GM
蠟燭が置かれるとほのかに部屋は明るくなり、
寝台の上に寝ている女を照らし出す。
ラーヘル
ただし、その身体的な特徴は、芋虫のものとは合致しません。
ラーヘル
身長も、髪の色も、目の色も。触角もなければ、脇腹に気門もない。
ラーヘル
ただ、腕がなく、それをもってただ『芋虫』だと冗句で名付けたような。
ラーヘル
話によると、閉鎖的な集落に生まれ、見た目が芋虫ではなかったから、腕を断たれてそれらしくされたとか、繰り返し偸みを働いて罰として腕を取られたとか。
ラーヘル
客相手によって言っていることを変えています。
ラーヘル
その、客に媚びる娼婦らしからぬ皮肉げで揶揄するような言い回しは、あるいは唯一、芋虫の末裔らしいかもしれません。
ラーヘル
女は昔、恋をしていたようなことを話します。
ラーヘル
その男は罪人で、女は命じられてその男を殺したのだとか。
ラーヘル
恋をするというのはまさに、にんげんらしい感情と言えるでしょう。
ラーヘル
しかし女は、その男のことを怪物であったと思っています。
ラーヘル
男を死に追いやった今も、自分がその男と同じ怪物でなければ、つり合いが取れず顔向けができないと、そう思い、怪物であることを望んでいます。
ガフ
元の世界では"猛きアンゾワーネのガフ"と呼ばれていた。
ガフ
元々アンゾワーネ家は立場の弱い家でしたが、ガフが生まれたことで"猛き"名を与えられるまでに成長しました。
しかし、強くなればなるほどガフの望むものは遠のき、日々飽き飽きしていました。
ガフ
こちらの世界に堕ち元の力を失いましたが、ガフは少し生き生きしているようにも見えます。
ガフ
愛する者と交わり、取り込み、ひとつになりたい欲があります。
ガフ
過去に戦場で惚れた相手がいましたが、三日三晩の戦いの末に食い殺しました。
ガフ
元の世界で強者だったガフは、孤高の存在でした。
ガフ
ゆえに、堕落の世界で力を失った今。自分の対等の存在が多くいることに昂りを覚えています。
GM
堕落の国に堕ちてきたあなたは、ある街の娼館に通っていた。
GM
だからその日も、いつものように、今まで抱いたことのない女にしようと。
GM
娼館のあるじである白兎の末裔にいって、部屋に通させる。
白兎の末裔
「ちょっと変わった、人気のない娼婦なんですがね」
GM
そんなことを言いながら、白兎の末裔はあなたを部屋に連れて行くと、扉の前で去っていった。
GM
通常は、娼婦が部屋の外まで出てきて迎えるものだが、その様子はない。
ガフ
「それもまた一興ってな」
そう言って扉に手をかけ…
ガフ
「救世主ガフ様だ、相手を頼むぜっ!」
勢いよく扉を開け放つ
ラーヘル
変わった、というのは一目瞭然。ベッドの上にいる女には腕がない。
ラーヘル
けだるげに寝台にもたれかかり、女は微笑む。
ラーヘル
「ごらんの通り、腕がないと立ち上がるのも一寸億劫でね」
ガフ
「ははは、ちょっと変わったってこーいうことかい!」大口をあけて笑う
ガフ
「いいぜ、そのままで」
ベッドの近くまで歩み寄る
ラーヘル
「私は、……あんた、娼婦の名前は知りたい方?」
ラーヘル
ベッドの近くまで来たあなたを見て、名乗りかけて言葉を止め、ふとそんな問いかけ。
ガフ
「いんや、どうせ今晩だけの関係だ。名前なんざ………あん?」
そう言いかけて、首を傾げる。
ガフ
「………………」
腰を屈ませ見つめる。角度を変えて見つめる。ぐーるぐーるとあなたを見つめる。
ガフ
「くんくん…」
しまいには鼻を近づけて匂いまで嗅ぎ始める。
ラーヘル
匂いまで嗅がれる段になって、わずかに緊張が走る。
ラーヘル
女が緊張していた理由は、あなたがこちらが救世主ではないか疑り、勘付いたのではないかと思ったから。
ラーヘル
コインもないまま期日が迫り、余裕ぶった振る舞いをしていても
ラーヘル
その内心の焦りや緊張を見透かされ、殺されでもするのかと思ったのだが……
ガフ
「俺の直感が言っている。お前は、俺にふさわしいってな!」
ぐっ、と自分に指を突き立てる。
ラーヘル
「ええと、あんたは確かに私を買って、この部屋にいる時間はあんたの自由だから、あんたのものには違いないが……」
ガフ
「まじだぜ?この部屋の中、この時間だけじゃあなく…お前の全部、俺のもんになれって言ってんだ」
とんとん、とベッドを指でつく。
ラーヘル
感心したような、呆れたような、そんなため息が思わず口からこぼれた。
ラーヘル
「私はしがない末裔で、腕もなくて不自由してる」
ラーヘル
「救世主さまがそんな私を欲するとおっしゃるならば、諸手を上げて喜び、受け入れるのがふつうってもんだが……」
ラーヘル
「あいにく、私はまだあんたのことを何も知らないんですよ、ガフ様」
ラーヘル
「私はもう少し、あんたのことを知りたいな」
ガフ
「…かーっはっはっは!そりゃあそうだ!!」
顔に手を当て、笑う
ラーヘル
「で、今差し当たってあんたのことを知る方法って言ったら……分かるだろ?」
ガフ
「いいねぇ。じゃあまずはお互いを知っていこうじゃあねえか…」
ラーヘル
面白いことを言う男だ。それは間違いないけど。
ラーヘル
あなたの下になりながら、女は動く足を絡めて、冷静に頭を動かしている。
ラーヘル
コインのない私を連れて、あんたはどこかに行ける?
