GM
ちょうどジャンナッツの住処から出た頃。
GM
村を囲む周囲から、慌ただしい音が聞こえ始める。
GM
剣が鳴る音、銃声、規則正しい軍靴の跫音。
グリフォンの末裔
「救世主! 人形旅団が来たぞ!」
わすれぐさ
「そのようですね」
モーリーン
「救世主さまっていいなさい!ばか!」
アルビレオ
「行こう」
グリフォンの末裔
「んなことにこだわってる場合じゃねえだろばか!」
グリフォンの末裔
「四方を囲んでの一斉攻撃。逃がすつもりはなさそうだ」
わすれぐさ
「おそろしいこと」
アルビレオ
「亡者と罠がうまく機能することを祈ろう」
モーリーン
「はい。みんなにも頑張ってもらわなきゃ」
わすれぐさ
「すぐに、じゃんなつさまにてつだってもらうことになりそうですね」
アルビレオ
「我々は門へ」
わすれぐさ
「ええ、まいりましょう」
モーリーン
「はい!」
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 わすれぐさ
GM
村は人形旅団の襲撃により慌ただしい。
GM
カボチャの亡者をかいくぐった人形の兵士が塀に張りつき、よじ登ろうとするのを末裔たちがはたき落としている。
GM
侵入を許してしまうところもあるが、複数人で囲んでどうにか対処しているものの、既に負傷者が出ている。
GM
比較的敵の薄い出入り口に、救世主達は向かう。
ジャンナッツ
「で、だ」
ジャンナッツ
「誰が行くんだ? 全員か?」
わすれぐさ
「わたくしが」
わすれぐさ
「ほかは……」
オレンジペコ
「馬なら出すぜ」
モーリーン
「わすれぐささまをお一人で行かせるわけには……」
オレンジペコ
紅茶を片手に話に入ってくる。
アルビレオ
「では、私は皆の手当と鼓舞に回ろう」
オレンジペコ
ずずっ。
わすれぐさ
「まあ、うまを」
モーリーン
「じゃああたしはわすれぐささまについていきます」
アルビレオ
その手には銀の竪琴。
わすれぐさ
「あるびれおさま、けがをしているかたがたをたのみましたよ」
アルビレオ
「任された」
白兎の末裔
「救世主さま、モリちゃん、気をつけて……」
モーリーン
「ありがとうございます、アルビレオさま」
モーリーン
「そっちも、気をつけて!」
チョコ
「村を守るのは私も手伝うから安心してね」
ミント
「してね」
アルビレオ
「心強い」
チョコ
「というか、あれだね、陽動してくるから」
チョコ
「その隙に出てって感じかな」
わすれぐさ
「はい」
チョコ
凶器である大きな鉈を心の疵で現出させ、担ぐ。
チョコ
「よし、ミントいくよ」
ミント
「はーい」
アルビレオ
「ご武運を」
アルビレオ
剣を持たぬ指先は竪琴の弦を弾く。
チョコ
塀の外に出ると、ドーン、ドーン、と衝撃音が外から響き出す。
アルビレオ
痛みが和らぐように。
その力を高め、動きを軽やかに。
わすれぐさ
「わたくしたちもまいりましょう」
わすれぐさ
「じゃんなつさま、おねがいいたします」
モーリーン
「おねがいします!」
ジャンナッツ
「わかった」
ジャンナッツ
「本来の姿形を失っても……自分の心を見失うな」
ジャンナッツ
変装の名手 0→-1
ジャンナッツ
心の疵の力を行使し、わすれぐさとモーリーンを人形の姿に変える。
ジャンナッツ
身長は小さく縮み、人形がそうであるように、呼吸はない。
ジャンナッツ
どういうわけか動くし、発声もできるが、心音や体温もない。
アルビレオ
これが心の傷の力か
シザーリオ
おお、怖い怖い
ジャンナッツ
心の疵の力でなければ成せない、完璧な変装。
モーリーン
「すご~い……」
白兎の末裔
「ちっちゃーい! かわいい~!」
白兎の末裔
ちっちゃーいちっちゃーい!
モーリーン
こっちから見るとすごくでっかい!
わすれぐさ
「ふしぎなかんかくですね」
わすれぐさ
「わたくし、にんぎょうになったのははじめて」
アルビレオ
初めてじゃなかったらすごいな
オレンジペコ
二人を掴んで、カバンに入れる。
わすれぐさ
まあ。
オレンジペコ
扱いが雑だ。
モーリーン
わあ~。
わすれぐさ
「もうすこしていねいにおねがいします」
オレンジペコ
「はっ! オレ様の辞書に丁寧の二文字は存在しないぜ!」
オレンジペコ
何故かドヤる。
わすれぐさ
そうですか……
シザーリオ
「壊すなよ?」
モーリーン
「怖いこと言わないでください」
アルビレオ
演奏中は出てくるな
ジャンナッツ
「あくまでも変装だ。6ペンスコインを持っている限り、本来の力を妨げるものじゃない」
ジャンナッツ
「簡単には壊れないだろう」
オレンジペコ
おっじゃあ雑に扱っていいってことだな。
わすれぐさ
やめてくださいね。
モーリーン
ぶーいんぐ
アルビレオ
「後で何をされてもしらないぞ」
ジャンナッツ
「それはどちらにせよ」
ジャンナッツ
「脅威度5の救世主には無力だってことだ」
わすれぐさ
「ええ」
モーリーン
「気をつけます」
わすれぐさ
「では、おれんじぺこさま。おねがいします」
オレンジペコ
「よっしゃ行くぞ!」
オレンジペコ
「しっかり掴まってろよ!」
アルビレオ
「無事に戻ってくれ」
オレンジペコ
右手には手綱! 左手にはティーカップ!
オレンジペコ
「オレンジペコ盗賊団! 出陣だ!!!」
オレンジペコ
アルビレオ
村は案外と広い。
流石にひと所に留まっていては、竪琴の音色はすべての村人へは届かない。
アルビレオ
運動は苦手なんだが。
アルビレオ
そうも言っていられないので、喧騒の大小を頼りにアチラコチラへ救援の手を差し伸べる。
アルビレオ
怪我人の傷を癒やし、強い衝撃をその身に肩代わりし
アルビレオ
その武器に力をのせる
アルビレオ
「『彼が貫くは何か 勇猛なりし戦士の右腕』」
アルビレオ
「『されどその武技に狂いはなく 痛みはなく』」
アルビレオ
末裔には深すぎる傷をその身に受け
アルビレオ
「重症者は中央へ」
シザーリオ
「俺が治してやるからな」
シザーリオ
身に受けた傷は、血を啜ることで癒え
シザーリオ
末裔の傷は、血を啜られることで癒える
シザーリオ
夜だったらもう少し調子がいいものだが
シザーリオ
人形はつかれることを知らない。
シザーリオ
しかし、こちらはそうではない。
アルビレオ
戦い続ければ身体は疲労し、傷を受ければ動きも鈍る。
アルビレオ
どうする。
シザーリオ
どうしようもなくなれば、外のカボチャに火をつけりゃいい
シザーリオ
そのための塀、そのための土だろう?
