車の中であんないかがわしい行為が始まるのはごめんだからな俺は」
サメル
別に馬車の中でSMプレイするのはどうでもいいが……、この変な感じは困る。
才賀りゅう
「じゃあ俺、亡者が死ぬまで寝てるから……」疵マットを持ち上げて帰社のポーズ
ブラッツ=ツェベライ
みょうにうわっついた気分になる。
GM
救世主ならばよくしっている、心の疵の取り扱い。
ブラッツ=ツェベライ
そういう囃され方は考え得る限り最悪。
GM
というわけで、心の疵が抉られることで◯になり、舐められることで●になる。
GM
という状態にあることが、あなたがたにはなんとなく、わかります。
GM
この倒錯は……亡者を倒さないと恐らく直らない!
ブラッツ=ツェベライ
味方を抉るのはいいけど敵を舐めなきゃいけないのは困るな…
GM
というわけで、♡の5卓のラビラビが撒く毒は、恋毒と倒錯毒のブレンドです。
GM
あなたがたは、あの亡者を倒すことにしました。しましたね?
[ 才賀りゅう ] HP : 0 → 4
ブラッツ=ツェベライ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ブラッツ=ツェベライ
1d12 (1D12) > 1
GM
1 村の入り口。粗末ながら見張り台が立っており、村の内外を見渡せる。
ブラッツ=ツェベライ
ブラッツの姿が蝙蝠に変じ、見張り台に沿って上空に向かって行く。
ブラッツ=ツェベライ
見張り台の上でもとの姿に戻って、村を見回した後、下まで戻ってくる。
ブラッツ=ツェベライ
「亡者の姿が見えんな。一度外まで逃げたのかもしれん」
ブラッツ=ツェベライ
「吸血鬼だ。──村を出入りしては徘徊しているとなると厄介だな」
ブラッツ=ツェベライ
「この村に居座っているのは間違いない。ここを拠点に亡者を迎え撃つのが良かろう」
ブラッツ=ツェベライ
「信じんなら老爺には見えんだろうが」
ブラッツ=ツェベライ
「早々と倒せるに越したことはないが、長引く可能性もある」
サメル
「まぁ、亡者がどこにいるか分かりませんしねぇ」
ブラッツ=ツェベライ
「この村に滞在してあのふざけた亡者がやってくるのを待つ」
ブラッツ=ツェベライ
「……長居はしたくないものだがな」
サメル
「……なんかちょっと滞在したいように聞こえますね」
ブラッツ=ツェベライ
口元に手をやって、牙の周りをなぞった。
ブラッツ=ツェベライ
「この村の連中はどいつもこいつも正気ではない」
才賀りゅう
「そんなこと言って~実はMに目覚めたいとかあるんじゃないですか~」
ブラッツ=ツェベライ
「血液にもたっぷりあの毒が染み渡っているだろうからな」
才賀りゅう
「こんな村にいられるか!俺は亡者が来るまでまあどっかで寝てていいよね?」
ブラッツ=ツェベライ
「吸血鬼は狩る側だ。打ちのめされることを好むなどあり得ない」
サメル
「でもまぁ~、一緒にいるより手分けした方がいいような気もしますよ~」
才賀りゅう
腕時計の場所を見る。リストバンドしかない。「ほら今日休日だよ」
ブラッツ=ツェベライ
「救世主に休日も祝日もあるか」
ブラッツ=ツェベライ
「……手分けをした方がいいのはそうだな」
ブラッツ=ツェベライ
「まずは拠点にできそうな場所でも探せ」
サメル
「一緒にいて、変にSMプレイに発展しても嫌ですしね~」
才賀りゅう
メチャクチャめんどくさそうに家屋に向かって歩き出した。
サメル
特に待ち合わせ時間や場所も決めず、手を振って適当な方向に歩き始めた。
ブラッツ=ツェベライ
「先刻は、何をあんなに動揺していた?」
ブラッツ=ツェベライ
「例のお前の『有言実行』のなんとやらか」
才賀りゅう
「喋ったら全部叶っちゃうなー!黙っとこ!」
ブラッツ=ツェベライ
「その嫌な予感とやらが気になる」
才賀りゅう
その予感とはつまり、末裔が倒れた時に見せた愛や恋やの予感。
ブラッツ=ツェベライ
それに、このふたりのカス……
才賀りゅう
「大したことじゃな~い。個人的な理由さ」
ブラッツ=ツェベライ
どちらかの弱みを握っておけば、今後やりやすいのだ。
才賀りゅう
「誰にだって過去の1つや2つあるだろ」
ブラッツ=ツェベライ
「俺の過去を貴様らなんぞに話そうとは思わん」
才賀りゅう
適当な酒場に入っていく。家を探す気がない。
才賀りゅう