ラーヘル
私に気を許しているところを殺してコインを奪った方が、自分が生き残るのに確実に思える。
ラーヘル
あんたを殺すことにする……だって、私のことを気に入ったなんて言うんだからな。
ラーヘル
そのほうが私らしい。そのほうが怪物らしい。
ラーヘル
それでも私は、怪物でいなきゃいけないんだからな。
GM
お茶会に入る前に、改めてMODを提示し、クエストを公開していきます。
心の疵MOD「逆棘」
裁判開始直前に、すべての○の心の疵を●にします。すべての舐めが、決定的なタイミングにより抉りへと変わるMODです。
お茶会MOD「セルフ横槍(PC1)」
PC1のみ、自分自身に対する行動についても横槍ができるようになります。1対1だと横槍が入れられないため、入れられるようにするMODです。PC1だけ。
裁判MOD「不意を突く(PC1)」
PC1が行動順を決定できるようになります。またPC1は初めの手札を15枚引くことができます。(手札の上限は5枚で変わりません。引いたのち、5枚まで減らしてください)
PC1が終わらせると決めたとき、それが裁判開廷の合図です。
お茶会MOD「クエスト」
ただし、脅威度0の救世主に有利なものが揃っています。
クエストNo.1(PC1のみ) 心を奪う
概要 魅了し、引きつけ、意のままに動かす。
条件 PC1であること・PC2を舐める行動にのみ組み合わせられる。
目標値 7
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。
成功 PC2の次の行動のクエストを指示することができる。
失敗 PC1の心の疵を回復するか悪化することで、行動とクエストの両方を成功したことにしてよい。この決定はPC1が行い、PC2が内容を指示する。その際、心の疵についてPC1自ら相手に明かすこと。
クエストNo.2(PC2のみ) 心付けを渡す
概要 あなたは相手に気に入られたい。だから、贈り物をする。
条件 PC2であること。
目標値 自動的に成功
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。
成功 PC2は凶器以外の宝物を全て破棄し、PC1は合計価値10以下まで衣装か小道具を獲得する。PC1が内容を指示する。
クエストNo.3(PC2のみ) 心を開く
概要 あなたは相手をもっと内側に招きたい。だから、心の鍵を渡す。
条件 PC2であること。
目標値 自動的に成功
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。
成功 PC2はPC1に対し、技能による同意や許可を求められたときに拒否できなくなる。(主に調律について。他には伝授、貢物、愛染など)
クエストNo.4(PC2のみ) 心を染める
概要 あなたは相手を心から望む。だから、相手の望むままになりたい。
条件 PC2であること。
目標値 自動的に成功
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。
成功 自身のデッキから技能を一つ入れ替える。その際、PC1が内容を指示する。
クエストNo.5(PC2のみ) 心を解く
概要 あなたは相手を信じ切っている。だから、装備を遠ざけても気づかない。
条件 PC2であること。
目標値 自動的に成功
消滅条件 お茶会終了と同時に消滅。
成功 凶器を『素手』に変更する。
クエストNo.6(PC1のみ) すべてを明かす
概要 すべてを明かし、救世主であることを認め、許しを得る。
条件 PC1であること。
(このクエストを行う場合に限り、PC1はお茶会終了時に追加の手番を得てもよい。GMはお茶会終了時に確認すること)
目標値 PC2が成否を判断する。
消滅条件 成功するか、お茶会終了と同時に消滅。
成功 No.2を除くすべてのクエストで得た効果、心の疵MOD「逆棘」、裁判MOD「不意を突く(PC1)」を破棄し、裁判の相手を変更する。(PC2は6ペンスコインを3枚か6枚を融通し、能力値の合計が2、1の救世主としてそれぞれ作り直しても良い。GMの判断により、裁判を省略してもよい)
失敗 No.2を除くすべてのクエストで得た効果、裁判MOD「不意を突く(PC1)」を破棄する。
客シーン表
1 あなたは誰も客に取らなかった。脱がされるべき店のドレスと下着を自分で脱ぐ。
2 あなたは誰も客に取らなかった。代わりに店主の白兎の末裔が不機嫌そうに、あなたを抱く。
3 三月兎の末裔だ。喜ばせなくても勝手に喜ぶ。喜ばせればもっと喜ぶ。
4 白兎の末裔だ。あなたを救世主だとは気づかないため、その敬いが差し向けられることはない。
5 トカゲの末裔だ。長く辛抱強いという性質が、あるいはあなたに多くの仕事を求める。
6 コックの末裔だ。行き過ぎた胡椒への執着で、あなたに胡椒をふりかける。
7 帽子屋の末裔だ。ムードを求める。お洒落を解かせても、その帽子までは脱がせない。
8 眠り鼠の末裔だ。あなたには添い寝を求める。しかし、夢が休む場所でないことを知ることになる。
9 暴力的な救世主だ。力を知らしめ服従させる。うっかりあなたを殺しても、誰も咎められない。
10 紳士的な救世主だ。あなたを丁寧に扱うが、客と娼婦、救世主と末裔の一線を越えない。
11 末裔をつれた救世主だ。二人であなたを試したり、末裔とあなたの交わりを観て楽しむ。
12 前と同じ客だ。すっかりあなたをお気に入りにしている。
ラーヘル
ことが終わって、女の身体がけだるげにベッドに沈み込んでいる。
ラーヘル
「その毛が、触ると抱き合ってるときもけっこうくすぐったいこととか」
ラーヘル
はあ、と再び息をついて、顎を上げて喉を晒す。
ガフ
「かっはっは!毛のない奴にゃこいつは結構邪魔だったかもな、わりぃわりぃ!」
ラーヘル
毛が生えてるやつの相手はほかにしたこともないわけじゃないし、と言いかけて黙る。
ラーヘル
こういう時ほかの男の話をされて気分を害さないやつかどうかがまだ分からないから。
ガフ
男の行為は力強く、体格差のせいもあって多少乱暴に見えたかもしれないが…どこか遠慮のようなものがまだあった。
ラーヘル
この男の力強い体躯に比べたら、人間のおんなのからだってのはいかにも脆弱だから、
ラーヘル
そのへんの力加減をしているのかと思う。いや。
ラーヘル
身体を重ねて分かったが、なにか堪えているように感じた。
ラーヘル