シザーリオ
守る範囲も広すぎるんだ。
シザーリオ
動けるやつが減ったなら、予定通り大通りまで下がって狭い範囲を守ればいい。
アルビレオ
一つ言わせてもらうなら、火はやめたほうがいい
シザーリオ
何故
アルビレオ
燃えたまま攻めてこられたら、村がなくなってしまうよ
シザーリオ
そいつはそうだ
シザーリオ
「重傷者は此処へ」
シザーリオ
呻き、意識を失いそうな末裔の汚れた腕に
シザーリオ
ぞぶりと咬みついた。
オレンジペコ
オレンジペコ
オレンジペコ
カボチャの亡者と人形旅団、それからチョコとミントの戦う戦場を駆け抜け、
オレンジペコ
村へ続く兵士達の行進を避けて、ぐるりと迂回しながら、
オレンジペコ
人形旅団の拠点に着く。
オレンジペコ
人形旅団の拠点シーン表 1d6
1:豪奢な居室がしつらえた馬車がいくつも並んでいる。馬車馬もまた人形だ。
2:武器が積まれた馬車。人形たちの使う武器が整備されている。いずれも完璧な整備だ。
3:無数の箱が積まれた馬車。箱、あるいは棺。人形に寝台は不要。荷台こそが兵舎だった。
4:天幕のお茶会。大きなテーブルの上にはケーキスタンド、ポットが並んでいる。
5:キッチンのある馬車。調理場として一通りが揃っている。もの言わぬコックもまた。
6:マリインスキーの寝室。大きな天蓋付きのベッド。彫刻の施され、王族さながらの豪奢さだ。
オレンジペコ
「流石に拠点ってだけあって、人形が沢山いやがるな」
わすれぐさ
「おれんじぺこさまはここまでで」
わすれぐさ
「あとは、わたくしたちでまいります」
モーリーン
「そうですね。ありがとうございました」
オレンジペコ
「ああ。ヤバくなったら呼べ」
オレンジペコ
「こいつらしゃべんないからな。大声はすぐわかるだろ」
わすれぐさ
「わたくしたちも、なかではこえをださぬようにせねばなりませんね」
モーリーン
「はい。気をつけましょう」
わすれぐさ
するりとかばんから降りて、馬車のほうへ。
モーリーン
あとに続く、軽く硬い足音。
わすれぐさ
探すのはマリインスキー、人形ではない救世主だ。
わすれぐさ
判定しちゃうか……
GM
あなたがたは人形旅団の拠点に乗り込んだ。
わすれぐさ
*クエストNo.5:『人形旅団』の拠点に侵入する マリインスキーの『人形旅団』を抉ります。
わすれぐさ
*ティーセットを使用します
わすれぐさ
2d6+3+2=>10 判定(+猟奇) (2D6+3+2>=10) > 6[3,3]+3+2 > 11 > 成功
GM
成功ですね。
わすれぐさ
1d6 (1D6) > 6
わすれぐさ
あっ
GM
6:マリインスキーの寝室。大きな天蓋付きのベッド。彫刻の施され、王族さながらの豪奢さだ。
わすれぐさ
とことこと馬車をいくつか歩き、その中の一つに目を止める。
わすれぐさ
豪華な寝室。寝室を使うのは救世主だけだ。
GM
人形の兵士達は、あなたたちを見てもまるで気にもとめない。
GM
一見して無数に人の姿がある一方で、深い沈黙にある。
GM
人形が歩く硬い音は、むしろその沈黙を深めるばかりだ。
わすれぐさ
周囲を見回しつつ、そっと馬車の中に入る。
わすれぐさ
いつもの自分よりずっと小さい手足。奇妙な感覚だった。
わすれぐさ
まるで自分の皮の上に、もう一枚人形の硬い皮をかぶっているような感触。
わすれぐさ
救世主の姿は寝室の中にはない。
GM
美しい調度品でいっぱいだ。
GM
何かしら、裁判に役立つものもあるかもしれない。
わすれぐさ
それらの品々につい目を奪われる。
モーリーン
末裔の目には見たことのないものがいっぱい。
わすれぐさ
欲しくなってしまう。
わすれぐさ
ただ、人形の身体では、持ち出せるものはさすがに多くはない。
わすれぐさ
きょろきょろと見回して、ひとつ。
わすれぐさ
小さな飾りを目にとめて、手に取った。
わすれぐさ
くるりとモーリーンを振り返る。
モーリーン
わすれぐさの手の中に目を落とす。
わすれぐさ
それは小さなお守りだった。
モーリーン
ラビッツ・フッド。幸運のお守り。
わすれぐさ
しい、と指のない手をない口の前にやって、
わすれぐさ
そっとそれを懐にしまいこむ。
わすれぐさ
ここにはいないようだから、また別の場所へ。
わすれぐさ
名残惜しそうに豪華な寝室を見回した後、とことこと歩き出し、馬車から降りた。
モーリーン
わすれぐさの後ろで、そうっと扉を閉める。
モーリーン
足音以外の音は、ものすごくよく響くような気がする。
わすれぐさ
相変わらず、硬い足音の静寂の中。
わすれぐさ
二体の人形は、マリインスキーを探す。
GM
静寂の中、声が聞こえる。
わすれぐさ
人形は声を発しない。
マリインスキー
「お茶が、なくなってしまったの? ……そう」
わすれぐさ
この静けさの中、気兼ねもせず声を発するのは、
わすれぐさ
救世主そのひとに違いなかった。
マリインスキー
「あの3人の仕業ね……」
マリインスキー
声のある方へ出向けば、そこはお茶会の場。
マリインスキー
4:天幕のお茶会。大きなテーブルの上にはケーキスタンド、ポットが並んでいる。
マリインスキー
豪華な調度品の並ぶ天幕の下に、マリインスキーがいる。
マリインスキー
調度品に見合う豪華な衣装を纏い、人形のように生気の薄い表情。
マリインスキー
しかし人形の姿をとるあなたがただからこそわかる。この場において息をし、瞬きをし、声を発するのは彼女だけ。
わすれぐさ
きれい。
マリインスキー
「ふうん、ミルクはあるのね」
わすれぐさ
とことこと、近づいていく。
『人形旅団』
人形のメイドは大げさな身振りで頷いている。
わすれぐさ
下手に足を潜めては疑われるだろう。巡回を装うように、傍を歩く。
マリインスキー
マリインスキーは膝に女の子の人形を乗せ、その頭を撫でている。
マリインスキー
静かな時間が横たわっている。
わすれぐさ
かわいらしい人形。大事そうな人形。
わすれぐさ
……あれかしら。
マリインスキー
思い出したように、テーブルの上のショートブレッドを取り、かじる。
『人形旅団』
遅れてメイドが、ポットにミルクを入れて持ってくる。
わすれぐさ
どんなに強大な救世主でも、心の疵はある。
『人形旅団』
いくつかの人形がお茶会の席に同席しており、お茶を飲む動作や、何かを食べる振る舞いをする。
『人形旅団』
すべて、ただの模倣だ。
わすれぐさ
強大な力を振るう救世主であるほど、その心の疵はむしろ深く大きくなるものだ。
わすれぐさ
じっと視線をやりながら、まがいものの茶会の周りを歩く。
わすれぐさ
その視線は、人形としては異質なものだ。
マリインスキー
その視線に、マリインスキーは気付く。
マリインスキー
「……」
わすれぐさ
「……」
マリインスキー
空気が張り詰める。
マリインスキー
「あなたは……?」
マリインスキー
話しかける。
わすれぐさ
「こんにちは」
マリインスキー
「……こんにちは」
わすれぐさ
「おちゃかいに」
わすれぐさ
「およばれしてもいいかしら」
マリインスキー
「もちろんよ。でも、小さいわね……」
マリインスキー
すこし思案し。
マリインスキー
「メイド。小さな椅子をこちらに」
『人形旅団』
あなたにちょうどよいサイズの椅子を、テーブルに置く。
わすれぐさ
テーブルの方へ向かって歩き、その椅子にちょこんと座った。
わすれぐさ
人形が動く硬い音。
わすれぐさ
「ありがとうございます」
『人形旅団』
飲めないだろうが、あなたの分のミルクも供される。
わすれぐさ
メイドたちに頭を下げた。
マリインスキー
「おしゃべりする子は、初めてね」
マリインスキー
「コインが増えてきたからかしら」
わすれぐさ
「きっと、そうでしょう」
マリインスキー
「素敵ね」
マリインスキー
「クララもおしゃべりできるようになるといいね」
マリインスキー
抱える人形に話しかける。
わすれぐさ
手の中の人形。
わすれぐさ
「そのこは、くららというのですね」
マリインスキー
「そう」
わすれぐさ
「まりいんすきいさまの、おともだちですか」
マリインスキー
「そう。たった一人の、大事な友達」
わすれぐさ
「わたくしたちは?」
マリインスキー