「そんな~僕ら♡仲間♡じゃないですか~」
ブラッツ=ツェベライ
ちらりと酒場の看板を見上げて、続いて入った。
才賀りゅう
この男が心にもない言葉を言うのは今に始まったコトではない。
ブラッツ=ツェベライ
始末に負えない。関係のない雑談にばかり時間を費やすお喋りな男だ。
才賀りゅう
「あ~もうメチャクチャ」酒場の光景を見回す。
ブラッツ=ツェベライ
「ふん。ならば腹を割って話でもするか?」
ブラッツ=ツェベライ
同じように店内を一瞥し、眉を顰めた。
才賀りゅう
「えっブラ様とお話できるんですかぁ!?」
才賀りゅう
緊縛された末裔を倉庫番よろしく転がしてどける。
ブラッツ=ツェベライ
てきとうに末裔を避けて、椅子に座った。
才賀りゅう
「僕はいつでも真面目に話してるんだけどな~」
才賀りゅう
「個人的な理由だからな~」適当に棚を漁る。
ブラッツ=ツェベライ
「……俺の知り合いに、日本人がいたという話は以前したな」
才賀りゅう
戸棚から口に入りそうな物を適当に取り出しながら、背で言葉を聞いている。
ブラッツ=ツェベライ
「そいつは、日本からやってきた狩人でな」
才賀りゅう
「あら~物騒~足立区にお住まいになってる方~?」
ブラッツ=ツェベライ
「と言っても、神父などとは違う」
ブラッツ=ツェベライ
「いわゆる霊能の家系だった。だから、俺はその、日本人の神がかりや霊感というものは信じている」
才賀りゅう
「オカルトだね~」笑って、酒瓶のコルクを歯で抜く。
ブラッツ=ツェベライ
「そもそも、オカルトを信じていなければ、貴様らとともに行動などするか」
ブラッツ=ツェベライ
「だから、貴様が、個人的な理由でいやな予感とやらを感じたにしても──」
才賀りゅう
「ああ、でもあのおばあさんの言うコトも一理あったんじゃないかな~、霊感もクソもなくね」
ブラッツ=ツェベライ
「俺たち全員に関わってくるかもしれん」
才賀りゅう
「救世主1人、こちらは2人……何も起きないはずもなく……」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様ら如きに狩られる俺ではない」
ブラッツ=ツェベライ
コルクをかじる男の背後に近づく。
才賀りゅう
半分無くなったコルクをテーブルに置いて。
ブラッツ=ツェベライ
「特に貴様は、あちらの赤毛とは違って──」
ブラッツ=ツェベライ
「俺にも相手をしやすい。そのみょうな術さえ使われなければ」
才賀りゅう
ブラッツが掴んだ才賀の肩は……布の掛けられた棚に変化していた。
才賀りゅう
才賀はブラッツの後ろで、バーカウンターに腰掛けている。
才賀りゅう
「っていうかあの人僕を掴もうとした?ヤダ~痴漢よ~!」
才賀りゅう
「まだ聞く?話は流れたんじゃな~い?」
ブラッツ=ツェベライ
「あの連中のようになるのが嫌にしても──」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様の反応はいささか過剰だったな」
ブラッツ=ツェベライ
「あの末裔に『好きだ』などと言われたことに?」
才賀りゅう
「っていうかブラっち……僕を……案外見てるってコト!?」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様らもよく言う戯言だろうがな」
才賀りゅう
「おや~探りますね~強引な男は嫌われますよ!?」
ブラッツ=ツェベライ
「貴様らは俺にとって獲物だ」
才賀りゅう
「ヤッダ~大人しく末裔相手にしててくれませ~ん?」
ブラッツ=ツェベライ
「多少の観察はする。それに、さっきも言っただろう」
ブラッツ=ツェベライ
「この村の連中は、どいつもこいつもあの異常な毒に冒されている」
ブラッツ=ツェベライ
「血など飲めたものではない」
才賀りゅう
「いやあなりたくないですねえあんなふうに」
ブラッツ=ツェベライ
「あの亡者を斃すには、多少腹ごなしをせねばならんだろう」
才賀りゅう
「お腹すきましたか~?もうちょっと後にしてくださいね~」赤子に対する声色で指をぴらぴら振っている。
ブラッツ=ツェベライ
*才賀りゅうの『やる気ゼロ』を愛で抉ります。
ラビングラビット
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ラビングラビット