どうするにしたって、その隠されている部分を晒してもらうところから。
ラーヘル
ベッドの上でもぞりと寝返りを打ち、一度うつぶせになってから頭と体で起き上がる。
ラーヘル
あなたに一度、日を浴びない女の白い背が向けられてから、再び視線が合った。
ラーヘル
「……あんたさ、気に入った女に遠慮するタイプ?」
ラーヘル
「女ってさ、意外と分かんだよなそういうの」
ガフ
「………」
男はにやりと笑うだけで、それに返さない。
ラーヘル
むろん、こちらを末裔だと思っているあなたには、それが分からないだろうが。
ラーヘル
「どうなんだよ、ガフ……私をモノにして連れて行ったあと」
ラーヘル
「そうやって我慢してるのを、ほかの女で済ます気かい?」
ラーヘル
「悪いねえ、こういう時、遠慮ができなくて、何でも聞いちまうんだよ」
ラーヘル
「だって、自分を気に入ってものにしようって言う男のことなんか、何でも気になるだろう?」
ラーヘル
腕のない女の身体がぴたりとあなたに沿う。胸が押し付けられる。
ラーヘル
人間の女の胸ってこういう獣人にとっちゃどうなんだろうな、とちらりと思う。
ガフ
その胸をわし掴み、あなたの目を見つめる。
獣人にとっても人間の乳は乳、やわらけえもんは好きだ。
ラーヘル
息が飲まれる。単純な刺激もあるが、あなたの手は軽々とこちらの胸など握りつぶしてしまえるだろうから。
ラーヘル
ただ、目は逸らさないままあなたを見つめている。
ガフ
「お前に不満があるわけじゃあねえ。我慢しなけりゃあ…」
一拍言葉が途切れる。
ガフ
「こっちの立場も怪しくなる、そういった類のやつだよ」
ラーヘル
「そりゃ、ずいぶんあやふやな言葉遣いだ……」
ラーヘル
「あんたはこの部屋では、王様なんだぜ、ガフ」
ラーヘル
「私を殺したって、あの白兎のオヤジは何にも言わない」
ガフ
「………」
うやむやにはできねえかぁ、と内心で首をひねる。
ラーヘル
女の目が、逃がすまいとするようにあなたをじっと見つめている。
ガフ
「しゃーねぇなあ〜〜〜!」
頭をかいて、大きくため息を吐く。
ガフ
「食って、取り込んで、ひとつになりてえと…そう思ってる」
ラーヘル
思わず相槌をすることを忘れ、ただ相手の言葉を咀嚼するように瞬きがなされる。
ガフ
「でもよぉ、美味いもんも食っちまったらなくなっちまうだろ?」見せつけるように歯を剥いて笑う
ラーヘル
救世主の心の疵はさまざまだ。異常性、心的外傷。
ラーヘル
そういうものに対して、救世主として戦っていたころのラーヘルは常に暴力で接してきて、ろくに向き合いもしなかったが。
ラーヘル
そういう意味ではガフの疵はひどく自分に馴染みやすく納得できる。
ラーヘル
殺して取り込んで自分のものにする。その欲望と、殺して取り込んで自分のものにした〈あと〉どうなるかが釣り合わないことについて。
ラーヘル
相槌を打ちながらぼんやりと頭を動かし、あなたの牙を見上げている。
ガフ
ガフのこれは明らかに異常性だ。しかし、それと同時に心の傷でもあった。
ガフ
まるで、殺して取り込んだ〈あと〉どうなるかを知っているかのように。
ラーヘル
そう……そうでなければ、食べるのを堪えるはずがない。
ラーヘル
気に入った女をとりあえず食ってしまって、次の女に向かえばいいだけの話だ。
ガフ
「……………こえー女」
そうは言うが、本当に恐れているわけでも…拒んでいるわけでもなさそうだ。
ラーヘル
「でもそれって、あんたを知りたいからだぜ……」
ラーヘル
少し冗談めかしたその声が、あるぜ、という言葉に語尾が小さく消えて。
ガフ
「かっはっは!じゃあ話すしかねえなあ!」
わざとらしく声量を上げる。
ラーヘル
ただその笑みは少し硬くなる。……好きなものを自らの手で失った話。
ガフ
「むかーしむかし。マジで好みの女と出会えたんだがなぁ…その場の勢いと、興奮のままに食っちまったんだわ」
ガフ
「食ったその瞬間はそりゃあ最高の気分だったが、そのあとはダメだ。賢者タイムってやつになっちまった」
ガフ
「もう二度と味わえない最高の料理。これを感情のままに食っちまうか、食わずに眺めそばに置くか」
ガフ
「…あー、これだと食い物に例えるのはなんか違ぇかもな」
ラーヘル
「そうだなあ、私も今……同じことを言おうと思ってた」
ラーヘル
「でもあんたにとっては、料理にも見えるってことか」
ラーヘル
あなたの仮定の問いを超えて、自分の疵に思いを馳せてしまう。
ラーヘル
「それは……なんていうか、フクザツな感じだ」
ラーヘル
自分の手で殺したわけじゃなくて、刑の執行に居合わせて、最後の命を銃手に下しただけ。
ラーヘル
「怒らないでほしいんだが、それがなんだか少し羨ましい」
ガフ
「へぇ…」
あなたの疵に触れてることなど露知らず、男は頷く。
ラーヘル
「自分の手で愛するものを殺したあと、食っちまうこと以上に自分のものにできる手段が、いまいち思いつかないから……でも」
ラーヘル
「……でも……やっぱり、それってあんたも、寂しいんだな」
ラーヘル
*ガフの疵『性食欲』を舐めます。ティーセットを使用。
ラーヘル
*PC②はこれに、横槍を行うことはできません。
[ ラーヘル ] ティーセット : 2 → 1
ラーヘル
*クエスト『心を奪う』に挑戦します。クエストは振った後指定。
ラーヘル
2d6+2=>7 (2D6+2>=7) > 10[4,6]+2 > 12 > 成功
ラーヘル
*次にあんたが挑戦するクエストは『心付けを渡す』だ。
ラーヘル
「欲しくて欲しくて……手に入れる手段だと思ってたものが」
ラーヘル
「本当は一時のもので、永遠に自分のものになるわけじゃなかった……」
ラーヘル
「もし、あんたが私をものにして、私がそれを受け入れて……」
ラーヘル
「あんたが〈それ〉に耐えきれなくなって、私を食っちまった時」
ラーヘル
「その時に、もっと私を知って、もっと致命的なぐらいに最高になって、後悔して」
ラーヘル
「ほかの女に次惚れるなんて考えられないようにしたら……」
ラーヘル
「そしたらあんた、どうなるだろうな……?」
ラーヘル
すぐに距離を詰めてくるのも、大きな口を開けて笑うのも、乱暴な抱き方も、こちらの問いに素直に答えてくれるのも。
ラーヘル
だから殺すつもりであると同時に、殺される想像をする。
ラーヘル
胸を鷲掴みにされたまま、じっとあなたの目を見上げている。
ガフ
怖い?寂しい?…俺が?
獣人の中で最強とも言われたこの俺が、そんなことを恐れているって?