「あなたは兵隊じゃないの。兵隊は、兵隊よ」
マリインスキー
「おかしな事を言うものね」
わすれぐさ
自分の身体を見下ろす。確かに、兵隊の身体をしている。
わすれぐさ
「へいたいは、へいたい」
わすれぐさ
「めしつかいはめしつかい」
わすれぐさ
「おともだちは、おともだちですか」
マリインスキー
「うん」
マリインスキー
「でも、お話しする人形は初めてだから」
マリインスキー
「あなたもお友達にしてあげてもいいわ」
わすれぐさ
じっと見つめる。
わすれぐさ
そうしたら、あの人形が着ているのと似たような、きれいな衣装を着せてもらえるかもな、とちらりと考えたのだった。
わすれぐさ
「たいへんうれしいことです」
マリインスキー
「ふふ、面白い」
マリインスキー
「あなたがいれば、退屈しなさそうね」
わすれぐさ
「まりいんすきいさまのちからがましていったら……」
わすれぐさ
「きっと、みんなしゃべるようになりますよ」
マリインスキー
「賑やかになるわね」
わすれぐさ
「でも、そうしたら、みんなまりいんすきいさまのおともだちに、なりたがるかもしれません」
マリインスキー
「それは……困ったわね」
マリインスキー
「そうなったらどうしよう……」
マリインスキー
カップのミルクを飲む。
わすれぐさ
「こわれるのをいやがって、たたかうのをやめるかも」
わすれぐさ
「まりいんすきいさまは……」
わすれぐさ
「なんで、こんなににんぎょうたちをたたかわせるのです?」
マリインスキー
「人間が嫌いだからよ」
マリインスキー
「全部人形にしてしまえば、人間はいなくなるし……」
マリインスキー
「人形は、誰も私を傷つけない」
わすれぐさ
「どうして、にんげんがおきらいですか」
マリインスキー
「ここに来る前の世界のこと」
マリインスキー
「私は……政治的な対立で、早々にお父様とお母様を亡くして」
マリインスキー
「孤立してしまったの」
マリインスキー
「身の回りの人間は、すべて敵」
わすれぐさ
「……」
マリインスキー
「乳母も、庭師も、兵隊も、何もかも……私にはなくて……」
マリインスキー
「人形のクララだけが、私の傍にいた」
マリインスキー
「でも、堕落の国に来て、6ペンスコインの力で……」
マリインスキー
「私は欲しいものを全部手に入れた」
わすれぐさ
「そうして、にんげんをみなころして……」
わすれぐさ
「にんぎょうにしてしまおうと、していらっしゃるのですね」
マリインスキー
「そうよ」
わすれぐさ
うなずきながら、ミルクの入った小さなカップに手を伸ばした。
わすれぐさ
そもそも指がないことに気が付いて、手を引き戻す。
わすれぐさ
「でも、まりいんすきいさま」
わすれぐさ
「わたくしたちが、しゃべれるようになったら」
わすれぐさ
「きっと、あなたをうらみますよ」
マリインスキー
「……どうして?」
わすれぐさ
「わたくしたちは、あなたのいうとおりにして」
わすれぐさ
「すすんで、たたかって、たたかれ、やをいかけられ、ばらばらにされて……」
わすれぐさ
「ああ、めのまえで、たくさんなかまがこわれていきました」
わすれぐさ
「あなたはこわされたにんぎょうたちを、ちらともかえりみなかった」
マリインスキー
「そん、な……そんなこと」
マリインスキー
初めてマリインスキーはその表情を変える。
わすれぐさ
「あなたのちからがまして、にんぎょうたちがみなしゃべるようになったなら……」
わすれぐさ
「じぶんでかんがえるようになったらば」
[ マリインスキー ] 『人形旅団』 : 0 → -1
わすれぐさ
「こわれたなかまのしかえしにまいります」
わすれぐさ
「まりいんすきいさま、これは、ほんとうのことですよ」
マリインスキー
「そんな、嘘よ……」
『人形旅団』
しかし、否定に反して……
『人形旅団』
そこかしこにいる人形の僕たちが、動きを止めて倒れ始める。
『人形旅団』
その心の疵が、深々と抉れた証左。
わすれぐさ
「わたくしは、おいとまをいただこうとおもいます」
わすれぐさ
「あなたがもっともっとちからをえて」
わすれぐさ
「なかまがふえるのを、まっていますよ」
マリインスキー
「……」
わすれぐさ
椅子を降りて、悠々と歩いていく。
マリインスキー
「待ちなさい、」
マリインスキー
「待って、」
マリインスキー
「行かないで」
マリインスキー
手を伸ばす。
わすれぐさ
振り返らず、人形の足音を立てて。
わすれぐさ
馬車の陰にその姿は消えた。
わすれぐさ
「もおりん」
モーリーン
「はい」
モーリーン
天幕を出たところで合流する。
マリインスキー
*クエストNo.5:『人形旅団』の拠点に侵入する 成功!
マリインスキー
クエスト6を開示。
マリインスキー
クエストNo.6:『女の子の人形』を破壊する
概要 :少女の人形を破壊する
条件 :PKの心の疵『たったひとりの友達』を抉るときにのみ宣言できる
目標値 :7
消滅条件 :成功するか、お茶会終了と同時に消滅
成功 :有象無象『女の子の人形』を破壊する(昏倒扱い)。
失敗 :なし
わすれぐさ
「きっと、あのにんぎょう」
わすれぐさ
「あのにんぎょうをこわせばいいわ」
わすれぐさ
「あれが、まりいんすきいのたいせつなもの」
わすれぐさ
「……たいせつなものをこわせば、こころのきずはえぐれるもの」
わすれぐさ
「だから、どうにかしてあのにんぎょうをこわせればいいのだけれど……」
わすれぐさ
ちらりと、天幕を振り返る。
モーリーン
「そーっと天幕のペグ抜いて、テントごと倒しちゃったらどうかな~」
わすれぐさ
「そうですね……」
わすれぐさ
「たぶん、なににかえても、まりいんすきいはあれをまもるでしょう」
わすれぐさ
「ですから、もっとはっきりあれをねらわねばなりません」
わすれぐさ
「てだてをかんがえましょう」
GM
すべての人間を抹殺し、
GM
すべてを人形に造り変える、
GM
『人形旅団』の心の疵。
GM
人形の形に変えて紛れ込んだ毒を、マリインスキーは飲んでしまった。
GM
巡り巡ってその毒は心臓にまで届き、彼女の手足を痺れさせる。
GM
シザーリオ
戦場に、変化が訪れる。
シザーリオ
全てではないが、いくらかの人形の動きが止まり
シザーリオ
攻撃の手も緩んでいる。
シザーリオ
好機。
シザーリオ
髪を結び、竪琴を『しまって』
シザーリオ
「チョコ、ミント、オレンジペコ」
シザーリオ
「此処は任せた。俺は……」
シザーリオ
「加勢に行ってくるぜ」
シザーリオ
手を上げ声を張り上げ
シザーリオ
「馬、借りるなぁ」
シザーリオ
走り去った。
[ わすれぐさ ] ティーセット : 1 → 0
わすれぐさ
*ウサギのお守りを取得します。
わすれぐさ
わたくしがもちますね。
GM
ではお茶会第2ラウンド、残す手番はモーリーン、アルビレオ。マリインスキーは3回!
GM
次回はマリインスキーの手番から!
GM
わすれぐささんを抉ります!
GM
というわけで、本日は、おつかれさまでした~!!
わすれぐさ
おつかれさまです!
モーリーン
おつかれさまでした~!
シザーリオ
お疲れさまでした
GM
GM
お集まりでしょうか~
シザーリオ
はーい
わすれぐさ
はい!
モーリーン
はーい!
GM
それでは本日もよろしくおねがいします。
わすれぐさ
よろしくおねがいします
モーリーン
おねがいします!
シザーリオ
よろしくお願いします
GM
Dead or AliCe『救世主 VS オレンジペコ盗賊団 VS 『人形旅団』マリインスキー』
GM
ダージリン!
オレンジペコ
前回のあらすじだ!!!!!!!
オレンジペコ
村にオレンジペコ盗賊団と、あとなんか救世主が迫っていると知った救世主達は、襲撃に備えて準備をし始めたぜ!!!!!!!!!!!!!
オレンジペコ
カボチャの亡者を凌いで村にやってきたオレさまたちに仲間になるよう請い願ったり、ジャン……ジャンナッツ? とかいう救世主に手伝うよう言ったりしてたぜ!!!!!!!!!!!!
オレンジペコ
それから人形になったりして、人形旅団の拠点に行って、マリインスキーの心の疵を抉ったぜ!!!!!!!!!!!!!
オレンジペコ
以上だ!!!!!!!