2d6+3>=7 (2D6+3>=7) > 2[1,1]+3 > 5 > 失敗
ブラッツ=ツェベライ
2d6+3+2=>7 判定(+愛) (2D6+3+2>=7) > 9[5,4]+3+2 > 14 > 成功
才賀りゅう
「…………」亡者を呼ぼうとして、口が動かなかった。
ブラッツ=ツェベライ
「あの亡者と相対するのも嫌なのだろう」
ブラッツ=ツェベライ
「ならば、少しは役に立ってもらおう」
ブラッツ=ツェベライ
構わずに腕を伸ばし、首元のジッパーに手をかける。
ブラッツ=ツェベライ
「貴様の『嫌な予感』とやら──」
ブラッツ=ツェベライ
肩に手をかけて押さえ込み、ジッパーを下ろしていく。
ブラッツ=ツェベライ
淡々と、相手の首元を露出させる。
ブラッツ=ツェベライ
「洒落を言っているつもりなどない」
才賀りゅう
「痛いの嫌だ~俺注射で泣いちゃうタイプなの!」
ブラッツ=ツェベライ
口の端を歪める。人のものと比べて異様に鋭く尖った牙が覗く。
ブラッツ=ツェベライ
「安心しろ。俺が血を吸ったところで、貴様が我が同族となることはない」
才賀りゅう
「そういう心配はしてませぇえ~~~ん!」
ブラッツ=ツェベライ
押さえられても構わずに、無理矢理に牙を相手の首に近づける。
才賀りゅう
「嘘です別に口説かれたくありま……ヤバいヤバい!」
ブラッツ=ツェベライ
もはや吸血鬼はあなたの言葉に答えなかった。
才賀りゅう
何かが触れそうな感覚を首の皮膚が覚える。
ブラッツ=ツェベライ
口を大きく開き。牙を剥き出しにして。
才賀りゅう
もっともその声は酒場中に転がった末裔たちの呻きに混じって、誰も気にはしない。
ブラッツ=ツェベライ
つけられた傷から血が溢れ出すばかりか。
ブラッツ=ツェベライ
男はその傷口に唇をつけて、その下に流れる血を吸い出していく。
ブラッツ=ツェベライ
血だけではなく、あなたの中の何かが、喪われていくような感覚が襲う。
才賀りゅう
もともとインドア仕事の男の筋力など、たかが知れている。
才賀りゅう
普段のように口八丁でこの場を解決しようにも、口を開こうとすれば苦悶の呻きだけが溢れ出す。
ブラッツ=ツェベライ
あなたがもがいていることなど気にも留めないかのように、吸血鬼はその名の通りにあなたの血を吸い続ける。
ブラッツ=ツェベライ
吸血鬼の冷たいからだに、その熱が移っていくように。
才賀りゅう
体が重くなって、瞳が認識する光量が減っていく。
ブラッツ=ツェベライ
膚を伝うのが汗なのか、血なのか、あなたからは見えない。
才賀りゅう
ただ、濡れて気持ち悪いことだけは確か。
[ 才賀りゅう ] やる気ゼロ : 0 → 1
[ 才賀りゅう ] やる気ゼロ : 1 → -1
[ 才賀りゅう ] やる気ゼロ : -1 → 1
ブラッツ=ツェベライ
指先でその気持ち悪さを払うことすら、今のあなたにはできないだろう。
才賀りゅう
本当に何もかもが面倒で、どうでもよくなる。
GM
*才賀りゅうは「ブラッツへの恋心」が付与されました。
[ ラビングラビット ] HP : 63 → 62
ブラッツ=ツェベライ
……そうしてどれほど時間が経ったのか。
ブラッツ=ツェベライ
実際、それほど長い時間ではなかったはずだ。
ブラッツ=ツェベライ
ゆっくりと、男の顔があなたから離れていった。
ブラッツ=ツェベライ
「……酒場に足を踏み入れたのは、貴様にしては良い選択だ」
才賀りゅう
ぐったりと床に伸び、村に入った時の騒がしさなぞどこにもない。
ブラッツ=ツェベライ
口元から血を滴らせ、立ち上がって吸血鬼はあなたを見下ろす。
才賀りゅう
その代わりに、失った血の代わりにぐるぐると渦巻くものがある。
ブラッツ=ツェベライ
「俺たちにとって、貴様らの血は糧でありながら、酩酊を招く酒のようなもの」
ブラッツ=ツェベライ
せせら笑うように言って、吸血鬼は口元を拭い、指先についた血を舐めとる。
ブラッツ=ツェベライ
その言葉のトーンに、わずか男は身構え。
才賀りゅう
「人のプライベートに立ち入るやつは……」
才賀りゅう
肩に掛かった上着が肘置きのようになって才賀を起こす。
才賀りゅう
「自分も立ち入られる覚悟がないとな~」
才賀りゅう
気づけば才賀だけ、何処からともなく出てきた上質な椅子に座っている。
ブラッツ=ツェベライ
「あんなものは、血を吸うための方便だ」