ラーヘル
女はそれを当然のものとして指摘して、その先の話をした。
ガフ
あの時の興奮をまだ覚えている。思い出せる。
けれどそれは、もう"ない"ものに縋っているだけだ。
ガフ
それがこの女の言う通り、致命的なくらい最高だったなら。
ガフ
〈それ〉を理解した上で。目の前に俺がいる状況で。
ガフ
女がそれを問いかけてくる。そっちの方がよっぽど恐ろしく、昂った。
ガフ
少しだけ、お互いが混ざり合った。そんな風にも思えた。
ラーヘル
「次は私の名前を呼んでくれよ、何度も……」
ラーヘル
「ラーヘルって言うのは、羊ってえ意味なんだ」
ガフ
「…そりゃあ」
羊、という言葉にぴくりと体が反応する。
ガフ
「最高に面白いなぁ」
口元が歪み、女に影が落ちる。
ガフ
「じゃあ、娼婦と客。女と男。羊と狼らしく…もう少し遊んでいこうぜ」
ラーヘル
ない腕の代わりに、白い脚と目があなたを誘う。
ラーヘル
足の指先が少し持ち上がって、あなたの毛並みを挑発的に撫ぜる。
ラーヘル
女の身体は柔らかく、その下によりあたたかなはらわたがあることを想像させる。
ガフ
口が大きく開き、よだれが垂れる。
剥き出しになった牙は鋭く、あなたの肌など容易に貫くだろう。
ラーヘル
はらわたが噛みちぎられたり、首を齧られたり、脚を捥がれたり。
ラーヘル
死ぬつもりはない。ここで殺されてはたまらない。そう思いながらも。
ラーヘル
それがみょうに甘美に思えるのはなぜだろうか。
ラーヘル
私が殺したあの男。私を殺さなかったあの男とは全然違う。
ガフ
先ほどよりも、ずっと、ずっと。
目の前に横たわる女が美味そうに見えた。
ラーヘル
そしてそれが、あんたが気を許して、殺せそうって言う以上に……
ガフ
柔らかな肉、白い肌、女の匂い、部屋のわずかな灯りに照らされ…それらがさらに際立つ。
ガフ
ああ、美味そうだ。今、この女に牙を立て、肉を食い千切り、骨を噛み砕き、内臓を啜り、血を飲み干したら…それだけ気持ちよくなれるだろうか。
ラーヘル
それがガフにとってだけでなく、自分にとってもそうなりそうな予感を、わずかに感じながら。
ガフ
男の舌が、女の躰を這う。
大事に、大事に。大切なものを育てるように優しく。
ラーヘル
その舌を受け入れながら、女の吐息に甘いものがまた混じり始める。
ガフ
じわり。また、お互いが混ざるような感覚が訪れる。
[ ガフ ] 性食欲 : 0 → 1
GM
6 コックの末裔だ。行き過ぎた胡椒への執着で、あなたに胡椒をふりかける。
ガフ
お互いを知る、といってもそれは今のところ行為に及ぶことでしか成していない。
ガフ
相手を知るため、相手に気に入ってもらうためには何をするべきか。
ガフ
「そうして悩んだ俺はひとつの答えを出したわけだ」
ぽんっ、とベッドを叩き隣にいるあなたに語りかける。
ガフ
「そう、それは…贈り物、というやつだ」
指をぴっ、と立てる。
ガフ
「男だろうが女だろうが、惚れた相手には何かを贈る。別に惚れてなくても贈ったりする」
ガフ
「が。俺は贈り物をした経験が全くない。どちらかというと貰う側だったからな」
ガフ
「というわけでお前が欲しそうなものが皆目検討つかん!!かーっはっは!!」
ガフ
「わからんものはわからん。申し訳なさそうにしても意味はないだろうが」
ガフ
「というわけでラーヘル。欲しいものを言ってみろ!用意してやるぜ!」
ラーヘル
言われて、女は目を瞬かせる。ほしいもの、ほしいものか……
ラーヘル
冗談でちょっと言って反応を見たい気がする。
ガフ
そんなこと言われるかもとは思ってもいない。
胸を張ってあなたの返しを待っている。
ラーヘル
「そうだな……こういう時、娼婦への贈り物の鉄板は、服とか花とかだが……」
ガフ
「…娼婦に対してじゃねえ。お前に対しての贈り物だ、ラーヘル」
ラーヘル
こいつの疵に触ったときの、あの混ざり合うような感覚。
ラーヘル
殺されてもいいとか、殺されることが甘美だとか……
ラーヘル
リップサービスじゃなくて、私自身がそう思ってたあの感覚。
ラーヘル
私はこいつを殺すつもりってことを忘れちゃいけない。
ガフ
「…ん?確か、どっかの村で見たか聞いたした覚えはあるが」
ラーヘル
「実は、娼館にいると酒より甘いものに飢えるんだ」
ラーヘル
「こんな場所で場末の売れねえ娼婦なんかしてると、たまにすげえ食いたくなってさ」
ガフ
「なるほど、確かにこの世界じゃあ甘味は贅沢品か」
ラーヘル
「あれが欲しい……あんたに調達できるか、ガフ……?」
ガフ
この世界の救世主の扱いは、ガフの元の世界に少し似ていた。
末裔は救世主に対して腰が低い。
ガフ
もっとも、それはガフが強者であったからゆえなのだが。
ガフ
「さて。じゃあそのとうみつは今度仕入れるとして、だ…」
ベッドから立ち上がる。
ガフ
「ついでにこれをやる」
そう言って、自分の荷物からいくつかの品を取り出す。
ガフ
PC間の小道具の移動は、認められてますよね…?
ガフ
「この村に来るまでに仕入れたもんだ。別に持っていても困るもんじゃないと思うが、どうだ?」
ガフ
「薬はともかく、インクは俺が持ってても使う未来が見えねえ」
かはは、と笑う
ラーヘル
……そもそも、義手を頼むという手もあったが、堕落の国であれがなかなか仕立てられるものじゃないってのは分かっている。
ラーヘル
「思うと、誰かから贈り物をもらうのは初めてだ」
ガフ
「へぇ、そりゃあいい。お前も知らねえラーヘルを俺は知れたわけだ」
ガフ
歯を見せ、笑う。その瞳にあなたは、どう映っているのか。
ラーヘル
美味そうに映ってくれていたらいい。堪えきれずに準備が整う前に殺されたら困る。もっと自分のことを知ってほしい。これ以上踏み込まれたくない。
ラーヘル
ラーヘルにとってガフの言葉は直接的で、時に突拍子がなく、思考が乱された。
ガフ
「しかし意外だな。いなかったのか?過去にひとりやふたり…お前に惚れたやつ」
ラーヘル
少し迷う。いつもこういう時、適当なことを言ってきた。
ラーヘル
この相手に対しても、すべてを正直に話せば、末裔でないことがバレる。
ラーヘル
その目から逃れる方法はない。あなたに話させたのだから、自分の話をしなくてはならないだろう。
ラーヘル
「私は親がなくて、まだ子供で、遊びにちょうどよかったから」
ガフ
一瞬目を丸くするが、そのまま続くであろう言葉を待つ。
ガフ
「俺は惚れたぜ?」
まあ、今はもうガキじゃねえけどなぁ!と笑う
ラーヘル
いや、自分に惚れたのか、と思うような客がほかにいないではない。
ラーヘル
いないではないが、それでも目の前の男とは違う。
ラーヘル
それはほかのそういう客が末裔であるからか、それともこの男が特別なのか。
ラーヘル
「そういう女が惚れる奴もいない、と言いたいところだが……」
ラーヘル
救世主というものはそう思うほど、自分の口からそれを語ってしまうところがある。
ラーヘル
この男のように本気で笑わない。この男ほどに強靭で快活ではない。