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 マリインスキー1
GM
1d6 (1D6) > 1
GM
1:豪奢な居室がしつらえた馬車がいくつも並んでいる。馬車馬もまた人形だ。
GM
マリインスキーから逃れたワスレグサとモーリーン。
GM
二人は馬車団の中を行き、次なる手立てを思案していたところ……。
GM
当然、ジャンナッツの心の疵の力はまだ有効で、人形旅団の兵士達はあなたがたを見つけることはできていない。
GM
完全にあなたがたは紛れている。
GM
しかし、移動している間に……ワスレグサはたまたま入り込んだ馬車で、
GM
鏡を目にする。
わすれぐさ
「…………」
わすれぐさ
おもちゃの兵隊の硬い足音を止めて、不意に目が鏡に吸い込まれる。
GM
鏡に映る己の姿は、元々の姿は全く失われ、
GM
完全に人形の姿をしている。
わすれぐさ
(ああ……)
わすれぐさ
(なんだかぶかっこうでいやだな)
ジャンナッツ
『本来の姿形を失っても……自分の心を見失うな』
わすれぐさ
ジャンナッツの言葉が蘇る。
GM
人形の姿に変えた。
GM
その前の、本来の姿形。
わすれぐさ
『本来の』
わすれぐさ
胸にジワリと嫌なものが広がる。
『人形旅団』
近くに人形が横切る。今のあなたは、他の人形となんら変わらない姿で。
『人形旅団』
あなたをあなたたらしめる姿は、一体。
わすれぐさ
美しくない。
わすれぐさ
誰にも顧みられないような、ほかのものに埋没するような。
わすれぐさ
あの人形の軍団の中に入り交じり、村に帰還したとすれば。
わすれぐさ
おぞましいとさえ思われるような姿。
マリインスキー
「どこ? どこにいったの?」
マリインスキー
あなたを探す少女の救世主の声。
マリインスキー
黙っているあなたのことを、当然、見分けられない。
わすれぐさ
姿を隠す必要もない。
わすれぐさ
それが助かるはずなのに、どうしようもなくいやだ。
マリインスキー
「ねえ、あなたは本当に人形? あなたは誰?」
マリインスキー
あなたを探す声が上から振ってくる。
わすれぐさ
その声に応えるわけにはいかない。正体がばれるわけにはいかない。
マリインスキー
「本当に人形なの? 本当は何なの?」
マリインスキー
「どこにいるの?」
わすれぐさ
埋没している。自分がどこにもいなくなったように。
わすれぐさ
わたくしは美しく在って、だれもから注目されるべきなのに。
わすれぐさ
救世主として顧みられ、たれからも尊ばれるべきなのに。
マリインスキー
マリインスキーがすぐ近くに立った。
マリインスキー
一つ一つ、人形を抱え上げて、訊ねる。
マリインスキー
あなた? あなた? それともあなた?
マリインスキー
「あなたは人形? ニセモノじゃないの?」
マリインスキー
あなたを手に取り、訊ねる。
わすれぐさ
区別がつかないのか/区別がつかなくて当然だ。
わすれぐさ
胸の内がざわつき、千々に乱れる。
『人形旅団』
*ワスレグサの心の疵『にせもの』を抉ります
シザーリオ
横槍します
シザーリオ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
シザーリオ
大きなティーセット使用
シザーリオ
2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 10[5,5]+2 > 12 > 成功
シザーリオ
1d6 (1D6) > 3
[ アルビレオ・ファーシャ ] HP : 21 → 20
マリインスキー
2d6+4=>7 判定(+猟奇:4) (2D6+4>=7) > 12[6,6]+4 > 16 > 成功
[ わすれぐさ ] にせもの : 0 → -1
わすれぐさ
なぜ区別がつかない?
わすれぐさ
なぜわたくしを見抜けない?
わすれぐさ
わたくしがここにいるのに?
マリインスキー
今、マリインスキーにとって、あなたをあなたたらしめるのは、姿ではなく言葉。形ではなく考え。
マリインスキー
心。
わすれぐさ
いいえ、いいえ。
わすれぐさ
こんな『服』をまとっているから。
マリインスキー
奪ったり、取り換えても、変えることの出来ないホンモノ。
マリインスキー
あなたをただの人形だと思い、そのままゆっくりと地面に降ろそうとする。
わすれぐさ
「どうして」
マリインスキー
「あっ」
わすれぐさ
「どうしてわからないの」
わすれぐさ
どす黒いものを吐き出すように唸って、マリインスキーを睨み上げる。
わすれぐさ
「わたくしがここにいるのに。なぜわたくしを見ないの」
マリインスキー
「ご、ごめんなさい……」
マリインスキー
「みんなと同じ姿をしてるから……」
わすれぐさ
「ちがう」
わすれぐさ
「わたくしは」
わすれぐさ
心の疵が疼く。
マリインスキー
「わたくしは……?」
わすれぐさ
ジャンナッツが自ら疵を抉ってまでかけた変身は。
わすれぐさ
わすれぐさの胸の裡がいかに荒れ狂ったところで、完全に解除することは叶わない。
わすれぐさ
だが、それでも、見分けられなかったことによって。
わすれぐさ
有象無象と同じように扱われたことによって。埋没して捨て置かれそうになったことで。
わすれぐさ
疵つけられたその瞬間。
マリインスキー
「あなたは、なあに?」
わすれぐさ
マリインスキーの目に映ったのは、顔をひきつらせた女。
わすれぐさ
それから、もうひとつ。
マリインスキー
「!」
わすれぐさ
赤黒い肌をした、醜い鬼の姿だった。
わすれぐさ
人形が身をよじる。
マリインスキー
「やっぱり」
マリインスキー
「やっぱりにせものだったのね!」
わすれぐさ
「ちがう」
わすれぐさ
「わたくしはほんもの」
わすれぐさ
「わたくしがほんものなの」
マリインスキー
「にせものじゃない! その鏡を見なさい!」
マリインスキー
「もう騙されないわ!」
わすれぐさ
鏡を見る。
わすれぐさ
鏡に映っているのは──
わすれぐさ
人形でも、女の姿でもない。
わすれぐさ
醜い叫び声が上がった。
『人形旅団』
瞬く間に人形の兵隊達が集まってきて、あなたに銃剣を向ける。
わすれぐさ
走り出す。
マリインスキー
「あのにせものを退治しなさい!」
わすれぐさ
片手で顔を覆い、人形に向けて腕を振るった。
わすれぐさ
鋭い、赤く染まった爪が、人形たちを打ち砕き、逃げ出す。
『人形旅団』
逃げ出すあなたを追いやるように、背を銃弾が掠めていく。
わすれぐさ
突き出された銃剣が、放たれた銃弾が、血をにじませる。
わすれぐさ
この服をまとっている以上は、わたくしがほんもののはずなのに。
わすれぐさ
だれもかれもがわたくしを追い立てる!
わすれぐさ
人形はまろぶようにして、逃れていった。
わすれぐさ
血の落ちた跡に、蕎麦や萱の草が伸び、枯れていった。
GM
人形。
GM
人でないものを削り出し、編み、あるいは鋳造し、
GM
人の形に整えたもの。
GM
人の形をしていようとも、人そのものを人形とは呼ばず。
GM
人ならざることは、人ならざるまま。
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 モーリーン
モーリーン
マリインスキー……抉りに行くぞ!
モーリーン
1d6 シーン表 (1D6) > 1
マリインスキー
ワスレグサを追い立て、今、マリインスキーの周りに兵隊はいない。
マリインスキー
その手元には、終始大切に抱えている女の子の人形。
モーリーン
馬車とマリインスキーと、そしてクララの残ったその場。
ほかに残った人形は、一体だけ。
モーリーン
馬車の影から、追い立てられていくわすれぐさを見ていた。
モーリーン
そして今、同じ場所から、マリインスキーを見ている。
マリインスキー
人形のように表情の希薄だったマリインスキーも、今は違う。
マリインスキー
いっそう強く、拠り所の人形を抱きしめている。
マリインスキー
救世主は心の疵の力で戦う。
マリインスキー
本来の身体能力や、成熟していることとは全く別の力。
マリインスキー
あなたは聡明故に、それをよく知っている。
マリインスキー
『人形旅団』マリインスキーは、その実、ただの少女だ。
マリインスキー
心の疵を持つ少女でしかない。
モーリーン
末裔には抗い得ない、冷酷で冷血な『人形旅団』。そんな、噂に名高い救世主も。
マリインスキー
ただの親無き子。
モーリーン
そんなお顔をするんですね。
モーリーン
あたしも、そういう顔する小さな女の子を知っていますよ。
マリインスキー
まだずっと、ワスレグサの背を追うように、遠くを見ている。
モーリーン
*マリインスキーの『たったひとりの友達』を才覚で抉ります。
マリインスキー
*横槍します。
マリインスキー
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
マリインスキー
2d6+4=>7 判定(+猟奇:4) (2D6+4>=7) > 9[4,5]+4 > 13 > 成功
マリインスキー
1d6 (1D6) > 2
モーリーン
*ティーセット乗せます。
[ モーリーン ] ティーセット : 2 → 1
モーリーン
*クエストNo.6を併せてやるぞ!
モーリーン
2d6+3>=7 (2D6+3>=7) > 8[3,5]+3 > 11 > 成功
[ マリインスキー ] 『たったひとりの友達』 : 0 → -1
[ マリインスキー ] HP : 15 → 14
モーリーン
あなたが壊してきたものによって。
そういう顔をする子らが、いくらだって生まれたことを。
モーリーン
あなたは知ってるはず。
モーリーン
そして、そういう子が。
モーリーン
あなたの背中に、どんな思いを。嘆きを。恨みを。
モーリーン
呪いを投げかけているか!
モーリーン
あなたはきっと知ってるはず!