ブラッツ=ツェベライ
「他人に、話す、ことなどない……」
才賀りゅう
『な~んでもいいんだ、どんな人で、何時出会って、どんな話をしたか……』
ブラッツ=ツェベライ
空中に縫い留められたかのように体が動かなくなる。
ブラッツ=ツェベライ
苦悶の表情を浮かべ、吸血鬼は唇が動くのを抑えようとする。
才賀りゅう
なんでもこうやって言葉で解決してきた。
才賀りゅう
自分が聞けば女はなんでも話し出す。家のこと、仕事の事、金銭的余裕の事……
ブラッツ=ツェベライ
「……生門は、鬼を狩るために育てられた狩人だった」
ブラッツ=ツェベライ
「……日本であのような狩人は、ほとんど不要の存在だ」
才賀りゅう
もっと聞きたい、という気持ちが沸いてくる。腹が立つ。
ブラッツ=ツェベライ
「居場所がなくなり、己の力を使うためにこちらに来たと言っていた」
才賀りゅう
思い出が、自分の恋の思い出が、こんなワケのわからない男に上書きされるのが腹立たしい。
ブラッツ=ツェベライ
「もっともはじめは、隠されていたことだったがな」
才賀りゅう
この国に来て、その恋も愛もかなわない事を知っている。
ブラッツ=ツェベライ
「なぜあんな男を愛したのか、今でも分からない」
才賀りゅう
イライラする。思い出話をする男が、思い出話をする男に感情を起こす自分が。
ブラッツ=ツェベライ
男はあなたに殺意を向けている。
ブラッツ=ツェベライ
視線で殺せるならばそうしたい、というような目があなたに注がれている。
才賀りゅう
その視線を受け、意味を知ってなお笑う。
才賀りゅう
『そんな目で見ないでよ~、生門クンの事はどういう目で見てたの~?』
才賀りゅう
「愛してたんだね~相手は狩人なのに?」
ブラッツ=ツェベライ
苛立ちの中に愛おしさを含むような。去るものを見送るような、縋るような目だ。
ブラッツ=ツェベライ
「俺、とて、はじめは、殺すつもりだっ、た」
ブラッツ=ツェベライ
「いや、違う、俺が殺される、はずだった」
才賀りゅう
小さくため息を吐く。その視線は自分に向けられるものではないと知っているから。
ブラッツ=ツェベライ
視線がぶれる。屈辱と、愛情の眼差しが瞬きのたびに入れ替わる。
ブラッツ=ツェベライ
「だがあの男は、俺を、殺さなかった」
ブラッツ=ツェベライ
「何という、侮辱。何という恥辱」
ブラッツ=ツェベライ
「人間などに敗北することなどあってはならない。
ただの餌如きに」
ブラッツ=ツェベライ
「それが、その餌を愛するなど」
ブラッツ=ツェベライ
「あんなすぐ死ぬ生き物。その中でもなおさら早く死ぬものに」
才賀りゅう
「そんな熱い眼差しを!愛情を注いじゃってるんだねえ!」
ブラッツ=ツェベライ
視線に怒りが滲んでも、すぐに消えていく。
才賀りゅう
愛情の混ざる眼差し。見送る者の眼差し。
それを受けていると、思い出が擽られる。
才賀りゅう
『あっち向いてていいよ』ふいと横を指差す。
ブラッツ=ツェベライ
指先の示す方へ顔が向けられる。
才賀りゅう
この男に見つめられる事を耐えられなくなった。苛立たしい。
ブラッツ=ツェベライ
身体は相変わらず強張って、動ける気配もない。
[ ブラッツ=ツェベライ ] ティーセット : 2 → 1
才賀りゅう
*ブラッツの亡き者への愛情を抉ります 才覚で
才賀りゅう
2d6+3+2>=7 (2D6+3+2>=7) > 10[4,6]+3+2 > 15 > 成功
[ ブラッツ=ツェベライ ] 亡き者への愛情 : 0 → 1
才賀りゅう
「いやあ楽しかった、またガールズトークしようね♡」
ブラッツ=ツェベライ
頭を押さえる。周囲を見回してもどこにも姿はない。
ブラッツ=ツェベライ
魅了や催眠は、吸血鬼の異能の中では一般的なものだ。
ブラッツ=ツェベライ
それに対する耐性も、吸血鬼にはあるはずである。が。
ブラッツ=ツェベライ
あの男の言葉はそれとは一線を画する何かがあった。
ブラッツ=ツェベライ
あるいは、単純に、心の疵の力でもって為されることには、そんな耐性など無意味なのかもしれないが。
ブラッツ=ツェベライ
いずれにしろ、あんな人間のちんけな術に抵抗できなかった。
ブラッツ=ツェベライ
見られた。覗かれた。土足で踏み荒らされた。
ブラッツ=ツェベライ
それは一方的に、吸血鬼がやらねばならないことなのに!