ラーヘル
自分が素直に答えたことにも、自分がその男とガフを比べていることにもどこか驚いた心地で、ラーヘルは言葉を続ける。
ラーヘル
「あんたの話を聞いて、そうじゃなかったかもって」
ラーヘル
「ガフの世界には、刑罰や法律みたいなものはあったか?」
ガフ
「ああ、あったな」
神聖な戦いに水を刺した者は死刑、なんてものとかな…と笑う
ラーヘル
「私が好きだった男は、そういうのに触れた」
ラーヘル
「何でやつがそんなことをしたのか、誰も分からなかった」
ラーヘル
「そいつのことを分かってたつもりで、何も分からなかった」
ガフ
「考える必要あるか?」
そこで男は女の言葉を遮った。
ガフ
「考えたところで、そいつはもういねえ。死んでんだ」
ガフ
「じゃあ、答えはいつまで経ってもわかりゃしねえ。わかるわけがねえ」
ラーヘル
ガフは分かりやすい。愛した相手を殺して、食って、一つになって。でもそうすると一人になる。それに苦しんでいる。
ラーヘル
考える意味がないと思いながら、考える必要がないと思いながら、
ガフ
「また考えてるな?」
そう言って、ガフの腕があなたの頭を掴んで揺らす。
ガフ
「まあ、俺が話させたんだから無理はねえんだろうけど」
ラーヘル
「私にとってそういう男だったんだ。あれは」
ガフ
思い出さないわけがない。あんな、最高の快楽と後悔が入り混じった体験を。
その体験をくれた女のことを。
ラーヘル
声がふわふわと、あなたの言葉をなぞるだけのものになる。
ラーヘル
忘れようなどとは、考えてもみなかった、という声。
ガフ
「俺は、お前のそういう感情を向けられてるそいつが羨ましいとさえ感じる」
ガフ
「奪いたいと思うし、完全に俺のもんにしてえとも思う」
ラーヘル
「だから……あんたは……その女のことを忘れて」
ガフ
そしたらきっと、その先にあるはずだ。
致命的なまでの最高が。
ラーヘル
自分があの男を忘れない代わりに、
あなたがその女を忘れないでいることを許す。
ラーヘル
相手の心の中に入り込むつもりが、自分の中に入られている感触。
ラーヘル
挑発的な笑みはなりを潜め、あなたの目を見つめている。
ガフ
*ラーヘルの心の疵「人間」を愛で舐め、クエストNo.2(PC2のみ) 「心付けを渡す」に挑戦します。
ラーヘル
*お茶会MOD「セルフ横槍(PC1)」の効果により、横槍を行います。
[ ラーヘル ] ティーセット : 1 → 0
ラーヘル
2d6+2=>7 (2D6+2>=7) > 10[5,5]+2 > 12 > 成功
[ ラーヘル ] ヤリイカ : 1 → 0
[ ガフ ] ティーセット : 1 → 0
ガフ
2d6+3+2-5=>7 判定(+愛) (2D6+3+2-5>=7) > 8[6,2]+3+2-5 > 8 > 成功
[ ラーヘル ] 人間 : 0 → 1
[ ラーヘル ] HP : 15 → 14
[ ラーヘル ] とうみつ : 0 → 1
[ ラーヘル ] おくすり : 0 → 1
[ ラーヘル ] インクつぼ : 0 → 1
[ ガフ ] インクつぼ : 1 → 0
[ ガフ ] おくすり : 1 → 0
ガフ
「お互い、どうしたって忘れられない存在がいる。それが本当に忘れられないのか、試してみようぜ?」
ラーヘル
身体に触れられている以上に、その感触を感じる。
ラーヘル
それは、あなたに〈致命的な最高〉を差し出したから、それに背けないから。それだけか?
ラーヘル
そう囁く言葉に笑みはなく、頭の中で悲鳴が上がる。
ラーヘル
本当に大切なものが愛によって踏み躙られる恐怖が。
ラーヘル
湧き上がり、しかし助けを求める相手はこの男相手だけだ。
ラーヘル
この男に助けを求めることなどできはしない。
ガフ
「怖いかよ、楽しみかよ。それとも俺にゃ想像もできねえ感情か?」
ラーヘル
あなたに前に貫かれた時以上に、乱れている。
ガフ
「なんでもいい、それがお前のもんならなんだって構わねえ」
男の動きが激しさを増す。
ガフ
「言っただろう。俺は、お前の全部が欲しいんだ」
ラーヘル
食われる、と思う。前に抱かれた時には感じなかった。
ラーヘル
溶け合う以上に飲み込まれる。一部を差し出すのではなく、自分の中の大事なものが。
ラーヘル
この男の前にさらされて、舌の上に載っている。
ラーヘル
祈るように思い出している。自分が殺したあの男の死体を。
ラーヘル
だがそれが揺さぶられるうちに輪郭が曖昧になって、目の前の男しか見えなくなっていく。
ラーヘル
女の半ばで断たれた腕が持ち上げられて、ない指先があなたの首をつかもうと、意味のないことをする。
ガフ
その動きを理解したのかはわからない。
けれどガフもあなたに続いて、首に腕が伸びる。
ガフ
そうだ。あの男に向けた感情を、俺にも向けろ。俺に向けろ。
ラーヘル
ただ砂色の目だけが、燃えるようにあなたを見ていた。
ガフ
懐かしく感じる昂り。しかしその懐かしささえ置き去りに、男は女の瞳に自分の瞳を合わせる。
ラーヘル
自分では無遠慮に相手の心を暴いておきながら、自分の心に立ち入られたことに対して理不尽な怒りと、恐怖と、殺意が漲る。
ガフ
あなたさえ知らない感情も、男は自分のものにしようとしていく。
無遠慮に、心に入り込んでいく。
ラーヘル
大切じゃないのか、その女のことが。
大切じゃないのか、あの男のことが。
ラーヘル
締め付けは強くなり、息が追い詰められていく。
ラーヘル
こんなことは身体を繋ぐだけで、大したことではないはずだったし、
ラーヘル
私はあの男を忘れるはずがない、と思っていた、のに。
ラーヘル
女の悲鳴が細く長く伸び、身体が強張って、やがて途切れた。
ラーヘル
あの男のいなくなった場所に、今度はあなたを置くだけになるのだろうか。
GM
5 トカゲの末裔だ。長く辛抱強いという性質が、あるいはあなたに多くの仕事を求める。
ラーヘル
それは娼婦の仕事をし続けるということだった。
ラーヘル
殺す相手を見定めるための仕事が、見定めた相手を殺すまでの仕事に変わって、
ラーヘル
あなたが寝台に座ったが早いか、ラーヘルはそんなことを言った。
ラーヘル
「どうかな、最近の話がいいな。元の世界の話より」
ラーヘル
救世主と救世主の戦いは、心を削る戦いで、相手のことを知る必要がある。
ラーヘル
だからあなたを殺そうと思えば、あなたを知る必要がある。
ラーヘル
深く心に食い込んで、最後には手ひどく裏切ることで、あなたを殺せる。
ガフ
そんなことだろうと知らない男は。いや、知っていたとしてもこの男はどうせ喋っただろう。
ガフ
「この前やべえ亡者を殺したぜ!」
自慢げに、誇るように話を始める。
ガフ
「随分としぶとい奴でなぁ、殴っても殴っても死なないでやんの。まっ、残念ながら俺の方がしぶとかったから勝てたけどな!」
ガフ
元の世界では、そんな相手すらいなくなってしまっていたのだからなおさらかもしれない。
ラーヘル