モーリーン
馬車の影から、車輪を伝い、扉のノブへと手を懸けて。
モーリーン
軽い人形の体重を、ブランコのように振って。
モーリーン
マリインスキーの、その手の中の人形へ、飛びかかる。
マリインスキー
「!!」
モーリーン
マリインスキーの腕に留まろうとはしない。
モーリーン
そのままクララの髪へ手を伸ばし。
モーリーン
掴んで、
モーリーン
引っ張って、
モーリーン
地面に向かって。
モーリーン
クララの、人ではないゆえに頑なな首が、曲がってはいけない方向へと曲がる。
マリインスキー
マリインスキーのたったひとりの友達は、ただの人形。
マリインスキー
容易く壊れる。
マリインスキー
「あっ、ああっ……」
マリインスキー
それを両手で取り、眺める。
マリインスキー
傷つけたあなたに目もくれず。
マリインスキー
顔に抱き寄せる。
モーリーン
モーリーンは何も語らない。
モーリーン
この世界で。この国で。
モーリーン
大切なものが壊れるなんて、特別珍しくもないこと。
マリインスキー
積み上がった50枚の6ペンスコイン。
マリインスキー
積み上げた数多の犠牲。
マリインスキー
堕落の国が、堕落の国であることの因果。
マリインスキー
世界が残酷であることを、ただ抱きしめるようにして、そこに蹲っている。
モーリーン
どんなに力ある救世主も、どんなにちっぽけな末裔も。
堕落の国という場所が、堕落の国であるゆえの残酷さの前には変わらない。
モーリーン
だから、このちっぽけな末裔にも。
モーリーン
できることがある。
モーリーン
蹲るマリインスキーが追ってきそうもないことを確かめて、その場を離れる。
『人形旅団』
マリインスキーの心の疵が抉られたことにより、人形の兵隊たちのいくらかがその力を失う。
『人形旅団』
追い立てられていたワスレグサもまた、あなたの行動によって逃れることができただろう。
『人形旅団』
6ペンスコイン。
『人形旅団』
救世主マリインスキーに虐殺の力を与え、
『人形旅団』
末裔モーリーンに防衛の力を与える。
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 マリインスキー2
オレンジペコ
モーリーンとワスレグサを回収する。わっしと鷲づかみにする。
オレンジペコ
「おいおい!!!!! なんで辛気くせえんだ!!!!!!!」
オレンジペコ
「上手くいったんだろ???????」
モーリーン
「もうちょっと丁寧に扱ってくださいよ」
わすれぐさ
人形が顔を覆って隠している。
わすれぐさ
「……」
オレンジペコ
「オレさまの辞書に丁寧の文字はねえからな」
わすれぐさ
粗雑に扱われてしょんぼりしています。
わすれぐさ
早く元の姿に戻りたい。
オレンジペコ
オレさまがいけない感じにしてくるぞこいつ!!!!
わすれぐさ
あなたはよくはないですが………………?
オレンジペコ
手には手綱とティーカップ!!!
オレンジペコ
「よし、ずらかるぞ!!!!!」
オレンジペコ
帰りは紅茶の歌を歌いながら一人だけ陽気に帰りました。
オレンジペコ
カボチャの亡者、人形旅団の戦場を爆走して駆け抜け……
オレンジペコ
村に到着だ!!!
GM
あなた方を村人達は出迎える。
GM
いない間に、随分と消耗している。
モーリーン
「ただいま!みんな大丈夫?」
わすれぐさ
村人たちに目を向けず、ふらふらあたりを見回している。
わすれぐさ
「かがみ……かがみはどこ……?」
白兎の末裔
「なんとかね!」
GM
「モーリーンが帰ったぞ!!」「モリちゃんがやったって!」「うおおー!」
わすれぐさ
このさい水たまりとかでもいい……何でもいいから姿を映すものがほしい……
シザーリオ
「これはこれは、英雄たちのお戻りか」
GM
みんなが、モーリーンを救世主として讃える。
GM
――が、その中にイモムシの末裔の姿はひとつもない。
『人形旅団』
マリインスキーが、自分の両親や、乳母や、守るものを人形として並べたように。
白兎の末裔
あなたのまわりの人々もまた、代替品でしかない。
白兎の末裔
「モリちゃんおつかれ。ひとまずお茶にしよ!」
モーリーン
「ん……」
モーリーン
囲んでくれる、村のみんな。
優しくて温かいひとたち。
白兎の末裔
「そりゃ~疲れたよね。敵地に侵入なんて!」
白兎の末裔
「周りはみんな、人形だらけだったんでしょ?」
白兎の末裔
「味方は他に誰もいない中に潜入! なんて、モリちゃんはすごいよ~」
モーリーン
「ううん、わすれぐささまもいらしたし……」
白兎の末裔
「でもやっぱり、ワスレグサ様は救世主なわけだし……」
白兎の末裔
「ほんとよくやってるよ、モリちゃんは」
GM
末裔たちはこうしてあなたを褒め称えるが、
GM
一方であなたはよく知っている。
GM
あなたはとても賢い末裔であるから、よく知っている。
GM
あなたが選ばれたのは、結局。
GM
あなたに繋がる末裔が、一人もいないから。
マリインスキー
*モーリーンの心の疵『捨て子』を抉ります。
シザーリオ
*横槍します
シザーリオ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
シザーリオ
大きなティーセットを使用
シザーリオ
2d6+3+2>=7 (2D6+3+2>=7) > 5[3,2]+3+2 > 10 > 成功
[ アルビレオ・ファーシャ ] 大きなティーセット : 2 → 1
シザーリオ
1d6 (1D6) > 6
マリインスキー
2d6+4=>7 判定(+猟奇:4) (2D6+4>=7) > 11[5,6]+4 > 15 > 成功
マリインスキー
-6しても9なので成功ですね!!!!!!!!
[ モーリーン ] 捨て子 : 0 → -1
白兎の末裔
「どう? 美味しい?」
[ アルビレオ・ファーシャ ] HP : 20 → 19
白兎の末裔
そう訊ねる紅茶の味が、あなたにはわからなかった。
マリインスキー
人形を並べてもマリインスキーがたったひとりであるように。
マリインスキー
仲間に囲まれていても、あなたはたったひとりだ。
モーリーン
あったかいなあ。あったかい。でも。
モーリーン
あったかいだけ、みたいな。そんな気がするな。
GM
普段ならばそんなことは気にならなかっただろう。
GM
お茶会は、心の疵に触れ合う。
GM
心の疵に触れることは、相手に触れることだ。
GM
そして同時に、自分の心の疵に触れることに等しい。
GM
あなたはこの世界に徹底される残酷を、今は無視することができない。
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 アルビレオ
アルビレオ
このままシーンをもらおうか。
シザーリオ
「よう」
シザーリオ
わやわやと饗される末裔の後方から、ぽんと小さな肩を叩く。
モーリーン
「わ」
シザーリオ
「どうしたね、無事に戻ってきたというのに浮かない顔をして」
モーリーン
「いえ……うーん……浮かない顔、してるように見えますか?」
モーリーン
ぺた、と頬に触れる。
シザーリオ
「見えるなぁ」
モーリーン
「むう。困りましたね。士気が下がります」
シザーリオ
「心配せずとも、誰も気にせんよ」
モーリーン
「…………」
シザーリオ
「ははぁ、さては寂しがり屋さんだな?」
モーリーン
「さびしがりやさん」
シザーリオ
「違うのかね」
モーリーン
「え~……そんなちっちゃな子みたいな……」
シザーリオ
目の前に来て、しゃがみ込む。
シザーリオ
「君は小さいが」
シザーリオ
「小さいこととは関係ないと思うぜ」
シザーリオ
じ、と見上げながら首を傾げる。
モーリーン
もにゃつきながら、同じ方向に首が傾ぐ。
モーリーン
「そうですか?あたし、もうそんなことを言う年じゃなくないですか?」
シザーリオ
「はっはっは」
シザーリオ
「そういうのを子供っぽいっていうんだ」
モーリーン
むう。
シザーリオ
「そういえば、君はずっと一人だな」
シザーリオ
「家族は別の村に?」
モーリーン
「……家族のことはわかんないです」
モーリーン
「覚えてないくらいちっちゃい頃、捨てられてたらしくて……今までずっと村のみんなで世話をしてもらってます」
アルビレオ
「…………ああ、そうだったのか」
シザーリオ
「それで、なんだ」
シザーリオ
「まさか、恩返しのつもりで名乗りを上げたわけじゃないだろ」
モーリーン
頷く。
モーリーン
「あたしが立候補したのは、あたしが一番ちゃんとできるって思ったからです」
シザーリオ
そのまま首を傾け続けて上体が45度くらいになる。
シザーリオ
「…………」
モーリーン
「……頼りないですか?」
シザーリオ
「いやぁね」
シザーリオ
「先ほど君は、浮かない顔をしていると士気が下がるといったが……」
シザーリオ
「そう見えてることは、自分じゃわからないわけだ」
シザーリオ
「もったいないと思わないかい」
モーリーン
「もったいない」 もうちょっとつられて首が傾ぐ。
シザーリオ
ぐらりと身体を戻すと、髪が揺れる。
シザーリオ
「君には学があり、才能があり、何より伸びしろがあるというのに……」
シザーリオ
「この村にいては、それを十分に活かしきれない」
モーリーン
「…………」
シザーリオ
「…………」
シザーリオ
「『何をバカな、戯言を!』とは言わないんだな」
シザーリオ
口元を抑え、裏声で女のような声を出す。
モーリーン
「言うとしても、そんな言い方はしないと思いますよ……」
シザーリオ
「ひっひっひ」
シザーリオ
「アルビレオなら女を口説く歌の3つ4つ出てくるんだろうが……」
シザーリオ
「俺はもっと魅力的な事を言ってやれるぜ?」
モーリーン
「はあ。……なんですか?」
シザーリオ
「人形旅団が全部壊れたら」
シザーリオ
「次の晩に、君を攫う」
モーリーン
「はい?」
シザーリオ
「やっぱガキにはわかんねぇか~」
シザーリオ
ぽんぽんと頭を撫でる
モーリーン
「…………」
モーリーン
「攫って得になるようなことないですよ。代用ウミガメじゃあるまいし」
シザーリオ
「モーリーンにはないのか?」
シザーリオ
「攫われて得になるようなこと」
シザーリオ
*モーリーンの捨て子を愛で舐めます
シザーリオ
*ティーセット使うぜ~
シザーリオ
*クエストNo.3にも挑戦するぜ!