ブラッツ=ツェベライ
怒りのままに、吸血鬼は酒場を見回した。状況は変わらない。
ブラッツ=ツェベライ
何が行われていても構うことなく、末裔たちは異常な行為に耽っている。
ブラッツ=ツェベライ
血を啜った以上、この場にとどまる意味はもうないだろう。
ブラッツ=ツェベライ
吸血鬼は苛立たし気に、大股に出ていった。
GM
この村では専用の道具というのものがないので、創意工夫で盛り上がっています。
サメル
皆心の赴くままに、思い思いのハッスルをしている。
GM
舐めと抉りの反転は、片方だけでは成り立たない。
サメル
抉られる側も、ということは。
あそこで鞭を振るわれて泣いている末裔も。あそこで吊り上げられている末裔も。
サメル
皆、普段とは異なる受け取り方をしている、ということになる。
サメル
もしやそのへんの末裔をビンタしたら、喜ばれたりするのか?
GM
悲鳴を上げて、頬を抑えたまま、あなたを潤んだ目で見ている。
GM
毒が回りきり、誰もが脳内物質の中毒に陥っている。
GM
この村におおよそ、外に期待されるまともさはない。
GM
誰も彼もは、まともでないということだけが一貫している。
GM
まともな村人は、毒にかからないよう閉じこもっているだろう。
サメル
自分ほど「人間のできた」者でなければなおさらだ。
GM
さきほど叩いたのは公爵夫人の末裔。またの名を子豚の末裔。
GM
倒錯も暴力も、困窮も破滅も、この村で行われるものは全て些事。
サメル
サメルは愚かな動物を愛する。
己を高尚な存在だと勘違いするものたちを許容する。
GM
そうした屈辱にさえ悦びを見いだして、ため息が漏れる。
サメル
前に立ち寄った村で手に入った紙煙草を取り出し、火を付ける。
GM
目に涙がにじむのは、しかしはたして苦しさによる生理的な反射か。
サメル
豚の耳を摘み、指に力を込める。
そのまま持ち上げる。
サメル
薄い耳朶は、人間よりも千切りやすそうに思える。
GM
初めはそれに合わせて顔を持ち上げ、それ以上上がらないとなれば耳朶は帆のように張る。
GM
無理した姿勢を保っている、それによって末裔の筋肉が震えているのを感じるだろう。
GM
もう少し強く引っ張れば、あとは簡単に裂けるだろう。
サメル
しばし煙を燻らせ、腕がしびれてくるまでその様子を眺める。
サメル
堕落の国で初めて訪れた村は、貧しいが普通の村だった。
サメル
それなりに「良くない事」を行えば、末裔達は怯えたし、逃げ、隠れた。
サメル
それでも「救世主様」と呼ばれ、亡者を倒せば、それなりの歓迎を受けた。
サメル
しかし、この村ではどうだ。
全てが反転している。
GM
そのまま荒い呼吸で、泥の中に横たわっている。
才賀りゅう
2 大通り。村人たちが公然プレイしていて居心地が悪い。
才賀りゅう
愛情の混ざる眼差し。見送る者の眼差し。
才賀りゅう
愛情の眼差しを自分に向ける者が、もうひとりいた。
才賀りゅう
窓際のベッドで、僕をあんな風に見ていた。
才賀りゅう
出会ったのは最初に入った会社で、普通の女の子だった。
才賀りゅう
自分の異常性を抜きにしても、付き合いを続けたくなる女だった。
才賀りゅう
1年もしないうちに会社に来なくなった。
才賀りゅう
そうしてまあ、見る気も失せるような恋愛邦画みたいに不治の病が出てきて。
才賀りゅう
金があれば、海外で臓器移植をすれば助かるかもしれなかった。
才賀りゅう
そのために色んな女から金を引き出して、集めた。
才賀りゅう
望みの適わない国で、何もがんばりたくはない。
才賀りゅう
自分はこの感覚を知っている。あまりにも恐ろしいこの感覚。
才賀りゅう
愛が上書きされるというこの気持ち、あの娘を忘れるという気持ち。
才賀りゅう
結局盗んだコルクをガジガジと噛み砕く。
才賀りゅう
僕が本当に食べたかったものがここにはないのに。
才賀りゅう
今、別の物を食いたくてたまらなくなっている。