あなたの楽しそうに話すのを見て、目を細める。
ラーヘル
「あんたは、惚れた相手を殺したくなると言ってたけど、」
ガフ
「戦うのが好きなんだよ、生まれた時からな。こればっかりは変わらねえし変えるつもりもねえ」
ガフ
「特段殺すことに執着はしてねえつもりだが、そうだな…。殺し合いになるほどの戦いは、やっぱりしてえよな」
ラーヘル
「──あの女も、殺し合いの相手だった、という話だものな」
ラーヘル
互いに忘れる、という話だったものを口に上らせる。
ガフ
「かっはっは!」
そう話を振られても気にすることなく笑いを返す。
ガフ
「…へ〜ぇ」
そう返ってくるとは思っていなかったのか、反応が少しだけ遅れる。
ラーヘル
「……あんたがほかの女にもう惚れられないぐらい」
ラーヘル
「私が死んだ後に、ずっと考えられ続けるぐらい」
ラーヘル
「自分にそれができるか、あんたにそれができるか考えてる」
ラーヘル
「私が死んだあと、相応しい敵が現れて、あんたはそれに夢中になっちゃうんじゃないかってさ」
ラーヘル
「あんたはそうしたら、私のことも忘れるか?」
ラーヘル
「……それじゃあもしかしたら、一寸考え直さないといけねえかもな」
ラーヘル
「私があんたのものになったら、死んだあとにあんたの中で消化されるのを待つばかりになる」
ラーヘル
「最初っから分かっていたが、あんたはなかなか惚れっぽい」
ガフ
「俺もよくわかんねえんだ。なんとなく、直感だ」
ガフ
「まあ、体の具合はいいし。性格も俺好み、惚れたのには納得だ」
ラーヘル
「私は、その女みたいに強くは見えないだろ」
ラーヘル
「ただの娼婦で、戦士じゃない。
腕もなくて、服を脱ぐことさえあんたに任せてる」
ガフ
「そんなに気になるかよ、俺がお前に惚れた理由」
ラーヘル
自分が今何を言おうとしたか、自分で驚くような顔をする。
ラーヘル
「渡した死んだ後に、ほかの女に惚れちまわないか」
ラーヘル
あなたにすべてを晒させたいと思いながら、自分のことを晒すのを躊躇っている。
ラーヘル
それはもちろん、自分があなたに身分を偽り、息を潜めてあなたに心を許させ、殺そうとしているからに他ならない。
ラーヘル
だがそれ以上に、もっと切実に自分を、守りたい。
ラーヘル
「あんたは……あんたが先に死んだとしてさ」
ラーヘル
「私に忘れられたら、しょうがないって思う?」
ガフ
「俺が、忘れられるような男だった。それだけだ」
ガフ
「確かに考えんのは嫌になるぜ。俺より強ぇ男がいたってことにもなっちまうしなぁ」
ガフ
「だからお前も、そうなりなくねえんだったらそうすりゃいい」
曖昧な言葉を並べる。
ラーヘル
「それとも、もっとあんたにとって魅力的になれってことか……」
ラーヘル
そうすれば、少なくとも相手に忘れ去られずには済む。
ラーヘル
でも私は、あの男を忘れることに怯えて、あんたを殺そうと思って。
ラーヘル
あんたを殺すと、あの男とあんたを同じ場所に置いて、いずれどっちも忘れそうな気がして。
ラーヘル
でも、あんたがそうやって言い切るのは、頼もしく思えた。
ラーヘル
あの男とあんたを同じにすることを恐れてる。
ラーヘル
「あんたを私のものにするには、強くならなくちゃいけないな」
ラーヘル
それは〈末裔〉にとっては夢物語だから、冗談めかして語る。
ガフ
「楽しみにしてるぜ」
だが、それを冗談とは取らない男がここにはいる。
ラーヘル
「楽しみかい。そしたらあんたは死ぬんだぜ……」
ガフ
「そんときゃ負けた俺が悪い。お前より強くなれなかった俺が悪い」
ラーヘル
「じゃあその時のことを、楽しみにしていてくれよ」
ラーヘル
「私があんたのものになるか、あんたが私のものになるか」
ラーヘル
この男を殺そうとするにはまだ準備が足らない。
ラーヘル
だから、こうして返答を保留にして、準備を続けて、会話をして。
ラーヘル
「楽しみにしてくれたら、やる気が出るからさ」
ラーヘル
2d6=>7 (2D6>=7) > 6[5,1] > 6 > 失敗
ラーヘル
*クエスト挑戦してたことにしました。ありがとうございます。
ラーヘル
*失敗 PC1の心の疵を回復するか悪化することで、行動とクエストの両方を成功したことにしてよい。この決定はPC1が行い、PC2が内容を指示する。その際、心の疵についてPC1自ら相手に明かすこと。
ラーヘル
まさかだすうぇでこんなに殺し合いの挑戦をしているとはね。
ラーヘル
宣言によって行動とクエストの両方が成功します。クエストは……心を染めるを宣言します。
ラーヘル
どちらの疵をどのようにするかは、PC②が決定します。
ガフ
なんでーーーーーーーーーーーーーっ!?!?!?!?!
ごーやん
これ以上ガフで喋ると出目がおわりそうなので名前を変える人
ラーヘル
それが目の前に見えた瞬間、自分を護らねばならないと思っていた女は、とっさに一歩足を踏み出す。
ガフ
「俺に並んで強そうじゃねえか」
笑みを浮かべたまま、目の前の女を見下ろす。
ラーヘル
もともと、自分が怪物になりたいと望んでいたのは、死んだ男のためだった。
ラーヘル
あの男は怪物だから、自分も怪物になりたかった。
ラーヘル
それは、怪物ではないという証左に他ならない。
ラーヘル
あの男のことを忘れろと言った男の前でそれを言うのは、
ラーヘル
自分にとっていかなる意味があって、自分はいったいどういうつもりなのか、
ラーヘル
はぐらかすように言いながら、分からずに自分で考えている。
ラーヘル
混ざり合ったあの時から、ずっとぐちゃぐちゃだ。
ガフ
まただ。またあの昂りが自分の内から溢れてくる。
ラーヘル
「お前が私を忘れるというのなら、そうされないように私はお前と同じほどになることを望む」
ガフ
「いつでもいいぜ。俺は、逃げも隠れもしねえからよ」
ガフ
怪物になんて今すぐなろうと思ってなれるものでもない。
そのはずだというのに、この女には期待させる何かがある。
ラーヘル
怪物になんて、なろうと思ってなれるものではない。
ラーヘル
自分はただの救世主で、心の疵があって、独りで戦って敗北し、今ここにいる。
ラーヘル
ただひとりの男を殺すためにこんなに時間をかけて、ただひとりの男に心を揺らされている。
ラーヘル
「ああ、逃げたり隠れたりするあんたじゃないって信じてるよ、ガフ」
ラーヘル
身体を重ねるのは、ただ身体を重ねるだけの行為。
ラーヘル
心を通わせるのとは違うから誰とでもできる。
ラーヘル
でも、心を通わせた相手とするとどうなるか。
ガフ
「お前が許すなら、いつまでも」
あなたの腰に手を回し、引き寄せる。
[ ラーヘル ] 怪物 : 0 → 1
ガフ
自分の腕の中で、今にも怪物が生まれようとしている。
ガフ
ずっと孤高の存在だと思っていた。
自分の他に、この場所に来る者などいないのだと。
ガフ
それが今。自分の目の前で生まれようとしている。
ガフ
これほど嬉しいことが、楽しみなことがあるだろうか?