シザーリオ
2d6+3+2>=7 (2D6+3+2>=7) > 12[6,6]+3+2 > 17 > 成功
GM
*スペシャル! PCがお茶会中の判定でスペシャルを起こした場合〔自身の所有する六ペンス/2〕までの価値の小道具を1つ入手します。
シザーリオ
『日刻みの時計』を獲得するか
シザーリオ
「夜逃げするなら今だぜ。戦うのが苦手な救世主がひとりついてお買い得だ」
シザーリオ
そう言って、内ポケットから銀の懐中時計を取り出し手渡す。
シザーリオ
「君がその気になったのなら、悪魔の手を差し伸べた者として……もう少しばかりこの村に贈り物を残しておくとしよう」
シザーリオ
「考えておけよ」
シザーリオ
片目をつぶった
モーリーン
「……本気で連れてってくれるんですか?」
シザーリオ
「おっ、『救世主様』を疑うのかな?」
モーリーン
「そういうことをおっしゃるからな~」
アルビレオ
「ああ、君が望むなら」
モーリーン
「……むー」
モーリーン
「……考えときます」
[ モーリーン ] 捨て子 : -1 → 0
シザーリオ
ふ、と笑って。
シザーリオ
「さて!忙しくなるな」
シザーリオ
切り替えるように手を叩いて立ち上がる。
シザーリオ
「村の奴ら、並の救世主では敵わんくらい鍛えてやるぜ……」
モーリーン
「……よっし!頑張りましょうね!」
アルビレオ
「そうしよう」
モーリーン
「ほらみんな~、お茶会はおしまい!」
シザーリオ
「作戦会議といこう」
モーリーン
「はーい!」
シザーリオ
声をあげて気合を入れる人々を鼓舞し、怪我人を治療し。
シザーリオ
残っている亡者カボチャの位置とずらして陣形を指示する。
アルビレオ
それらはすべてアルビレオの知識の賜物。
アルビレオ
数多の戦場と、多くの武勇伝。
自慢気に話す英雄たちの日常。
アルビレオ
戦う力はなくとも、その歌には
生き延びるための叡智が刻み込まれていた
GM
村人達は叙事詩に語られる英雄に身を重ねる。
己の剣が切り開くものを知り、切り開けることを知る。
GM
誰もが無事では済まないことも、
しかし倒れても、そこに繋がるものがあることを知る。
GM
戦える。
GM
あとは勝つだけだ。
GM
ジャンナッツ
「ワスレグサ」
わすれぐさ
ふわふらとした足取りで姿を映せるものを探していたわすれぐさの足が止まる。
ジャンナッツ
手鏡を投げて寄こす。
わすれぐさ
受け取って、裏表を確かめた後で、慌てて自分の顔を映した。
ジャンナッツ
「キミにはいくらか効きすぎたようだな」
わすれぐさ
ほう、と肩で息をついて、自分の顔に触れる。
わすれぐさ
「…………」
わすれぐさ
「……はい……」
わすれぐさ
肌のきめ細やかさ、唇の朱さ、濡れ羽色の髪の流れ。
わすれぐさ
ひとつひとつ確かめてから、ようやくジャンナッツへと顔を向ける。
わすれぐさ
「ありがとうございます……」
ジャンナッツ
「……疵の力は、そういうものだ」
ジャンナッツ
「ボクにも身に覚えはある」
わすれぐさ
「じゃんなつさまにも?」
ジャンナッツ
「もとより、身に覚えがあるから、この疵がある」
わすれぐさ
「…………」
わすれぐさ
じっと目を向ける。銀色の髪、整った造作。
ジャンナッツ
「ボクは元の世界で諜報員をしていた」
わすれぐさ
ほかの何かに代わりたい、変わりたいと思うような容姿には、思われなかったが。
わすれぐさ
「ちょうほういん」
ジャンナッツ
「敵の目を欺く仕事だ」
わすれぐさ
唇を引き結んだ。
ジャンナッツ
「短くて数分で済むこともあれば、長くて数年に及ぶこともある」
ジャンナッツ
「姿を変え、声を変え、振る舞いを変え、生活を変え――」
ジャンナッツ
「すべてを偽らなければ、敵の目を欺くことはできない」
わすれぐさ
ああ……と声を漏らす。
わすれぐさ
「ほかのたれかの……かわをかぶっていたのですね」
ジャンナッツ
「そういうことだ」
わすれぐさ
ふたたび、鏡へ目を落とす。『自分』の姿を見つめる。
わすれぐさ
「……それは、たいへんなおしごとですね」
わすれぐさ
この姿。この姿を一時的にでも失ったのは、自分にとって恐ろしいことだった。
わすれぐさ
それにしばらく気が付かなかったなんて、それこそ驚くべきことだ。
ジャンナッツ
「今でもボクは、自分の元の性別も思い出せない」
ジャンナッツ
「そういう力をキミに使った。自分を見失いもするだろう」
わすれぐさ
「そうでしたか……」
わすれぐさ
ジャンナッツの心の疵の力は強力だ。
わすれぐさ
その力のためにわすれぐさは自分を見失った。それは正しい。
わすれぐさ
しかし、その奥にある本当の理由……
わすれぐさ
……それを、さすがにかれも気取ってはいないだろう。
わすれぐさ
そう、あのとき、わすれぐさの姿を見たのは、マリインスキーとその人形たち。
わすれぐさ
あるいはモーリーンも。
わすれぐさ
「おこころづかい、ありがとうございます」
わすれぐさ
手鏡をそっとジャンナッツに返し、わすれぐさは笑みを浮かべた。
わすれぐさ
あるいは、笑みはずっと浮かべたままだったかも知れない。
ジャンナッツ
受け取る。
わすれぐさ
笑顔以外の表情を知らないように、わすれぐさは微笑み続けている。
わすれぐさ
「わたくし、もうだいじょうぶです」
わすれぐさ
心の疵は確かに抉れている。本当の意味で大丈夫だとは言い難い。
わすれぐさ
それでもわすれぐさはそう言って、頭を下げる。
ジャンナッツ
大丈夫ではないことは見て取れる。しかし、出来ることはない。
ジャンナッツ
「あの末裔に紅茶でも淹れてもらうといい」
ジャンナッツ
この場を去る。
わすれぐさ
「はい……」
わすれぐさ
かつて
わすれぐさ
醜い本性を暴かれ、追い立てられ、八つ裂きにされて地を赤く染めた。
わすれぐさ
死したはずのこの身体が、身に纏った皮ごと堕ちてきたこの国。
わすれぐさ
馬車の間に間に起こったことは、確かにその再演だったけれど。
わすれぐさ
自分はまだ、またこの美しい姿をきちんと身に纏っている。
わすれぐさ
だから、だいじょうぶ。
わすれぐさ
だから、あとは、わたくしが醜いことを知るものを。
わすれぐさ
……
GM
本日は以上です! 残るはマリインスキーの手番1回と……裁判!!