才賀りゅう
椅子の末裔から立ち上がる。歓喜の声を上げながらその場に崩れ落ちた末裔を一瞥もくれることなく去っていく。
ブラッツ=ツェベライ
日本では狼が絶滅したのだとあの男は言った。
ブラッツ=ツェベライ
日本に渡った吸血鬼たちは、それを見て狩りをやめたのかも知れない、と。
ブラッツ=ツェベライ
日本の同族たちは人間と共存し、血を狩りではなく別の手段で求めることを選んだ。根絶やしにされることを避けるために。
ブラッツ=ツェベライ
だから、あの男には価値がなくなった。
ブラッツ=ツェベライ
吸血鬼が人を狩らないのなら、吸血鬼を狩る者たちにも存在の理由はない。
ブラッツ=ツェベライ
吸血鬼たちがいつかまた人を襲うのに備えて待っている、というのは。
ブラッツ=ツェベライ
あの男には耐えがたかったのだろう。
ブラッツ=ツェベライ
殺すために育てられた男だ。殺せないのなら存在する理由はない。
ブラッツ=ツェベライ
海を渡ってまで吸血鬼を殺そうとする理由はほかにもあった。
ブラッツ=ツェベライ
あの男の血には銀が流し込まれていた。寿命が極端に短かった。
ブラッツ=ツェベライ
哀れなものだ、とはじめは切り捨てた。
ブラッツ=ツェベライ
その寿命の短さに、自分が苦しまされることになるとは思いもよらなかった。
ブラッツ=ツェベライ
死にそうにない顔をして、驚くほど呆気なく生門は死んだ。
ブラッツ=ツェベライ
何故あの男は自分を殺すのをやめたのか。
ブラッツ=ツェベライ
何故自分はあの男を愛してしまったのか。
GM
末裔の腹に座るサメルに、商人らしき男が話しかける。
サメル
適当に、近くの窓枠などを伝って屋根の上まで上がる。
GM
「すみません。下に降りると、僕も追っかけ回されるので……」
GM
末裔はグリフォンの末裔だ。その翼でここまで上がってきたのだろう。
GM
「……あの、救世主様、以前もこの村に来てましたよね」
GM
「救世主様は、『リサ』って娘を知ら……ないですよね」
サメル
「心当たりはないですね。人名は結構覚えている方なのですが」
GM
「ですよね。リサは白兎の末裔で、ちょうどこの宿屋で働いていたんですけれど」
GM
宿屋。この宿屋は酒場と一緒になっており、飲食も出来る。働く娘は酒場で接客もした。部屋は名もなき村にしては、まあ悪くない感じ。
GM
飲食、宿泊、それから『サービス』も売っている。
GM
「リサは、あなたが村を出て行ったあとに、あなたを追って僕の馬車に乗りました」
サメル
言われてみれば、それらしい娘に心当たりはある。
GM
「村の外は危ないって言って止めたんだけれど……」
GM
「その忠告通りに、例のみょうちきりんな亡者に襲われて」
サメル
みょうちきりんな亡者は、一度倒す前に入れ違いになっていた。
サメル
これは毒の影響だろう。
平時であれば、この程度のことで動揺しない。
サメル
「動物」に好かれるのは、悪いことではないのだから。
GM
「さっきも僕はここから見ていましたが、あなたがたを見つけるやいなや跳んで駆けつけて」
GM
「あなたがたを狙っているとわかれば、逆にきっと、それを逆手にとれるはずです」
GM
「巻き込まれて災難だと思いますが、お役に立てたら幸いです」
サメル
「ええ、情報ありがとうございます。とても参考になりました」
サメル
「あの亡者は私達が何とかしますので、もうしばらく避難していてください」
サメル
親切そうに言う。
この末裔は正気を失っていない。救世主らしくやっておくに越したことはない。
サメル
軽く着地して、先程亡者がいた方向を見る。見晴らしがいい場所に行けばいいだろうか。
サメル
10 塀。村をぐるりと囲む盛り土の壁で、上を歩くこともできる。しかしあの亡者の脚力なら、軽々と飛び越えられてしまうだろう。
サメル
末裔が惚れている相手が自分だとは限らない。
ラビングラビット
遠く離れた岩場から、あなたをじっと見ている。