ガフ
その刹那だけは、そこは俺たち二人だけの場所になることだろう。
[ ガフ ] 孤高 : 0 → 1
GM
9 暴力的な救世主だ。力を知らしめ服従させる。うっかりあなたを殺しても、誰も咎められない。
ラーヘル
そう思いながら、別の男に組み敷かれ、女の声を上げる。
ラーヘル
しかし、この男を殺したいとは思わなかった。
ラーヘル
「結局のところ私は腕のない娼婦で、すぐになろうったってなれない」
ラーヘル
あなたは、ラーヘルがそう言いながらあなたを見る砂色の目に、強い決意が漲っていることに気が付いたかもしれないし、
ラーヘル
もしかしたら、いつもこの女はそうだったかもしれない。
ラーヘル
とにかくこの女はなにかを腹の中で決めていて。
ラーヘル
それがあなたの言葉でたまに揺れることがあった。
ガフ
それに気づいてたとしても、気づいていなかったとしても…男は何も言わなかった。
ガフ
その砂色の目は、今しっかりとこちらを向いている。
ガフ
もう自分の意志は伝えた。
相手の意志も伝わった。
ラーヘル
なにかを待つようにして、寝台に腰かけたまま、立つあなたを見つめている。
ラーヘル
「そういえば、あんたは責務はもう果たしているのかい」
ラーヘル
「私に殺される前に亡者になっちまったんじゃ、たまらないぜ」
ラーヘル
そうして、少し回りくどい場所から、あるいはひどく直接的な場所から話を始める。
ガフ
「問題ねえ、この前殺したばっかだ。堕ちてきたばっかで、元の世界じゃ戦いのたの字も知らねえような奴だったから大して苦労も楽しみもなかったけどな」
ラーヘル
堕ちてきたばっかの頃は、自分もそういうことをしてたっけ。
ラーヘル
救世主としてこの男の横で話せていたら、それだってずいぶん楽しかったろうな。
ガフ
数日前のことだというのに、もう相手の顔も覚えていなかった。
今は、目の前のあなたをじっと見つめている。
ラーヘル
「責務はこなさなきゃいけないから、強いやつばかりと戦っていられない……」
ラーヘル
そういうガフが、格上の救世主に無謀に戦いを挑んで今日まで運よく殺されなかったことに感謝している。
ラーヘル
私以外を刻みつけられて殺されなかったことに。
ガフ
「構いやしねえさ、今は一等の楽しみが待ってんだ」
[ ラーヘル ] HP : 14 → 13
ラーヘル
2d6=>7 (2D6>=7) > 9[6,3] > 9 > 成功
ラーヘル
-6、それから聖遺物調達の-2をつけて判定をお願いします。
ガフ
2d6+3-6-2=>7 判定(+愛) (2D6+3-6-2>=7) > 11[5,6]+3-6-2 > 6 > 失敗
ガフ
「ま。それはそれとして…今日の楽しみでも味わうとするか」
男はそう言って女に覆いかぶさる。
ラーヘル
「そういえば、あんた、魔女って言われていた救世主を知っているかい」
ラーヘル
「自分の陣地を作って、そこに罠を張って救世主を待つんだ」
ラーヘル
「でも、格下の救世主にその罠を食い破られて、死んだとか」
ラーヘル
こんな時に、ずいぶんと脈絡のない話だった。
ラーヘル
「死んだって言うけど、死体が上がってないのさ」
ラーヘル
足先が、寝台の薄っぺらい布団の中を探った。
ラーヘル
「コインを失って、力を失った救世主を見たことがあるかい」
ラーヘル
「それまでどんなに強力な力を振るった救世主でも変わらない」
ラーヘル
足が器用に、掛布の下にあったナイフを引っ張り出す。
ラーヘル
それは、救世主にとっては取るに足らない武器で、素手と変わらない。
ラーヘル
足があなたのからだの下から引き抜かれて、伸びあがるように振るわれた。
ガフ
男の、戦いの中で磨かれた嗅覚は鋭い。
その〈素手〉が喉に触れる寸前で、体を逸らして避ける。
ガフ
男の首元の毛が少しばかり散るが、男は笑みを浮かべる。
ガフ
「例えばその魔女は…、そうだな。両腕が義手だった」
ラーヘル
笑い返す。体をひねってあなたの下から抜け出すと、距離を置く。
ラーヘル
片足の指先は、ナイフを手のように掴んだまま。
ラーヘル
もう片足で、腐りそうな湿った床の上に立つ。
ラーヘル
「全部嘘さ、私が末裔なのも、お前の心に残りたいってのも」
ラーヘル
それこそが嘘だと分かりながら、ラーヘルは言葉を紡ぐ。
ラーヘル
「魔女が、来たばかりの救世主に惚れるわけないだろ」
ガフ
「本当かぁ?!なあ、じゃあそれを教えてくれよ!!」
ガフ
「俺に届くくらいの怪物かどうか!俺に見せてみろよ!」
GM
*指定したクエストの効果によって、PC②には技能の改変を行ってもらいます。
ガフ
この殺意を、誰かに止められようものなら…それこそ狂ってしまう。
GM
心の疵MOD「逆棘」
裁判開始直前に、すべての○の心の疵を●にします。すべての舐めが、決定的なタイミングにより抉りへと変わるMODです。
[ ラーヘル ] 人間 : 1 → -1
[ ラーヘル ] 怪物 : 1 → -1
[ ガフ ] 性食欲 : 1 → -1
[ ガフ ] 孤高 : 1 → -1
ラーヘル
裁判MOD「不意を突く(PC1)」
PC1が行動順を決定できるようになります。またPC1は初めの手札を15枚引くことができます。(手札の上限は5枚で変わりません。引いたのち、5枚まで減らしてください)
PC1が終わらせると決めたとき、それが裁判開廷の合図です。
ラーヘル
*s2,s3,d3,d4,d7,s5,h5,s10,c9,c8,h10,c9,c8,s10,s8,d8,h9,hQを~
ラーヘル
*d4,s3,d7,h5,s10にするか……
ラーヘル
2d6+2=>7 (2D6+2>=7) > 11[5,6]+2 > 13 > 成功
ラーヘル
c(2+2+3+1) c(2+2+3+1) > 8
[ ガフ ] HP : 21 → 7
ラーヘル
2d6+1+6=>7 (2D6+1+6>=7) > 4[1,3]+1+6 > 11 > 成功
ガフ
2d6+0=>11 判定(+猟奇) (2D6+0>=11) > 9[5,4]+0 > 9 > 失敗
ラーヘル
殺意のこもった本気の一撃。女の瞳は狂気に揺れている。
ガフ
防御などいらない。怪物だという女の一撃をその身に受ける。
ラーヘル
「どうだい救世主様、いまのはなかなかだろう」
ガフ
「でもこんなもんは、亡者でも救世主でもできるわなぁ!」
ラーヘル
「そんなに言うなら、お前の大したところから見せてみな」
ガフ
3d6 (3D6) > 12[5,4,3] > 12
[ ガフ ] HP : 7 → 19
ガフ
興奮せずにはいられない。血が、肉が、踊り狂うのを感じる…!!!