GM
明日には裁判入りますね。
GM
では! おつかれさまでした~~!!!
GM
みなさまおそろいでしょうか。
アルビレオ
はい
モーリーン
はーい
わすれぐさ
はーい
GM
Dead or AliCe『救世主 VS オレンジペコ盗賊団 VS 『人形旅団』マリインスキー』
GM
ダージリン!
GM
本日もよろしくお願いいたします。
アルビレオ
よろしくお願いします
わすれぐさ
よろしくおねがいいたします
モーリーン
おねがいします!
ジャンナッツ
……前回までのあらすじだ。
ジャンナッツ
救世主マリインスキーの拠点に乗り込んだ救世主たちはその心の疵を探り当て、彼女の友とする人形を破壊した。
ジャンナッツ
心の疵を抉られた人形旅団はいくらかその勢いを削がれ、当初よりもいくらか、我々に有利な状況となった。
ジャンナッツ
代償として、わすれぐさ、モーリーンの心の疵が抉れたが、モーリーンの方はアルビレオ……いや、シザーリオがケアをしたようだ。
ジャンナッツ
決戦に向けて村人に訓練が施され、士気も十分。
ジャンナッツ
……さて、何人が生き残るかな。
GM
GM
*お茶会 ラウンド2 マリインスキー3
GM
準備が着々と整う一方で、敵の攻め手も激化していく。
GM
壁の向こうに撒いたカボチャの亡者があらかた破られたらしく、城壁を乗り越えてくる人形が増え始めた。
GM
村で一番大きな門を、ガン、ガン、と打つ音も鳴り止まず、ひしゃげ始めている。
GM
幾重に施した補強も、すぐに変形してはじけ飛んでしまう有様だ。
ミント
壁の向こうから、ぽーんとミントが村に投げ入れられ。
チョコ
「もーーーーだめです!!! 大群が押し寄せてきました!」
チョコ
と、追ってチョコも慌てて村に帰ってくる。
アルビレオ
「…………ふむ、物資の方もそろそろ限界だな」
アルビレオ
慌てることもなく退却してきた二人の方を見れば、村人たちがせっせと補強を施している。
『人形旅団』
村に押し寄せる人形旅団の跫音は、皆一様に揃っている。
アルビレオ
「決戦のときは来たれり、か」
わすれぐさ
「にんぎょうをすこしおいはらっても、きりがありませんね」
『人形旅団』
時計の秒針のように正確なその足音は威圧的で、まさに刻々と、破滅の時までを数え上げるようだ。
アルビレオ
「二人が戦力をそいでくれたおかげで、轢き殺されることはないだろう」
モーリーン
「あの数なら、一緒にマリインスキーも来てると思いますし」
わすれぐさ
「はい、まりいんすきいめをたおしましょう」
『人形旅団』
ガン、ガン、と門を叩く音は、そして。
『人形旅団』
文字通り、補強に補強を重ねた門が、木っ端微塵に砕け散り。
『人形旅団』
村へとなだれ込んでくる。
わすれぐさ
「!」
モーリーン
「来た!」
GM
「来たぞ!!」「人形旅団だ!!!」「うわ、うわああ!!!」
GM
悲鳴が上がる。
『人形旅団』
人形旅団は容赦なく、まずは手始めに火を放つ。
『人形旅団』
人形旅団は心がなく、冷徹な軍隊。
シザーリオ
こりゃ大変だ
『人形旅団』
捕虜も取らず、兵站も必要とせず、殺戮そのものが行動の原理。
『人形旅団』
備えたとおりに、訓練したとおりに、末裔は確かに人形旅団に抵抗する。
『人形旅団』
ある程度の功を奏し、いくらかを撃破する。何人かは逃げ延びる。
モーリーン
消火活動の指示が飛ぶ。水が足りなければ、燃え移る前に家ごと壊すしかない。
アルビレオ
容赦のない
『人形旅団』
しかし、脅威度5の救世主の、圧倒的な暴力を押し退けるほどではない。
わすれぐさ
目についた人形を破壊して、襲われている末裔たちを何人か逃れさせるが、まさに多勢に無勢だ。
アルビレオ
その手に、竪琴を。
わすれぐさ
人形が末裔を殺せば、そのぶん人形が増える。
わすれぐさ
殺されなくても、手や足が傷つけられればそこが人形と化す。
白兎の末裔
――前線近くで、負傷者を逃がそうと手伝っていた、白兎の末裔が一人。
白兎の末裔
お茶を淹れるのが上手な。
アルビレオ
弦を弾く音。
襲われる末裔と人形の間にはられた音の防壁が、逃げ延びる手助けをする。
『人形旅団』
人形旅団の乾いた、容赦の無い銃砲。
アルビレオ
ふと、その視線の先に
『人形旅団』
悲鳴。
白兎の末裔
アルビレオの目の前に、撃たれた末裔が倒れる。
アルビレオ
「……!」
アルビレオ
刺殺されるのを防壁では防げない。
アルビレオ
かばうように間に入り、末裔の身体を引き寄せる。
白兎の末裔
「あっ……救世主さま……」
アルビレオ
「無理をするな、引こう」
白兎の末裔
「わたしは……大丈夫です……」
白兎の末裔
「救世主さまが村のために頑張って戦ってくれた、それだけで……」
白兎の末裔
「わたしはそれだけで、身に余る光栄で……」
アルビレオ
「よせ」
アルビレオ
両手が血に染まる。
アルビレオ
背後から、人形たちの迫る音。
白兎の末裔
末裔は脆い。
白兎の末裔
6ペンスコインのない末裔は、いとも容易く死ぬ。
白兎の末裔
血が、体温が、命が、あまりに溢れすぎている。
アルビレオ
「歩け……ないか」
アルビレオ
この場でシザーリオに変わることは出来ない。
あれは歌えない。
白兎の末裔
地面を黒く染め、火の手の明かりを照り返している。
白兎の末裔
そのまま返事はなく、力なく倒れ。
白兎の末裔
絶命する。
アルビレオ
「…………」
アルビレオ
白い髪を赤く染まった手で撫でる
白兎の末裔
あなたの慰撫が、末裔の乱れた髪を均す。
シザーリオ
おい、馬鹿野郎。
シザーリオ
何してる、そんな悠長なことをしていたら
GM
そう。
GM
その一瞬が、命取りだった。
GM
あなたの腹部に、深々と。
GM
鋭利な刃物が突き立てられる感覚がある。
アルビレオ
「……っ!」
アルビレオ
鋭い痛みと、異物感。
白兎の末裔
白兎の末裔は、白兎の人形として、立ち上がり。
白兎の末裔
あなたをそのままめった刺しにする。
アルビレオ
「ぁ……」
マリインスキー
*アルビレオの心の疵『吸血衝動』を抉ります。
わすれぐさ
*横槍をします
わすれぐさ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
わすれぐさ
わすれぐさ
*ティーセットを使用します
わすれぐさ
2d6+2=>7 判 (2D6+2>=7) > 4[1,3]+2 > 6 > 失敗
わすれぐさ
どうしよう、ウサギのお守り使うかな?
わすれぐさ
いや~
わすれぐさ
びみょーですね
わすれぐさ
やめましょう。
マリインスキー
2d6+4=>7 判定(+猟奇:4) (2D6+4>=7) > 12[6,6]+4 > 16 > 成功
わすれぐさ
モーリーン
??