ラビングラビット
巨体に対しても塀は高く、手を伸ばせば何とか届くかという高さだ。
サメル
それは、肘から先がなかった。
それは、膝から先がなかった。
それは、首輪を嵌められていた。
ラビングラビット
死に際に知った倒錯が、その恋心に忍び込んで。
サメル
* 心の疵「淡い恋いの端っこ」を舐めます。判定は猟奇。
サメル
2D6+3 (2D6+3) > 5[4,1]+3 > 8
[ ラビングラビット ] 淡い恋の端っこ : 0 → -1
ラビングラビット
脈打つハートを、塀に立つあなたに差し出している。
サメル
終わらない。心の疵の力によって、サメルのナイフは無限に生まれる。
サメル
その心を傷付けるように、その心臓を壊すように。
サメル
心臓から咲いた美しい花を、刃物が割くのを見た。
ラビングラビット
そうしてナイフまみれになり、夥しい血をこぼす心臓を己の目の前に運ぶ。
ラビングラビット
それからそのナイフ一つ一つを、もう一方の手でつまんで抜き、
ラビングラビット
空いた肋の隙間がまるでポケットであるかのように、
ラビングラビット
しかしポケットは穴が空いている。
ラビングラビット
下の肋からこぼれていくナイフに、亡者は気付かない。
サメル
向けた感情を丁寧に胸に運ばれて。
悪意や、殺意だけがこぼれ落ちる。
ラビングラビット
*ラビングラビットは『刃禰谷サメルへの恋心』を所持。
ラビングラビット
*お茶会 ラウンド1 ラビングラビット
ラビングラビット
どうしてやることもそもそもできない。
ラビングラビット
あなたがその恋心に応えるつもりがあろうが、なかろうが。
ラビングラビット
見つめて、それが近づいてくることを、どうしてあなたはただ待ったのか。
ラビングラビット
当然、吹き付けられる毒を避けられるはずもない。
ラビングラビット
それはあなたの神経系を苛め、あなたに幻を見せる。
白兎の末裔
村の状況は、以前来たとおりの長閑なムード。
サメル
才賀とブラッツは、身の回りの品を揃えに行っている。
白兎の末裔
トレイを小脇に抱えて、宿帳にその旨を書いている。
白兎の末裔
「それじゃあお部屋を案内しますので~」
サメル
店が忙しいのはいいことだ。従業員の負担はさておき。
白兎の末裔
「隣の村に亡者が出ちゃいまして。いっぱい避難してきてるんですよ」
サメル
噂の三角木馬の亡者だろう。危険ではあるが、同時に稼ぎ時でもある。
サメル
「部屋の場所を教えてもらえれば、こちらで勝手にやっておきますよ」
白兎の末裔
あなたの目の前でうさぎのしっぽが揺れている。
サメル
しっぽの下の尻や、スカートの下の太腿に思いを馳せる。
白兎の末裔
部屋へ。客室の大きさに対して、ベッドが大きい。
白兎の末裔
「それでは、ごゆっくりお寛ぎください」
白兎の末裔
部屋を案内して、そのまま去ろうとしたときに、思い出したように。
サメル
言われた通りくつろぎ倒そうとして、末裔を見る。
白兎の末裔
「追加料金でご奉仕するサービスもありますので、よかったら是非~」
サメル
どの宿でも必ず、という訳ではないが、堕落の国では、珍しい話ではない。
サメル
シワにならないよう、ジャケットを脱ぐ。
料金表を眺める。
白兎の末裔
救世主のあなたにとってたかがしれている額。
サメル
そうして、しばし。
どう遊ぶか悩む、楽しい時間を過ごした。
サメル
三月兎は今の気分じゃない。
眠り鼠はマグロの娘が多いのでパス。
サメル
やはり、目の前で揺れる白いしっぽを可愛がりたい所だ。
白兎の末裔
*刃禰谷サメルの『動物愛護』を愛で舐めます。
ブラッツ=ツェベライ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
ブラッツ=ツェベライ
2d6=>7 (2D6>=7) > 9[5,4] > 9 > 成功
[ 才賀りゅう ] 茶 : 2 → 1
白兎の末裔