ラーヘル
2d6+1=>7 (2D6+1>=7) > 11[6,5]+1 > 12 > 成功
ガフ
2d6+3=>12 判定(+愛) (2D6+3>=12) > 7[3,4]+3 > 10 > 失敗
ラーヘル
2d6+1+5=>7 (2D6+1+5>=7) > 4[2,2]+1+5 > 10 > 成功
[ ガフ ] HP : 19 → 5
ラーヘル
救世主にとっては〈素手〉と変わらないような、小さなナイフ。
ラーヘル
救世主とは言え、コインを持たない女が振るうのでは、威力はないはずのそれ。
ラーヘル
しかしそれが、研ぎ澄まされてあなたの体を切り裂く。
ガフ
再び、避ける仕草も防御する様子もなくあなたの方へと歩みを進める。
ガフ
その〈素手〉と変わらないような小さなナイフが、今は男の皮膚を突き破り…血を溢れさせる。
ガフ
それでも、男は笑みを浮かべたまま女の瞳を見つめる。
ラーヘル
亡者を倒した時、ガフは自分のほうが強かったからではなく、しぶとかったからだと言っていた。
ラーヘル
その意味をまざまざと感じながら、あなたの笑みを見返す。
ガフ
3d6 (3D6) > 12[1,6,5] > 12
[ ガフ ] HP : 5 → 17
ガフ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 6[4,2]+3 > 9 > 成功
[ ラーヘル ] HP : 13 → 1
[ ラーヘル ] HP : 1 → 4
ガフ
「じゃあ、次はこっちの番な。しっかり避けろよ…?」
ガフ
男の攻撃は至ってシンプルだ。鍛え上げられた肉体、〈素手〉による打撃。
ラーヘル
広い場所ならば、避けるのはもっとたやすいかもしれなかった。
ラーヘル
だが、狭いこの部屋では、何度も避けられるものではない。
ガフ
加減はしない。拳が女に触れてもなお、振り抜くように腕を振るう。
ラーヘル
軽々と吹き飛ばされて、壁に叩きつけられる。
ラーヘル
だが、女は足のナイフを離すことはなかった。
ラーヘル
体を立て直し、あなたの顔を再び睨みつける。
ガフ
「かはは!やるじゃねえか!!怪物に一歩近づいたなぁ!!」
ラーヘル
死にたくないという本能に従って、救世主を殺すことを決めた。
ラーヘル
私を心に刻みつけようと、私とひとつになろうと、私を喰らおうと。
ラーヘル
2d6+1=>7 (2D6+1>=7) > 6[4,2]+1 > 7 > 成功
[ ガフ ] HP : 17 → 3
ラーヘル
*補助動作でおくすりととうみつを使用します……
[ ラーヘル ] とうみつ : 1 → 0
[ ラーヘル ] おくすり : 1 → 0
[ ラーヘル ] HP : 4 → 12
ガフ
これ、愛毒と報復って続けて打っていいんですっけ?
ガフ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 11[6,5]+3 > 14 > 成功
[ ラーヘル ] 毒@3R : 0 → 3
ラーヘル
2d6+1+5=>7 (2D6+1+5>=7) > 10[5,5]+1+5 > 16 > 成功
ガフ
2d6+0=>16 判定(+猟奇) (2D6+0>=16) > 5[3,2]+0 > 5 > 失敗
ガフ
「かは、はっ!」
その刃を受けた瞬間、男の手があなたへと伸びる。
ガフ
男のその一撃は痣のように変色し、痛みを継続させる。
ガフ
そう言って笑みを浮かべているが、男の流している血の量は半端ではない。
ラーヘル
「私は……お前を殺すために、ここまでしたんだぜ」
ガフ
「かははっ!」
その言葉が、どれだけ俺を喜ばせるか知っているか?なあ?
[ ラーヘル ] HP : 12 → 10
[ ラーヘル ] 毒@3R : 3 → 2
ガフ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 6[3,3]+3 > 9 > 成功
[ ラーヘル ] HP : 10 → 0
ラーヘル
2d6+0 (2D6+0) > 4[2,2]+0 > 4
ガフ
伸びた男の腕が女の頭部を鷲掴みする。
砂色の目は、男を映したままに。
ガフ
そしてそのまま、砕け散ったベッドの上に女を叩きつける。
ラーヘル
原型をとどめないベッドがさらに崩壊する音とともに、
ラーヘル
そう思いながら無意識に腕を伸ばすけれど、その腕の肘から先はなく。
ガフ
「いや…」
男の口から吐き出される落胆の色は、隠し切ることはできず。
ラーヘル
「あんたの隣に並び立てるやつがいるといいな」
ラーヘル
でも、それは自分には過ぎた望みだったのかもしれない。
ラーヘル
きっと男にとって、自分は殺す価値もないものになったのだと思った。
ラーヘル
疵はずたずたで、亡者になるときはもう目の前だ。
ラーヘル
だが、殺してくれと乞うのも違う気がして、困ったような顔で男を見つめている。
ガフ
男は黙ったまま女を見下ろす。あなたを殺そうとも、救おうともする気がないように。
ガフ
しかしそれは、女が立ち上がるのを待っているようにも見えた。
ガフ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
ガフ
まさか才覚だけ値を設定し忘れてたとはね…(息が苦しい)
ガフ
2d6+0=>7 判定(+才覚) (2D6+0>=7) > 8[2,6]+0 > 8 > 成功
ラーヘル
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
ラーヘル
2d6=>7 (2D6>=7) > 11[6,5] > 11 > 成功
ラーヘル
あんなに喜んでいた男が、自分をじっと待っている。
ラーヘル
あなたの鼻先に、太陽に照らされ焼かれた砂礫の匂いが香る。
ラーヘル
砂漠の街に住んでいた。過酷な土地で、貧富の差は激しく。
ラーヘル
親のない貧乏な子供は塵のように扱われて、腕を失った。
ラーヘル
あの土地が嫌いだと思っていたが、自分はあそこに帰りたかったのか。
ラーヘル
それとも、忘れたはずの男をまだ未練がましく覚えているか。
ラーヘル
あなたが殺さなかった女は、あなたの目の前でゆっくりと消えていく。
ガフ
「いいさ、全部許すぜ」
あなたの嘘を許したように、男はまたあなたを許すと言う。
ラーヘル
笑い声を発する喉は、すぐに崩れてなにも音を発さなくなった。
ラーヘル
女の身体の代わりに、細かな砂が崩れた寝台の上に降り積もってゆく。
ラーヘル
そしてそれは、どんどんと体積を増していった。
ラーヘル
女は死んで、亡者が生まれいでようとしている。
GM
砂はどんどんと体積を増して、あなたの足元に絡みつく。
GM
暗く湿った部屋を満たし、飲み込もうとしている。
GM
救世主がいれば、あの亡者は倒されるかもしれなかったし、それまでに末裔が何人か飲み込まれるかもしれない。
GM
In The Dark, Small And Wet Room
ラーヘル
私が弱かっただけだから、忘れても仕方がない。
GM
暗く湿った部屋は消え、それはだれにも知られることはない。