マリインスキー
完璧に抉れました。
アルビレオ
「く……ぐ……」
アルビレオ
頭を押さえる。
アルビレオ
こみ上げる吐き気と、荒くなる呼吸。
アルビレオ
その場に、崩れ。
アルビレオ
金の髪が血溜まりの上に散らばる。
白兎の末裔
その兇刃は赤く濡れている。本来の力ない末裔のものではない。
白兎の末裔
人形旅団。
アルビレオ
「…………は……」
チョコ
「アルビレオさん!!」
アルビレオ
目の前の『人形』の頭を掴むと、もう片方の手で肩を掴み、首に咬み付く。
アルビレオ
無論のこと、そこに通う血はない。
アルビレオ
「くそ……っ!」
チョコ
「アルビレオさん! 大丈夫ですか!」
チョコ
「ミント!!! こっち!!! はやく!!!」
チョコ
離れたところにいる、愛の力を持つ仲間を慌てて呼び寄せる。
アルビレオ
ぼたぼたと流れる血。
チョコ
「ここは私が凌ぎますから、耐えてくださいね!」
アルビレオ
視線が、目の前の動くものを捉える。
チョコ
大鉈を振るい、人形旅団を相手取る。
チョコ
アルビレオを背に守り。
アルビレオ
ずるり。ずるり。身体を引きずるようにたちあがり……
アルビレオ
血塗れの手を、伸ばす。
チョコ
チョコは――嬉野千代子は気付かない。
アルビレオ
「寄越せ」
アルビレオ
その背、襟の下あたりの服を掴んで引き寄せる。
チョコ
「あっ――!」
チョコ
咄嗟に振り返ろうとして、気付く。
チョコ
「アルビレオ……さん……?」
アルビレオ
ぐい、と逃さぬよう。
右腕を腰に回し
アルビレオ
「寄越せ」
チョコ
「な、にを……」
チョコ
チョコは逡巡する。アルビレオはまだ……死んでいない。喋っている。人形ではない。
アルビレオ
後ろから抱きしめるように。
左手で口を塞ぐように押さえ。
アルビレオ
「…………」
チョコ
「ん、ん――ッ!!」
アルビレオ
首筋に、噛み付いた。
チョコ
大鉈を仲間に振るうことも出来ず、藻掻いても引き離すことは出来ず。
チョコ
牙が首に至る。
シザーリオ
やれやれ、優雅さのかけらもないな
アルビレオ
その犬歯は鋭く、咬み付いた首から赤く暖かい生を啜る。
チョコ
「んんん――!!」
チョコ
うなり、もがき、引き剥がそうとする。
アルビレオ
指先で唇をなぞるように撫でる。
チョコ
しかし、血を喪失していく、その脱力感。
アルビレオ
こくり、こくりと喉が鳴る。
チョコ
指先から凍えていく感覚が、力のいれどころを曖昧にしていく。
シザーリオ
いい薬も、どんな治療も
シザーリオ
そりゃ、やりすぎりゃ毒にもなるさ
アルビレオ
脱力していく身体を片腕で支えながら
チョコ
次第にそのうめき声も緩く、か細くなる。
チョコ
がらん、と大鉈が地面に落ちる。
アルビレオ
「…………」
アルビレオ
その音に、ようやく
アルビレオ
「……ぁ……」
アルビレオ
口元から血が滴る。
鉄を口いっぱいに頬張ったような不快感。
チョコ
チョコは己で立つことが出来ず、あなたに身を任せるまま。
アルビレオ
「っ……!」
アルビレオ
崩れ落ちる身体を、支えて。
シザーリオ
「おっと……」
シザーリオ
音の障壁は崩れ、代わりにしっかりと少女の体を支える。
チョコ
「あ……」
シザーリオ
「悪いなぁ、お嬢さん」
チョコ
白濁した意識が戻り、あなたに視線だけ寄せる。
シザーリオ
「おかげでこっちは楽になったぜ」
シザーリオ
迫りくる人形から逃れるように走り出す。
シザーリオ
「ま、あんたちょっと戦いすぎだ。」
シザーリオ
「おとなしく奥で休んでな」
チョコ
ただ黙って頷いた。
アルビレオ
「すまん」
シザーリオ
なぁに、生存本能ってやつさ。
チョコ
……そんなものだ。救世主、心の疵。仲間から不意に攻撃されることだってある。仕方がない。
アルビレオ
目の前で人形に変わった末裔の少女。
アルビレオ
あの人形と、私と、何が違うだろう。
チョコ
堕落の国に来たら、生きていくためには否応なく人殺しなんかさせられるし。そういう最低な世界。
チョコ
いや、こんな世界じゃなくたって、世界はだいたい、最低なことばっかりだ。お金のために、色々と、しなきゃいけなかったし。
チョコ
だから、ここで私が倒れても、しかたがない。
チョコ
まあ、しかたがないね。
アルビレオ
救うことができる力を制御できない。
いや、こんな力で人を救うことなんて出来ない。
チョコ
――心の疵『割り切り』。
シザーリオ
口元の血を舐め取る。
シザーリオ
末裔のより、ずっと美味い。
チョコ
『割り切り』 0→-1
シザーリオ
「まぁ、安心してまっとけよ」
シザーリオ
「俺か、アイツらか……」
シザーリオ
「どっちかは消えるんだからさ」
シザーリオ
楽しげに笑う。
GM
チョコは前線から離脱した。
[ アルビレオ・ファーシャ ] 吸血衝動 : 0 → -1
GM
取りこぼした大鉈と、首から溢れた血が点々と落ちている。
アルビレオ
結局、こうだ。
アルビレオ
私は異常だ。
アルビレオ
ただ、それを忘れようとしているだけ。
アルビレオ
そうでないふりを、しているだけだ。
モーリーン
*わすれぐささまが判定に失敗したので、小言好きを割り込んでおきます。
モーリーン
次の判定+3!
わすれぐさ
よよよ
[ わすれぐさ ] HP : 18 → 17
[ モーリーン ] ティーセット : 1 → 0
『人形旅団』
門は破られ、人形旅団がなだれ込んだ。
『人形旅団』
戦火は瞬く間に広がり、命を、心を蹂躙する。
『人形旅団』
純粋な暴力の本流には、何者も逃れることはできない。
『人形旅団』
あなたがたにできるのはただ、それに抗うのみ。
『人形旅団』
GM
というわけで、お茶会が終了しました。
GM
全ての心の疵が抉れているマリインスキーは発狂。
GM
オレンジペコ
「ここはオレさまたちが引き受けるぜ!!!!!!」
オレンジペコ
「お前達は大将を殺れッ!!!!!」
ミント
「やれ~」
わすれぐさ
「ありがとうございます」
アルビレオ
「ああ」
モーリーン
「行ってきます!!」
オレンジペコ
一回言ってみたかったんだよな~これ
オレンジペコ
ティーカップを片手にナイフを振るい、人形達を引きつける。
オレンジペコ
紅茶は一滴もこぼれない!
わすれぐさ
ティーカップ、手放さないのですね……
わすれぐさ
盗賊団(なぜかふたりになってる)に人形たちを任せて、マリインスキーのもとへ向かう。
アルビレオ
「…………」
わすれぐさ
それでも多少寄ってくる人形を爪で振り払いながら。
『人形旅団』
幾重の壁になって襲いかかる、人形旅団。
『人形旅団』
しかし、不意に彼らは、同士討ちを始める。
わすれぐさ
「!」
『人形旅団』
人形はたがいに、姿で識別しあう。
シザーリオ
おうおう、やるじゃねーか
ジャンナッツ
「人形はボクが止めよう」
ジャンナッツ
*マリインスキーの精鋭2体を破壊。
ジャンナッツ
戦う末裔達の姿を人形に変える。
ジャンナッツ
人形は敵と味方の判断が付かない。
マリインスキー
そして。
マリインスキー
マリインスキーまでの道が開かれる。
マリインスキー
「……」
マリインスキー
少女の顔には、もはや表情はない。
マリインスキー
人形のように、言葉を発さず。何かを目で追うことさえせず。
マリインスキー
ただ真っ直ぐ立っている。
マリインスキー
その手に壊れた人形を抱いたまま。
マリインスキー
――もはや、心など、言葉など、必要ない。
マリインスキー
全ての人間に死を。
わすれぐさ
炎が散り、銃声が鳴り、規則正しい人形たちの足音が響く。
わすれぐさ
拓けた道を駆け抜けて。
わすれぐさ
微笑む女が、少女の前に立つ。
わすれぐさ
正しい姿、おのれのこうあるべきと思う、ほんものの姿で。
アルビレオ
人形の規則ただしい足音は喧騒にのまれ
アルビレオ
進軍の、太鼓の音は響かない
アルビレオ
弦をひと弾き、ふた弾き
アルビレオ
青い目が、人形のような少女を見る
アルビレオ
この音も、空の心には響くまい
モーリーン
二人の救世主の隣、小さく幼い姿がひとつ。
モーリーン
マリインスキーの抱く、壊れた人形。己の壊した人形。
モーリーン
一瞥してから、マリインスキーの表情を見る。
モーリーン
どんな色も宿さないそれは、燃える村の照り返しに美しい。
モーリーン
けれど。
モーリーン
そんな美しさは、あたしたちの生活にはいらない。
モーリーン
くるんと指先に遊ばせる小さなナイフ。
モーリーン
芋でも剥くような、日常のための刃。
モーリーン
それだけが、この手にある。
それだけでも、勝ってみせる。
GM
人間と人形とを区別する、最たるものの一つ。
GM
心。
GM
裂かれ、閉ざし、空の心となりはてれば。
GM
いまや彼女もまさしく人形。
GM
人形の、人形による、人形のための――まさしく『人形旅団』。
GM
救世主 VS オレンジペコ盗賊団 VS 『人形旅団』マリインスキー。
GM
――裁判開廷。