2d6+3-5-2>=7 (2D6+3-5-2>=7) > 12[6,6]+3-5-2 > 8 > 成功
[ ブラッツ=ツェベライ ] ヤリイカ : 1 → 0
[ ブラッツ=ツェベライ ] HP : 21 → 20
[ サメル ] 動物愛護 : 0 → -1
サメル
「ああ、こんな場末の村にしちゃあ、行き渡ったサービスだった」
サメル
もしこれが研修ならダメ出しもするのだが、客としては満足だ。
サメル
「そうか、初めてか。
なら追加でチップもあげよう」
サメル
希少価値のあるものには、対価を支払うべきだ。
白兎の末裔
遠慮なく喜ぶ。作法などまるでない田舎の娘。
サメル
洗練されていない接客。礼儀もなにもなっていない。
サメル
だが、この土地でこの値段、そして処女なら悪くはない。
サメル
何より、素人感は狙って出せるものではない。
白兎の末裔
「しかもお客さんとったら早く上がっていいんですって」
サメル
「お客さんを褒めると、お客さんも喜ぶからいいですよ~」
サメル
「お客さんが喜ぶとぉ……チップがもらえるかもしれませんからね」
サメル
そういう話をしてしまったので、追加でもう少し小銭を足してやる。
サメル
「いや~、そんな単純な褒め言葉じゃあダメだなぁ」
白兎の末裔
じろじろとあなたの顔を見たり、全身を見たり。
サメル
サメルは高級娼婦ばかり見てきた。
その分田舎娘が面白い。
サメル
「まぁ、よかった、初めては鉄板ですね。次からは、こんなによかったのは初めて、みたいに言うといいでしょう」
白兎の末裔
「ありがとうございました~ゆっくりしてってくださいね」
サメル
娘の嬉しそうな顔。
色恋営業の才能もあるかもしれない。
そんなことを思いながら、煙草に火を付けた。
GM
あなたの思惑、考えに関わらず、娘は終始幸せそうだった。
GM
あなたの心の在り方に不都合など、ここには一つもなかった。
GM
あるのは心の疵と、塀の下に散らばったナイフだけ。
サメル
飼われていた動物がつがいになり、子を産んだ。
サメル
人間らしい環境。人間らしい教育。
大人になったら、両親に会わせると約束した。
サメル
ありふれた、という程平凡な半生ではなかったが、それでもサメルは普通の人間として育った。
サメル
15歳の誕生日。
親代わりの後見人が、両親に会わせてくれた。
サメル
両親はずっと、自分のことを心配し、自分に会いたがっていたと聞いた。
サメル
どちらも人格のできた夫妻だと聞いていた。伴侶を愛し、子を愛し。
サメル
飼育されていなければ、外見が人間のままなら、再会を喜べたかもしれない。
リサ
白兎の系譜通りに。白兎としての教育。
あなたもいつか救世主様と出会って導きを与えるかも知れないねと話した。
リサ
ありふれた平凡な半生で、ありふれた通りにリサは白兎の末裔として育った。
リサ
村から出たことなど一度もない。男に抱かれたことも当然。あれだけ話した救世主も初めてだ。
リサ
リサはリサを作った価値観のなかで、十分幸せだった。
リサ
あるいは堕落の国に生まれておらず、白兎でもなかったなら、サメルに抱かれて素直に幸せを思ったりはしなかったかもしれない。
サメル
両親と再会した日。その瞬間。
サメルは自分が見定められていることに気が付いた。
サメル
「後見人」が「飼い主」になるか。
「愛玩動物」が「両親」になるか。
その分かれ目にいる、そう気が付いた。
サメル
両親に駆け寄って泣き出すようなことはしなかった。優しい眼差しを向ける動物を、ただ見下ろした。
サメル
「その割には健康状態が良さそうです。
管理はどなたが?」
サメル
愛を捨てて、「飼い主」側の世界へ滑り込んだ。
サメル
噛みつかれたこともある。
加減を間違えて死なせたこともある。
サメル
子供の時から育てた娘が失踪した時は、それなりに落ち込んだ。
サメル
サメルは動物を愛している。
しかし、それは、動物として。